クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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グループ分け

 食事は正直美味しかった。

 

 恐らく昔召喚された人達が相当頑張ったのか……それかこの世界の人達が努力したのか……多分両方だと思うが、異世界でシソベースの和風ソースがかけられたステーキをご飯と一緒に食べられるとは思わなかった。

 

 これがこの世界の一般的な料理ではないのは分かるが、食べられる時に食べておいて損はないだろう。

 

 食事が終わり、今日は皆さんゆっくり休んでくださいと、宮廷魔道士筆頭の爺さんに言われて、それぞれ部屋へと案内される。

 

 食事をしたことで、絶望していた面々もある程度気持ちを回復することができたのか、指示に従って移動していった。

 

 俺は先ほどミンナに案内された部屋へと戻り、ミンナから、

 

「明日の8時頃に起こすから、それまでは待機で」

 

「了解。ここにある道具は色々使ってもいいのか?」

 

「構わないけど、あんまりいじられると不審に思われるから、さっきから弄っている元木刀くらいにしておいた方が良いと思うわ」

 

「忠告ありがとう」

 

「それじゃあ、よい夜を」

 

 とりあえず、俺は本棚から本を1冊取り出し、文字が読めるかどうか確認をした。

 

「他の人達のステータス画面も日本語だったから、どうかと思ったが、少なくともこの王国では日本語が使われているらしいな」

 

 本の文字は日本語で書かれており、ところどころ漢字が変なのもあるが、概ね読むことができる。

 

 恐らく過去の転移者が整備してくれたのであろう。

 

「……」

 

 テーブルの上に本を起き、片手で元木刀を色々な道具に変化させながら、本を読み進めていく。

 

 この本はどうやら歴史書の様で、300年前から現代までの起こった出来事が書かれていた。

 

「モンスターとの生存競争、隣国との戦争、そして魔王復活による絶滅戦争……過去にも起こっていたのか」

 

 とはいっても、年表形式で何が起こったかというのが書かれているだけなので、詳しい内容までは分からないが……。

 

「少なくとも100年に1度の頻度で異世界人の召喚が行われているのか……呼び過ぎだと思うかどうかは人によるかな?」

 

 とりあえず文字が読めるという情報は大きい。

 

 そしてレベルが3に上がり、ステータスは伸びなかった。

 

 そのまま眠りに就くのであった。

 

 

 

 

 

 

 思ったよりもしっかり眠ることができた。

 

 異世界に召喚されたことによるストレスで、眠れないと思っていたけど、全然そんなこともなく爆睡。

 

 自分のことながら呑気だなぁと思う。

 

「目が覚めたら元の世界に戻って……いるわけないか」

 

 昨日のことは夢か何かで、実際には……ていうのを期待したけど、起きたら普通に異世界のまま。

 

 時間は時計とかが部屋に無いので分からないが、日の出と同じくらいなので、元の世界と太陽の出方が同じなら、朝の5時くらいか。

 

 牛舎の掃除をする日課があったので、起きるのは人よりも早い。

 

 ただ今は早く起きすぎたので、再び別の本を読みながら、片手で木の道具を次々に変化させて1時間ほど行うとレベルが4に上がった。

 

 本を読んでいたからか、知力のステータスが伸びた。

 

 すると作れる道具の種類が増えたのを感じる。

 

「ああ、こうやって作れるアイテムを増やしていくわけね……なるほど」

 

 とはいっても、作れるのはまだ石の道具まで、鉄の道具はもう少し先かな? 

 

 そんな感じで8時になるまで本を読みながらレベリングを行っていると、ミンナが部屋に入ってきた。

 

「おはよう……ってやっぱりやってたか」

 

「おはようミンナ。レベルが4に上がった。もう少しで5になりそうだ……ミンナのレベルも上げておくか?」

 

「後でね。それより先に朝食。あと勇者様から伝言。今後皆どう活動するかと、グループ分けをしようって話らしいよ」

 

「グループ……か……」

 

 正直、仲いいクラスメイトが居ないからどうしたものか……。

 

 前のクラスだったらつるんでいた仲間がいたんだけどなぁ……。

 

 ちょっと億劫になりながらも、食堂に向かい、朝食を食べる。

 

 朝食の場は少し賑やかだった。

 

