コミュ障な吸血鬼の真祖として異世界生活   作:隷属

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吸血鬼、拠点に帰る

甘い良い匂い、柔らかな抱き枕、温かい温度を感じながらも目を覚ますと部屋の中はオレンジがかっていた。

「…ん。…ふふっ」

めちゃくちゃ柔らかくいい匂いの抱き枕に顔を埋める。

「あ、ルシアちゃんが笑いました。可愛い」

……ん?ここは…何だ天国か。女神様居るし。

ぎゅ~。

「あ~起きてたのね。もう夕方よ?」

ツンツンと額をつつかれる。

「……ん。おはよう」

「おはよう、ルシアちゃん。昨日もそうだったけどルシアちゃんってもしかしてお寝坊さん?」

……コクリと頷く。

嘘はつけない。ついてもどうせバレる。

というか夕方まで付き合ってくれたんだ。

流石は女神様。

「やっぱりそうなのね〜。実は今日ね……」

セシリアさん以外は今日もギルド長と話し合いに行ってきたらしい。

3日後に私と戦乙女(ヴァルキリー)で再度始まりの森へ調査を行う事となったらしい。

始まりの森はあの森にあくまでファストトラベル先名としてであの森に名前が付いてる訳じゃないけど。

「…ん。分かった」

その後も少し抱きついてから渋々ベッドから降りる。

「…今日は宿に帰る…また、寝る」

「はい!また一緒に寝ましょうね?」

コクリと頷き、手を振りながら部屋を後にして、宿へ戻ろうと1階に降りていくと、

「うぅ~頭痛い〜もう許してよ〜」

「駄目です!恩人への感謝としてのパーティーの場での昨日のお二人の態度は許せません!お説教です!」

「おぅ、反省してる」

脇の部屋からエリーゼさんのお説教の声が聴こえてきた

…多分ここで俺が制止してもあまり意味はないだろう。

他所の家の教育の邪魔をするべきじゃないと思うので一声掛けて帰ろう。

「…おはよう」

「あっ、起きていたんですね。おはようございます。すいません、煩くしてしまって」

フルフルと首を振り、

「…昨日は楽しかった」

「まぁ!良かったです!ただ、昨日は更に迷惑やパーティメンバーの面倒を見てもらいましたので、また改めて御礼をさせて下さいね?」

コクリと頷く。

「…そろそろ帰る……3日後」

「はい、3日後はご迷惑をかけないように頑張りますね!」

そうして別れの挨拶をして玄関に行くと、庭掃除をしていたのか掃除用具を持って玄関からアンネが現れる。

「お帰りでしょうか?」

コクリと頷く。

「では、お見送りに」

そう言い玄関先まで一緒に歩く。

……話しかける話題がない。

気まずい沈黙がそこにはあった。

な、なにか喋ったほうが?

「……あの」

なにか喋ろうとしたタイミングでギィッとアンネさんが玄関の門を開いていた。…駄目だ完全にタイミングを逸した。

「?何かおっしゃいましたか」

フルフルと首を振り、

「そうでしたか。では、改めて我が主達をお救い頂き大変ありがとうございました」

深々と頭を下げられた。

「…救えて良かった」

「ルシア様であればいつでも歓迎するように仰せつかっています。また、いつでもいらしてください」

そう言われて別れた。道を1人で歩くのは初めてでキョロキョロ辺りを見回しながら宿に戻った。

明日、明後日辺りに街の散策もしてみよう。

 

「あらっお帰りなさいませ。ルシア様ですね。こちら3階部屋の鍵です」

!?ニーナさんが……ニャって言ってない!?

「…………」

「あぁ。はぁ…」

何故かため息をつかれる。

「ニャニャ言っていたのは私の双子の姉です。シズです。よろしくお願いします」

「………ニャは?」

「あれは姉のキャラ付けです。別に付ける必要も付けたほうが自然とかでもありません」

ガーーン!!!?…そうだったんだ。

「……はぁ…その反応もこの説明ももう何回やった事か。分かりますか、毎度毎度店番する日は1,2回はそういう反応をされるこっちの身が…もう本当に面倒くさい事この上ないです」

