絶対防壁の転生者は平穏に暮らしたい   作:雨風 時雨

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第3話

 新入部員勧誘期間の初日を迎えた国立魔法大学付属第一高校は、お祭り騒ぎのような喧騒に包まれていた。

 

 グラウンドや中庭に設置された特設ステージからは、様々な魔法の実演やデモンストレーションが繰り広げられている。色とりどりのサイオンの光波が、うららかな春の空を鮮やかに彩っていた。

 

 しかし、その華やかな熱気の下には、一科生と二科生を隔てる冷酷な格差が厳然として存在している。

 

 漣は、そんな勧誘の波を器用に避けながら、そそくさと校舎の陰を歩いていた。

 

(よし、このまま人混みに紛れて校門を出れば、今日も無事に生存完了だ)

 

 だが、そのささやかな願いは、あっさりと打ち砕かれることとなる。

 

 本校舎から中庭へと抜ける渡り廊下で、人だかりができていた。

 「魔法幾何学研究会」と書かれた看板を掲げた一科生の上級生数人が、新入生を捕まえて適性審査と称した悪質なからかいを行っていたのだ。

 

「おいおい、そこの二科生。第一高校に入ったからには、少しは魔法を見せてみろよ。それとも、二科生はライターの火すら点けられないのか?」

 

 取り囲まれているのは、気の弱そうな二科生の新入生だった。一科生の先輩たちは半ば嘲笑しながら、彼にCADを起動するよう強要している。

 

 漣は関わり合いを避けるため、静かに踵を返そうとした。

 しかし、運命の悪戯か、一科生の先輩の一人が漣の胸元――エンブレムのない制服に目を留めた。

 

「おい、そこでお通夜みたいな顔してる二科生。お前もやってみろ。ほら、CADを持ってるだろ」

 

(……本当に、余計なことをしてくれたな)

 

 漣は心の中で毒づきながら、だんまりを決め込んで立ち止まった。

 ここで無視して立ち去れば、さらに目を付けられて騒ぎが大きくなる。

 

 転生者としての生存戦略は、『ここでは大人しく嘲笑の的になり、完璧な無能として周囲の記憶からフェードアウトすること』を選択した。

 

「……分かりました。大したものは見せられませんが」

 

 漣は抑揚のない声で言い、カバンから一族から支給された極めて旧式で、かつ低スペックな携帯端末型CADを取り出した。

 周囲の一科生たちが、薄笑いを浮かべて彼を取り囲む。

 

 漣がこのCADで起動できるのは、システムに完全固定された最低ランクの熱量励起魔法『局所温度操作(ローカル・ヒート)』のみだ。

 漣は意識を集中し、脳内の僅かな余剰領域を使って起動式を展開した。

 

「――起動」

 

 ぽすっ、と、情けない音が響いた。

 

 漣の掲げたCADの銃口から、ほんの僅かに、ライターの火の粉にも満たない陽炎のような熱の揺らぎが生まれた。

 それも、一瞬だけ空気を揺らしたかと思うと、1秒と持たずに「ぷすん」と消え失せてしまった。

 

 お湯を沸かすどころか、マッチの火を灯すことすら怪しい、驚異的なまでの「最低値」の魔法。

 周囲に張り詰めていた緊張感が、一瞬で爆笑へと変わった。

 

「ぎゃははは! なんだよそれ!」

 

「ライター以下じゃん! 本当に一高の生徒かよ!?」

 

「さすがは二科生、期待を裏切らない無能ぶりだな!」

 

 一科生の上級生たちは腹を抱えて笑い、取り囲まれていた他の二科生たちも、あまりの惨状に同情と哀れみの視線を漣に向けている。

 

 周囲から浴びせられる容赦のない嘲笑を、漣はまるで遠い世界の雑音のように、冷淡に受け流していた。

 そのだんまりとした無表情の裏で、彼は目的を遂げた深い安堵を感じている。

 

