クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
59階層と60階層に狩場を変えてからもやることは変わらない。
というか、俺が時間操作の技を使えるようになって、モンスターハウスのクールタイムをスキップできるように部屋全体を設定したことで、1日1箇所のモンスターハウスに行くことで最大効率を発揮することができるようになっていた。
「モンスターハウス間の移動時間が無くなったこと、ゴーレムにモンスターは処理してもらって、キングスライムが魔石や宝箱、素材を部屋の外に運び出してくれるって役割分担表ができたことで仕分け手間も楽になったし、湧き数も実質無限に変わったから大量の素材が集まるね」
マリーが言うように、時間操作のおかげで効率は爆上がり。
60階層のモンスター……ガーゴイル、ラミア、トロル、ハイスーターマン、アイアンゴーレム……ドレも回収できる素材の質も高まっていることも相まって、換金金額も跳ね上がる。
ドロップする宝箱のマジックアイテムの価値も上がり、1個平均30万シンクほど。
モンスターハウスで1日狩り続けると、100個程度マジックアイテムが集まるようになったのでらマジックアイテムだけでも3000万シンクになる。
それに素材や自動回収している魔石部屋の魔石などを合わせると、4500万シンクくらいの換金額になっていた。
1日でそれだけ稼げるのでダンジョンに潜っているパーティーでも上位10組に入るとスズナリさんは言っていたが……。
あとアリスがミミックに噛まれることも無くなった。
というのもバトラーがアリスから貰った消防斧(マスターキー)で宝箱をぶん殴れば、ミミックだと真っ二つに切断されるし、マジックアイテムが入っていたら箱を壊した段階で、無事な中身が出てくるので分かりやすくなっていた。
勿論真っ二つに切断してもミミックが入っていた箱は再加工してアイテムボックスにアリスはできてしまうからすごいけど。
「これ70階層で同じ事をしたら余裕で数億シンクは稼げるんじゃね?」
「そうだろうね、現状でも1日4500万シンク稼げているわけだし……というか休みを入れても今の段階で2ヶ月ちょっとで20億シンク稼げちゃうけど」
ミンナが冷静にツッコミを入れる。
指数関数的に必要経験値が上がっているレベルも徐々に100レベルに近づいてきたし……こうなると60階層で稼いで70階層とそれ以下はほぼイベント戦になりそうだ。
(日数が経過すればするほどステータスの種の料理を食べているから、うちのメンバーのステータスはどんどん上がる。それに勇者並みにステータスの数値が成長していくアオイも居るし……100階層のボス倒せるかな? どうかな?)
こうなってくると、あとは100階層にいるとされるダンジョンの守護者を倒せるかどうかが気になってくるのだった。
「しっかし、アオイすごい強くなったな」
モンスターハウスの狩りは一旦仲間のモンスター軍団に任せて、俺達は60階層のボスモンスターを狩りに来ていたのであるが……ボスモンスターとして出てきたウル◯マンとかに出てきそうな造形をした人型のモンスター……星の戦士が湧いて出てきた。
しかし、それを軍刀を両手で一振りずつ持ち、勢い良く距離を詰めて、首と腰を切断。
星の戦士に何もさせないまま簡単に討伐してしまった。
コイツそんなに弱いのかと思い、時間操作で湧き直しさせてから、今度は捕獲をすると、平均ステータス3500超えのそこらのモンスターに比べると滅茶苦茶強いモンスターであり、合成の終着点のモンスターだった。
あとは魔人化させるくらいしか無い状態である。
湧き直しで何体も湧かせて、捕獲を繰り返し、星の戦士……性別が分かれていたので、あとは繁殖で増やすことに。
捕まった星の戦士だけどなんか人には好意的らしく、最初からどの固体も俺に対しての好感度が50を超えていた。
今度名前を付けてホムンクルスやオーガと合成しても面白いかも。
ボス湧き直しで、ボスからドロップする宝箱を5個もゲット。
ここから出たマジックアイテムは1個100万シンク超えもざらであり、600万シンクの追加報酬を得ることになる。
アオイ以外のメンバーも星の戦士に挑んでみたけど、俺以外は特に苦戦することなく、皆1対1で倒せていたので、計算的には90階層の雑魚モンスターも楽に倒せるはずである。
90階層とか上位の冒険者でも立ち入らない場所らしいので、あくまで計算上でしかわからないけど……。
その後は70階層の地図作りをしてから、60階層のモンスターハウス狩りをしていた場所に戻り、素材を回収して、撤収するのだった。
一応探していた闇ギルドを俺は遂に見つけることに成功し、闇ギルドの屋根裏にクリエイティブモードで侵入した俺は、釣りをするで書類が入ってそうな金庫を釣り上げて撤収。
そのままアリスに工具を使って金庫を開けてもらい、中身を確認すると、出るわ出るわ……この国の闇というか闇ギルドの構成員の名簿や表に絶対出せない契約書の類が……。
「よくこんなの持ってきたね」
「出来るかなって思ってやったら、想像以上に大物が釣れたわ」
ミンナから呆れられ、綾乃から危ない事はしないでよと心配されたが、空中から壁抜けで侵入して、物理的に不可能な方法で金庫を回収されるとは誰も思わない。
