クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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メタルスライムとポーションスライム アイテムボックス購入

 町の外に出た俺達は、今日の目標を話す。

 

 とりあえず午後は洋服を買いに行くので、午前中だけ集中してモンスター狩りを行うが、いつもの薬草スポットに移動して、そこで薬草採取をしたり、スライムや他のモンスターを狩ったり……。

 

 俺はスライムを捕まえて、キングスライムの数を増やすことに注力かな。

 

「よし、出てこいキングスライム!」

 

 俺の体から光の玉が出てきて、スライムの形になっていく。

 

 人数分の4体だして、その背中に乗って、ハンドルを掴み、移動していくのであった。

 

「楽しい!」

 

 キングスライムに乗っての移動にはマリーもご満悦。

 

 キャッキャと楽しんでいると10分ほどで群生地に到着したので、クイーンスライム娘のクラリンを出して、クラリンに薬草の収穫作業を手伝ってもらう。

 

 他の女性陣3人は魔法の練習で、15年以上のブランクがあるマリーの錆を落とすようにミンナが指導し、藤原さんも新しい魔法が覚えられるように頑張る。

 

 キングスライム達は捕獲するスライムを集めてもらうグループとスライムの魔石を集めるグループに分かれて活動する。

 

「よし、それじゃあ開始!」

 

「「「『おー!』」」」

 

 元気よく返事をして各々活動を開始するのだった。

 

 

 

 

 

 キングスライム達が次々に弱らせたスライムを集めてくるので、それを合成していく。

 

 その間に、ふとスライムと金属を合成しても別のモンスターになることを思い出して、スライムと鉄を合成してみることに……。

 

「合成っと」

 

 合成が完了すると、鉄の光沢がある、銀色っぽいメタルスライムに進化することができた。

 

 ステータスを見ると、速度が落ちる代わりに体力と防御が高くなったフォルムっぽい。

 

 決して経験値が大量に落とす某ゲームのメタルスライムとは別種だ。

 

 メタルスライムに進化すると、スライムの時は大量に分岐していた進化先が固定化されて、1直線になってしまう。

 

 メタルスライム同士を掛け合わせると、次はハイメタルスライム。

 

 次はハイパー、マスター、ビッグ、そしてキングメタルスライムへと進化を続ける。

 

「流れで手持ちの鉄を殆ど消費してキングメタルスライムにしたけど……お前は何ができるんだ?」

 

 キングメタルスライムを突いてみると、スライムみたいな柔らかさはなく、プルルンともしない。

 

 ただ、ペッと10キロくらいの鉄の塊を吐き出した。

 

「これは一体?」

 

 とりあえず図鑑を開いてヒントが書かれてないか確認してみると、キングメタルスライムの項目に、こんな事が書かれていた。

 

『メタル化して体力と防御力が大幅に上がったスライム種の最終形態。空気中の魔力と水分、あと自身が食べた物を使って、定期的に鉄の塊を生み出せる。キングになると作り出せる鉄の量が多くなる』

 

「お前……鉄を自動生成してくれるのか!」

 

 そうだぞと言わんばかりにぴょんぴょん跳ねる。

 

 動きが遅いと言っても、キングスライムみたいな高速移動ができないだけで、人間が全力疾走するくらいの速さでは動けるからそこまでノロマでもない。

 

 鉄を作ってくれるのであればメタルスライム牧場を作れば、鉄を集め放題ってことになるんじゃなかろうか? 

 

 それはそれで面白いな……こんな感じで素材を作ってくれるスライムが居れば今後助かるかもな……と思うと同時に、王都の近くで鉄を売り始めたりしたら変極まりないので、自粛するのだった。

 

 

 

 

 俺がキングメタルスライムを合成している間に、女性陣は魔法の習得を頑張っていた。

 

「マリー様は魔法って何処まで覚えていたんです?」

 

「だからミンナ、私はただのマリーだから様は要らないって」

 

「宮仕えの癖で……」

 

「敬語も禁止!」

 

「うう……分かりました……いや、分かったわよマリー」

 

「よろしい!」

 

 宮仕えだったミンナは元王族のマリーへの対応の仕方に苦悩しているっぽい。

 

 大変そうだ。

 

