-平和の終わり-
-恋のライバル?-
みんな仲良しランドには、
今日も子供たちの笑い声が響いていた。
広場ではウインナーとドロップが散歩をしている。
その時だった。
「ウインナーお兄ちゃーーん!」
元気よく飛びついてきたのは、パイン。
十一歳になった少女は、
勢いよくウインナーへ抱きついた。
「おかえり!」
「久しぶり!」
ウインナーも笑顔で頭を撫でる。
「ただいま。」
その光景を見ていたドロップも微笑む。
「仲良しね。」
しかし。
パインはじっとドロップを見つめた。
視線は自然と左手へ向く。
そこには青いブレスレット。
パインは少し頬を膨らませた。
「……お姉ちゃん誰?」
ウインナーは少し照れながら答える。
「僕の大切な仲間だよ。」
その一言に、ドロップも少し頬を赤くする。
パインはますます面白くなさそうな顔をした。
「ふーん。」
その横ではキウイが頭を抱えている。
「また始まった……。」
キウイは密かにパインへ想いを寄せている。
しかし当の本人は、ウインナーしか見えていない。
「お兄ちゃんは私のお兄ちゃんなんだから!」
パインはドロップの前へ立ちはだかる。
ドロップも困ったように笑った。
「はいはい。」
ウインナーだけが慌てる。
「ま、まあまあ二人とも!」
その様子を見ていたラクガンは遠くから笑っていた。
「平和だなぁ。」
青空の下。
笑い声だけが広場へ響いていた。
-みんなで遊ぼう-
ランドの芝生広場。
子供たちが集まり、大騒ぎしていた。
「鬼ごっこだー!」
ダイフクーは拳を鳴らす。
「よし!全員まとめて来い!」
全力疾走。
子供たちも負けじと走り回る。
「待て待てー!」
その姿に笑いが絶えない。
シャーベットは積み木を前に真剣な表情だった。
「この角度なら崩れないぞ。」
横では子供たちが積み木を積み上げている。
「すげー!」
「高くなった!」
一方。
ブリトーだけは困っていた。
「僕……どうすれば?」
その時、小さな子供が手を掴む。
「お兄ちゃん鬼ね!」
「鬼?」
「鬼はね、みんなを追いかけるんだよ!」
「わー!逃げろー!」
あっという間に追いかけ回される。
転びそうになりながら走るブリトー。
その姿にドロップも笑った。
「ふふっ。」
ウインナーも優しく笑う。
「楽しそうだね。」
少し離れた場所。
ラクガンは洗濯物を干しながら、その光景を見守っていた。
「こういう毎日が続けばいいんだけどな。」
穏やかな風が吹き抜ける。
誰もが幸せそうだった。
-語られない過去-
ランドの外れ。
木陰でレイカが煙草を吸っていた。
その隣へユリが腰を下ろす。
「昔、何があったの?」
レイカは空を見上げる。
煙がゆっくり流れていく。
「……ユリなら話してもいいか。」
少しだけ間が空く。
「誰にも言うな。」
「特にウインナーには。」
ユリは静かに頷いた。
レイカは目を閉じる。
「実は──」
その時だった。
-霧-
ランドの中央から白い霧が立ち上る。
あっという間に視界が奪われた。
「なんだこれ!」
ダイフクーが叫ぶ。
ブリトーも辺りを見回す。
「何も見えない!」
子供たちの笑い声だけが遠くから聞こえる。
そして。
「きゃあああーー!!」
悲鳴。
その声に全員が駆け出した。
ユリとレイカも同時に飛び出す。
数秒後。
霧が晴れる。
そこには誰もいなかった。
遊んでいた子供たちが。
全員、消えていた。
ウインナーの表情が変わる。
「キウイ!」
「パイン!!」
ドロップも必死に辺りを探す。
「どこ!?」
静寂だけが広がる。
その時。
空から静かな声が響いた。
「やっと来たかい、ウインナー。」
全員が空を見上げる。
ウインナーだけが震える声で呟いた。
「……その声は。」
「スパム先生!!」
霧の向こう。
人影だけが静かに立っていた。
その表情は見えない。
味方なのか。
敵なのか。
誰にも分からなかった。
静まり返ったランドに、
風だけが静かに吹き抜けていく――。