大空スバルの部屋がノエル先輩の甘い沼になるまで 作:しまうまP
・ノエスバの妄想小説です。甘々・キス描写(リップ音)あり。スバルがめちゃくちゃ乙女化してます。
・ホロライブの二次創作ファンフィクションです。
・公式の二次創作ガイドラインを遵守しています。
・ハーメルン、pixivに同時連載しています。
『第3話:大空警察、ガード崩壊5秒前』
「……っ...う...うぅ……」
うつむいたスバルの目から一粒の涙がこぼれて、膝の上へとポツリと流れ落ちた。
一度あふれ出した感情はもう止められない。
スバルは自分の情けなさに唇を噛みしめる。
そんなスバルの肩をノエルがそっと抱き寄せた。
「おいで、スバルちゃん」
「ふぇ……っ?」
次の瞬間、スバルの視界は完全にふさがれた。
優しくてものすごく甘い香りが鼻の奥をくすぐる。
ノエルが泣きじゃくるスバルの頭を、その豊満で柔らかい胸元へと優しく抱きよせたのだ。
「ひゃっ!? ちょ、ノエル先ぱ……っ」
あまりの柔らかさと、耳元で響くノエルの心臓の音に、スバルの脳内は一瞬で大パニックを起こした。
あまりの恥ずかしさに身をよじって逃げようとするが、ノエルの腕は驚くほど力強く強固で、ぎゅーっと抱きしめて離してくれない。
「いいの、そのまま。団長、スバルちゃんのこと世界で一番……ううん、宇宙で一番大好きだよ? だから、団長の前では、甘えん坊で可愛いスバルちゃんでいて?」
背中を手でゆっくり抱きしめられる。
ノエルの体温が、胸の柔らかさが、そして耳元でささやかれる甘すぎる愛の言葉が、スバルの理性を完全に消し飛ばしていく。
(……あったかい……なぁ……)
いつも「しっかりしなきゃ」って張り詰めていたスバルの心が、跡形もなく粉々に砕け散っていくのが分かった。
もう、ツッコミを入れる元気なんて、どこにも残っていない。
「……ずるい...っす……」
スバルは小さくかすれた声でつぶやいた。
そして、真っ赤になった顔をさらにノエルの胸元へと深くうずめ、ノエルの服のすそを小さな手でぎゅっと強くつかみ返した。
「ずるい...っす……ノエル先輩……っ。そんな風に言われたら...スバル……、もう……っ」
「んふふ、スバルちゃん……❤ ずっと、こうしててあげるからねぇ……」
頭のてっぺんにノエルが愛おしそうに何度もキスをする。
そのたびにスバルの心臓は跳ね上がり、全身が熱くなっていく。
ノエルの腕の中に優しく閉じ込められたスバルは、心地いい敗北感に満たされながら、生まれて初めて「女の子」として誰かの腕の中で甘える喜びにおぼれていくのだった。
◇
◇
◇
『第4話:大空スバル陥落!無事ノエルの沼に沈む』
あの甘くて、少しだけ涙が出ちゃったお泊まり会から、一週間が経った。
「……はぁ」
スバルは自分の部屋のソファに座り、ポツリと大きなため息を吐いた。
手元にあるスマホの画面には、カレンダーアプリが表示されている。
今日の配信も、マネージャー業の仕事も、全部いつも通り全力でやり切った。
スバ友のみんなも「スバル今日も最高だったよ!」ってたくさん褒めてくれた。
それなのに……なんだか今のスバルの胸の奥には、ぽっかりと小さな穴が空いたような、妙な寂しさが居座り続けている。
「……ノエル先輩...今何してんのかな……」
気がつけば、ノエル先輩のことばかり考えてしまっている自分がいるのだ。
いつもなら「配信終わったーーー!飯食うぞーーー!」って元気いっぱいになるはずなのに、今は部屋がやけに広く感じて、静かすぎて落ち着かない。
目を閉じれば、あの一週間前に嗅いだノエル先輩の甘い香りと、頭をなでてくれた手のひらのぬくもりが、鮮明に脳裏によみがえってくる。
「あーーーもうっ! スバルは何を考えてるんだよっ!!」
頭をブンブンと振って、真っ赤になった顔をごまかすように自分の両ほっぺをパチンとたたく。
だけど、スマホを握る手は、無意識にノエルとのLINEの画面を開いてしまっていた。
(『今、何してるっすか?』……いやいや、これじゃスバルが寂しがってるみたいじゃん! 送れるわけないでしょ!!)
打っては消し、打っては消しを繰り返す。
そんな、まるで恋する乙女みたいなループを繰り返していた、その時。
ピピッ、と静かな部屋に電子音が響いた。
スバルがびくっと肩を跳ね上げる。
スマホの通知音ではない。玄関の、スマートロックが解錠された音だ。
「スバルちゃ〜〜〜ん! 団長、来ちゃったぁ〜〜〜❤」
ガチャリとドアが開いた瞬間、そこには一週間前と全く同じ、両腕を大きく広げてデレデレの笑顔を浮かべたノエルが立っていた。
「ノエル...先輩……っ」
いつもなら「不法侵入っすよ!」「鍵を勝手に開けるな!」って、間髪入れずに鋭いツッコミを入れていたはずだった。
なのに、今のスバルの口から出たのは、情けないほどに嬉しそうな、甘えた響きを含んだ声だった。
ノエルは楽しそうに目を細めると、靴を脱いでトコトコとリビングへ歩いてきて、スバルの目の前でまた優しく腕を広げる。
「んふふ、スバルちゃん、団長に会いたかった? ほら、おいで?」
「……っ」
もう、あらがう気なんて一ミリも起きなかった。スバルはソファから立ち上がると、吸い寄せられるようにトコトコと歩み寄り、自らノエルの胸の中へと、ポフッと顔をうずめた。
「わぁ……っ、スバルちゃんから来てくれるなんて! 団長、嬉しすぎて心臓止まっちゃいそうだよぉ……!」
驚き、そして歓喜にふるえるノエルの腕が、スバルの背中に回ってぎゅーーーっと強く抱きしめる。
一週間ぶりの、圧倒的な柔らかさと、安心する温もり。
(あ...ダメだ……。スバル...もうこれ...絶対に抜け出せないやつだ……)
ノエルの腕の中で、甘い香りに包まれながら、スバルはぽーっとした頭で確信していた。
あんなに恥ずかしくて、あんなに柄じゃないって思っていたのに、今はこの腕の中にいることが、世界で一番幸せだと感じてしまっている。
「ノエル先輩……」
「なぁに? スバルちゃん」
「……っ、なんでもないっす……。もうちょっと、このままでいさせてほしいっす……」
顔を真っ赤に染めながら、さらに深く胸もとにすり寄るスバル。
そんな完全無欠の「乙女」に変貌してしまったスバルを、ノエルは
「うん、ずっとこうしていようねぇ❤」
と、底なしの愛の沼へとさらに深く、深く沈めていくのだった――。
(スバルの部屋編おわり → ノエルの部屋編に続く)