不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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リリカル編が主人公最強物になりそうな勢いで強さのインフレが進んでますね(震え声)

弱体化とか手加減とかは無いから、登場人物の強さを底上げするしか無いな(白目)


今回、以前に応募された白を召喚します。

難易度上げるだけ上げてもらって死んで貰いますので悪しからず。m(_ _)m


不死の英雄伝 111

第百十一話 封印解放

 

 

鍵を受け取り、水門を開くレバーの在り処を教えて貰った俺は来た道を戻って行く。

 

水中から次々と上陸して来るダークレイス達、道を塞ぐ彼らを薙ぎ倒しながら水門の解放に向かう。

 

彼らの狙いは、俺の中にある白竜シースに分け与えられたソウルだろうと当たりを付けている。

 

力を求めて深淵を呷ったのだ、白竜が敗れたと知ればそのソウルを求めるに違いない。

 

 

 

封印の解放が目的なのかとも思ったが、それならば俺を今此処で襲う必要は無い。

 

逆に、単純に人間性やソウルを求めていたのなら偵察などせずに一思いに襲いかかれば良かった筈だ。

 

それをすると言う事は、彼らは俺の実力を把握し且つ俺を殺す理由があると言う事。

 

 

ならばその狙いは絞れて来る。

 

 

闇に堕ちた者が警戒しながらも喉から手が出るほど欲しいもの、それは力以外に無いだろう。

 

 

俺の中には彼らが反応する力が二つある。

 

 

失われた魔術である闇術。

 

王の器に収まっている白竜シースに分け与えられたソウル。

 

 

前者は俺がそれを所有している事を知らなければならない、リミッターを製作した際には周囲の警戒は万全にした上で使用した為、この可能性は低いだろうな。

 

 

となると、残るは後者である分け与えられたソウル。

 

王の器を持ったものが、この地に足を踏み入れた事を察知したのなら、その器に収まったソウルも察知出来るだろう。

 

可能性としては此方の方が高そうだ。

 

確証は無いため真偽の程は確かめられ無いが、大凡はこんな所だろう。

 

戦いにおいての強さを単純な力が全てと捉えている証拠だな、安直な奴等だ。

 

行く手を塞ぐ深淵を纏った闇の騎士を、その都度塵に変えてゆきながら、彼らを哀れんで行く。

 

 

何故そんな物に手を出したのか、何故人間の強さを信じられ無かったのか。

 

 

斬られて行く度に彼らは驚愕の声を上げている。

 

 

あり得ない。

 

そんな筈は。

 

何故深淵の力が?

 

彼らが最期に口にする言葉はどれも似通った物だ。

 

 

不思議なものか、当然の事だ。

 

これが貴様らの捨てた物、失った物の強さなのだ。

 

そうして俺は水門を開くレバーまで辿り着き、水没した遺跡の封印を解く。

 

 

水門から水が放出され、水底に沈んだそれが姿を表す。

 

闇に飲まれた者たちの住処、人間であることに耐えられなかった弱者達の根城。

 

 

側にあった昇降機を起動させ、そこへ足を踏み入れる。

 

 

昇降機のすぐ側に二つのサインが見えた。

 

祝福のカリグラ

 

壁戦士 スル

 

周囲に死の瘴気が蔓延し出した、これは彼らを召喚した方が良さそうだ。

 

 

二人を召喚して挨拶もそこそこに済ませた後、正面から襲い掛かってくるダークレイスに視線を向ける。

 

彼らの深淵纏いはアルトリウスやマヌスの再生力に比べれは粗雑な物だ、霊体二人の通常武器では殺す事は出来ないだろうが、足止め位にはなるだろう。

 

カリグラがダークレイスへ腰の直剣で斬りかかり、スルがその胸を貫く。

 

 

動けなくなった彼の身体を光波で消し飛ばして先を急ぐ。

 

 

一軒の建物、中にはダークレイスが三体、ヘドロのような塊が一体居るのが分かる。

 

 

岩のような鎧を着込んだスルが、壁となって彼らの前に矢面として立ってくれた。

 

 

彼を囮に、月明かりの大剣の光波を放とうとした時だった。

 

スルの盾が突如飛来した追う者たちに削り切られ、その身体に闇の飛沫を叩き込まれ、彼は消滅した。

 

 

目の前の男、それは俺がウーラシールの市街で出会った男だった。

 

 

今回は生身でのご登場のようだが、その身は深淵の泥に汚染され最早原型を保っているのがやっとの状態となっていた。

 

先の闇術、あの火力だと恐らくリミッターが外されているのだろう、着弾点に深淵の泥が残っている。

 

彼は獣のような雄叫びを上げながら俺を殺しに向かってきた。

 

 

それを庇うかのように、カリグラが彼の首を刎ねるが直ぐに再生し、反対にカリグラの頭を左手で握り潰した。

 

 

霊体である彼らの安否は気にする必要は無いが、深淵に汚染されてしまっていないかは気に掛かるな。

 

 

久しぶりに賑やかになったかと思えばこの結果だ、まったくもってついてないな。

 

 

目の前に居る闇術使いは、深淵の泥を撒き散らしながら、俺の人間性を奪おうと躍起になり始めた。

 

 

闇の飛沫、追う者たち、闇の霧、闇の玉。

 

 

あらゆる闇術を矢鱈に放ち始め、周囲が汚染されてゆく。

 

これ以上暴れられるのも面倒だ、一思いに楽にしてやる。

 

俺に向かって杖を向けた彼の手を、投げナイフで撃ち抜き杖を落とさせる。

 

慌ててそれを拾おうとした彼をアルトリウスの大剣で両断し、その遺体ごと光波を使って深淵の泥を消し飛ばす。

 

 

 

俺は残った深淵の泥を月明かりの大剣で祓いながら、爆音によって集まってきたダークレイスにうんざりしながらも聖剣の切っ先を向けるのだった。

 

 





なんか、ごめんね?

リミット外された闇術の影響で、以降のダークレイスが強化されました。

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