コミュ障な吸血鬼の真祖として異世界生活   作:隷属

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吸血鬼、お呼ばれする

ギルド長が俺と戦乙女(ヴァルキリー)以外を訓練所から追い出すと、

「さて、戦闘、諜報、教導がかなり高水準で出来る事は分かりました。そうなると後の鑑定、鍛冶、料理等も想像を超えてきそうです。……料理は良いとして、鑑定の必要そうな物を用意しました」

 

そう言っていくつか物を置いていく。

真眼

秘匿されていない全ての情報は完璧に把握出来る。

使っている時は紅眼が輝きを増すエフェクトがカッコいい。でも、吸血鬼感は増す。

……あ、昨日の狼の眷属化の前に調べとけば良かった。

また今度捕らえた後試そう。

物を見てみると、

【濡れないハンカチ】:水を弾く。

【反響箱】:ボタンを押している最中の言葉をダイヤルを回した量の時間経過後リピートする。

【鏡写しの紙】:2枚セットで一枚に書かれた内容をもう一枚にも記載する。

等々、色々な物を鑑定した。

「……凄いです。見ただけでここまで的確に使い方を当てるとは」

ギルド長も喜んどる。

分かっているものと分からないものを混ぜて出したらしい。教えた物をメモしている。

 

「ありがとう御座います。鑑定依頼も今後募集しますね。さて、鍛冶ですが、自作の何かを持っていますか?」

「……ん。ある」

どれが良いかなぁ。凄い!って思われたいからなぁ。

…後ほのかに吸血鬼感を匂わせたい。

でも正直吸血鬼っぽい武器ってあんまり思いつかない。

倒す方だったら色々あるけど…。

……銃で良いか。

白銀のロングバレル式の拳銃を2丁出す。

片方は赤色の炎マーク、片方には水色の氷マークが付いている。

ソル・ルナと名付けた。

それを顔の前でクロスして構える。

カッコいい!

「……あの?それはどういうものでしょうか?」

あ、この世界は銃が無い感じですか?

「…武器…試す」

「では、あちらに訓練用の木の的があるのでそれにお願いします。」

人型を10体程設置して貰う。

バンッ!と一発撃つと反動で腕が上に上がる。

その勢いのまま身体を回転されて2丁で別の個体を撃つ。そして踊るように全個体に1発ずつ撃ち込む。

そこからガン=カタを披露するべく接近して、上へ蹴りあげて続け様に撃つ。銃口で殴打した後に追撃で撃つ。

近接用炸裂弾モードに切り替えてジャンプして3体の上を銃の反動も利用して回転しながら、蜂の巣にし着地する。

そして属性モードは切り替えて1体ずつ撃つと片方は発火し、片方は凍る。

締めに銃をクルクルと回して背中の腰辺りにクロスしてあるホルスターにしまう。

「……ん。全弾命中」

満足げに頷き、ギルド長と戦乙女(ヴァルキリー)がいる場所へ歩いていく。

「……どう?」

「凄かったですよ!ルシアちゃん!」

「えぇ、先ほどの決闘もそうでしたが技量が素晴らしいです!」

セシリアさんとエリーゼさんが手放しで褒めてくれる。

セシリアさんはぎゅ~と抱きしめてくれる。

「……クッ!ボクだってまだ大きく」

アルスさんは銃の反動で何がとは言わないが沢山弾んでいたからその分のダメージを負っている。

「……あぁ、凄かった」

?どうしたんだろう。グレアさんは決闘後辺りからテンションが低い。

「す、凄いです…ただすいません。技量なのか武器の性能なのかが分かりませんでした」

 

あ!確かに知らない武器を使っているから何処までが俺の実力で何処からが武器の性能かが分からないだろう。 

魔法の杖で魔法を使ったとして現代人は杖が凄いのか魔法使いが凄いのか、どちらの効果がどの程度影響しているかなんて分からないだろう。

「…使いたい人いる?」

「…まだ、まだ希望はあるはず。ある…はず……………はっ!ボク使ってみたいです!」

正気に戻ったアルスさんが立候補する。

うんうん、後衛だものね。遠距離武器は試しときたいよね。

「……はい」

ルナ(氷)を渡して、そのまま構えを手伝う。

反動で脱臼とかしないように姿勢を整える為に後ろから補助する。

むにゅ。

「グハァ!」

アルスさんにダメージが!お願い耐えてアルスさん!ここを耐えれば銃が撃てるんだから!

次回 城◯内、死す

「……真面目に…怪我する」

「あ、は、はい。すいません」

「……反動が来る……撃ったらこう…良い?」

そう言い、撃った後の動かし方を教える。

「はい。こう」

「…ん…撃って」

「はい」

バンッ!と炸裂音と共に弾が的の右手辺りを撃ち抜く。

「わッ!反動がすごい。これをルシアさんは片手で」

その後2,3度一緒に撃った後、1人でも撃ってみる。

「外れた………あ、当たりました!」

ピョンピョン跳ねて喜ぶアルスさん。

可愛い。

「…ん。次ここ触って」

「え?はい」

その後もう一度撃つと1発でお腹に当たる。

そして、銃痕から凍った。

「……そこが…切替」

「……え?魔力消費なし?……え?」

この武器が使用する世界観設定は魔素と術式だ。

大気に漂う魔素を物質や魔術に変換する機構だ。

内部での爆発も火薬を使わない。

魔素がない場所では使えないが、設定していない場合はどこにでもあるという設定の魔素だ。

最も酷使し過ぎると術式が焼き切れたりはする事もあるので、メンテナンスも必要もなる。

 

