クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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化石発掘

 チャ~

 

 いや、ネズミのモンスターいるって聞いていたけど、版権的にヤバいポケット◯ンスターの伝説的な電気鼠のパチモンみたいなのがキングスライムに捕まえられて、俺の前に運ばれてきていた。

 

「イッツ、◯カチュウ!」

 

「このモンスターピカ◯ュウ違うよ……エレキネズミだけど……」

 

 ミンナが冷静にツッコミを入れていたが、とりあえず捕獲していき、エレキネズミはエレキネズミ同士で合成ができるっぽい。

 

 大量発生しているのか、50センチ近くあるそこそこデカいエレキネズミをキングスライム軍団は大量に捕まえてくるので、合成素材には事欠かない。

 

 なのでエレキネズミを合成していくが、メガエレキネズミ……みたいな感じでエレキネズミの前にメガ、ギガ、テラ、ペタと続いていく。

 

 エレキネズミ32体合成でキングエレキネズミへと進化し、ここで打ち止め……かと思ったが、エレキネズミ64体合成で生まれる更に強力な最終進化が居ると図鑑で判明。

 

 俺はキングエレキネズミ同士を合成し、最終進化を目にした。

 

 ゴリチュウ! 

 

 今まで一応ネズミの姿をしていたが、マッスルな人型形態になり、両肩に電気マークの赤い入れ墨みたいなマーク、そして顔はエレキネズミを人っぽくデフォルメした可愛らしい小顔……。

 

「ば、化け物!」

 

 マリーがそう言い放つのもわかる。

 

 可愛らしいエレキネズミはどこへやら……肉体ボディビルダーの様なゴリマッチョがそこに居た。

 

 ちなみにこのモンスターの名前はエレキマッスル。

 

 図鑑でも肉体の生体電気が暴走し、強靭な肉体を手に入れたエレキネズミの最終進化系と表記されており、それでいて結構頭が良いとも書かれていた。

 

 ゴリチャ~

 

 ボディビルダーみたいなマッスルポーズをしているが、顔が小顔過ぎてコラ画像にしか見えない。

 

 ちなみにエレキネズミを64体合成するだけあり、クイーンスライム娘のスラリン並みの強さを持っている。

 

 意外かもしれないが、魔力と魔法の能力も普通に高く、物理攻撃と魔法で遠近両用のモンスターに仕上がっていた。

 

 近くに居たテディベアを肩に乗せるとのっしのっしと森の中に入っていき、ピカッと辺りが光ると、感電死したオオカミのモンスターを複数体俵を抱えるように持ってきて、俺の前に置いた。

 

 チャ~

 

「チャ~じゃないが!」

 

 あといちいちマッスルポースするな……暑苦しい……。

 

 強烈なインパクトを俺達に与えたエレキマッスルであった。

 

 

 

 

 

 

 エレキマッスルのインパクトで他の出来事が薄れたが、エレキネズミの他にも化けキツネや化けタヌキといったモンスターが捕獲でき、次々に合成を繰り返した。

 

 化けキツネは合成を進めると九尾になり、化けタヌキは仙人ダヌキというモンスターへと進化した。

 

「狐娘とか狸娘って王道だよな」

 

「ん? この子達をホムンクルスと合成するの?」

 

「当面はするつもりはないけど、将来的にはな。元の世界ではキツネやタヌキって人に化けるってされていていたり、獣人として人々のなじみ深い動物だったし……」

 

「なるほど」

 

 ミンナは納得してくれたっぽい。

 

 あとはオオカミのモンスターを複数回合成したら頭が3つのケルベロスになったりした感じで、森でのモンスター合成は新種が多くて楽しかった。

 

 安直にホムンクルスを合成して人型にするつもりは無いが、この町を離れる時に数体は魔人にしても面白いかも。

 

 候補としては九尾と仙人ダヌキだろうか。

 