 対応してくれている衛兵やメイドさん、監視役候補の人達に積極的に声をかけて情報収集をする人、自身の能力を確認したのか、それを教え合う人、この後行う予定のグループ分けに向けて、組むことを約束する人……それぞれ動き出している。

 

 俺はそんな様子を食事しながら観察する。

 

(まぁあぶれる人も出てくるよな……)

 

 松田みたいに自信満々で居るやつもいれば、オロオロしていて上手くグループに入れない女子も居るわけで……。

 

(なるようになるか……)

 

 

 

 

 

 

 

 食事を終えた後に、勇者である園田の提案で広間に集まった俺達は、役職を開示し合おうということになった。

 

「能力に関してはまだ分からなかったり、言いにくい物があるかもしれないから言わなくて良いけど、戦闘職か非戦闘職かは把握しておきたい。それと、申し訳ないけど僕は全員を抱えて戦闘することは難しい。だから、僕と行動を共にできるのは4人までにしてもらいたい」

 

 先にキッパリ条件を言うのは園田らしい。

 

 それにちゃんと皆に対しての配慮もされている。

 

「じゃあ言い出しっぺである僕から……もう皆知っていると思うけど、勇者だ。僕と仲間になる人は魔王討伐の旅をすることになる。メリットはこの城で戦闘訓練をしっかり受けることができること、デメリットは魔王を倒す旅に出なければならないことだ」

 

 ちゃんとデメリットを言うことで、寄生状態でついて行こうとする人を牽制する。

 

 言っちゃ悪いが、勇者パーティは命を賭けることになるからな。

 

 相当な覚悟が無いと厳しいだろう。

 

 順番に役職の開示が行われていく。

 

 戦士、狩人、くノ一、料理人、剣士、魔法使い……。

 

 だいたい5人に1人のペースで非戦闘職って感じか? 

 

「あー、俺は農家だ。冒険者になって活動すると思う。役職通り非戦闘職だ」

 

「ぷぷ、やっぱり斎藤は農家だった! 冒険者成れるのかそれ?」

 

 松田が茶々を入れてきた。

 

 ちなみに彼はゴーレム使いというゴーレムを生み出すことができる力を有していたので、天狗になっていた。

 

 というかさっきから非戦闘職への当たりが強い。

 

 あまりに酷いので後藤がまたヘッドロック決めていた。

 

「あ、あの……私家事手伝いって役職なんですけど……」

 

「うっは! ニートじゃん」

 

「お前いい加減にしろ」

 

 松田の空気の読まない発言で、雰囲気が悪くなる。

 

 ニートって言われた女子はうつむいて悔しそうに唇を噛んで泣くのを堪えているのが見えた。

 

 全員の役職が開示され、そこから今後活動するグループを決めることになる。

 

「勿論1人で活動するのでも良いけど、なるべく男子は女子の事を見てあげてほしい」

 

 いきなり戦えって言われても男子でも厳しいのに、女子はもっときついだろう。

 

 いや、それでも園田、異性と組ませるのは悪手だと思うが……。

 

 後藤は自分の取り巻きの男子3人とちゃっちゃっとパーティを組み、他にも仲良しグループや役職的に良さげな人がスカウトされてパーティを組んでいく。

 

 余ったのは俺、家事手伝いの女子、そして松田。

 

「なんで俺入れてくれないの!」

 

「当たり前だろ松田。日頃の言動と世界に来てからの発言思い返してみろ。トラブルメーカー入れたい人なんかいねーよ!」

 

「ち! これだから後藤は……」

 

「あん!」

 

「お、やるか? 今の俺はタダではやられないぞ!」

 

「くっだらねぇ……やるわけねぇだろ」

 

 後藤は直ぐに矛を収める。

 

 それに対して松田は、

 

「ヘタレてやんの」

 

 と言うが、後藤は何も言わない。

 

 で、松田は余っていた俺と女子に仲間にしてやってもいいぞと言ってくるが、俺はキッパリと断り、女子も先ほど暴言言われたのを根に持っていて、断りを入れた。

 

「俺についてこないと後悔するぞ!」

 

 と捨て台詞を言って、松田は立ち去っていった。

 

「……ねぇ斎藤君」

 

「ん?」

 