 この第一高校という、原作の危険なトラブルが絶え間なく発生する魔境において、これほど分かりやすい『無能のレッテル』を貼られることこそ、最大の防御であり、最善の生存戦略であったからだ。

 

 これで、周囲の傲慢な一科生たちにとって、御守漣という存在は「親のコネでねじ込まれた、ライター以下の出来損ない」という記号に固定される。

 誰も自分に余計な警戒を向けず、何事にも巻き込まれずに済むはずだった。

 

 だが、その様子を、人混みから10数メートル離れた渡り廊下の影から、射抜くような冷徹な眼光で見つめている少年がいた。

 左腕に、風紀委員の青い腕章を巻いた司波達也である。

 

 前日、生徒会の服部副会長との模擬戦を、独自の体術と情報操作術によってねじ伏せ、晴れて風紀委員会に配属された達也。

 初日のパトロール中だった彼は、偶然にもこの理不尽な絡みの現場に遭遇し、漣が魔法を発動した瞬間を、自身の『精霊眼(エレメンタル・サイト)』によって克明に追っていた。

 

 達也の瞳は、目の前の少年の発動した術式から、決定的な「歪み」を検知していた。

 

(……やはり、この男は異常だ)

 

 達也は、無言のまま漣のデータファイルを脳内で精査する。

 

 御守漣。一科生でも名の知る防壁の名門、御守一族の端くれ。

 攻撃魔法の適性が皆無であり、サイオン(想子)放出量も実技測定不能に近い最低値として処理された「親のコネによる入学」が噂される二科生。

 

 だが、達也の精霊眼がリアルタイムでスキャンした情報体(イデア)の変遷は、あまりにもおかしかった。

 

 確かに、漣が放った『局所温度操作』は、熱量ベクトルとしても、事象の干渉規模としても、目も当てられないほどお粗末な出力だった。

 しかし、その魔法式が構築され、消滅する一連のプロセスにおいて、漣の体表を包むサイオンの分布には、塵一つほどの「乱れ」も「拡散」も生じていなかったのだ。

 

 魔法の発動とは、多かれ少なかれ術者の肉体からサイオンが外部へ放出され、それが周囲の情報体へ作用する行為である。

 

 だが、漣の周囲の空間は、まるで熱量励起によって生じるはずの余剰熱波も、サイオンの放射自体も、その体表数ミリの境界において完全に「無」へと相殺されていた。

 世界から物理的に遮断されているかのような、異様な静寂を示していたのだ。

 

(測定器で数値が測定できなかったのではない。この男が常時、周囲へのサイオン放出や魔法情報を完全に『無化』しているからこそ、測定器がエラーに近い最低値を出したに過ぎない……)

 

(あの魔法は、彼の真の実力を隠すための、あまりにも精巧な『隠れ蓑』だ)

 

 達也は、漣がだんまりを貫いて人混みを去っていく背中を、静かに睨み据えた。

 

 深雪に害を及ぼす存在であるか否か。それだけが達也の絶対の行動基準だ。

 だが、これほどまでのステルス技術と、底の知れない隠蔽能力を持つ魔法師が、二科生として同じ教室の隣の席に座っている。

 

 その事実が、達也の脳内にひび割れた冷たい警戒心を刻みつけていく。

 

 * * *

 

 その頃、本校舎の最上階にある生徒会室では、すでに書記として生徒会に加わっていた司波深雪が、真新しい事務用情報端末に向き合っていた。

 

 新入部員勧誘週間における各クラブのデモンストレーション区域の調整、および不慮の魔法事故を防ぐための警戒ポイントの選定。

 生徒会長である七草真由美から渡された膨大な書類に目を通しながらも、深雪の指先は、時折モニターに映し出される『学内監視カメラ(ライブモニタ)』の映像の上でピタリと止まっていた。

 