 たぶん人の姿に化けることができるだろうし……。

 

 そして後半はキングスライムが倒してきたモンスターの素材解体作業。

 

 女性陣は俺が解体した素材ごとに分けるので、それごとに袋に詰めて、俺が持ってきたアイテムボックスに詰めてもらった。

 

 ただ容量が凄い多いわけじゃないので、鹿の革や肉、オオカミの革や牙なんかを数体分詰め込めば簡単に埋まってしまった。

 

「これ今後の為に、もっとアイテムボックスを数揃えた方が良いよな」

 

「そうだね。容量が入るやつっていうよりも、ベーシックのを数購入したほうが良いかもね」

 

 藤原さんが答えてくれる。

 

 ミンナに現段階で換金したらどれぐらいになりそうか聞くと、だいたい5万シンクにはなるんじゃないかと言われた。

 

 平原でスライム狩りさせているキングスライム達がいつもと同じ感じで魔石を集めてくれれば3万シンクくらいか? 

 

 半数のキングスライムを森に派遣しているし……。

 

 合計8万シンク……。

 

 今後の投資の為に女性陣が稼ぎの大半をアイテムボックス購入に充てていいって言ってくれたので、旅費の貯金として2万シンクは残すから……生活費や雑費を抜いて5万5000シンク分はアイテムボックスを購入できるな。

 

「普通のアイテムボックスが1個5000シンクだから、容量多めで軽量タイプが1万シンク……」

 

 前に錬金術の店で売られていた商品を思い出し、計算していくのだった。

 

 

 

 

 

 

「お買い上げありがとうございました!」

 

 シノンが元気よく挨拶してくれた。

 

 森での探索は無事に終わり、色々なモンスターの合成と新モンスターの確保、それに冒険者ギルドで実際に換金してみたら8万5000シンクにもなり、十分すぎる稼ぎを持って、錬金術の店でアイテムボックスを購入。

 

 現在はアイテムボックスをインベントリに収納して、ホクホク顔で大通りを歩いていた。

 

「……ん? 見覚えがある顔だな……」

 

 大通りを歩いていると、疲れ切った暗い顔をした集団を目にした。

 

 同じクラスメイトだった連中だ。

 

 男女2人ずつに監視役が1人付いて歩いていた。

 

「あの様子だと……上手くいってないんだろうな」

 

 絡まれても面倒くさいので、そそくさと宿に帰るが、ミンナと昨日話した事を思い出す。

 

 俺達のパーティーは上手くいっているけど、情報交換をしている他所のパーティーはそうではない。

 

 長く滞在すればやっかみを受けるかもしれない……。

 

(冒険者ギルドで不意にエンカウントする可能性もあるな。特に換金する時とか……時間をずらすべきか?)

 

 早朝のラッシュの時間が過ぎて9時頃になれば冒険者ギルドは落ち着きを見せる。

 

 そして夕方に換金するためまたギルド内は混む。

 

 となれば、落ち着いた9時過ぎに昨日の成果を換金して、夕方は宿に直行した方がやっかみは少なくなるんじゃないだろうか……。

 

 俺はそんなことを思いながら宿に帰り、夕食を食べている時にそう話すと、その方が揉め事は少ないだろうし、朝食後に朝風呂を浴びたり、溜まった洗濯物を洗って天日干ししたりする時間が取れるからありがたいとも藤原さんに言われてしまった。

 

 というわけで、活動時間が少し変化するのだった。

 

 

 

 

 

 異世界転移して18日目が終わった。

 

 あと10日でこの世界では1ヶ月が経過したことになる。

 

「早かったな……異世界での生活」

 

 ベッドの上で色々考える。

 

 最初はどうなることかと思ったが、想像以上に充実している。

 

「それもこれも仲間達と俺が覚えた技のおかげだよな……神様がいるんだったら、なんで俺達をこの世界に召喚したのか、そして俺だけ別のステータスにしたのか……聞いてみたいな」

