コミュ障な吸血鬼の真祖として異世界生活   作:隷属

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吸血鬼、宿屋に泊まる

他の技能は後日との事でBランク冒険者の銀プレートを貰いギルドから出た。

「ルシアさん。この後はどうされますか?もし行く宛が無いのでしたら私達の拠点に来ませんか?」

エリーゼさんにお呼ばれしちゃった。

考える。

やはり異世界転移者のセオリーに則り宿屋には行くべきではないかと。

後落ち着いた環境で今の状況を整理したいし、試したい事がある。

でもここで断って戦乙女(ヴァルキリー)さん達との繋がりが薄れていくのは惜しい。

うーん、どうしようか。

「あの?どうしました?」

迷ってたら聞かれちゃった。

この複雑な気持ちをルシアちゃんで答えられるかな?

「……宿屋泊まってみたい」

駄目みたいですね。

「そうですか。では、良い宿を紹介しますね。それと明日その宿に迎えに行くので共にギルドへ行きたいと思うのですが良いですか」

コクリと頷く。

「ルシアちゃん宿に泊まるの?残念ね。今日は一緒に寝ようと思ってたのに…いつか一緒に寝ましょうね?」

セシリアさんから同衾の誘いを受ける。

うんうんと何度も頷く。

紹介された宿はうたた寝ケットシーという宿屋だ。

この辺りでは珍しい猫人族が経営している為この名前で、女性が泊まれる宿として、女性の仲間が居ないと男性は泊まれないらしい。

 

着くと中に入っていく戦乙女(ヴァルキリー)の面々。

「おや?いらっしゃいニャ。戦乙女(ヴァルキリー)さんが来るって事は新規の客ニャ?」

「えぇ、私達の命の恩人です。宿に泊まってみたいとの事です」

「ニャニャ!?街で最も高ランクな冒険者パーティの1つの戦乙女(ヴァルキリー)が命の危機だったニャ!?しかもこの少女が命の恩人ニャ!?」

「はい。そうです」

「お〜凄いニャ!」

おぉ〜〜語尾ニャだ!凄い!

「この紙に必要な情報を書いてニャ?あ、文字は書けるかニャ?」

「…書ける」

何故か話せて読めて書けるからなぁ。

書き終わってインベントリから前金で貰ったお金を出そうとしたのだが、

「はいニャ、これ部屋の鍵ニャ。3階ニャよ?」

「…お金」

「1月分のお金を貰ったニャ!」

「これでお礼になるとは思いませんが気持ちとしてお受け取り下さい。それと宜しければですが明日ギルドでの話し合い後に出来れば夕食を食べに来て頂けませんか?出来る限りの歓待をさせて欲しいです」

…なんか想像より感謝されているっぽい。

コクリと頷く。

「ありがとうございます!」

「じゃあまた明日だな」

「あっ、ゆっくりお休み下さい」

「ルシアちゃん、また明日ね?」

エリーゼさん、グレアさん、アルスさん、セシリアさんがそれぞれ別れの挨拶をして宿を出ていく。

良かった。少なくとも明日も4人とは共に行動できそう。

「こっちニャ」

そう言われて案内されながら3階に上がり、部屋に入ると想像より広かった。

「こっちにバスタブがあるニャ、ただし1日に使える水の量は決まっているニャよ?このバスタブを満杯にする量が使用の目安ニャ」

なんかイメージと違うなぁ。異世界物だとこういうのって無いイメージだった。あってもバケツ一杯の水を購入するとかだと思ってた。

「朝晩に料理が出るニャ、外で食べる日は前日までに言うニャ。そうすれば食費は差し引くニャ」

その後もいくつか宿の説明を受けると受付さんは出ていく。

…あっ名前聞いてなかった。

晩ご飯の時に聞こう。

まずはお風呂だ!

……このゴシックドレスってどうやって脱ぐのだろう。

1人で脱げるやつ?

「…こう脱ぐ」

おぉ〜。ルシアちゃんありがとう。

そしてルシアちゃん身体エッッッ!

キャラメイク頑張ったかいがあった。

誇らしげ、そっちなんだ。

わぁっ柔らかい。

 

2時間後

そろそろ夕食の時間だ。

こんな事では戦乙女(ヴァルキリー)と別れた意味がないじゃないか!

普段着っぽいコウモリの耳と羽付きのもこもこパジャマで食堂に行く。

「あの子が…」

「…あぁ」

「肌…綺麗ね、真っ白。顔も綺麗」

「本当に戦乙女(ヴァルキリー)より強いのか?」

男女比2:8位の割合で結構ガヤガヤしている。

空いている席に座ると暫くすると受付さんが来る。

「はーい晩ご飯ニャ?」

コクリと頷く。

「……名前」

「ニャ?」

「…教えて」

「?…あ、私の名前ニャ?」

コクリ

「私はニーナニャ」

「…ニーナニャさん」

「ニャは要らないニャ」

「…ニーナさん」

「そうニャ!では、暫し待つニャ」

ニーナさんだった。

 

飯が来るまで待機していると隣に女性が座る。

ん?テーブル席に?……いや結構混んでるな。

「お隣失礼しますね?」

コクリと頷く。

「ありがとう。ねぇ貴方戦乙女(ヴァルキリー)を助けたって話本当?」

コクリと頷く。

「……そう、ねぇ他にも仲間が居るんだけど同じテーブルでも良いかしら?」

コクリと頷く。

「ありがとう」

ちょいちょいと手招きすると男性3人、女性1人がテーブルに来る。ちょうど6人掛けだったからぴったりだ。

俺が1番最初に座ってたから奥の席になった。

「質問しても良いかしら?」

この人めっちゃ話しかけてくるなぁと思いながらもコクリと頷く。

「貴方はどんな武器を使うの?」

何が聞きたいんだろう?そう思いながら考える。

鎌、刀、大剣、槍、ムチ、籠手、銃、魔法の杖、弓矢、ロボット、着想型鎧、マジカルステッキ、ビームサーベル、テニスラケット、サッカーボール、トランプ、手裏剣、地雷、ワイヤーetc

全部挙げるの面倒くさいなぁ。

「……地雷」

「そ、そう。それじゃあ…」

「まどろっこしい。なぁおまえ!」

男性の一人が立ち上がって声をかけてくる。

「決闘しろ!」

「……何故?」

「決まってんだろ!突然ぽっと出のやつが貴族令嬢に取り入って自分たちより上扱いされれば腹も立つだろうが!」

!来た!王道展開だ!

