クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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モンスタースポナー

「石材20、大理石5、宝石のインゴット3、金の延べ棒1本……」

 

 早朝、俺は手持ちにある素材で、とあるシンボルを設置していた。

 

 経験値取得(大)のシンボルである。

 

 素材のコストが重いだけあり、表記されている効果は凄い。

 

 ・経験値取得(大)のシンボル……拠点周囲に設置すると、仲間を含めて習得経験値の量が増加する。(習得経験値量5倍)

 

 他のシンボルも強力な物は多いが、これが一番ぶっ壊れていると思う。

 

 今の戦闘による経験値が、1日半で1レベル上がる感じなので、5倍ともなれば、1日で5レベルくらい上がってもおかしくは無い。

 

「まぁ大抵のゲームで80レベルから90レベルや100レベルになるのに、必要な経験値量が反比例するっていうのが普通なのと、このシンボルを建てることを前提にレベルアップの経験値を計算……してるわけないな。そんなちゃんと設定している神様か上位存在か知らないけど、しっかりしていたら、ここまでガバガバステータスにするはずねぇし」

 

 そんな事を思う俺だった。

 

 

 

 

 

 

 ミンナに頭引っ叩かれた後に、普通にダンジョンに潜っていた後、経験値増加のシンボルの影響か、50階層のモンスターハウスを1箇所巡ったら、レベルが上がり80へと到達。

 

「80レベルに到達したわ」

 

「次はどんな技を覚えたの?」

 

「うーんちょっと待ってね……」

 

 俺が確認すると、80レベルで覚えた技はスポナーを作るである。

 

「スポナーを作る?」

 

 マリーが俺に質問するので、内容を細かく見てみると、魔石で動くモンスターをポップさせることができるスポナークリスタルを作り出すことができるとのこと。

 

 スポナーから湧き出るモンスターはスポナークリスタルを投げつけることで捕獲したモンスターの同種を湧かせ続けることができるらしい。

 

「それってダンジョンの外とかでもダンジョン並みにモンスターを湧かせることができるってこと?」

 

「それもあるけど……個体数が限られているモンスターとかを大量に増やしたりできるってことじゃねぇかな……前に覚えていた繁殖するの上位互換の能力かも……」

 

 これも使い方次第ではぶっ壊れ能力である。

 

 しかも魔石をハメ込むだけでオンオフができたり、スポナークリスタルを作る素材も湧き数が少なくて良いなら木材でも可能っぽい。

 

 グレードは木材、石材、鉄、銅、銀、金、宝石、カオスストーン、ダイヤモンドの順番で上がっていくが、ダンジョン内で釣りしているとカオスストーンがゴロゴロ釣れるので、素材的には2番目のカオスストーンでスポナー作り放題である。

 

 恐ろしいのはこれで人間も湧かせることができるっぽい点であるが、流石に倫理的にやりたくはない。

 

 試しに道中で湧いていたハイゴブリンをカオスストーンで作ったスポナーに捕らえると、クリスタルの中に小さなハイゴブリンが入っている状態になった。

 

 スポナーに入ってしまったモンスターを解放してやることはできないっぽく、この状態になってしまったが最後、クリスタルの一部として取り込まれるっぽい。

 

 なんとも恐ろしい技である。

 

「湧かなくなったモンスターハウスの真ん中にスポナークリスタルを設置して、魔石をハメ込むと……」

 

 すると召喚陣が浮かび上がり、ぞろぞろとハイゴブリンが湧き始める。

 

「これを捕まえることはできるのかな?」

 

 この状態で湧いたモンスターも捕まえることができるらしく、キングスライム軍団にハイゴブリンを弱らせてもらって、次々に捕獲していく。

 

 というかハイゴブリンを倒して肉塊にしてしまったとしても、肥料を作るでハイゴブリンの亡骸を肥料化させることができてしまうというコンボを見つけてしまった。

 

 一種の肉骨粉と呼ばれる肥料であり、牧草とかを育てる肥料に向いている。

 

 土壌に栄養が少ない痩せた状態から肥沃な土地に再生するのに向いた肥料であり、野菜とかの作物を作るというよりは家畜の餌を作るのに向いている肥料といえば良いだろうか……。

 

「これ……このコンボができるんじゃね?」

 

 砂漠化はしてないが、草木があんまり生えてない場所で無限水源と用水路を引いて地面に水の流れを作り出し、その周りに肉骨粉を撒いて雑草を生えさせる。

 

 それを草刈りをしてから焼畑で土壌を整え、空気から作る窒素肥料を投入してから作物を植える……大豊作で短期間で育て、土壌を作物が育つ状態で固定。

 

 それから本命の作物を育てる……過剰だった肥料がいい感じに抜けて、作物がよく育つという短期間で土地再生のコンボが決められるのではないか……と思えてしまう。

 

「というか魔石があればだけど、実質魔石から物質を作っている様な錬金術みたいになってきてねぇか?」

 

 と、恐ろしい事に気がついてしまうのだった。

 

 とんでもない連鎖でバグ技化したスポナーを作るという技であった。

 

 

 

 

 

 50階層に居たモンスターのうち、スライム系、妖精系、ゴブリン系、スケルトン系をスポナーの中に捕らえた俺は30.5階層に戻ると、また穴を掘って、モンスターハウスくらいの部屋を作り、光るコケを大豊作で増やして明かりを確保。

 

 その部屋の真ん中にビッグスライムが湧くスポナーと宝石系ゴーレムを複数体設置し、部屋の隅にアイテムボックスを置いておく。

 

