不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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ビーファイターはやっぱりかっこいいなぁ(現実逃避)

そして終わらない裏汁編。

毎回これ言ってるね(白目)。

過去最長記録を余裕で更新しましたね(震え声)


活動報告に設定資料を投稿しました。
尚、まだ記録は更新する模様。


不死の英雄伝 88

第八十八話 深淵の穴

 

 

あの縛られた男、結晶の光波を受けながらも無理矢理吶喊して来た。

 

身体に巻きつけられた鎖が鎧の役目を果たしていて、彼自身にダメージが届いていなかったようだな。

 

 

それに、あの赤い鎖の男、彼奴は脅威だ。

 

 

タダでさえ強いのに、それが更に強化されているのか……。

 

 

二度目の挑戦、道中の敵は先ほどと同じ手で葬った。

 

 

接近さえ出来れば、勝機はある。

 

奥の鎖男が反応する前に赤い鎖男に向かう。

 

彼は左手で俺に殴りかかる。

 

その手をパリィしようと盾を振ったが、逆に左腕をへし折られる。

 

相当な威力だな……。

 

上半身をその鉄球で挽肉にされてしまいまたも死亡する。

 

三度目の挑戦、今度は深淵歩きの大剣を左手に握り、聖剣の二刀流で彼に立ち向かう。

 

 

彼は遠距離から鉄球で俺を叩きつけようとしているようだ。

 

アルトリウスのように、左手の大剣を抱えて突進する。

 

刃は鎖に阻まれてしまったが、衝撃を殺すことが出来なかったのか、体勢を崩してしまう。

 

その所為で、不充分な力しか伝わらなかった鉄球はあらぬ方向へと飛んでゆく。

 

彼は尚も懐に潜り込んだ俺を左腕で迎撃しようとするだろう。

 

そうなる前に、その左腕を月明かりの大剣で斬り落とす。

 

更に、彼の鉄球を踏み台にして彼の頭の上に乗り、頭頂部に深淵歩きの大剣を突き立てる。

 

 

ソウルとなって消えていく彼の身体を蹴り、残る一体の鎖男に飛び移りながら、彼の頭に兜割りを敢行する。

 

 

怯みはしたが、まだ息がある。

 

更にもう一度彼の頭を蹴って回転しながら彼の頭に兜割りを叩きつけ、頭を潰す。

 

 

終わってみれば、五回も死ななかったな……。

 

 

頭の上が安全地帯なのだろう、後はあの鉄球に気をつけるようすれば大丈夫そうだな。

 

 

先にあった昇降機、それを起動させるとエレベーターと共に市民が運ばれて来た。

 

 

予想外では有ったが、水面蹴りで転倒させ、エレベーターの上から蹴り落とす。

 

 

エレベーターを降りながら、左手の深淵歩きの大剣に意識を向ける。

 

先ほどから、この大剣が何かを訴えているような気がする。

 

いや、確実に、何かを訴えて来ている。

 

彼の意思が俺の進むべき道を示している、のか?

 

 

取り敢えずは目の前に見える篝火を灯し、武具を修理して行く。

 

 

その間にも、この剣は必死になって訴え続けている。

 

この剣の意思に従う事にし、その誘導に従って移動する。

 

一寸先が見えないほどの闇、あらゆる光を飲み込む漆黒が辺りを包んでいる。

 

 

此処が恐らく、深淵の穴なのだろう。

 

その名の通り、周辺が闇に包まれている。

 

そして、周りには赤い光がちらほらと見える、恐らく住人たちの目の光だな。

 

 

そのお陰か、彼らの位置が非常に分かりやすい。

 

 

月明かりの大剣にエンチャントを施して、その光に向かって光波を飛ばす。

 

 

一方的な攻撃、彼らは何処から攻撃されたのか分からないまま次々絶命して行く。

 

 

彼らの死体を確認しに行くと、一冊の魔道書が落ちていた。

 

 

闇の飛沫、ウーラシールの魔術師が狂気の内に見出した深淵の魔術。

 

深淵の泥を飛沫として撒き散らす。

 

この魔術書の説明文は闇の玉と似通っていた。

 

 

研究資料には、深淵の主についてが記されていた。

 

 

深淵の主は、元を正せば我々と同じ人間だった。

 

彼は深淵の魔物に直接深淵を飲まされ、湧き上がる力を抑えきれず、その身体を異形へと変えた。

 

我々を飲み込んでいる深淵は、彼を通して溢れ出たもの、いわば出涸らしだ。

 

純粋な深淵の力、それさえ手に入れれば、我々脆弱な人間は神にすら対抗できる手段を手に出来るだろう。

 

 

 

……………、脆弱な人間、ね。

 

そんな訳があるか、人間は強い。

 

弱さを知りながらも立ち向かう強さ、それは化け物共には無い物だ。

 

化け物を殺すのは何時だって人間だ。

 

人間以外に、殺す事が出来るものか。

 

不死人は人間では無いと言う者が居るようだが……。

 

巫山戯るなよ、俺は人間を辞めたつもりなど毛頭無い。

 

心が、魂が人間なのだ。

 

だからこそ、俺は誰がなんと言おうと人間であり続ける。

故に、俺が証明して見せよう。

 

人間の強さを、意志の心の魂の強さを。

 

この先で待つ深淵の主を討つ事で。




エネステ&ヘルムブレイカーですね、リリカル編では混沌の刃でエネステ連斬をやらかしたりするだろうね。


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