あぁ、やさぐれてしまった。

あれか、安室って苗字の人がアムロ、行きまーすって言われるやつか。

言ってるお前は楽しいかもしれないがこっちは何百回も聞いてんだってやつ。

…ちょっと申し訳ない気持ちになった。

「……ごめん」

「あぁ、すいません。当然お客様が悪い訳では無いです。適当なキャラ付けしてる姉が悪いだけですので、ごめんなさい」

シズさんは、やさぐれ解除して頭を撫でてくれる。

その後部屋へ戻り、鍵を締める。

常世渡りで今日はちゃんと幽世へ移動する。

 

 

拠点のワープ位置である椅子から上を見るとガラス張りの天井から薄っすらと月が見える。

昼間は常に雷の鳴る程の曇天。

夜は月が見える程の晴天。

2つの天候が時間で切り替わりフィールド効果が変わる仕組みだ。

そんな環境で荒れた大地に聳え立つグランドキャニオンのような岩壁。その上に建つ居城。

それが俺の作った幽世。

「お帰りなさいませ、ルシア様」

「…ただいま」

玉座に座っている状態で足を組む。

目の前にフランが控えていた為カッコつけてむちむち太ももを晒し、肘置きに肘を載せて頬杖を付く。

「……フラン…鈴鹿、ヴェル、ロティ、氷雨…会議室」

「かしこまりました」

一礼をして玉座の間から去っていく。

さて、約束通り呼ぶか。

「…眷属招来【コウモリちゃん】」

「赤!」「青!」「黄!」

「「「3人揃って!蝙蝠四天王!」」」

なんでやねん!何処から現れた3人目!

戦隊モノみたいなポーズ取ってるくせに、名乗った色とか何も関係ない。せめて名乗った色の布でも巻いて!

後は四天王の数も揃ってない!

ツッコミどころだらけ!

「…どこから?」

「そこ!ずっとスタンバってました!」

柱の後ろを指差すコウモリちゃん。

あぁこれやりたくて待機してたのね。

「…会議室…行くよ」

「よっしゃ!」「案内!」「任せろ!」

俺が作ったんだから分かるけど…

まぁ張り切って案内してくれてるしいいかな?

そうして会議室に入ると、既に幹部5人が集まっていた。

 

参謀:フランケンシュタインのフラン

ツギハギだらけの女性、人工的に3人分の身体を組み合わせて作られた実験生物であり、研究所で酷い扱いをされていた所を私が助けたという設定である。

参謀的なポジション用に作成して私が居ない時の居城の管理、運営をしている。

見た目は美人で巨乳、超長身で2m50cm、ふんわり癖っ毛のセミロングで黒と白で顔のツギハギ位置で髪色が切り替わっているデザインだ。

目の色も同様で片方の目が碧眼、片方は黒眼である。

服装は男装の麗人のようなスーツ姿。

 

素材採取班リーダー:妖鬼の鈴鹿

ピンク髪のゆるふわな雰囲気のグラビアボディで妖艶。2本の角が生えており、動きやすい改造和服で上乳を出している。

義賊として、権力者から盗み貧民に分け与える生活をしており捕まり処刑される所で助けたという設定である。

日本刀を使いクリア後ステージの周回を担当してくれているNPCだ。

 

生産班リーダー:狼人間のヴェル

ヴェルは灰色の髪のロングに伸ばした低身長な女の子だ。容姿が似ている事や仕事で係ることが多い為、よくコウモリちゃんに絡まれている。

新月から満月までの経過で人間から狼人間へと変遷していく。その過程で性格は荒々しく身体は大きくなっていく。

人間時は色々な服を着ているが、徐々に服を脱いで毛皮だけになっていく。

4形態存在しており1人で4人分のデザイン作成した為思い入れも強い。

 

鍛冶&建築班リーダー:ゾンビのロティ

ロティは紫の髪の癖っ毛全開のミディアムヘアで顔色が悪いダルそうな疲れたオフィスレディのようなお姉さんだ。

休む必要のない身体で常に鍛冶&建築を行っており、心が疲れ気味という設定だ。

…何処かで休ませてあげよう。

 

唯一の戦闘補助要因:雪女の氷雨

氷雨は真っ白な髪や肌、青目で床につくほどの長髪の女性だ。温和で堅物な性格をしている。

服装は雪女らしく真っ白い死装束であり、氷系の攻撃を行う。吸血鬼の俺は火山ステージとかだとフィールド効果だけでほぼ死なので、そういうステージ向けのお助けNPCだ。

 