驚いた後アルスさんに詰め寄られる。

「この武器はどうなってるんですか!何で魔力消費無しにあんな現象が!?」

「……魔素を物質に変換…爆発術式起動…燃焼と冷却の術式付与」

「う、嘘。魔道具を自作…ロストテクニック」

「……とんでもない。ある意味これが最もとんでもないですね」

アルスさんは呆然としている。

ギルド長はまたもや顔を引きつらせている。

暫く頭を抱えた後、

「…申し訳ありません。こちらは広めた後の影響を考えてから運用したいと思いますので暫く魔道具を自作出来る件は秘密にしておいてもらえますか?」

コクリと頷く。

「ありがとう御座います。取り敢えず能力の把握は出来ました。…いえ、全容を把握出来てないとは思いますが」

そりゃそうだ。こちとら戦闘機にも乗るしロボットにも乗れるぞ。

そうして今日はお開きとなった。

 

「さぁルシアちゃん。この後は私達の拠点でパーティですよ!」

セシリアさんとまた手繋ぎして歩き出す。

何となく逆の手もアルスさんと繋ぐ。

「んぇ!?」

「……一緒」

「は、はい」

「ふふっ、お姉ちゃん達に挟まれて嬉しいね?」

コクリと頷くと、セシリアさんに頭を撫でられる。

「……そう言えばルシアさん。決闘の時は結構饒舌にしゃべってましたわね」

「……え?……あ、あぁ。そうだったな」

エリーゼさんとグレアさんが向こうで会話してる。

 

そうして大きめのお屋敷にたどり着くと、メイドさんが出迎えてくれる。

おぉ!初めてメイドさん見た!

「ようこそお越しくださいました。歓迎の準備は出来ています。ルシア様」

「……メイド」

「はい、メイドをさせてもらっています、アンネと言います。以後お見知りおきを」

そうして優雅な礼をされる。

そうして屋敷内に案内されるが思いのほか人数が多いなと感じる。

いや、屋敷の管理にどのくらい人が必要だとかはわからないけど。

既に8人近くのメイドさんとすれ違った。

そう感じながらも大広間に出る。

いかにもなパーティ会場にテンションが上がる。

漫画肉まである!鉄串仕込まないと!

「改めて、ルシアさん。私達を助けて頂きありがとう御座います。本日は楽しんで頂けると幸いです」

「あぁ、本当に助かった。ありがとう」

「ボクもう駄目だと思いました。本当にありがとうございます」

「私も気絶したまま永眠する所だったわ。ありがとう」

エリーゼさん、グレア、アルスさん、セシリアさんがそれぞれ感謝の言葉を述べてくれる。

何というか照れくさいのと転生直後+ゲーム感覚の延長上のふわふわしたノリで助けてしまった事に申し訳なさを感じる。

「……助けられてよかった」

そう言うとメイドさん達が皆に果実水の入ったグラスを渡していく。俺もアンネさんから渡される。

「では、最高の恩人に乾杯!」

「「「乾杯!」」」

「…乾杯」

 

その後、気になっていた漫画肉を食べてみる。結構糊料をふんだんに使っているのだろう。こういうあからさまなカロリーと言う感じがたまらない。

…ルシアちゃんになってから食欲は血を飲めば満たせるようになったが、食べる事が出来る量は格段に増えた。

「…ど、どうでしょうか。…昨日貰った食事には勝てそうにありませんが…」

えっ?サンドイッチ>漫画肉なの?

いや流石に漫画肉のほうが好きだよ俺は。

「…こっちの方が好き」

「まぁ!良かったです!」

そうエリーゼさんは心底嬉しそうでホッとした様子だった。

その後もメイドのアンネさんが付きっきりで色々お世話してくれた。

ケーキやローストビーフみたいな肉を切り分けてくれたり、果実水のおかわりをくれた。

この国では15歳から成人の為、主賓の俺が未成年だからお酒は控えていたらしいが、気にせずに飲んでいいよというとアルスさんが真っ先に飲み始める。

「…アルス様は今年大人になりまして。見た目の関係で年齢以上に子ども扱いされる事が多くあり、大人の行動をしたがるのです」

アンネさんがこっそり教えてくれる。

どう見ても背伸びする小さな女の子を見る目だった。

 

そんなアルスさんを肴に柑橘系っぽい果実水を飲む。

食べた事のない果実の味でこれも良い。

…ちなみに俺はお酒あんまり好きじゃない。

別に飲めない訳じゃないが美味しいと感じた事がない。

高い物が飲める機会があったら飲んでみたりしたがコーヒーやらメロンソーダの方が美味しいと思う。

「……私は赤ワイン…好き」

ルシアちゃん!?そうだったの!?

飲める時は飲むね?吸血鬼っぽいし。

……嬉しそう。そんなに好きなんだ。

………何が良いんだろう?お酒。

 

「ボクだって!まだまだ大きくなるんです!!」

「あ、アルス、落ち着いて。酔ってるわよ」

「ボクは大人です!このくらいでは酔いません!!」

そう言っていたアルスさんは、数十分後には寝息を立てていた。

セシリアさんとエリーゼさんとアンネさんともう1人メイドさんを呼ばれてアルスさんは担がれていった。

…哀れ、明日は二日酔いでしょう。

合掌。

 

「…ルシア。ちょっと良いか」

グレアさんが話しかけてくる。何というか今日途中から明らかにテンションが低かったから気にはなっていた。

「……ん」

頷くと

「ありがとう。…ついて来てくれ」

ついて行くと中庭に出る。そこで立ち止まる。

長い沈黙の後グレアさんはこちらへ振り返る。

「……命を助けてもらった身でこんな事を言うのは烏滸がましいと分かっている。だがすまない、頼みがある」

「…ん」

「アタイと…戦ってくれ」

 

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