3/14にエレーミアス絵画世界で白サイン祭りが開催されるそうですね、そして15日は高町なのはの誕生日ときた。
これはまさに運命だね。
その日までに完結させなきゃ(白目)
第百二十四話 デーモン炎司祭
あの後、崖をくり抜いたような通路を通ってお目当ての種火を回収したのは良かったのだが、一つ困った事態に陥っている。
種火を取ると同時に通路の天井から飛び出してきた芋虫、その数は何と五体。
奴らを相手にするにはカウンターを狙うか巣穴ごと焼き払うかだが、今回奴らは天井を巣穴としているため、黒竜の大剣が届かない。
仕方無しにカウンターを狙っては見たものの、彼らは自分の身体を鞭のようにしならせて暴れ回っているため、とてもじゃないが接近出来ない。
放浪者の方も何時も使っている小弓を使って居るが中々当たらない。
一々巣穴に引っ込まれていては埒が開かないな。
ならば、思うように埒を開けさせて貰おう。
ークソうざってぇな‼︎、サッサと道を開けろってんだー
ー先ほど、一つ思い付いた事があるのだが、それには君の協力が必要だ、手を貸してはくれないかね?ー
ーなら何でもしてやるから何とかしやがれ‼︎、何分足止め食らってると思ってんだ‼︎ー
ー言質は取ったぞ?ー
そう言った後、彼に思い付いた事の内容を話す。
彼はその内容に口の端をヒクつかせ、俺に何か文句を言おうとしたものの許可をしたのは自分、更にそれが一番手っ取り早く危険も無いと判断したのか、渋々それに従ってくれた。
ーもう少しふらつかないでくれるかね?手元がぶれるー
ー馬鹿、野郎、フル装備の、テメェが重、いんだよー
ーだい、たい、普通は、軽装の俺が、上だろうが‼︎ー
ーなんでテメェが上なんだよ‼︎ー
ー君は自分の得物を他人に委ねる事が出来るのかね?ー
ーそれとあまり騒がないでくれたまえ、気が散って黒竜の大剣に魔力が込められないー
ー広範囲を焼き払うんだ、それなりに力を込める必要が…ー
ーんなこと乗ってからやってんじゃねぇよ‼︎ー
現在、俺は放浪者の肩を踏み台にしながら黒竜の大剣を構え天井に刃を突き立てようとしている。
俺が彼に伝えた内容とは要するに踏み台になってくれと言う事。
二人分の身長を合わせれば黒竜の大剣も天井に届く、そこへ焼き払うだけの力を込めたこの剣を使えば奴らを一掃出来るだろう。
その後は特に何事も無く、無事芋虫達を焼き払い、本格的にイザリスへ向けての攻略を進める事になった。
霧の前まで足を進め、互いに問題が無い事を確認して、その先に向かう。
目の前には不死院に居たデーモンと同種と思われる者が立っていた。
その身は炎に包まれ、身体の節々からも熱気が溢れ出している。
彼は大鎚の代わりに杖を手に握っていた。
ー彼奴がデーモン炎司祭って奴だよー
ー話によれば、ありゃあ最初のデーモンらしいぜ?ー
ーイザリスの魔女が混沌に飲まれる前の呪術じゃねぇ、純粋な炎の魔術の最後の使い手だったんだとー
ーまあ、俺は興味ねぇがなー
俺がアレに意識を割いていた事に気が付いたのか、彼は横から解説を挟みながら墓王の大剣を構える。
気になっていた事を聞けたので、俺も臨戦体勢に入り、アルトリウスの大剣を構える。
俺たちの敵意を感じたのか、炎司祭は鼻息を荒くしながら肩を怒らせて走って来た。
彼の持つ杖が振り下ろされるのと同時に左右に分かれ、其々同時に彼のアキレス腱を両断し彼を転倒させる。
俺は巨大な身体を転倒させた彼の背中に飛び乗り、彼の翼を根元から斬り落とす。
その隙に放浪者は倒れた彼の両腕の腱を切断してその腕を潰した後に、密かに魔力の込められていた杖を破壊する。
ものの数秒で無抵抗となった彼の全身を、ソウルから取り出した黄金の残光で膾切りにする。
この刃は特殊な形状になっているため、傷を増やして行けば大量出血を強いる事が出来るのだ。
俺が黄金の軌跡を描きながら彼を血だるまにした後、虫の息となった彼の首に、放浪者の墓王の大剣が断頭台の様に振り下ろされた。
放浪者は、斬り落とした首を使ってリフティングをしながら休憩をするか否かを聞いてきた。
ーで? どうするよ?ー
ー準備やら休憩やらが必要ってんなら地上までのショートカットを紹介するぜ?ー
ーいや、必要無いー
ー確かに一息吐きたい気分ではあるが、それをしてしまって世界の重なりがズレてしまったら元も子もないー
ー折角君と言う案内役が居るのだ、手探りの攻略で時間を消費するのも馬鹿らしいー
ーそれに、消耗らしい消耗もしていない、このままで構わないよー
ーそうかよ、なら遠慮はせずに次へいくぞー
ーへばったら置いていくからな、精々気をつけるんだなー
あったかもしれない会話 ⑤
放浪者「あ〜肩いてぇ、せめて鎧を外すなりなんなりしろってんだ」
主人公「そうだ、さっきはスルーしたのだが、一つ良いかね?」
放浪者「なんだよ、嫌な予感しかしねぇけど聞いてやる」
主人公「先の弁当、両方とも女性からか?」
放浪者「んな事聞いてどうすんだよ」
主人公「知的好奇心だ、気にするな」
放浪者「そうかよ」
主人公「ああそうだ、そして質問に答えて貰おう」
放浪者「はぁ……、女だよ」
主人公「成る程な……」
放浪者「で、それが何だよ?」
主人公「では聞くが、どちらが本命なのかね?」
放浪者「 」
主人公「生憎私は出会いに恵まれていなくてね、色恋と言ったものが新鮮なのだ、故本命がどちらか聞かせて頂きたい」
放浪者「ふざけんな‼︎ 誰がテメェなんぞに教えるか‼︎」
主人公「成る程、『教えるか』と言う事はどちらか一方が本命なのだな?」
放浪者「 」
主人公「獣のような男と思っていたがな、中々どうして、君も人の子だったのだな」
放浪者「 」