クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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1万シンクの分配 ラミア娘との会話

「専属契約のついでに……スズナリさんにお願いが」

 

「何だ?」

 

「冒険者ギルド側で31階層以下のダンジョンの地図を入手することってできませんか?」

 

「ああ、できるぞ。ちょっと待ってろ」

 

 俺は更に下の階層の地図が入手できるかダメ元で聞いてみたら、普通に冒険者ギルド側で保管しているやつを見せてくれた。

 

「これ複写しても?」

 

「ああ、複写機貸し出そう」

 

「いいんですか?」

 

「ただ31階層以下は市販で売られているのとは違い穴あきになっている。あと冒険者ギルドとして31階層以下の地図が市場に出回らないのは、明確に初心者を入れないようにするためだ。あれだけモンスターの素材を取ってくるなら50階層までは大丈夫だろうと俺なりに判断して、50階層までの地図は見せてやることができる。それ以下は申し訳ないがアイアンのランクでは無理だ」

 

「パーティーにシルバーのメンバーいますが」

 

「パーティーの場合、半数以上が所属しているランクが適用される。サイトウの場合6人パーティーだろ? 最低3人がシルバーじゃなければシルバーパーティーとは冒険者ギルドとしては認められない」

 

「そんな縛りが……」

 

「依頼を受ける時とかも基本そうだが、説明は受けなかったか?」

 

「依頼を殆ど受けないで、この国に来るまでモンスター狩りばっかりやっていたので……」

 

「武闘派だな。まぁそんな冒険者パーティーだからこれだけダンジョンでも稼げるんだろうが」

 

 スズナリさんは俺に地図のコピーを渡してくれた。

 

 これで50階層までの地図を手に入れたが、確かに完全な地図とは言えない。

 

 完成度は8割5分ってところか。

 

「この穴抜け部分の多くはボス部屋を挟んだ奥とかですか」

 

「あと壁の奥に空間があることはわかるんだが、奥に行ける通路が無かったり、モンスターハウスが前に有ったりして行くことが出来なかったりな。これでもまだいいほうだ。51階層から下の地図は下の階層に続く直通ルートとセーフティエリアしか記載されてなかったりする」

 

「それまたなぜに?」

 

「1つは各パーティーの縄張り争いによるもの、2つ目はそこまで行ける冒険者の数が劇的に減ること、3つ目は71階層以下は地図が意味をなさなくなるからだな」

 

「意味をなさなくなる?」

 

「壁が日替わりで動く……」

 

 71階層から下は不思議のダンジョン形式になっているらしく、日替わりで壁や通路、部屋の位置が動き、モンスターの傾向しか充てにできなくなるらしい。

 

 その分71階層以下の宝箱は8割方高値のマジックアイテムが入っているらしく、71階層以下のモンスターの素材も高値で取引されるため、ゴールド以上の冒険者の多くが挑み、そして生きて帰れば大金を手に入れることができるのだとか。

 

「過去の記録で最下層とされる100階層に潜れたのは勇者と呼ばれた存在達のみ……100階層にはダンジョンの主と言われる強力なモンスターが居るとも伝えられている」

 

「ダンジョンの主……いつか行ってみたいですね」

 

「無理は絶対にするなよ。専属契約して早々に死なれるのは勘弁願いたい」

 

「わかってますよ。とりあえず50階層まで行けるまで実力を整えてから挑みたいと思います」

 

「そうしろそうしろ」

 

 

 

 

 

 

 

「どうだった?」

 

「60万以上のシンクで換金できた。予想よりマジックアイテムの値段が高かったわ」

 

 俺は皆の元に戻ると、今日の成果を報告。

 

 というかアリスがミミックに襲われながら作ったアイテムボックスも売れれば更に数万シンクが加算されるが、アリスの技術がロストテクノロジー混じっているので、そうやすやすと市場に流すことができないので困った。

 

 まぁ、宿の荷物置き場として活用すれば良いか。

 

「宿に戻ってから皆の分前渡すから」

 

「あれ? 全額借金返済に充てるんじゃ?」

 

「それだと各々買い物とかできないでしょ。マリーも買いたい物とかあるでしょ?」

 

「だいたいサイトウが作ってくれるからなーそんなに必要生を感じない」

 

「防具とか武器とか……俺の鉄製の剣じゃ絶対性能不足だから、各々お金渡すから購入してくれ」

 

「「「はーい」」であります」

 

 マリー、ニャン、カグヤの3人が元気よく返事をする。

 

『じゃあせっかくですし、皆さんの武器私作りましょうか?』

 

「え? アリス作れるの武器?」

 

『はい! 元々職人として製造された天使ですから! アイテムボックスみたいな感じで色々作れますよ』

 

 そう言うと、先ほど返事した3人はアリスを取り囲んで、こんな武器が欲しいと希望を言っていく。

 

「はいはい、一旦宿に帰ってからな。他のメンバーも待ってるから」

 

 時刻は15時……まだ日は高い。

 

 

 

 

 

 ホノカ亭に戻った俺達は今日の成果の報告と借金返済とは別に各自に1万シンクのお金を渡した。

 

「借金分のお金は綾乃が管理してくれ」

 

「うん、わかったけど……良いの? 一緒に潜ってない私達にも同じ1万シンクもの大金を分前としてもらっちゃって」

 

「最初に言ったろ、なるべくお金は平等に分配するって……それに借金返済が終わったら俺が大農園作るための資金に貯蓄してもらうし、ある程度の金額は分配しないと買い物もおちおちできないでしょ」