 マリー曰く、基礎的な魔法が15年前と変わってなければ全て扱う事が出来るし、魔力量が多いので通常攻撃魔法と呼ばれるミンナが得意のファイヤーボールとか風の刃のエアカッター、土の塊を飛ばすストーンアローといった魔法でも、普通に発動する以上の魔力量を込めることで、威力を上げるといった運用ができるそうな。

 

「試しに私のファイヤーボールだけど」

 

 ミンナが放ったファイヤーボールはバレーボールサイズの火球がそこそこの速さで放たれ、地面に着弾すると数秒赤い炎が燃え盛ってから消えるのに対して、マリーのファイヤーボールは青白い炎の塊で、大きさが軽自動車くらいの大きさ。

 

 それがライフル銃の弾丸くらいの速度で突き進み、着弾する前から地面を抉り、着弾箇所は融解してガラス状になっているくらい別の魔法となっていた。

 

「それファイヤーボールじゃなくて、もっと高位の魔法ですよね?」

 

「いや、私にとってのファイヤーボールってこれくらいの威力になるんだけど……連発できるし」

 

「絶対に火炎耐性があるモンスター以外に使わないで……素材ごと融解するから」

 

「わかったわ」

 

 マリーに教えるべきはもっと低威力の魔法という、手加減のやり方を教えるという普通ではあり得ないことをミンナは教える羽目に……。

 

 普通じゃないマリーだった。

 

 

 

 3時間ほどでキングスライムの数を6体とキングメタルスライム1体を合成することに成功し、あと薬草とスライムを合成したらどうなるかで、ポーションスライムという新種のスライムを合成することにも成功した。

 

 これもキングまで複数合成させたが、ポーションスライムは容れ物を与えると、その中に一定量の薬草から作られる回復ポーションを体内で自動生成してくれるスライムで、弱らせたモンスターもこのポーションが吐き出す回復液に触れると、たちまち元気に成れるという回復役を担ってくれるスライムが誕生した。

 

 ちなみにキングメタルスライムは銀色っぽい灰色、キングポーションスライムは黄緑色のボディをしている。

 

 どちらも可愛らしい。

 

 なので午前中だけでキングスライム各種を合計8体合成し、あと薬草を200束とスライムの魔石を2万シンク分回収した。

 

 町まではキングスライムに乗って移動し、町に入ったら冒険者ギルドに直行。

 

 素材を換金して午後の服用のお金を作り出してから、昼食を食べるために、ミンナのオススメのお店に入るのだった。

 

 

 

 

 

「ミンナがオススメの店って言ってたけど……石窯から焼かれているの……ピザ?」

 

「そう! 焼きたてのピザが食べられるお店だよ」

 

「ピザ……食べたことありませんわ! 楽しみです!」

 

 店内に入ると、店中に焼かれたピザのいい匂いが広がっていて、食欲をそそる。

 

 人気のお店らしく、多くの席が埋まっていた。

 

 店内で少し並んでから、座席へと案内されてメニュー表を広げる。

 

「ミンナ、オススメは?」

 

「ナチュラルトマトチーズとマヨコーン、それにマルゲリータってピザがオススメかなー。あとこの店はドリアも美味しいよ」

 

「じゃあピザ皆でシェアしながら1枚……いや、2枚か? それにドリアを頼む感じでいいか?」

 

「私は構わないよ」

 

「私も」

 

「うん、OK〜」

 

 女性陣の了承も得られたので、マルゲリータとマヨコーンのピザを1枚ずつ、それにドリアを4皿店員に注文すると、15分くらいで焼きたてのピザとドリアがテーブルに並べられた。

 

「では、いただきます」

 

 ミンナが手際よくピザカッターで均等にピザを切り分けて、それぞれの取り皿によそってくれた。

 

 では1口……うん、熱々のピザが口の中で美味しさを爆発させる。

 

 チーズが絡んで、旨さがヤバい。

 

「凄いなー異世界……このレベルのピザが1枚50シンクで食べれるなんて……」

 

 藤原さんも感嘆しているが、この世界に来て、驚いたのは物価の安さかもしれない。

 

 ミンナ曰く首都だからこの国で一番物価が高いって言っていたが、それでも日本に比べるとだいぶ安い。

 