その5人が縦長のテーブルに腰掛けている。

お誕生日席に座り、会議をスタートする。

コウモリちゃん達3人も俺、鈴鹿、フランの上に座り会議に参加するようだ。

「……今の世界…他と違う」

今回俺が行った世界は今まで行っていたゲームのステージと違うと伝える。

「そうねぇ~。私達も今まで行けてた別の世界へ行けなくなってるわぁ」

鈴鹿はそう言ってお手上げと手を広げる。

彼女は初日から探索行けないって気付いてたしね。

「……そう…新しい世界がおかしい…対策」

「成る程。…どのような変化があるか分かる限りお願いします」

フランが質問してくる。

む、難しいな。ゲームの中に入ったとかは説明出来ないだろう。

あ、でもこれは言えるな。

「…この世界以外に行けない…封鎖」

「えっ?鈴鹿ちゃんだけじゃなくて、ルシア様も?」

ヴェルの問いにコクリと頷く。

「はぁ、素材が足りなくなる」

ロティが頭を抑えながら発言した。

「…今すぐ必要な物はない」

「えぇ、食べるには困らない様に生産します」

ヴェルがそう宣誓した。

「ルシア様、戦闘補助は必要ですか?」

氷雨が質問してくる。

戦闘も対策を考えないとな。安全第一だ。

「…必要…そう考えるべき」

「そうですね。何が起きているか分からない以上、現世離脱も出来ない。その最悪の自体を考えておくべきですね」

現世離脱はゲームオーバーの事だ。

強制で幽世へ戻されるので現世離脱という名前だ。

出来たらチート過ぎるよね。

なので、吸血鬼の天敵の太陽もとい火や光の攻撃への圧倒的な弱さを解消する為の味方ユニットの氷雨は側に欲しい。

「遂に出番が来た!」「時代が追いついた!」「やってやんよ!」

コウモリちゃん達が口々に話す。

何でコウモリちゃんを戦闘補助に呼ぶと思った。

幽世内最弱だよ?

「…コウモリちゃんは危ない…氷雨」

「かしこまりました。以後お供します」

「その世界はどのような環境なのですか?」

今分かる世界の話を皆へ話す。

魔法と剣の世界っぽい事や今の所見た人類は人間、エルフ、猫人だと伝える。

ゲームの世界とは規模の違う広さ、敵の少なさ、弱さ、非敵対人物の多さ等は元が無双系ゲームだから普通の世界と比較すると違いは多い。

「……そうなるとぉ、私達もその世界に行ったほうが良くないぃ?」

鈴鹿がそう言う。

確かにこのままでは素材採取班と鍛冶&建築班のやることが無いし、素材採取班達もそこそこの戦闘は出来る。

敵の強さが分からない状態では、鈴鹿1人ならば問題無いだろうが、他の素材採取班が心配だ。

「…素材採取班…まだ心配」

「そんな事無いわぁ、頑張るわよぉ?このまま放置するとぉ、私達もロティ達も役割が無くなっちゃうわぁ」

「整理しましょう。まず、氷雨はルシア様に合流するのは確定。素材採取班は保留ただしその内解禁予定。ではルシア様との関係性や各々の立場を考えましょう。今までの世界より社会的であるらしいのでしっかり考えていきましょう」

フランが整理してくれた。

後から合流するとなると下手にその場で設定を考えると綻ぶかもしれない。

幸い口数が少ない為大丈夫かもしれないが。

「では、私はルシア様の姉という事でどうでしょうか?牙の有無や目の色以外の身体的特徴は近しいように感じます」

氷雨の提案にコクリと頷き、

「…優しい姉」

「承知致しました」

「じゃあぁ、私達は商人団という事にしましょうかぁ?ルシア様との繋がりも作っておきましょうかぁ。何が良いかしらぁ」

「はぁ、助けられたとかで良いんじゃない?」

鈴鹿とロティの案で昔、モンスターもといこの世界では魔物に襲われていた鈴鹿達を助けたという感じで行くことになった。

…鈴鹿達をあの世界に行かせるのはもう少し後だが。

鍛冶や生産、建築が必要な時はその商人の職人としてやっていく。助けた場所は合流前に地図を入手してから考える事となった。

…ちなみにコウモリちゃん達は3人ともここまでの話し合いでついて行けず、座っている俺達の顔をペタペタ触ったり、足をパタパタしたりしてたが、今はおねんねしてしまった。

その後、細かい合流のやり方やらを話し合い会議を終了する。

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