というか夜だとクリエイティブモードで透けていると、ほぼ他人から視認することはできないからな。
「この書類は私が預かるよ。ゲルマの上層部に匿名で提出しておく。一応ジパングはゲルマ王国の属国だから、ここまで内部が腐っていたら宗主国として行政介入が行われるんじゃないかな? まぁその頃には私達は20億シンクを稼ぎ終わって、この国からトンズラしているだろうけど」
「ジパングを出るのは良いけど、私達が短期間で稼ぎすぎて、まだ勇者が活動を開始してないんじゃない? 魔王軍の戦線膠着してるって情報しか入ってこないけど」
マリーの問いかけに対して、ミンナが答える
「うーん、今このメンバーなら辺境の方に行けば魔王軍の攻勢を押し返せると思うけど……局地戦かつ奪還した土地は好きにしていいって条件の依頼なら冒険者ギルドに結構載っていたと思うから私探してみるよ」
とのこと。
条件さえ合致してしまえば、俺が思っているよりも安く広い土地を手に入れることができるかもしれない。
農園の従業員はモンスターから魔人化させた奴でもいいし、バトラーみたいに食っていくために幼くして奴隷に自ら落ちた少年少女を狙ってもいい。
それに大農園でのんびり自給自足が出来れば正直満ち足りてしまうので、そこに至るまでの過程を楽しむのが一番か。
「闇ギルドの件に関しては、ミンナに任せる。金庫取ってきたのも報復というより、やれそうだったからやっただけで、深くは考えてないし……まぁアオイ、アカリの件もそうだけどバトラーの雇い主であるクランマスターだっけ? アイツにダメージ入れば良いなぁ程度には思っているけど」
「「「サイトウさん……」」」
3人の好感度が上がる感じがした。
おい、バトラー熱い視線を向けるな。
俺はホモじゃないんだから。
そんなわけで、闇ギルドに関してはこれで完全にケリをつけたのだった。
ちなみに、俺達がジパングから旅立って半年後にゲルマ王国からの行政介入が行われて、闇ギルドの連中は軒並み指名手配や逮捕、幹部クラスは処刑が行われ、関与していた行政官も多くが失業することに。
それによってジパングはだいぶ風通しが良くなるのであるが、俺達はその恩恵は受けられなかったのであった。
「ふふんふんふん」
「上機嫌だなバトラー」
「あ、サイトウさん!」
ある日のこと、バトラーが上機嫌で外行きのおしゃれをしていた。
バトラーの服や靴は俺が繊維から作り出して、サイズを調整した物を渡していたが、すごい気に入ってくれたらしく、服一式を渡した時には飛び上がるくらい喜んでくれた。
「外行きの格好をしてどこかに行くのか?」
「はい! アオイの道場にアカリの3人で行こうって事になって」
「へえ……俺もアオイを鍛えてもらったことにお礼を言ってなかったな……菓子折りを持っていこうか」
「それよりもお米1俵とかの方が喜ばれると思いますけど……」
「そっちのほうが良いかぁ」
ちなみにアオイが道場に通う際に月謝は先に支払っていたりするので悪しからず。
俺は裏の畑で採れた野菜とチャチャっと市場でお米を3俵くらい購入してから3人に合流してアオイがお世話になった道場へと向かう。
「こんちはー! 師範に師範代達、言っていた家族と仲間連れてきたで」
「「こんにちは」」
「お久しぶりです」
「おお、アオイよく来た。それに仲間の皆さんも上がってください」
師範代の男が俺達を歓迎し、師範のおじさんもニコニコ不気味な笑みを浮かべていた。
一々笑みが怖いんだよなぁ……ここの師範。
お茶が出された時に、俺はアオイがお世話になっているのでと米俵3俵と野菜の盛り合わせを渡すと、門下生や師範代は喜んでくれた。
「差し入れ助かります! どうしても食べ盛りな門下生が多いもので」
「師範代さんは冒険者で?」
「ええゴールドランクの冒険者をやらせてもらっています。でもサイトウさんでしたっけ、貴方のパーティーは今冒険者の間で噂になってますよ」
「そんな……大げさな」
「いえいえ、大量のモンスターの素材を毎日持ち込む冒険者がいると……あれ、実際どうなのですか?」
「パーティーの秘密……て隠してもいいですけど、モンスターハウスで連戦しているんですよ。うちには腕のよい魔法使いがいるおかげで殲滅力があるので」
「なるほど」
「その後衛を守るために前衛が欲しくて、アオイをこの道場に通わせたって経緯がありまして……おかげでより深い階層でモンスターを安全に狩れるようになったので助かりました」
「いえいえ、こちらも才能ある若者は大歓迎でして、師範直々にアオイには教えてましたが、アオイを教えている間、師範は常に上機嫌で、周りとしても助かりました」
師範はアオイの時はニコニコを絶やさないらしいが、本来はムスッとしている気難しい無口なおじさんらしい。
その後、道場に通っている間のアオイについて聞いたり、道場の稽古の様子を見学させてもらったりと、なかなか新鮮な場を提供してもらうのだった。
あとアオイ的には気に入ったバトラーに道場で通っている自分の姿を見てもらいたいという彼女なりのアプローチだったらしく。
姉妹でバトラーと恋愛的な駆け引きをしていた。
他所から見てる分には甘酸っぱくて面白いのだが、その事をミンナに話したら、お前はフジワラとの関係をもっと進歩させろと頭を引っ叩かれるのだった。