クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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古代天使のアリス

「人っぽい全身の化石……ミンナ、古代人とかって居たのか?」

 

「うーん、人類史で遡れても2000年前までらしいから、そんな地中深くに埋まっている化石については分からないな……ところでそれ本当に人類なのかな?」

 

「と言うと?」

 

「魔人だとしても人類の骨って100年から200年地中にあれば分解されるって魔法による実験で確認されているんだよね。人骨がモンスター化するスケルトンとかも100年、200年前の人物がせいぜいで、それ以前の人物の骨がスケルトンになる時にはもっと大型のモンスターの骨とかが使われるのが一般的だし」

 

「うーん、それ以外の可能性もあると思うが……」

 

 例えば天変地異により大量の土砂で生き埋めになった場合。

 

 特に火山灰によって生き埋めとかになると、微生物が分解できずに人間の骨でも長く残っていたりするとテレビでやっていたのを覚えている。

 

 それか魔人よりも強力なモンスターか……。

 

 翼っぽい部分があるので普通の人ではないがな。

 

「とりあえずホムンクルスで合成をしてみよう。それでどうなるか……だ」

 

 俺は謎の化石とホムンクルスを合成する。

 

 すると数秒後合成に成功し、外に出すと、そこに居たのは天使だった。

 

 頭に輪っか、背中に真っ白な翼、豊満な胸……全裸の姿であった。

 

『■■■■……■■■■』

 

 目を瞑ったまま、何かを喋っているが、発音が分からない。

 

 天使っぽい彼女は手を伸ばしてきて、握手を求めるような感じだったので、俺は恐る恐る彼女の手を握った。

 

『■■■……認■■……認証中……生体プロトコル発源中……言語解析完了……集団社会性獲得……』

 

 ブツブツと呟いているが、徐々に俺もわかる言葉へと変わっていった。

 

『証明完了……再起動します……』

 

 すると彼女は一瞬で俺達が通っていた高校の学生服へと姿が変わった。

 

『よいしょっと! こんにちは……で良いかな? はじめまして! 私は皆さんからは古代人や天使と呼ばれる存在、個体名はARS3939072って言われる存在です!』

 

「天使!?」

 

『はい、天使です!』

 

 その場に居た全員が驚いているが、とりあえず、近くに木のテーブルと椅子を用意すると彼女を座らせた。

 

「色々質問することはあるんだけど……」

 

『はい、なんでしょう主様』

 

「あ、いや……俺のことは斎藤で良いよ?」

 

『いえ、主様は主様です。それは変えられません。他の皆様はフジワラ様、ミンナ様、マリー様と主様の記憶を読み取って確認しておりますが』

 

「凄い、記憶を読み取ったんだ……凄い高度な魔法なはずだけど……」

 

 ミンナが興奮しているが、記憶を読み取る魔法は魔力おばけのマリーでもできない魔法らしい。

 

『この中で社会常識が豊富な方はいらっしゃいますか?』

 

「それならミンナだな」

 

 天使はミンナの横に移動すると、握手を求める。

 

 ミンナも天使の手を握り、数秒後。

 

『あ、この服装、この世界では異端なのですね。直ぐに変えます』

 

 天使は今俺達が着ているような服装に変化した。

 

 魔法で服を作っているのだろうか? 

 

 思えば先ほどまであった翼や天使の輪っかも消えているし……。

 

『変化というより認識を阻害していると言ったほうがいいかもしれませんね。触れても認識阻害は消えませんから安心してください』

 

 いや、ということは体の方は素っ裸の状態なんじゃ……。

 

『特に問題はないのと、身に布を纏うというのが私にとっては不愉快なのでこれで勘弁してください』

 

 とのことなので、これ以上服について突っ込む事は辞めておいた。

 

 天使に自身の記憶については何処まで覚えているかについて俺は質問する。

 

『そうですね……星が落ちてきたって言えば良いでしょうか』

 

 天使の話だと、自分達が住んでいた地域からでも見えるほどの大きさの隕石がこの星に落ちてきたらしい。

 

 そして大量の土石流の中に埋められて、生き残るためにコールドスリープ状態に肉体と周囲の空間を変化させたらしいのだが、あまりの長い年月に肉体の魔力が切れて、そのまま化石化してしまったというのが真相らしい。

 

 土石流は天と地がひっくり返ったくらいの量の土砂で周囲が一瞬で覆われたとのこと。

 

『自慢ではありませんが、今の文明と同程度……いや、魔法の活用は更に先だったので、更に優れた文明を築いていたって自負はありますよ。ただ隕石によって、その文明は崩壊したわけですが……』

 

 天使による説明だと、自分達天使と呼ばれる個体は自然繁殖でも増えるが、魔道具によるクローンみたいに個体を増やすというのが一般的だったらしい。

 

 それ故に彼女の名前はARS3939072というパスワードみたいな長い名前が使われていたわけだが……。

 

「名前がそんな長いの不便だろ……天使……お前の名前は『アリス』な」

 

『アリス……固有の名前! あ、ありがとうございます!』

 

 すっごい嬉しそう……。

 

 基本キリッとした顔でポーカーフェイスっぽいけど、今はニヘニヘって嬉しそうに顔を崩しているし……。

 

「アリス、ちょっと悪いんだけど、お前を今町に連れて行くと、やっかみを受けるかもしれない。だから森に来たら解放するから当面は捕獲状態になっていてもらえるか?」

 