成る程!この人たちはそういう理由で絡んで来てたか!

「…良いよ。…ご飯食べたらね?」

「あぁん!テメェ舐めてんのか!?ギルドに見せつけなきゃ意味がねえだろうが!」

えぇ、面倒くさいなぁ。

まぁ良いか。直ぐ終わるでしょ。少数だし。

「…明日ギルド行く。…そこで」

「おぅ!やってやらァ!」

そう言うと5人とも席を立つ。

あれ?食べていかないんだ。

「…食べないの?」

「アァ!当たり前だろうが!何が楽しくてテメェ何かと食わなきゃいけねぇんだ!」

そう言って去っていった。

入れ違いでニーナさんがご飯を運んでくる。

「お待たせニャ!」

そう言って持ってきてもらった料理は何というか素材の味という感じだった。

調味料をちょい足しして食べた。

 

さてさて、また部屋へ戻ってきたから今度こそちゃんと自分の能力を把握しないと。

「…眷属招来【コウモリちゃん】」

そう言うと血の陣が作られて真っ赤に光る。

その後ダボっとしたTシャツ1枚の姿で灰色短髪のコウモリの耳と羽の生えた幼女が2人現れる。

「わぁ!凄ぉ〜い!始めて呼び出された!」

「やるぜ!やるぜ!ルシア様の敵と戦うぜ!」

……何で1人好戦的なんだろう?コウモリちゃんを戦闘目的で呼んだ事ないはずなのに。

コウモリちゃんは幽世の一般NPCで最も数が多い。

設定的には働き者で従順なおバカちゃんである。

やっぱり数もやる事も多いからと変なバグを起こして変な挙動するからおバカちゃんという設定にしたのだ。

「…2人に質問」

「はい!」「イエッサー!」

各々の敬礼をする2人。

「…呼び出されるまで何してた?」

「畑に水やりしてました!サー!」

「皆で鬼ごっこしてました!イー!」

サーはともかくイーはショ◯カーだよ。

遊び時間だったのね。

幽世も問題なく稼働していたって事か。

「……何か変わった事は無かった?」

「特に問題なしです!」

「特に問題ありです!」

…ありなら何があったか言ってほしい。さっきから個性的な敬礼と謎の軍隊ごっこは早く飽きてほしい。

「……何があったの?」

「鈴鹿ちゃんが探索行けないって〜…あッ!行けないであります!」「あります!」

忘れかけてたなら忘れててほしかった。

鈴鹿はクリア済みのステージに探索へ向かわせて素材回収の周回を頼んでいる妖鬼のNPCだ。

それが探索へ向かえないか。謎の転移が原因かな?

「…分かった。…明日また呼び出す」

そう言い送り返そうとしたら、2人共待ったの構えを取る。

片方は歌舞伎みたいな、片方はスポーツのタイムみたいな構えだ。

………いや喋ってよ。

暫く待っても待ったの姿勢のままだった。

「…どうしたの?」

「添い寝!」「一緒に!」

2人がベッドを指さして言う。

夜なのに何故寝ると思われているんだろう?と思ったがパジャマを着ていたのを思い出した。

「……良いよ」

「ふぅ〜!」「いやっふぅ!」

2人はパタパタ俺の周りを飛び回る。

これで幽世への干渉は可能だと言うことは確認できた。

2人を幽世へ帰してまた呼び出せるなら幽世へ俺が戻っても問題無いだろう。

…多分。

 

「…次」

常世渡り

これはただのファストトラベルをキャラの雰囲気に合わせただけのやつだ。

暗闇の中に潜ると向かう先が出る。

【はじまりの森】

【幽世】 ←

現在地点は保存されていないようだ。

初期スポーンと拠点のみか。

特に設定がない時は前日に寝た場所がファストトラベル地点に登録される。

寝てない日は初期スポーンと幽世のみ。

現状は仕様通りだ。

森に行って攻撃系の能力をもっと試してもいいが、帰ってくるのが面倒だ。

ロボット出して最高速度でぶっ飛ばせばここまでは数分も掛からないとは思うがそれも色々台無しだしなぁ。

取り敢えず常世渡りをキャンセルする。

 

「お!」「ルシア様帰ってきた!」

捕まえていた狼を一匹取り出す。

口と手足を拘束された状態だ。

それでもグルルルルッと唸り声をあげて威嚇している。

「……眷属化」

指の先を少し切り血を滴らせて、それを狼の口の中に垂らす。するともがき苦しんだ後こちらを睨みながら息絶える。

ふむ?成る程ね?完全に理解した?

…………何故?

通常であれば眷属化は拘束してある段階で必中のはず。

「…不可解」

死んじゃったものは仕方ない。狼の血を回収する。

「起こさないでやってくれ死ぬ程疲れてる」

「逝ったかと思ったよ」

どういう言葉のチョイス?逝ったよ。

ハードボイルドな表情してんじゃねえよ。

その後もいくつか能力テストを行ったが眷属化以外は大体ゲームの効果もしくは設定通りだった。

 

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