Beyond the Northern Sea 作:魂魄妖霧
この作品は、私にとって初めて執筆した小説です。至らない点もあるかと思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
舞台は、世界最強の海軍国家「北洋連邦共和国」と、謎に包まれた海域「ヴェール海」。
それでは、物語をお楽しみください。
海洋暦21XX年 北洋連邦共和国首都ノーザンクトハーバー
朝焼けが北洋湾を黄金色に染める。
世界最大級の軍港、ノーザンクトハーバー海軍基地では、一日の始まりを告げる汽笛が静かに響いていた。
戦艦、航空母艦、巡洋艦、駆逐艦、潜水艦、補給艦。
数百隻もの北洋海軍艦艇が整然と並び、その壮観な姿は、世界最強の海軍国家と称される北洋連邦共和国の象徴だった。
しかし、その平穏の裏では、人類がいまだ解き明かせない海が静かに牙を研いでいた。
北方の禁断海域――ヴェール海。
濃霧に包まれたその海では、艦艇の失踪、不可解な通信、未知の生命反応など、数々の異常現象が確認されている。
北洋連邦共和国は長年にわたり観測と調査を続けてきたが、その全貌はいまだ謎に包まれたままだった。
――北洋海軍第二空母打撃群
航空母艦「ほうしょう」。
飛行甲板では艦載機の最終点検が進み、格納庫では整備員たちが慌ただしく作業を続けている。
その名は、アンナ・アンダーソン。
北洋海軍大佐。
航空母艦「ほうしょう」の艦長として、第二空母打撃群を率いる若き指揮官である。
アンナは静かにヴェール海の方角を見つめた。
その時、艦内放送が艦全体に響き渡る。
「本部より緊急入電。」
「ヴェール海第一観測基地との通信が途絶し正体不明の大規模エネルギー反応を確認した。北洋海軍全艦隊、第一種戦闘配置!」
艦橋の空気が一変する。
副長が敬礼しながら報告した。
「艦長。海軍総司令部より緊急出港命令です。」
アンナは静かに制帽を被る。
「総員、第一種戦闘配置。」
「機関始動。」
「
「
乗員たちは一斉に持ち場へ駆け出し、艦内は一瞬で戦時の空気に包まれた。
やがて港に重厚な汽笛が響き渡る。
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07:00
「ほうしょう」、
巨大な航空母艦はゆっくりと岸壁を離れ、外洋へ向けて進み始めた。
でアンナは前方を見据え、落ち着いた声で命じる。
「進路、ヴェール海。」
「最大戦速でお願い。」
「了解。進路ヴェール海、最大戦速。」
朝日に照らされた「ほうしょう」は、第二空母打撃群の中央に立ち、未知なるヴェール海へと針路を向けた。
誰もが平穏な出港だと思っていた。その認識は、間もなく覆されることになる。
この日、この07時00分の出港が、後に歴史書で「ヴェール海戦役の始まり」と記されることを、この時まだ誰も知らなかった。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
本作は私にとって初めての小説でした。少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
次回の更新はいつになるか分かりませんが、これからも少しずつ物語を書き続けていきます。
また次のお話でお会いしましょう。