やはり俺達の創作論は間違っている   作:かみころ

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文学少女と電波男、それと便座カバー

サークルメンバーの勧誘ができたと姫宮に一本連絡を入れておく

八幡『おい、興味持ってくれた人1人見つけたぞ』

20秒後くらいだろうか、姫宮から即レスの返信が来た

楓『でかした!ナイスだよ比企谷くん!でもこっちはちょっと色々あって...』

色々とはなんだろうか、あいつの強引さなら相手に不快感を与えて何か厄介なことにでも巻き込まれても不思議ではないが

こちらもすぐに返事を送る

八幡『何があった』

楓『それが声かけたのはいいけどちょっと変な人っぽいんだよ』

お前に言われたくはないだろうな

八幡『どんな奴なんだ?』

楓『それがよくわからないアニメのセリフみたいなのばっかり喋ってて何言ってるかわかんないの』

なるほどな合点がいった、話を聞いてどんな奴かすぐに理解することができた

八幡『悪いことは言わん、間違いでしたとか言って適当に撒いとけ』

楓『それがサークルに興味あるらしくて誘っちゃった手前断るのも悪いというか』

八幡『とりあえず合流するか、場所は1階ラウンジでどうだ』

楓『わかったよ、今から向かうね』

八幡「ラウンジで合流することになったんで、行きましょうか」

園田「わかりました」

程なくしてラウンジについた

楓「あ、比企谷くーん!」

姫宮が30mくらい遠くから手を振ってきた

八幡「おう」

そう言って俺も手を振りかえす

楓「えーと、その人が見学希望って人?」

八幡「そうだ、園田さん自己紹介お願いしてもいいですか?」

葉子「初めまして、園田葉子、学年は1年生です、趣味は読書でいつか自分でも物語を書いてみたいなと思っていたのでノベルゲームの制作には興味があります」

楓「こちらこそ初めまして、サークル長をやらせてもらってる姫宮楓です、興味を持ってくれてありがとう!これからよろしくね!」

八幡「おいまだ入るって決まったわけじゃねーぞ」

楓「そうだったね、あはは、つい嬉しくて先走っちゃった、で、私が勧誘したのが彼なんだけど」

吉野「よろしく、俺は吉野輝昭、医学部の1年生だ、先程そちらの姫宮さんに力を貸してほしいと言われて見学に来た」

なんだ、割と普通の奴じゃないか、もっと材木座みたいなのを想像してたが

八幡「おーよろしくな、俺は比企谷八幡、文学部の1年生だ、一応副長ってことになってるらしい」

吉野「比企谷くん、最初に一ついいかな」

八幡「ん、どうした?」

吉野「僕はね、魔法使いなんだ」

ダメかー

楓「とりあえず今から普段どんな活動をしているのか見せたいから、みんなでカフェでも行こうか」

駅前のカフェにて

楓「この前比企谷くんと話し合ってからシナリオ考え直したんだ、とりあえず読んでみて」

八幡「おう、わかった」

『野球部の期待の1年生エースが甲子園での連投により準優勝と引き換えに選手生命に関わる怪我を負ってしまう、周囲からも終わったと囁かれて傷心中の彼は野球部をやめて高校にも次第に行かなくなっていき、最終的に暴力事件を起こし退学になる、その翌年の夏、家族に勧められて野球部のない隣県の高校に通うことになり、そこで仲間達と出会い少しずつだが立ち直って大切なものを見つけていく』

八幡「なんか、前とあんまり変わってねぇな」

楓「うん、色々言われて考えたんだけど、比企谷くんの意見を取り入れた上でやっぱり救いになるような話にしたいと思って自分なりに噛み砕いてみたんだ」

八幡「まあでもベタなことには変わらねえけどな」

楓「アイデアっていうのは既存のものを組み合わせた先に生まれるんだよ、奇抜なことやってたらウケるってものでもないと思う」

八幡「それがお前の作りたいものなら止めはしないが、現実問題それは誰かの借り物の言葉で勝負することになる、お前は自分のブランドを作りたいんじゃないのか」

楓「比企谷くんの言ってることは正しいのかもしれないけど、私はkeyに心を救われたから、売れるからってそんなに簡単に路線を変更したい訳じゃない、誰かの心の救いになるような希望を与える描写はやっぱり外したくないんだ」

