-岩壁の試練-
-第三階層-
第二階層を突破した一行は、
現れた石階段をゆっくりと降りていく。
一歩進むごとに空気は重くなり、
足音だけが神殿の奥へ響いていた。
やがて辿り着いた先には、巨大な石扉。
ブリトーが静かに扉へ手を添える。
「……行こう。」
重々しい音を立て、石扉がゆっくりと開いた。
広がっていたのは、巨大な岩石地帯。
無数の岩柱が林立し、床はひび割れ、
天井からも巨大な岩が突き出している。
まるで山そのものを切り抜いたような空間だった。
ダイフクーが豪快に笑う。
「ははっ!こういう場所は嫌いじゃねぇ!」
シャーベットは辺りを見回す。
「……逆に言えば、相手も最大限に力を発揮できる地形だ。」
その時。
壁一面の古代文字が淡く輝き始めた。
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第三階層
守護者 カフェラテの影
挑戦者 一名
第三者の介入を禁ずる
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黒い霧が集まり、一人の埴輪の男の姿を形作る。
岩のように逞しい身体。
全身を包む漆黒の闇。
カフェラテの影は静かに拳を握った。
同時に、ダイフクーの足元だけが青白く光る。
「おっ、俺か!」
透明な壁が仲間たちの前へ現れる。
レイカは腕を組みながら言った。
「任せた。」
ダイフクーはニヤリと笑う。
「任せろ!」
-力比べ-
開始の合図もない。
次の瞬間だった。
カフェラテの影が一気に距離を詰める。
「うおっ!」
ダイフクーが咄嗟に拳を振るう。
ドゴォォン!!
拳と拳が激突した瞬間、
衝撃だけで周囲の岩柱が砕け散った。
ケンが思わず叫ぶ。
「うわっ!」
「岩が吹っ飛んだ!」
しかし影は止まらない。
右拳。
左拳。
膝。
肩。
一撃一撃が岩のように重い。
ダイフクーも真正面から打ち返す。
「おらぁ!」
ガガガガン!!
拳がぶつかる度、地面に亀裂が広がっていく。
観戦するウインナーが呟く。
「……純粋な力勝負。」
レイカも目を細める。
「真正面から受け続ければ、先に潰れる。」
ダイフクーは歯を食いしばりながら笑った。
「いいじゃねぇか!」
「そういうの、大好きなんだぜ!」
-仲間のために-
カフェラテの影が地面を叩く。
巨大な岩柱が地面から突き上がる。
ダイフクーは腕を伸ばし、岩柱を掴む。
そのまま身体を振り回し、大きく跳躍。
岩柱を蹴り砕きながら着地する。
「すげぇ……。」
ケンは目を輝かせた。
しかし次の瞬間。
影の拳が腹部へ直撃する。
ドォン!!
ダイフクーは何十メートルも吹き飛ばされ、
岩壁へ激突した。
砂煙が舞う。
誰も声を出せない。
やがて煙の中から笑い声が響いた。
「……いてて。」
「やっぱ強ぇなぁ。」
ゆっくり立ち上がる。
口元から血を拭いながら、それでも笑う。
「でも。」
「負けられねえんだ。」
「俺には難しいことは分かんねぇ。」
「賢くもない。」
「速くもなれねぇ。」
静かに拳を握る。
「だけど。」
「仲間を守るためなら。」
「俺は何度でも立ち上がるぞ。」
「耐久性は誰にも負けねえぞ!」
透明な壁の向こうで、ユリが優しく微笑んだ。
「ダイフクーらしいね。」
レイカも小さく笑う。
「……かっこいいな。」
-ネックインパクト-
ダイフクーは深く息を吸う。
首がゆっくりと伸び始める。
十メートル。
二十メートル。
三十メートル。
カフェラテの影が初めて構えを変えた。
「行くぞぉぉぉっ!!」
長く伸びた首が、大きく弧を描く。
まるで巨大な鞭。
空気を切り裂きながら一気に振り下ろされる。
「ネックインパクト!!」
バギィィィン!!
凄まじい衝撃が神殿中へ轟いた。
カフェラテの影は腕で受け止める。
しかし、その身体は大きく揺らぐ。
「まだだぁぁぁ!!」
ダイフクーは首をしならせ、
二撃、三撃と連続で叩き込む。
一撃ごとに岩が砕け、床が陥没する。
最後の一撃。
渾身の一振りが影の胸部を直撃した。
ドォォォォン!!
カフェラテの影は岩壁へ叩きつけられる。
全身へ無数の亀裂が走った。
闇が静かに剥がれ落ちる。
やがて身体は白い光へ変わり、
粒子となって消えていった。
ブリトーは静かに目を閉じる。
「……ごめん。」
神殿が再び震える。
ゴゴゴゴゴ……。
透明な壁が消え去る。
中央の床がゆっくりと開き、
第四階層へ続く石階段が姿を現した。
壁の古代文字が静かに輝く。
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第三階層 攻略完了
第四階層 解放
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ダイフクーが仲間の元へ戻ると、
ケンが勢いよく飛びついた。
「すげぇよダイフクー兄ちゃん!」
「首があんなに伸びるなんて反則だろ!」
ダイフクーは豪快に笑う。
「はははっ!びっくりしたか!」
レイカは肩を軽く叩く。
「見事だった。」
その一言に、
ダイフクーは少し照れ臭そうに頭を掻く。
「へへっ。」
ブリトーは静かに第四階層へ続く階段を見つめた。
「……次は誰だ。」
誰が待ち受けているのか。
それはまだ、誰にも分からない。
一行は静かに階段へ足を踏み出した。