不死の英雄伝 〜始まりの火を継ぐもの〜   作:ACS

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ダクソ二次創作の最長記録を着々と更新してますねぇ(白目)

ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン! 裏汁は魔物なんだよぉぉお。


この調子だと、仮面が跋扈する森や亡霊が蔓延る小ロンドはどうなるんだ(震え声)


まぁ、手は抜きませんが。


不死の英雄伝 98

第九十八話 一騎討ち

 

時は遡り、シフとマヌスが衝突する前。

 

月明かりの大剣を構えた騎士と、素手の深淵歩きが互いに間合いを測っていた。

 

 

一触即発、正にその様な言葉が似合うほどこの場の空気は重かった。

 

 

 

 

取り敢えず、マヌスはシフに任せよう。

 

 

今は俺の目の前に居る最強の男に全神経を集中させる。

 

 

聖剣の刃に結晶のエンチャントを施しながら、仕掛けるタイミングを探って行く。

 

 

彼の剣は、彼の背後に突き刺さっている。

 

それを拾わせないように……⁉︎。

 

 

 

俺の思考を途切れさせるほどの絶叫が辺りに響き渡る。

 

 

邪神マヌス、彼が恐怖の入り混じった咆哮を放った後に選択したのは闇術を行使する事。

 

 

 

幼い身体のシフではあの一撃を耐えられないだろう、いくら聖剣のバックアップが有るからと言ってもアレ一本ではいつか捕まってしまうだろう。

 

 

そこまで考えた俺は、その先を考える間も無く左手の大盾を彼の闇術の射線上に向かって投擲する。

 

 

結界の大盾は、回転しながらマヌスの放った闇術を弾き返し、その杖を弾きあげる。

 

それによって生まれた僅かな空白。

 

その隙をうまく使い、シフは結界の大盾を空中で受け取った。

 

 

コレで、向こうは心配無いが、問題は俺だな。

 

 

今の行動で見す見すアルトリウスに剣を回収されてしまう。

 

 

盾と剣、それを携え、疲労のない身体のアルトリウス。

 

 

今の彼は正に天下無双、一騎当千。

 

 

きっと、このロードラン一の強さを持っているのだろう。

 

 

最早泥人形などと蔑みはしない。

 

 

ー我は始まりの火を継ぐ者、大王グウィンの後継者なりッ‼︎ー

 

 

ー王の四騎士が一人、深淵歩きアルトリウスとお見受けするが相違は無いかッ‼︎ー

 

 

彼は緩慢な動きで頷き返した。

 

 

それを皮切りに、彼の意識が徐々に浮上して来ているようだ。

 

 

その証拠に、今の彼の目には強い光が宿っていた。

 

 

彼の強靭な精神が、マヌスの恐怖によって揺らいだ深淵の支配を上回り、返事を返す。

 

 

ーいか、にも…ー

 

 

ーならば是非もないッ‼︎ー

 

ー貴公に決闘を申し込むッ‼︎ー

 

ー深淵の泥に飲まれ、人形のように朽ち果てるのを否とするならば、この決闘を承知して頂きたい‼︎ー

 

ー返答は、否か応かッ‼︎ー

 

 

ー…………ー

 

 

ー返答を返せッ‼︎ 騎士アルトリウス‼︎ー

 

 

ー………、応ッ‼︎ー

 

 

この瞬間、彼の意識は深淵の支配下から一時的に解き放たれる。

 

 

邪神マヌスの泥人形に、残滓となった魂と残留思念を捻じ込まれた模倣品。

 

 

しかし、その魂は紛れも無いアルトリウス本人のもの。

 

 

彼の全身は深淵の泥によって構成されている、いくら深淵の支配が弱まろうとも、そこから抜け出すことは出来ない。

 

だが、たった一瞬であろうとも、自分を取り戻す事ができ、且つ泥人形としての無様な最期では無く、騎士として最期を迎えられるのだ。

 

 

彼は感謝していた。

 

 

本来ならば、泥人形として朽ち果て、死後すらも深淵に辱められ続けるはずだった。

 

 

生きながらにして、喋る事も、動く事も出来はしない。

 

 

一度彼に討たれたと言うのに、おめおめと生き恥を晒している屈辱、それは彼を苦しめ続けていた。

 

 

だが、その苦しみから解放される時が来た。

 

 

シフのお陰で深淵の支配が僅かに弱まり、かの騎士が発破を掛けてくれたお陰で自分を取り戻す事が出来た。

 

 

邪神の支配下からは抜け出せない為、マヌスに剣を向けることは出来ず、侵入者である彼らと戦わなければならない。

 

 

出来れば彼らと共に深淵の主を討ちたかったが………。

 

 

おっと、騎士名乗りがまだだったな。

 

 

私の最期なのだ、少々大袈裟にやらせて貰おうか。

 

 

アルトリウスはその場で回転斬りを放ち、自らを再び飲み込もうとする深淵の泥を吹き飛ばして、大剣を肩に担ぎながら高らかに名乗りを上げる。

 

 

ー我が名はアルトリウス‼︎ー

 

ー王の四騎士が一人、深淵歩きアルトリウス‼︎ー

 

ー来るが良い‼︎、大王の後継者、始まりの火を継ぐ者よ‼︎ー

 

ー我が全霊を持って、貴公にその器があるか見極めようぞ‼︎ー

 

ー我が剣の冴え、とくとその身で味わうが良い‼︎ー

 

ーそしてッ‼︎ー

 

ー貴公が後の創生を望むと言うならば‼︎ー

 

ーその胸裏に我が名を刻み込んでおけッ‼︎ー

 

ー我が名はアルトリウス‼︎ー

 

ー深淵歩きアルトリウスだッ‼︎ー

 

 





覚醒全盛期アルトリウスとの一騎討ちになりましたね(白目)


100話じゃ終わんねぇよ。

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