八幡「...」

姫宮の意見を聞き、俺は高校時代を思い出していた

『人の気持ち、もっと考えてよ』

『あなたのやり方、嫌いだわ』

ああそうだ、人間は正論や効率だけで動くもんじゃないと学んだはずだろ、ならば感情を汲んだ上で効率的な案を出せばいい

八幡「わかった、お前がそれを望むなら俺はそれに沿った売り出し方を考える」

楓「ありがとう!」

やっぱり比企谷くんは優しい、初めて話した時から思っていたけど、私からアドバイスを求めたのにしっかり言い分も汲んでくれる

八幡「せっかくだし、2人にも意見を聞いてもいいか? 園田、どう思う」

園田「...そうですね、会話を聞いていて思ったのは、私はどちらかというと姫宮さんの意見に近いですかね、そもそも比企谷さんがどんな意見を言ったのかは知りませんがベタというのは悪いことなのでしょうか、希望になる話がベタで絵空事ならこの世でそれに救われた人の存在も絵空事になってしまいます」

八幡「ああベタが悪いとは言ってない、それで救われた人間は星の数ほどいるだろう、ただここで俺が言ってるのはそれで実利に繋がるのかという視点だ、競合が多いということはその中で一際輝きを放たなきゃならない、泥の中で1円玉が光るのとは違うんだよ、ブランド作るって話でもそうだ、前提として売れなきゃ作れない、それにブランドってのは自分で開拓して築いていくものだろ、誰かの後追いじゃ常に二番煎じと言われるリスクを伴う」

園田「では感動モノというコンセプトは同じでも演出を変えるのはどうですか、確かにあなたの言うように同じようなことをしていれば二番煎じかもしれませんが、ライトノベル界で学園モノが流行っている時に歴史を変えたのは同じ学園モノの『ハルヒ』や『俺ガ○ル』でしたし、両者ともコンセプトこそ学園モノですが独自のアプローチをとっています」

八幡「その演出を変えるというのがどういったものか気になるところだが、とりあえずもう1人意見を出してもらいたい、吉野、頼んだ」

吉野「俺の意見か、そうだな、keyが好きなら野球とか麻雀とか語る上では欠かせない要素があるよね、それと便座カバー」

楓「それと便座カバー、CLANNADだね!

吉野くんCLANNAD好きなの?」

吉野「keyはAIRやkanonとかメジャーなのから神様になった日やrewriteまで全面的にカバーしてるぜ、それと便座カバー」

吉野「俺は良いと思うよ、keyみたいな作品作りたいって気持ち、でもどうせ作るなら自分達の味作りたいよな 野球や麻雀みたいな」

楓「いいねそれ!私達の味!」

吉野の提案に姫宮がノってきて話が脱線気味になってるな、まあいいか

八幡「それで、話し合いの進行具合を見るに、とりあえずコンセプトはkey作品みたいな感動モノにするって方向性でいいのか」

楓「うん!私はそうしたい!」

園田「私としてもその方向でいいと思います」

吉野「俺は比企谷くんの意見もいいと思うけどね、全く別のジャンル開拓するの楽しそうじゃん」

どうやらこいつの行動原理は面白いかどうからしい

八幡「面白いかで言えばkey作品と競合して泣きゲー界隈を更にデカくしたり席巻するのも難易度的には超面白いと思うぞ」

俺はより確実で効率的な方法を選びたかったが、そこに情緒の問題が挟まるならそれも含めて解決方法を探すだけだ

吉野「それもいいね〜、やばいこういうのワクワクするね、いいゾ〜これ」

楓「よーし!私達の制作方針決定だー!」

八幡「ところで、2人はサークル入ってくれるのか?」

園田「はい、とても楽しい話し合いでした、ぜひ皆さんとゲーム作ってみたいです」

吉野「俺はTCGサークルとの掛け持ちになるけどそれでもいいならよろしくニキー」

楓「2人ともありがとう!これからよろしくお願いします!」

楓「比企谷くんやったね!」

姫宮がハイタッチを求めてくる、まあ気恥ずかしいが頑なに拒んでもアレなので応じておく

八幡「おう...」パンッ

こうして始まったノベルゲーム研究会サークル

活動目標は業界を席巻するノベルゲームの制作とかいう超ハードル高いものなのはツッコまなくていいのだろうか ん?確か活動に必要なメンバーって5人では あと1人足りない...

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