 

「それはまぁね」

 

 綾乃も納得してくれたが、アオイとアカリの2人は1万シンクもの大金を俺から受け取ると冷や汗が止まらなくなっていた。

 

「頑張ってもっと料理上手くなるから!」

 

「掃除、洗濯、食材の買い出しは任せてください!」

 

 2人はお金に見合う分だけ働くと息巻いていた。

 

 それに改めて借金について肩代わりしてもらってありがとうと頭を下げられたが、ガンガン稼いで、ちゃっちゃと借金返済しておくつもりだ。

 

(それに気になるのはホノノカ姉妹のおじだ。ホノノカ姉妹の両親が金を借りたタイミングで亡くなったこと……ホノノカ姉妹は事故死って言っているけど、その葬式の手筈を整え終えてから資金を持って逃亡と、計画的な犯行に思えてくる。そういうクズって必ず散財して奪った金で豪遊するのがクズ人間のやることだ。金が無くなったらまた戻ってくるかもしれない……いや、流石に足がつくことはしないか?)

 

 とにかく借金を返済しないと、おちおち行政におじの指名手配もできない。

 

 俺は考えを頭の隅へと追いやり、ホノノカ姉妹に汚れた衣服を洗濯してもらうのだった。

 

 

 

 

 

 夕食は魚肉の肉団子が沢山入ったスープに、人参を薄切りにしたキャロットサラダ、それにポテトコロッケとご飯という感じ。

 

 デザートにステータスの種を小麦粉と混ぜたクッキーも作ってくれた。

 

「日持ちするし、ジャムを変えれば飽きが来ないからいいかなって」

 

「うん、確かにクッキーだとダンジョンの中でも気軽に食べられる。ありがとう」

 

「ふふ」

 

 綾乃に俺がお礼を言うと、嬉しそうに笑っていた。

 

「ちょいちょい」

 

 ミンナに肩を突かれ、

 

「フジワラの呼び方変わった? アヤノってのが下の名前?」

 

「そう、俺も綾乃から隆史って言われるようになったから」

 

「ふふ……ん。関係が進んだんだ〜へ〜」

 

 ミンナは俺と綾乃を見てニヤニヤしている。

 

 俺と綾乃は顔を赤くしてしまった。

 

「面白い反応をするねぇ。からかいがいがあるよ」

 

「からかうなよ〜」

 

 茶化されるのでそれとなく反撃するが、ミンナには通じない。

 

 それは別にして料理は凄く美味しかった。

 

 ホノノカ姉妹も食材の切り方とかを綾乃から教えてもらって、少しずつ上手くなっているのがわかる。

 

 まだレシピ通りに作るのがやっとであるが、慣れてくれば頭の中で料理を組み立てることができるようになるようだ。

 

 綾乃はそこまでできるとのこと。

 

 夕食を食べ終えた俺は広間で今日捕まえてラミア娘に合成したモンスターを外に出した。

 

 やっぱりある程度捕獲状態で時間が経過すれば外傷は回復するっぽい。

 

「むう! 私を殺そうとした主様だ! ぶーぶー!」

 

「やっぱりラミアだった記憶は継承しているか」

 

「まーね、私を外に出したってことは何か聞きたい事があるからでしょ? 戦闘は……正直ボッコボコにされたから自信ないけど」

 

 一応ボスモンスターなのだから戦闘に自信ないは謙遜した発源だと思うが……魔人化してステータスも少し上がっているし。

 

「で、聞きたいことは何? 教えられる範囲で教えるけど」

 

「ダンジョンのモンスターの生まれ方についてだ、黒いモヤが集まって現れる場合もあればラミア娘みたいに最初からボス部屋にいる場合もあるけど」

 

「ああ、黒いモヤになっているのは誰かに倒されたばっかりだとかの場合。その状態で倒されると、出てくる宝箱の質は悪いよ」

 

「じゃあ長く生き残ると宝箱の質は上がるのか?」

 

「そうなるね、具体的には3日誰にも倒せらないとその階層では最高グレードの宝箱になるよ」

 

「そうなのか……お前を倒す前にモンスターハウスで倒しまくったが、リポップするのにどれぐらい時間が必要だ?」

 

「1日あればまた湧くようになるよ。それまででも数は少なくなるけど湧くよ。補充が追いつくのが1日って感じかな」

 

「下の階層についてはわかるか?」

 

「さあ、私もダンジョンの気まぐれで生まれた存在だから……殺されかけたとはいえ、個としての個体にしてくれたことは主様に感謝しているよ」

 

「ちなみにラミア娘は人型に化けることはできるのか?」

 

「いや、無理。どうしても下半身は蛇になっちゃうからね」

 

 そんなことを話しているとアオイが近づいてきた。

 

「ほーん、ダンジョンでテイムしたモンスターなん?」

 

「そそ、それを人型になるように進化させた」

 

「へぇ……進化させることができるんや……人間進化させたらどうなるん?」

 

「流石に試したことはないな……」

 

「ならうちでためしてみいひん?」

 

「馬鹿言うなよ……どうなるか俺でもわからないからな」

 

「そうなん? うーん、でもうちにそれくらいしてもええで? それくらいうちはサイトウさんに感謝しとるからな」

 

「気持ちだけ受け取っておくよ」

 

 なお後日、アオイだけでなくアカリもホムンクルスと合成することになるのだが、それはもう少し先のお話。

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