 宿も風呂と2食付きで600シンク……日本円換算で6000円って滅茶苦茶安いと思う。

 

(ピザって日本だとチェーン店でも2000円くらいするよな。それが50シンク……1枚約500円で食えるってめっちゃ安いな。俺達の両親世代が言っていた牛丼が500円以下で食える時代より前の物価なんだよなぁ……すげえや)

 

 それでいて俺達はスライム狩りでも1日数万シンクを稼ぐことができる。

 

 物価が高かろうがどうってことない高給取りである。

 

(日給数十万円計算になるって考えてると、プロスポーツ選手並みに稼げてるな……今の俺ら。俺のステータスがバグっていたお陰で、キングスライムの増殖もマリーという強い仲間もできたし、ありがたいっちゃありがたいが……)

 

 俺だけ別ゲームしていて、その枠組みを無理やり稼働させているから、入手できる金額がインフレしてしまっている気がするが、まぁなるようになれーってわけだ。

 

 まぁ悪用し過ぎると上層部から警戒されるらしいので程々にな。

 

「ドリアうめぇ~」

 

 とろっとしたチーズにいい感じに焦げ目が付いていて、中のクリームソースがご飯とベストマッチ。

 

 マリーも熱々っとハフハフしながら美味しそうに食べ進めていた。

 

 美味しい料理を食べていると、無言になってしまうのは御愛嬌。

 

 お店も混んでいるの手間、食べ終わったらそそくさと撤収。

 

 全部含めて180シンクでドリア1皿20シンクって安すぎるだろって思いながらも俺が今回料金を全部持って支払うのだった。

 

 

 

 

 

 

「さてと、飯も済ませたことだし、服屋に行く……前に、錬金術のお店に行こうか」

 

「錬金術のお店? なんで?」

 

 マリーがミンナの話になんでと質問をする。

 

「宿のクローゼットは小さいから、アイテムボックスを買って、服を収納できる様にしておかないと、洋服をろくに購入することはできないからね。フジワラとも前に話したけど、お金もあるし、自前のアイテムボックスを1つは持っておいた方が良いよねって話」

 

「なるほど!」

 

 というわけで錬金術師のお店に移動。

 

 ミンナが向かった錬金術のお店は俺が前に建材屋のおっちゃんが紹介してくれたシノンが居るお店だった。

 

「いらっしゃいませ~……あ! 前にもいらっしゃったお兄さんじゃないですか! この前はゴムの購入どうも」

 

「この前ぶり。今日はアイテムボックスを買いに来たんだけど、カタログか見本品を見せてくれないか?」

 

「はーい、お兄ちゃんアイテムボックスの見本持ってきてー」

 

「あいよー」

 

 奥から声が聞こえると、シノンの2人の兄がカタログとアイテムボックスの見本を複数個持ってきた。

 

 カタログを手に取って色々見てみるが、種類が豊富。

 

 普通の木箱タイプから手提げカバンタイプ、リュックタイプ、デカい物だと冷蔵庫を丸々アイテムボックスにしている物まで……中の食材は大丈夫なのだろうか? 

 

 値段と内容量的には木箱タイプが一番安くて量が入る。

 

 お値段は1箱5000シンク。

 

 複数個買うと10%割り引いてくれるみたいな事がカタログには書いてあった。

 

 これはありがたい。

 

「木箱タイプのアイテムボックスでいいよな?」

 

「うん、部屋に置いておく感じだから私はそれでいいかな」

 

 藤原さんは真っ先に賛成してくれた。

 

 ミンナとマリーは色々カタログを見ながら木箱タイプでも色や模様にこだわっていて、結局30分も悩んだ末にマリーは白色のタンスみたいになっている引き出しが複数あるタイプのアイテムボックスを、ミンナは1個じゃ足りなくなるかもしれないから2個購入していた。

 

 俺も普通の木箱タイプのアイテムボックスを2箱購入し、10%割引適応で、2万7000シンクだった。

 

 マリーの分は俺が支払って、藤原さんとミンナは自分の分を出す。

 

「お買い上げありがとうございました! またのお越しを!」

 

 買ったアイテムボックスは俺のインベントリの中に収納し、次は服屋に向かうのだった。

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