-キリエ-憐れみの賛歌   作:yasuteru

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第七章

 

 

―湯気立つ王国―

 

 

 

ーカマメシ王国到着ー

 

 

 

気球船は青空をゆっくり進んでいた。

 

雲を抜けると、

 

巨大な城下町が見えてくる。

 

湯気の立つ温泉街。

 

立ち並ぶ食堂。

 

活気ある市場。

 

そして中央には、大きな城。

 

ドロップは身を乗り出した。

 

「わあ!!色んなお店がある!!」

 

ダイフクーは懐かしそうに笑う。

 

「相変わらず賑やかだな!」

 

ブリトーは初めて見る景色に目を輝かせる。

 

ユリも小さく呟く。

 

「……綺麗。」

 

その横顔を見たレイカは、少しだけ微笑んだ。

 

「さあ、もうすぐ着くよ!」

 

気球船はゆっくりと王国へと降下していく。

 

 

ーデンガクとの再会ー

 

 

 

気球船が着陸すると、

 

一人の老人が深々と頭を下げた。

 

「お待ちしておりました。」

 

「ウインナーさま。」

 

デンガクだった。

 

ウインナーも笑顔になる。

 

「お久しぶりです!」

 

固い握手を交わす二人。

 

デンガクは仲間たちにも頭を下げる。

 

「この度は、本当にありがとうございます。」

 

「メンバーを集ってはいたのですが…。」

 

「決まった直後に音信不通になることが続いてて。」

 

「やむを得ず、皆様にご連絡差し上げました。」

 

「旅のお邪魔をして申し訳ございません。」

 

「いやいや、大丈夫ですよ。」

 

その礼儀正しさにブリトーは少し驚く。

 

「王国の人ってみんなこんな感じなのか?」

 

ダイフクーは笑う。

 

「デンガクだけだろ!」

 

「そんなことないですよ。」

 

「カマメシ王国の民は礼儀正しい方がお揃いです。」

 

「だってよ、ダイフクー。」

 

「……すまん。」

 

「はっはっは、いいんですよ。」

 

「では、ご案内いたしますね。」

 

 

 

ー王国案内ー

 

 

 

デンガクの案内で王国を歩く。

 

大会会場。

 

市場。

 

露店。

 

そして、温泉が。

 

「温泉がある!!」

 

ドロップは目を輝かせていた。

 

「ねえ、今日は温泉宿に泊まりましょ!」

 

シャーベットが冷静に答えた。

 

「…お金はあるのか?」

 

はっとなっているドロップを見て

 

デンガクが笑顔になり口を開く。

 

「出場していただける皆様は。」

 

「無償でご利用できますよ。」

 

「本当!?やったあー!!」

 

ユリは街並みを静かに眺める。

 

ブリトーは闘技場を見上げる。

 

「ここで戦うのか。」

 

レイカは煙草を吸いながら呟く。

 

「……脆そうだな。」

 

ウインナーが不思議そうに尋ねる。

 

「え、丈夫そうじゃない?」

 

「俺にとってはな。」

 

「レイカ基準にしてたら、何も建てれないよ…。」

 

シャーベットは資料館を見つけた。

 

「少し寄ってもいいか?」

 

ダイフクーが苦笑した。

 

「……変なもの買うなよ?」

 

「……善処する。」

 

 

ー遺跡の噂ー

 

 

 

案内の途中。

 

ウインナーは地図を広げる。

 

「そういえば、この辺りに遺跡があるはずなんだけど。」

 

デンガクは頷いた。

 

「ございます。」

 

「ですが現在は立ち入り禁止区域です。」

 

「大会期間中は警備も厳しくなります。」

 

ブリトーは少し残念そうにする。

 

レイカは煙草を消した。

 

「大会が終わってからでいい。」

 

「逃げる遺跡じゃない。」

 

その言葉にウインナーも笑う。

 

「そうだね。」

 

「大会後、許可証を発行しておきますね。」

 

「助かります。」

 

 

案内が終わり、みな自由に動いている。

 

夕暮れ時にもかかわらず、

 

王国は祭りのような賑わいだった。

 

屋台の灯り。

 

笑い声。

 

音楽。

 

ドロップとダイフクーは食べ歩きを楽しみ、

 

シャーベットは資料館へ行き、

 

残されたメンバーは遺跡について話す。

 

その中、

 

ユリは夜空を眺めていた。

 

その隣にはレイカ。

 

「あいつら、好き勝手に動いて…。」

 

「……ユリ。楽しそうだな。」

 

レイカが呟く。

 

ユリは静かに笑う。

 

「うん。」

 

「こういう賑やかな夜も、好き。」

 

レイカも小さく笑った。

 

「そうか。」

 

「……滅多に無かったからな。」

 

その様子を、

 

少し離れた場所から見ていたウインナーは、

 

優しく微笑む。

 

その隣にはブリトー。

 

「仲がいいんだな。」

 

「うん。」

 

ウインナーは頷いた。

 

「二人とも、ずっと一緒なんだ。」

 

「……ちょっと、羨ましいな。」

 

夜風が吹く。

 

その風は闘技場の旗を揺らし、

 

明日始まる戦いを告げているようだった。

 

遠くで鐘の音が鳴る。

 

――ドリ禁大会、開幕まであと一日

 

 

 

 

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