 

 ただの偶然で片付けても良いけど、何か理由が有るならそれを聞いたうえで行動をしたい。

 

「まぁ神様と交信できるとは思わないけどな」

 

 布団をかけた俺はゆっくりと目を瞑るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日からも俺達は森で活動していた。

 

 森の中であれば、他の冒険者と遭遇することが平原より少ないし、キングスライム以外のモンスターを使役していても、噂になりにくいからだ。

 

 そんな俺はスコップを範囲選択して大穴を掘っていた。

 

「そんなに地中を掘ってどうしたのー」

 

「いや、試したいことがあって……」

 

 側面に階段を掘り、中央部は縦横10メートルの正方形の穴を掘っていた。

 

 とりあえず岩盤付近まで掘り進むが、30メートル掘った地点で地下水にぶち当たり、勢いよく水があふれ出てきたので、その地点で水から離れて、階段で登りながら地層を確認した。

 

「地層の蓄積した土砂を見れば、ある程度見えてくるものがあるらしいが……」

 

 俺も詳しい事は分からないが、貝殻の化石とかが出てきたら、ここらへんも昔は海だったとわかるが、掘って出てきたのは石炭とか銅の鉱石とか。

 

 他にも鉱石を採取することができたが、宝石っぽいのは出なかった。

 

「うーん……ここから更に地下を調べるには……そうだ!」

 

 俺は釣り竿を作り、地下水の溜まる穴の底に糸を垂らす。

 

 普通ならこれで何か釣れるわけないのだが、釣るって技はこの状態でも地中の物質やモンスターだったりを釣り上げることができるのである。

 

 しかも今回は範囲拡大をしているので、1回釣り上げれば、ゴロッと複数の物質が釣れる設定にしていたのである。

 

「何が釣れるかな?」

 

 数分待つと、釣り竿が勢いよく引き始めて、竿が持っていかれそうになる。

 

「ヒット!」

 

 力任せにぐいっと引っ張ると、オレンジ色の宝石ぽい塊がゴロゴロっと地下水あふれる穴底に浮かび上がってきたが、それ以外に何かの骨を釣り上げた。

 

「人骨……ではないよな?」

 

 人間大の骨で、翼が生えていた痕跡がある。

 

 岩の中に埋まっているような全身の化石。

 

 地中奥深くに埋まっていたってことは相当古い年代のものだと思うが……。

 

 少なくても数万年前とかの。

 

「図鑑に載っていたりはしないよな?」

 

 インベントリには謎の骨って表記されている。

 

 図鑑で確認してみると、これ合成素材らしく、ホムンクルスと合成ができるっぽい。

 

「マジかぁ……ホムンクスってことは魔人系か? 人型だよな……合成してみるか」

 

 ちなみにオレンジ色の石は琥珀だった。

 

 琥珀は植物の樹脂の化石なので、大昔からここは森だった事がわかる。

 

 ミンナに聞いたら普通に宝石らしいので、冒険者ギルドではなく宝石商に持ち込めば買い取ってくれるらしい。

 

「冒険の最中に拾ったって言うには不自然な量かな?」

 

 琥珀の量は総量5キロほどある。

 

 掘ったと言うには不自然な量だと思うが……。

 

「土魔法の練習をしていたら掘り起こしちゃったって言えばたぶん納得してくれるよ。一応ステータスの確認が必要だから、マリーのステータスを見せれば納得されると思うよ」

 

「じゃあミンナとマリーの2人に宝石商に持ち込んでもらっていい? 俺と藤原さんは店前で待っているから」

 

「あー、サイトウのステータス見せるよりはそっちのほうがいいね。うん、わかった」

 

 ミンナは納得してくれたし、マリーも協力するわと言ってくれた。

 

「さて、問題はこの骨だ。合成したらどうなることやら……」

 

 俺はホムンクルスと合成を開始するのであった。

 

 

 

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