マクスウェル「出来た!ニケとの相性が数値化される眼鏡だよ!!」 作:耕作地
よろしくお願いします。
「…一体何を言っているんだ?」
午前8時、今日は珍しく何も予定がないため遅めに起床し、指揮官室でラピが淹れてくれたコーヒーを飲んでいると興奮した様子のマクスウェルが部屋に飛び込んできた。
「だ〜か〜ら〜、ベビーとニケの相性が数値化される眼鏡が出来たんだよ」
そういうとマクスウェルはケースのような物から眼鏡を取り出し、こちらに渡してきた。
「はい、取り敢えずかけてみて」
「ちょっと待って、それだけの説明じゃ何も分からないわ。それにその眼鏡は大丈夫なものなの?」
言われるがままに付けようとした私を見て、一緒にコーヒーを飲んでいたラピがマクスウェルにそう尋ねる。
「安全性については保障するよ。眼鏡の仕組みについてだけど、簡単に言えばこれまでに収集・蓄積したベビーの肉体、メンタルデータを基に、ベビーにとって相性が良い、悪い要素は何かを分析、そして眼鏡でニケを見るとそのニケがそれぞれの要素をどのくらい持っているかを分析して数値が出るってわけ」
「…そうか」
一体いつデータを採られたのか、そもそもデータを採って良いなんて言ってない等、言いたい事は色々あったが全部飲み込んでそう返す。
「ただ、ちょっとニケ側のデータが不足してるから、ベビーに色んなニケの数値を見て貰って正確性についてフィードバックが欲しいな〜と思って」
「マクスウェル自身が数値を見て、その数値について私が意見を言うという形ではダメなのか?」
「勝手に他人の数値を見るのはダメでしょ〜」
「…」
「ベビーが見たいっていったら断るニケはいないだろうし、今後のためにもお願い!」
さて、どうしたものか。私自身もニケとの相性について興味はあるが、もし低い数値が出たら…それにニケのプライベートな部分を覗き見るようで気が引けるのもある。
「指揮官!やりましょう!」
私が考えこんでいるとラピが急にそう言いだした。
「しかし」
「えいっ」カチャッ
反論する間もなく、ラピに例の眼鏡をかけられる。
「指揮官!数値は見えますか!?」
眼鏡のレンズ越しにラピを見ると頭の上に何やら数字が浮かんでいるのが見える。見える数字は…
「31」
「えっ」
「31と表示されている」
「あれ、意外だね〜。てっきりラピはもっと高い数値が出ると思ってたよ」
「マクスウェル、31という数値はどうなんだ?」
軽くショックを受けているラピを横目に、マクスウェルにそう尋ねる。
「うーん、悪くはないけどっていう感じかな」
「もう少し数値の詳細を教えてくれないか」
「1〜20だったら微妙な相性で、21〜40ならぼちぼちの相性、41〜60なら良い相性だよ。中々無いと思うけど61〜80だったら抜群に良い相性で、それ以上だったらもう完璧って感じかな。あ、言い忘れてたけど、数値は1〜100の数字が表示されるよ」
ふむ、ラピとはそれなりに友好な関係を築いていると思っていたが、現在の関係性と数値には関係はないという事だろうか。
「31…私と指揮官の相性は31…」
「そんなに落ち込まないで大丈夫だって〜、あくまでこれはプロトタイプだし、それにこの数値は低かったからってラピと指揮官の絆が否定される訳じゃないでしょ?」
「そうだ、私はラピの事を大切に思っているし、数値が低かったからといってそれが変わる事はないぞ」
「指揮官…」
そうだ、数値が高かろうと低かろうと私とニケの間の絆、関係には何ら影響はない。
「あ、ちなみに私の数値はどう?」
マクスウェルにそう言われ、彼女の頭上を見る。
……見間違えだろうか、一旦眼鏡を外し、しばらく目を瞑った後にもう一度眼鏡をかける。…やはり数値は変わらない。
「ねぇ、もったいぶってないで教えてよ〜」
「指揮官、顔色が悪いようですがどのような数値が出たのですか?」
二人にそう急かされ、しぶしぶ口を開く。
「…1だ」
「「えっ」」