「どうしたの、深雪さん? 今日は少し、集中が途切れがちみたいだけれど」

 

 真由美が、その愛らしくもどこか小悪魔的な笑みを湛えて、深雪の隣に腰を下ろした。

 

 十師族である七草家の長女としての気品と、誰に対しても親しみやすく接する彼女の言動は、生徒会室の張り詰めた空気を優しく和らげる力がある。

 

「いいえ、真由美先輩。少し、慣れない事務作業に戸惑ってしまっただけです。ご心配をおかけして申し訳ありません」

 

「ふふ、いいのよ。これだけ急に仕事を任せてしまったんだもの。でも、もし何か気になることがあるなら、いつでもお姉さんに相談してね?」

 

 深雪は、真由美に対していつもの完璧な氷の微笑を返したが、その内心では、激しいサイオンの動揺が渦を巻いていた。

 彼女の極めて鋭敏な感応能力は、ほんの数分前、中庭の端から伝わってきた「極小の波動」を、確実に捉えていたのだ。

 

(あの日と、同じ……)

 

 深雪の胸元に、細く美しい指先がぎゅっと添えられる。

 

 世界からすべての音と事象が消去される、あの冷徹で、そして誰の魔法よりも美しかった、瑠璃色の静寂。

 生徒会室の端末の片隅に映し出された監視カメラの映像。

 

 一科生の上級生たちに囲まれ、屈辱的な爆笑を浴びせられながらも、表情一つ変えずにだんまりを通して立ち去る、あの二科生の少年――御守漣。

 

 周囲の一科生たちが、あの子はライター以下の無能だ、と蔑みの言葉を相手に向けている。

 だが、深雪の胸を締め付けたのは、怒りではなく、深い哀切と、そして彼に対する静かな納得だった。

 

(あのような、世界で一番綺麗な魔法をお使いになる方が、無能なはずがありません……)

 

 彼は、それほどまでに自分の力を隠し、嘲笑の的になることを自ら受け入れているのだ。

 周囲の無知な者たちからどれほど罵られようとも、彼はその絶対の盾を決して見せようとはしない。

 

 その徹底的な隠蔽姿勢を見て、深雪はすとんと腑に落ちるものを感じていた。

 

(それは……私との約束のためなどではなく、彼自身が、とにかくその圧倒的な力を誰にも知られたくないから、なのですか……)

 

 3年前の沖縄。あの日、お兄様が戻ってくる前に彼が残した、『内緒にしてくれ』という一言。

 

 あれは深雪個人に対するお願いというよりも、彼の「あらゆる厄介事から自分の力を隠し通したい」という、彼自身の強い防衛本能から出た言葉だったに違いない。

 

 彼は今でも、何らかの強烈な理由や事情があって、その徹底した秘密主義を貫くように、一高という魔境の中でただの凡愚を演じ続けているのだ。

 

(だとしたら……私は、彼のその『隠し通したい』という強い意思を、尊重しなければならない……)

 

 彼には彼の事情がある。

 だからこそ、あの日言われた約束を、お兄様にすら言わずに今でも守り続けることこそが、彼を助ける唯一の方法なのだ。

 

 深雪の胸の内で、あの瑠璃色の光の残影が、さらに切なさを伴って輝きを増していく。

 お兄様を世界の絶対として生きる彼女の心の中に、そのお兄様ですら踏み込めない、二人だけの秘密の境界線が、静かに、しかし深く引かれようとしていた。

 

 * * *

 

 放課後の、第二小体育館――通称『闘技場(アリーナ)』。

 

 ドーム状の天井に張り巡らされた魔力シールドが、模擬戦による余波を吸収するために青い光の格子を輝かせている。

 そこでは、新入部員獲得をかけた部活デモンストレーションの一環として、剣道部と剣術部による代表者同士の模擬戦が行われていた。

 

