月曜日、俺は大学で講義を受けていた
教授「つまりニーチェの神は死んだとは、キリスト教的な価値観や絶対的な正解が現代社会で通用しなくなったことを指しており、世の中に絶対的な基準がないからこそ、自分で価値を作る必要があるという意味で〜」
俺は現代思想を取っていて、今日はニーチェの哲学についてのようだ 世間の常識や他人の評価に流されず自分の力で人生を切り開こうとする思想家だ、俺自身、世間の常識や評価など気にせず専業主夫を目指しており群れの中で生きることが正しいという普遍的な価値観に逆らっている
つまり逆説的に考えて俺マジニーチェ
などと下らないことを考えながらひたすらノートを取る、普段から哲学者バリに色々と思想を膨らませている俺にとってこの手の講義は割と楽しいのである
教授「えー今回の講義はここまでだ、みなお疲れ様」
4限の講義が終わり、講義室が騒がしくなり始めた、俺は軽く伸びをして一息つく
なんか講義中からずっと携帯の着信音が鳴ってるが面倒なので無視する
男子「今日テニサーの飲み会来る?」
女子「行く〜」
男子「二次会でダーツバー行くらしいから、俺マジ上手いから見てろって笑」
予想はしていたが大学に入ってもリア充共の生態というのは全く変わらないらしく、むしろ行動範囲や自由時間が跳ね上がるためより一層目障りな行動が増えている、酒とセックスとドラッグしか頭にないような連中がゴロゴロしているのが私立大学だ(偏見)
八幡「さて、帰って録り溜めたアニメでも見るか」
そうして講義室を出て帰ろうとしたその時、後ろから肩を掴まれ、振り向くと頬に人差し指を突き立てられた
楓「ちょっと、なんで連絡したのに返さないの?」
そこにいた少女の名前は姫宮楓、先週の金曜日にいきなり人のこととっ捕まえてノベルゲームのシナリオを読ませてきた変な奴だ
八幡「あーあれお前だったの、スマン後から返そうと思ってた」
楓「もー、この前別れる時また月曜に会おうって言ったよね」
八幡「それで、今日はなんだ?またシナリオの原稿でも書いてきたのか?」
楓「ふっふっふ、比企谷くん」
八幡「なんだよ急に」
楓「実はね、サークル作ろうと思うんだ!」
八幡「おーそりゃ良かったな、んじゃ頑張れよ」
楓「ちょっと待てい!」
八幡「グエッ!?」
いきなり後ろから首根っこ掴まれてカエルみたいな声が出る、誰がヒキガエルだ
楓「入るんだよ!比企谷くんも!」
八幡「は?何言ってんのお前」
楓「ノベルゲームやアニメについて研究、制作することを目的としたサークル、ズバリ、ノベルゲーム研究会サークル!」
八幡「そのまんまじゃねーか」
楓「サークル長は私、比企谷くんは副長兼アドバイザーだね」
八幡「あのなぁ、この前は成り行きでお前の書いた原稿見たが継続的に付き合うなんて言った覚えはないぞ」
楓「えーでもどうせ友達いなくて暇なんでしょ」
八幡「生憎休みの日使ってまで外出たくねぇんだよ」
楓「むー、じゃあ比企谷くんの部屋で活動してもいいから」
八幡「なんでそうなるんだよアホか」
楓「お願いだよ、比企谷くんしか私のこと本当に理解してくれる人いないんだから」
上目遣いで見つめられる、まずい、俺はお兄ちゃん属性なのでこの手の攻撃には弱いのだ
八幡「...わかったよ、たまに顔出すくらいでいいなら」
楓「やったー!やっぱり比企谷くんは押しに弱いっと」ボソッ
八幡「なんか言ったか?」
楓「ううん、なんでもないよ」
八幡「ていうかどうやって作るんだ?公認サークルになるためには最低人数5人と顧問が必要って書いてあるぞ」
楓「とりあえず非公認でいいんじゃないかな、メンバーはこれから勧誘しよう!」
八幡「当てはあるのか?」
楓「一応ね、私、アニメーション文化論や現代サブカルチャー論の講義取ってるからそこにいる人達なら興味持ってくれると思う」
八幡「ほーじゃ早速声かけたらどうだ、お前そういうの得意そうだし」
楓「うん、比企谷くんも声かけるんだよ」
八幡「なんでそうなるんですかね」
そのまま姫宮と共に手分けしてそれっぽい奴に声かけていくことになった、適当に見つけさえすれば俺はそのままフェードアウトして自由気ままなぼっちに戻ることができるのだ
とりあえずアニメとノベルゲームに興味ありそうな奴、材木座みたいな奴を探せばいいのか
キョロキョロしているとちょうど机でカードゲームしながらオタクっぽいトークを繰り広げているグループを発見した
リュックサックにvtuberと思わしきキャラが描かれた缶バッジをつけていていかにもだ
男子A「流星のガイアッシュカイザーを召喚!」
男子B「うおーガイアッシュ2体は鬼畜w、これでクリーチャーの速攻は完全封印、ここからどうする」
男子C「俺はボーマダンマを召喚!出た時の効果でガイアッシュカイザーを破壊」
男子A「うわマジか!」
なんとなくだがやめといた方がいい気がする、この手の連中と同じサークルでやっていく自信がない、同じ陰キャではあっても相まみえることのないタイプだ
図書館辺りで探すことにした、歩いていると自習室ではパソコンで作業をしている人達がいる
純粋に読書を楽しみに来ている文学青年や少女辺りを勧誘したいのだが
図書館の外に並んでいる机を見ると、小綺麗な格好して小説を読んでいる女性を発見した
あの子とかいいんじゃないか、趣味も合いそうだし読書家ならシナリオ書くのも得意だろう
読んでる本をキッカケに話しかけることにする
「そして誰もいなくなった」か、確かアガサクリスティーが書いている有名なミステリだ
読んだことないから内容はなんとなくしかわからないが、声をかけてみよう
八幡「あの...」
少女「え、はい...」
八幡「その本って有名ですよね、ずっと気になってて、面白いですか?」
少女「はい...」
八幡「本とか、よく読まれます?」
少女「はい...毎日読んでます」
八幡「じゃあ創作とかしてみるの、興味ないですか?」
少女「その、実はあります、いつか自分でも書いてみたいなって思ったりは」
ビンゴだ
八幡「ノベルゲームのシナリオ書いたりは興味ないですか?」
少女「あー、アニメの原作とかですか」
八幡「そんな感じっすね」
少女「なんでですか?」
八幡「実は今サークルを作ろうとしてて、ノベルゲームの制作を目的としたものなんで、興味のある人探してたんですよ」
少女「そうなんですね、楽しそうだしちょっと様子を見てから決めてもいいですか?」
八幡「全然大丈夫ですよ、名前と学年を教えてもらえますか?」
少女「園田葉子、学年は1年生です」
八幡「タメっすね、了解です、じゃあサークル長に会わせたいんですが今から大丈夫ですか?」
葉子「大丈夫です」
八幡「じゃあ行きましょうか」
こうして姫宮の提案によりサークルを作ることになりメンバーを勧誘した、これからまた忙しくなりそうだ、どこの社畜なんですかね俺は