 ゴーレムに湧いてくるビッグスライムを倒して、魔石をアイテムボックスに収納し、モンスターが湧かなくなったらスポナーの魔石を交換して……で説明をすることで、無限魔石回収及び経験値回収部屋を作り出すことに成功。

 

 これを複数個所に増やせば増やすほど経験値と魔石が入ってくる仕組みである。

 

「ヤバい……過去一バグ技っぽくなっちゃったよ……」

 

 これ他の技との相乗効果がえげつないと判明するのであった。

 

 

 

 

 

 

 経験値回収部屋と経験値増加のシンボルの設置、あと普通にモンスターハウスでのモンスター狩りによりレベルが上がりにくくなったはずなのに、今日だけで7レベルもレベルが上がることになった。

 

 おかげでまた新しい技を覚えたが、それは後々確認することにしよう。

 

(100レベルがマックスだった場合……あと覚えられる技は3つ……どうなることやら……)

 

 100レベルがマックスなのか分からないけど、普通のゲームとかだと100レベルがマックス。

 

 一応そこを目標にレベルを上げていたが……。

 

「というか知力と器用がこれで両方Aになったわけだけど……俺てっきり鉄砲とかの銃火器を作れるようになると思っていたんだけど……」

 

 30.5階層の空間の広間に鎮座していたのは、田舎のベンツこと白い軽トラックであった。

 

 燃料を入れるところに魔石を入れたら動き出して、普通に動かすことができる。

 

 ちゃっかりオートマであった。

 

 車の運転は親父から敷地内の荷物の運搬が出来るように教えられていたし、何なら車だけでなくトラクターとか田植え機、フォークリフトや牛舎の床を交換するのにホイールローダーとかも免許は持ってないけど運転することができたが……俺が取り扱ったことのある重機や農業用機械が作れるようになっていた。

 

 勿論作るのに材料のコストは高いけど、材料さえ揃ってしまえば一瞬で作ることができる事がヤバい。

 

『フォォォォ!』

 

 これに一番興奮したのがアリスであった。

 

 アリスは軽トラックを見て、こんなの古代文明でも無かったって大興奮。

 

(本人達が空間魔法使えるし、魔法で高速移動もできるから車とかの機械が発達しなかったのかな? ……いや作れる魔道具的に乗り物という分野の発展があんまり進んでなかったというのが正しいか)

 

『主様! これバラして構造を勉強してもいい? 多分何回か壊しちゃうと思うけど』

 

「別に良いけど、皆の武器って完成したのか?」

 

「武器はもう少しでできるけど、この車? っていうマジックアイテムを解析できれば、武器のギミックを更に凄いのにできそう!」

 

 まぁ現状戦闘能力に困っているわけでも無いし、より下の階層で金稼ぎをするようになるまで自由にさせるか。

 

 アリスの武器作りも別に強制しているわけじゃないし……。

 

『うおお! アイデアや知識が爆発するくらい溢れ出す! これがこうなっていて……ピストンがこう動くのか!』

 

 どんどん分解されていく軽トラックを見ながら俺はそう呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 アリスが武器の製作と軽トラックの仕組みをしっかり習得したいからと1週間休み頂戴と言われたので、その間の給料を少し減らすことで手を打った。

 

 俺達にとって悪いことをしているわけじゃないので、全額カットはやめて、1割だけカットすることに。

 

 周りも納得しているし、上手くできたらボーナス送ろう。

 

「さてと、魔石どれぐらい集まったかな?」

 

 スライムスポナー部屋を10箇所稼働させて、半日でどれぐらい魔石が集まったか各部屋を巡って確認したところ、約15万個の魔石が集まっていた。

 

「うわ、しかもビッグスライムの魔石だから普通の魔石より高いんだよな……どれぐらいになるかな……」

 

 魔石の入ったアイテムボックスを回収し、新しいアイテムボックスを設置。

 

 宝石ゴーレム達は疲れも無く命令されたことに対して動き続けるので、休むことなく回収してくれる。

 

 それを受付のスズナリさんに持っていったら、

 

「どうやったらそんなに魔石が集まるんだよ!」

 

 ツッコミを入れられてしまった。

 

「モンスターハウスのモンスターを狩りまくったこんな感じになりました。明日から魔石は倍持ってこれそうですけど」

 

「ちょっと待ってろ……査定するから」

 

 ジャラララと魔石を計算する機械に入れると、まるでゲーセンのコイン回収機みたいだなって思えてしまった。

 

 その他に普通にモンスターハウスで狩った素材やマジックアイテムもあるので査定してもらうこと30分。

 

 スズナリさんにしては時間かかったな。

 

「魔石に関してだが、180万シンクになる。魔物の素材が50万シンクにマジックアイテムが125万シンクだな」

 

 合計355万シンク……自動魔石回収部屋の成果は1日稼働したら300万シンクくらいになるかな? 

 

 ヤバすぎる……。

 

「毎日これだけ稼げる冒険者はこのダンジョンに潜ってるのでもトップ20のパーティーの中に入ってくるぞ」

 

「それでもトップ20ですか」

 

「上位5組は1回の探索で数億シンク稼いでくるのもザラだからな。1日換算でも8000万シンクくらいになるはずだ。というかアベレージで100万シンク以上稼げるパーティーは上位100組内に入ってくるからな」

 

 流石万単位で潜る人がいるダンジョンだ……上には上がいるな。

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