-休息と修行-
-優しい朝-
みんな仲良しランド。
朝日がゆっくりと施設を照らし始める。
窓から差し込む光の中、
ウインナーはゆっくりと目を開けた。
まだ身体は重い。
胸の奥にも、消えない痛みが残っている。
「……ふう。」
コンコン。
「入るわよ。」
ドロップが朝食の乗ったトレーを持って、
部屋へ入ってきた。
焼きたてのパン。
温かなスープ。
果物まで添えられている。
「調子はどう?」
ウインナーは少し笑う。
「大丈夫だよ。」
その返事にドロップは呆れたように肩をすくめる。
「……相変わらずね。」
「今日は安静。」
「私もここに居るから。」
ウインナーは少し悲しそうに笑った。
「……はい。」
その瞬間。
ドドドドドド!!
廊下から激しい足音。
勢いよく扉が開いた。
「ウインナーお兄ちゃん大丈夫!?」
子供たちが一斉に飛び込んでくる。
部屋は一瞬で賑やかになった。
ウインナーは苦笑しながら頭を撫でる。
「大丈夫だよ。」
「ありがとう。」
すると子供たちは笑顔で言った。
「元気になったらたくさん遊ぼうね!」
「約束だからね!」
「鬼ごっこする!」
「かくれんぼも!」
ウインナーは心から笑った。
「うん。」
「約束。」
子供たちは満足そうに帰っていく。
静かになった部屋。
ドロップはその後ろ姿を眺めながら微笑む。
「……いいお兄ちゃんね。」
「本当に。」
-穏やかな昼-
ランドの広場。
子供たちが元気よく走り回っている。
ダイフクーは全力で追いかけっこ。
「待て待てぇぇぇ!!」
「捕まえてみろー!」
シャーベットは少し離れた場所で本を読んでいたが、
いつの間にか子供たちに囲まれていた。
「シャーベット先生ー!」
「本読んで!」
「先生……?むむ……。」
「仕方ない。」
読み聞かせが始まり、
子供たちは静かに耳を傾ける。
その光景を見ながら、
ラクガンは洗濯物を干していた。
「平和ですね。」
その横。
レイカが煙草を取り出す。
火をつけようとした瞬間。
ユリがじーっと見つめる。
「……子供たちいるけど。」
レイカは固まる。
数秒後。
「……はい。」
静かに煙草をしまった。
ユリは少しだけ笑う。
「よろしい。」
レイカは空を見上げるだけだった。
-それぞれの修行-
午後。
ランド各地で修行が始まる。
ラクガンはダイフクーとシャーベットを指導していた。
巨大な丸太を担ぎ、
全力疾走。
「まだまだ!」
「清く!正しく!根性だ!」
ダイフクーは汗だくになりながら笑う。
「うおおおお!!」
シャーベットも珍しく真剣だった。
「ぬおおお!重いっ!!」
一方、
ユリはドロップへ体術を教えていた。
「力じゃない。」
「流れを見る。」
ドロップは何度もをユリに挑む。
転び、
立ち上がり、
また飛びかかる。
「もう一回!」
「ええ。」
そして、別の広場。
ブリトーとウインナーも修行を続ける。
風を操る感覚。
禁貨との共鳴。
少しずつ、
確実に力は増していた。
その様子を、
レイカは腕を組んで静かに眺めている。
「……風が……。」
その一言だけ残して、
どこかへ歩いていった。
夕方。
ランドの食堂。
みんなで夕食を囲んでいた。
笑い声が絶えない。
ダイフクーが突然、
ニヤニヤしながらウインナーを見る。
「そういやよ。」
「お前ら。」
「距離が近くなったな!」
「確かに。付き合ってから余計だな。」
ウインナーは吹き出した。
「えぇ!?」
ドロップは顔を真っ赤にする。
「なっ……!」
「今も隣にピッタリ座ってるしな!」
シャーベットは真顔。
「確かに。」
ブリトーも頷く。
「僕もそう思ってた。」
「そ、そんなに近いかな?」
わざとらしく距離を取る二人。
レイカとユリが助け舟を出す。
「あまり冷やかしてやるな。」
「可愛いじゃない?ね?」
「…まあ若いな。」
ドロップは机へ突っ伏した。
「もうやだぁぁぁ……。恥ずかしい。」
食堂は笑いに包まれる。
久しぶりに、
何も考えず笑える夜だった。
-青き炎-
深夜。
誰もいない特訓場。
レイカは静かに立っていた。
左耳のピアスを外す。
そしてもう一つ。
二つ目も外した。
途端に、
身体から青い炎が揺らめく。
炎は美しい。
だが、
どこか不安定だった。
揺れ。
暴れ。
制御できないほど膨れ上がろうとする。
レイカは刀を握り締める。
「……なんとか。」
「ここまで扱えたらな。」
炎が揺れる。
その時だった。
後ろから足音。
ユリだった。
「……抑えきれないのが怖い?」
レイカは振り返らない。
「……まあな。」
青い炎が揺れ続ける。
ユリは隣へ立った。
静かに空を見る。
「その時は。」
「また止めてあげる。」
ピアスをつけ直し、
レイカは少しだけ笑う。
そして炎を消した。
「……同じことを繰り返してたまるか。」
夜風だけが二人の間を吹き抜ける。
静かな月明かりの下、
二人は並んで歩き始めた。
誰にも知られないように。
それぞれの過去と、
それぞれの未来を胸に抱きながら――。