 本来であれば、新入生に対する技術の披露であるはずのその舞台。

 しかし、一科生と二科生の間に澱のように積もる確執は、二科生の剣道部エースである2年生の壬生紗耶香と、一科生の古式魔法部所属、同じく2年生の桐原武明の対峙を、瞬く間に殺気立ったものへと変えていた。

 

 観客席には、偶然見学に訪れていた千葉エリカ、西城レオンハルト、そして柴田美月の姿もあった。

 

 エリカは竹刀を肩に担ぐような不遜な態度で「あの一科生、最初から見下しきった態度で感じ悪いわね」と不満げに鼻を鳴らし、レオは「ま、実技の数値だけで人を測る連中だからな」と、皮肉げな笑みを浮かべている。

 

 漣は、その賑やかな二科生たちのグループから少し離れた、観客席の最後列の影で、静かにだんまりを決め込んで壁に背を預けていた。

 

(始まったな。原作の模擬戦トラブルだ。この後、風紀委員に就任した達也が割り込んで桐原を瞬殺する。俺はここで、ただの背景としてやり過ごせば――)

 

 そう、自分の平穏な日常を守るための計算を、頭の中で完結させようとした、まさにその時だった。

 

 ステージ上での戦いは、桐原の予想に反して、壬生の極限まで鍛え抜かれた物理的な剣技に圧倒される形で進んでいた。

 一科生でありながら、実技スコアの出せない二科生の女子生徒に手こずる。その事実が、桐原のプライドを致命的に傷つけた。

 

 激昂した桐原が、自身のブレスレット型CADに触れ、システム上の安全リミッターを無視して、殺傷性の極めて高い常駐型振動系魔法『高周波ブレード』を展開したのだ。

 

 キィィィィン――。

 

 体育館の頑丈なコンクリート壁を震わせる、耳を劈くような不快で金属的な高周波駆動音が、闘技場中に響き渡る。

 桐原の持つ木刀の表面が、超高速の微細振動によって不気味な白煙を上げ始めた。

 

「おい、模擬戦で高周波ブレードはまずいだろ!」

 

 一科生の上級生たちからも、焦りの声が上がる。

 

「危ない……っ!」

 

 エリカが叫び、ステージへと身を乗り出そうとする。

 だが、その時、観客席の最前列にいた柴田美月に決定的な異変が起きていた。

 

 美月が生まれ持つ特異な目『水晶眼(霊子放射光過敏症)』は、桐原の突然の強力な常駐魔法の起動によって生じた、膨大な高密度の魔法光波をダイレクトに直視してしまったのだ。

 

 網膜から脳へとなだれ込む、過剰な光情報(ライト・インテリジェンス・オーバーロード)

 その瞬間的な負荷によって、美月の思考は完全にフリーズし、恐怖と目眩の中で竦み上がり、迫る危機に対して一歩も動けなくなってしまった。

 

 ステージ上では、桐原が狂気に満ちた叫びと共に、高周波の木刀を壬生に向けて振り下ろしていた。

 壬生はその一撃を自身の防壁魔法と竹刀で受け止めようとしたが、限界出力を超えた振動波の衝突に耐えきれず、桐原の木刀が激しい爆音と共に「粉砕」された。

 

 問題は、激しい高周波振動を帯びたままの、鋭利な木刀の尖った破片が、強烈な破裂エネルギーに乗って、観客席の美月の顔面へと弾け飛んだことだった。

 

 超高速で振動する木片の散弾。それは人体を容易に、かつ無残に切り裂く無数の凶器だ。

 エリカやレオの立ち位置からでは、美月の前に滑り込むにはほんの一瞬、距離が遠かった。

 

(おいおいおい、なんで美月の正面に破片が飛ぶんだよ……!)

 

 最後列にいた漣の思考が、火花を散らす。

 

 このままでは美月は大怪我を負う。そうなれば風紀委員である達也が処理するにしても、美月が入院し、エリカたちの怒りが爆発し、原作のストーリーがこの段階で致命的に狂ってしまう。

 ストーリーが狂えば、転生者である自分の生存確率が下がる。

 

(――チッ、本当にトラブルしかねえ学校だな!)

