不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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ペペロンチーノうめぇww

そんな訳で三十七話です


不死の英雄伝 37

第三十七話 開幕劇

 

ソウルからハルバードと刀を取り出し、背中と腰に装備する。

 

ハルバードは大剣の鞘の上にクロスさせるように、刀は腰の剣の下に付けて行く。

 

かなりの重量になるが、此処がどういった武器が通用するのか分からないため、このような装備となった。

 

 

 

古城に足を踏み入れると同時に床に違和感を感じて立ち止まる。

 

その瞬間、目の前に見える階段から三本の矢が飛んで来た。その内の二本腹と肩に貰ってしまい、慌てて柱の陰に隠れる。

 

 

深々と刺さっている太い矢を力尽くで引き抜きエスト瓶を飲む。

 

 

感圧板と言う奴か、古典的なトラップだけど効果的だな。

 

 

矢が新たに装填されたのだろう、床の一部が少し盛り上がって来た。

 

 

柱の影から顔を見せるとリザードマン、とでも呼べば良いのだろうか? ともかく、それが目と鼻の先に居た。

 

 

目の前の蛇人は片刃の大剣を振り上げ、俺に向けて叩きつけて来た。

 

その一撃を回避するために、後ろに倒れ込む。

 

彼の攻撃は避けられたのだが、どうやらもう一匹居たらしく、そちらの一撃を頭に貰ってしまう。

 

 

回避行動中の一撃の為に逸らす事すら出来ず、斬れ味の悪い大剣で頭をカチ割られる。

 

 

徐々に消えて行く意識の中、出鼻を挫かれた事に苦笑いしながら次はどうするか考えていた。

 

 

人間性を砕き生身を取り戻した後、彼らの攻略法を考える。

 

 

今回、古典的な手に引っかかってしまった事で彼らに気付かれてしまい、周りの索敵もままならない状態で回避行動を取った結果、死角に居た蛇人からの攻撃をまともに貰ってしまった。

 

だがあれらは所詮、初見殺し。

 

我々不死人にとっては一度引っ掛かればそれでお終いな代物。

 

 

大剣を背中から引き抜き、盾を構えながら古城の再攻略にかかる。

 

感圧板を避けながら蛇人達を誘き出す。

 

 

それと、こういう古典的なトラップはさ、何も無視してお終いって言うのは勿体無いよね。

 

 

蛇人達がトラップの射線上に入った瞬間、感圧板を踏み、大きく横に飛び退く。

 

発射された矢は蛇人達の無防備な背中に突き刺さり二体の内一体が射殺される。

 

 

死角からの一撃、相方がそれに掛かり息を引き取った事に気を取られた蛇人の隙を突く。

 

 

踏み込みと同時に硬い鱗の上から蛇人の肩から腰に掛けてを袈裟斬りにする。

 

 

打ち直され、その切れ味を高められた大剣は止まる事無く蛇人を斬り捨てる。

 

しかし、今までの亡者達とは違うようで、手応えがあったにも関わらず、しっかりと二本足で立っていた。

 

 

蛇らしく、舌を出しながら此方を威嚇する蛇人のタフさに驚きながらも大剣を正眼に構え直す。

 

 

確かに心臓を斬ったはずなんだけどなぁ。

 

 

致命傷を負ったにも関わらず、目の前の蛇人は大剣の突きを勢い良く放つ。

 

 

それを大剣で受け止めて、鍔迫り合いに持ち込んでは見たものの、人外の膂力は凄まじく、競り勝てそうに無い。

 

 

本当、タフだね。じゃあ、こんなんどうよ?

 

 

鍔迫り合いの状態から一気に力を抜き、蛇人の大剣を受け流す。

 

力の押し合いをして居る最中に急に脱力された為か前のめりになる蛇人。そして、体勢が崩れた蛇人の首を居合い刀で刎ね飛ばした。

 

 

流石にこれは耐えられないか。

 

刀を納刀し先に進む。

 

 

 

目の前には細い石の梁が見え、そこには巨大なギロチンが振り子のように揺れている。

 

 

数は四つだが、ギロチン同士の間隔は広いため当たる事は無く、一気に駆け抜けてしまえば問題は無いだろう。

 

 

だが、ギロチンの先には蛇人が待っている。

 

狭い足場なため、満足に動けないから打ち合いに持ち込むのは辞めた方が良いだろうな。

 

 

大剣にエンチャントを施し、ギロチンの隙間を走り抜ける。

 

狭い足場の恐怖を頭の片隅に追いやり、蛇人の前に立つ。

 

走り抜けた勢いをそのままに、刃を水平に真っ直ぐに突きを放ち腹を貫通させる。

 

貫いたままの大剣を横に振るい、傷口を開かせる。

 

脇腹を裂かれ、傷口を押さえる蛇人の頭から、大剣の唐竹割りで正中線に沿って斬り捨てる。

 

 

真っ二つになった蛇人の死体を蹴り飛ばして先に進む。

 

 

突き当たりにある階段を上り、再び現れた石の梁を見る。先ほどのように、四つのギロチンが踊っているが、今回はさっきよりも間隔が短く、雷を飛ばしてくるコブラ頭の蛇人が居る。

 

彼の腕は四本、そしてその全てに波打った刃の剣が握られて居る。

 

 

盾の裏からナイフを取り出し、ギロチンを越えて行く。

 

今回は二つずつ、一拍してから走り抜けてナイフを投げる。

 

雷を放とうと開いた口から、ナイフが侵入し喉を貫く。

 

刺さっているナイフを吐き出そうとむせ返っている蛇人の身体を、大剣の腹を使って梁の上から弾き飛ばす。

 

 

そのまま先に進もうと足を伸ばした時に、足元のタイルが僅かに浮いているのがわかった。

 

 

その床を避けるように移動して、側にあった宝箱を開ける。

 

中には、大きな楔石の欠片が入っていた。

 

それをソウルに仕舞って、一息つく。

 

向こうからは、重低音と共に何かが転がる音が聞こえてくる。

 

 

振り子の次は鉄球か…。

 

 

 




初見時のセンの古城はこんなもん出来るか‼︎って感じでしたが、慣れてしまえばこのゲームらしい場所で楽しいですよね。


皆さんはどのステージが好きですか?

私は公爵の書庫が大好きです。

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