不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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馬鹿な……ッ‼︎

私のジェレマイア完コスが通用しないだと⁉︎

おのれッ‼︎

原罪の探求者め、このままで済むと思うなよ‼︎

八つ当たり気味のテンションで投下。

苦戦させると言ったな、アレは嘘だ。

このままテンポ良くシフまで行かせて貰う。


そして、今回のハード要素はヌルめです。

全てのキノコがキノコ親方となり、赤キノコ並に好戦的且つタフとなっているだけと言うシンプルな内容となっております。

速さはちょこっとだけ早くなってます。




不死の英雄伝 104

第百四話 成長の証

 

 

 

刺突直剣による突き、大曲剣による薙ぎ払い、大槌の叩きつけ。

 

 

彼らは対人慣れしているのか、その動きに淀みは無い。

 

 

だが、俺も修羅場は潜ってきている、彼らに負けるつもりは更々無い。

 

 

足を引き、腰だめに混沌の刃を構えながら彼らの動きに備える。

 

 

あの三人の動きは正に三位一体、一人目の刺突によって相手の動きを誘導し、二人目の薙ぎ払いで足を止め、最後の一人が叩き潰す、基礎に忠実だからこそ崩し辛い。

 

 

彼らの連携を崩すには少し無理をするしか無い。

 

 

腰の混沌の刃を左手に握りながら、一人目の刺突を半身で回避し、二人目の大曲剣を左手の盾で受け止める。

 

 

最後の一人が大鎚を振り下ろす瞬間に合わせ抜刀、彼の首を斬り落とす。

 

 

しかし、まだ安心してはいけない。

 

一度動き出した人の身体と言うものは、首を斬り落としただけでは動きは止まらない。

 

故に、その胴を蹴り飛ばし、振り下ろされる大鎚を回避する。

 

 

仲間が殺されたにも関わらず、直剣を持った男が俺の背後に回り込んでいる、そのままバックスタブを決めるつもりだろうが、そうはいかない。

 

 

彼が俺の背中に刃を突き立てようとした瞬間に、月明かりの大剣に魔力を込めて暴発させる。

 

ギリギリまで彼を引きつけたお陰で、彼は爆風に飲まれ消え去った。

 

聖剣の爆風は俺を押し出し、今まさに俺の首を刈り取ろうとしていた大曲剣の刃を躱す。

 

 

ー背後の男に気を取られた隙に首を落とすつもりだったのだろうが、当てが外れたなー

 

 

彼の懐に潜り込み、混沌の刃で逆袈裟に斬り裂き彼を両断する。

 

 

岩のような鎧を両断するのは少し骨が折れたが、問題無く斬り捨てられた、俺の技量も上がっているのだろう。

 

 

ソウルの粒子となりながら消滅して行く彼らを後にし、真っ直ぐに歩みを進める。

 

正面から聖職者と思しき女と、山賊の装いをした男が、盾を構えながら俺へ向かって来る。

 

 

上手く気配を殺しては居るが、俺の背後にも一人居るな。

 

 

背中のハルバードを抜き、その場で回転斬りを放つ。

 

樹々が生い繁り、夜となった為に薄暗くなった森。

 

月明かりが周囲を照らしては居るが、非常に視界が悪い。

 

それを解決する手段、それは一つだ。

 

 

 

 

回転斬りによって、ハルバードの刃が周囲の樹木に傷を付け、その傷口から炎が噴き出す。

 

 

生木を燃やした為、煙が凄い事になっているが、代わりに、周囲が非常に明るくなった。

 

 

燃える炎に影を照らし出された暗殺者の男をハルバードで爆殺、炎が燃え移って居る木々を見て慌てている二人の首を、混沌の刃で斬り落として先に向かう。

 

 

わざわざ消火はしない。

 

 

俺に向かってくる追っ手を炙り出す事も出来る上、狩人達が消火活動に勤しんでいれば、それだけの時間を稼ぐ事が出来るからだ。

 

 

それに放火犯が消火活動に参加するのも間違っているような気もするしな。

 

 

石橋を渡る前に、大きな猫が血相を変えながら山火事にまで発展している現場に向かって行くのとすれ違った。

 

 

シフと同じような匂いを感じたが、あれも神獣の類いなのだろうか?

 

 

石橋の先を渡った俺の目に映ったのは巨大なキノコ達だった。

 

 

ウーラシールに居たエリザベスに手足を加えたような見た目をしている。

 

 

其奴が合計十体ほど道を塞いでいる、緩慢な動きの彼らの合間を縫って移動しようとした時だった。

 

 

側頭部に強烈な左フックを叩き込まれ、木々をへし折りながら岸壁まで吹き飛ばされた。

 

 

脳震盪で済んでいるのが不思議なくらいな一撃だった、兜が無ければ即死だったな。

 

 

震える手足を押さえ込みながら立ち上がると、信じられ無い光景が俺の目に飛び込んできた。

 

 

さっき殴り飛ばされたキノコ、その痛烈な一撃は俺を数十mは確実に吹き飛ばした筈だ。

 

 

なのに、殴り飛ばした張本人がアルトリウスのような踏み込みで、俺に飛び蹴りを放って来たのだ。

 

 

完全な不意打ちだったため、それに度肝を抜かれた俺は、岸壁の染みになるかと思ったが、咄嗟に背中の聖剣を爆発させてその場を離脱。

 

 

すれ違いざまにハルバードで何とか焼き払った。

 

彼の体から帯電した松脂が滲み出しているが、それどころではない。

 

 

俺を囲むようにぞろぞろとキノコ達が集まり出した、仲間を斬られた腹いせのようだな。

 

 

とんでもないハードパンチャーがこんなにもか。

 

 

まったく……、楽な旅じゃ無いな、ほんと……。

 

 

俺はハルバードを一薙ぎし、仕切り直しをしながら神経を集中させていった。





キノコ親方

装備

骨の拳+15×2

遠眼鏡バグ並みの速度

本当はこんなに強化出来ないけど無印だし、ハードモードだし良いよね。

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