 

 漣は内心で激しく悪態をつきながら、自身の脳内演算領域の9割を占める、あの眠れる防壁を呼び覚ました。

 周囲に気づかれず、しかし美月を確実に救う、最小にして完璧な選択。

 

 漣は、体表に常時展開している『境界無化』の無化防壁の一部を切り取り、美月の顔面のわずか数センチ手前の空間へと、ピンポイントで「極小展開」した。

 

 展開時間は、わずか100分の数秒。

 大きさは、美月の視界を覆う程度の手のひらサイズ。

 

 美月の顔面に突き刺さるはずだった、高周波の振動木片の弾丸。

 それが、漣が展開した目に見えない『境界無化』の境界線へと接触した。

 

――キィン。

 

 ガラスの風鈴が、静寂の部屋の中で微かに鳴るような、透き通った美しい音が、漣の周囲にだけ響いた。

 

 次の瞬間、凄まじい物理ベクトルと破壊の情報を宿していたはずの高周波破片は、大爆発も、恐ろしい金属音も発生させることなく、ただ綺麗な瑠璃色の光の粒子となって、美月の目の前で音もなく世界から消去された。

 

「……え?」

 

 死の恐怖に目を閉じていた美月が、おずおずと目を開ける。

 彼女の目の前には、ただ美しい瑠璃色の残光が、まるで雪のようにきらきらと舞い落ちていた。

 

 あまりの一瞬の出来事に、周囲の生徒たちには「破片が不自然に激突して、ただの塵のようになって霧散した」ようにしか見えなかった。

 

 だが。

 風紀委員として、この模擬戦の暴走を武力鎮圧するためにステージへ飛び込もうとしていた司波達也の『精霊眼』は、その一瞬を、完璧に捉えていた。

 

(……今、美月の目の前で、事象干渉そのものが物理法則を無視して『無』に相殺された)

 

 達也は、激昂する桐原をその圧倒的な体術と「特定魔法制御(キャスト・ジャミング)」で一瞬にして無力化しながらも、その冷徹な眼光を、観客席の最後列へと向けた。

 

 人混みの影で、何事もなかったかのようにだんまりを決め込み、静かに体育館を後にしようとする、御守漣の背中。

 

 達也の『精霊眼』に映ったのは、エネルギーの保存法則すら無視して、高周波の木片の情報を綺麗に消し去った「瑠璃色のゼロの領域」の残影だった。

 それは、3年前の沖縄で妹の深雪を救い、自分がずっとその行方を探し求めていた、あの時の防壁のサイオン波長と、完全に一致していた。

 

(御守、漣……。お前が、あの時の防壁の使い手か……!)

 

 達也は事件処理のために壬生や桐原を拘束しながらも、その脳内のマークリストの最上段に、御守漣の名前を赤字で書き加えた。

 

 そして、生徒会室の監視モニターから、第二小体育館のライブ映像を食い入るように見つめていた司波深雪もまた、激しく胸を震わせていた。

 

(あの方の、瑠璃色の光……。やはり、間違えない……!)

 

 深雪の瞳から、こぼれ落ちそうになるほどの熱い感情の揺らぎが広がる。

 

 誰にも見せないはずのその絶対の盾を、ただ他人の窮地を救うために、一瞬だけ発動させた、あの無口な少年の優しさと、その魔法の圧倒的な美しさ。

 

 絶対に目立ちたくない、関わりたくない。

 そう強く願う転生者・御守漣の必死の隠蔽工作は、皮肉にも、最強の風紀委員である達也の徹底的な警戒と、美しき生徒会書記である深雪の、生涯消えることのない深い熱情を、完全に引き寄せる結果となってしまった。




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