『分かりました! 主様の指示に従います!』

 

 とはいえ、彼女の能力がいまいちよくわからないので、色々聞いてみると、彼女は色々な道具を作る職人だったらしい。

 

 例えばどんな道具が作れるんだって聞いてみたら、今の錬金術師が使える技術だけでなく、失伝してしまった古代技術(例賢者の石の作り方、天使の製造装置の作り方)……みたいなのを知っているらしい。

 

『とはいえ、錬金術師の技術はミンナから知識を読み取って類似点が多くあるってだけなので、実際に職人と会ってみないとわかりませんが……』

 

「なるほどねぇ……まぁそれについては考えがあるから。握手出来ればいいんだろ?」

 

『そうですね』

 

 なら錬金術の店に行った際に初めての客を装って、店員と握手をすれば良い。

 

 握手するだけで知識を抜けるってやっていることヤバいかもしれないが……ミンナが前に言っていたっけ……、

 

 バレなきゃ良い。

 

 握手だけでバレるわけないので、大丈夫だろう。

 

 あとは古代魔術に関してミンナが色々質問していたが、俺には理解できない話だったので割愛。

 

 マリーも興味深そうに聞いていて、後でどんな事を聞いていたか分かりやすく説明してもらうと、ステータスの成長率をいじる魔法だったり、勉強効率を増す魔法だったり……失伝してしまった魔法を聞いていたらしい。

 

 それに人造勇者なる単語も聞こえてきたが、流石に闇が深そうなのでツッコミは入れなかったが……。

 

 そんな感じで新しい仲間に化石から復活した古代天使のアリスが加わるのであった。

 

 ちなみにアリスのステータスはこんな感じ

 

 HP 2500

 MP 2500

 パワー 2500

 ガード 2500

 マジック 2500

 スピード 2500

 ラック 80

 

 ラック以外2500で統一されているのが人造で生産された感じがして何とも言いづらい。

 

 ただ強力な味方であるのには変わりないので歓迎するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 町に戻った俺達は人の少ない場所でアリスを呼び出し、錬金術の店へと向かった。

 

「いらっしゃいませ~、あ、サイトウさん! また新しい女性が増えてる! ヒューヒュー!」

 

「シノンからかわないの」

 

 すっかり顔なじみになったシノン達の錬金術のお店で、俺は新しい仲間のアリスだと紹介した。

 

『アリスです。よろしくお願いします』

 

「うわぁ、美人」

 

 アリスの外見は銀髪の長い髪に蒼い瞳、シミ一つない透き通った白い肌、ちょっと高い鼻をしているので、この世界基準でも美人さんだろう。

 

 ボンキュッボンの体型も魅力的だし……。

 

 錬金術師のシノンはアリスをマジマジ見ていたが、アリスが握手を求めたのでそれに応じる。

 

 そしてシノンのお母さんにも握手をして、これでアリスが欲しがっていた錬金術師の情報は手に入っただろう。

 

 今回は運良く、シノンがめっちゃ美人って騒いだので、シノンの兄2人も奥から出てきて、アリスは2人とも握手をすることができていた。

 

 兄達がデレデレするのを見て、シノンの母親が兄達の頭にチョップをしていたのが面白かった。

 

 ついでに洋服作りに必要な布や糸、あと少なくなっていたゴムを補充してから店を離れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 宿に戻り、自分の部屋に入ってから、アリスを再び外に出す。

 

「アリスどうだった。錬金術師達の知識は」

 

『色々学びはあったけど、やっぱり古代技術と類似点が多いです。例えばアイテムボックスを1個借りても?』

 

「ああ、良いぞ」

 

 俺はインベントリからアイテムボックスを1個取り出すと、アリスは床に置いて、呪文を唱えると、アイテムボックスを取り囲むように魔法陣が複数現れた。

 

 緑色、黄色、水色と色とりどり大小の魔法陣である。

 

「これ何をやっているんだ?」

 

『さっき錬金術師達の知識を得たから、それと自身にある知識を混ぜ合わせて、アイテムボックスの改良を……』

 

 すると徐々にアイテムボックスの色と形が変化していく。

 

 先程までは青く、長方形の箱型だったのが、横の長さはそのままに、高さが高くなり、正立方体に近くなる。

 

 そして青紋様が色々刻み込まれて、魔法陣が徐々に消えていったため。

 

『できました。とりあえず持ってみてください』

 

 俺は箱を持つと、すごい軽く感じた。

 

 開けて試しに今日森のモンスターから剥ぎ取ってきた素材を詰め込んでみると、今まで1個でおおよそ300リットルくらいの容量だったのに対して、これはそれの10倍くらいあるように感じた。

 

『簡単な空間拡張魔法と軽量化の魔法をアイテムボックスに組み込みました。他のアイテムボックスにもこの魔法をかけますか?』

 

「頼むわ」

 

 俺の手持ちのアイテムボックス10個をアリスにお願いして改良してもらう。

 

 後でミンナに聞いたら、この性能だと1個で10万シンクはするんじゃないかとのことだった。

 

 他にもアリスは色々な魔法を覚えているので、魔力お化けのマリー、古代魔術が使えるアリスと役割も被ってないし、アリス曰く、戦闘スタイルは魔剣士と前衛張れるらしいのでパーティーのバランス的に助かるのであった。




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