「私の役職と能力だと戦闘するのは難しいから……パーティ組んでくれない?」

 

「えっと……藤原さんでいいんだよね?」

 

「あ、うん。藤原です」

 

「一応、別々で動く際に監視役としてこの国側から1人補助が付いてくれるらしいけど?」

 

「うん、それは聞いたんだけど……知らない人よりはまだ知っている人の方が良いから……ダメ……かな?」

 

「別に良いけど……危険が少ない範囲で戦うことになるかもしれないけど、それは良いか?」

 

「う、うん……」

 

 前髪で目が隠れているので、表情が読み取りづらいが、覚悟は決まっているっぽい。

 

 遠くから俺と藤原さんのことを見ていた園田は安心したような表情を浮かべていた。

 

 お前は俺たちよりも、自分のことをもっと考えてほしいが……。

 

 とりあえず、グループ分けも決まったので、早ければ明日から、遅くても5日以内に支援金を貰って、勇者以外は城から出るように通告されるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 グループ分けが終わった後に、俺は後藤さんを部屋に呼んだ。

 

 勿論ミンナも一緒に呼んで。

 

「さてと、藤原さん」

 

「は、はい!」

 

「皆には伝えてなかったんだけど、俺のステータス皆と違うんだ」

 

「え? 違うって……どういうこと?」

 

「見てくれれば早い」

 

 俺は藤原さんにステータス画面を見せる。

 

 名前 サイトウ・タカシ

 年齢 17

 性別 男

 職業 農家/ファーマー

 レベル 4

 体力 F

 気力 G

 知力 F

 器用 F

 筋力 E

 

 技

 ・捕まえる

 ・合成する

 ・鍛える

 ・道具を作る

 

「なに……これ?」

 

「ステータス画面全然違うだろ?」

 

「うん、私のはこうなってる」

 

 名前 フジワラ・アヤノ

 年齢 17

 性別 女

 職業 家事手伝い/内助の功

 HP 50

 MP 25

 パワー 25

 ガード 25

 マジック 25

 スピード 40

 ラッキー 55

 

「内助の功?」

 

「うん……ちょっとどんな能力か分からないんだけど……斎藤君の能力と全然違うね」

 

「ああ、そうなんだけど、俺の仲間だと一度捕まえるって技を受けてもらいたいんだ」

 

「え、ええ!? 私を捕まえるって……その……エッチなことさせられる感じ?」

 

「いや、そういうのじゃなくて、俺に捕獲状態になっていると、別のステータス……ちょっとミンナ一端協力してくれるか?」

 

「いいよ」

 

 ミンナが捕獲状態に戻る。

 

 藤原さんは驚いていたが、そのままミンナのステータスを見せる。

 

 名前 フレック・ミンナ

 種族 人族

 年齢 18

 性別 女

 職業 魔法使い

 健康 良好

 好感度 26/100

 

 レベル 2

 割り振りポイント0

 

 HP G 0/5

 MP G 0/5

 パワー G 0/5

 ガード G 0/5

 マジック F 0/10

 スピード G 0/5

 ラッキー F 0/10

 

「本当だ……違うステータスになってる」

 

「ちょっとまだどうなっているか分からないんだけど、レベル表記が現れて、俺のレベル分まで仲間のレベルを上げることができる鍛えるっていう技が使えるから、多少は戦闘ができる様になるかもしれないっていうのが1つ、あと捕獲状態だと霊体状態になって休む事ができるから、危なくなったら捕獲状態になって敵の攻撃を回避することができるって点がメリットかな?」

 

「な、なるほど?」

 

「仲間状態になってないと、俺に経験値が共有されないから……できれば1度捕獲状態になってもらいたいんだけど……」

 

「う、うん……良いけど……どうやったら捕獲状態になるの?」

 

「俺が藤原さんの事を見つめるから、楽にしておいて」

 

「う、うん……」

 

 俺は藤原さんの捕獲を試す。

 

 すると、藤原さんが捕獲されることを受け入れているからか、捕獲確率が75%と表記されていた。

 

 その状態で5秒ほど見つめると、藤原さんが白い球体になり、俺の中に入ってくる感じがした。

 

「藤原さん……ゲットだぜ」

 

 藤原さんもちゃんと捕獲状態になっているのであった。

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