クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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残念な人 東條りお

「異世界遭難者? 頭大丈夫?」

 

「少なくとも狂っている自覚はないですよ」

 

「おう……重症だった……」

 

 俺が突拍子もないことを言うもんだから、東條さんも少しは気持ちを切り替えることができたっぽい。

 

「いえ、仙人かもしれません、超能力者かも?」

 

「あはは……気遣わなくていいよ……年下に気遣われていると余計に死にたくなる……」

 

「面倒くさい人だな……頭の栄養バカでかい乳に全部行ってるんじゃないですか」

 

「せ、セクハラ!」

 

「本音を言ったまでです……はぁ……本当は氏にたくないんでしょ」

 

「……うん」

 

「俺に協力してくれるなら助けますけどどうします? 少なくとも今日の寝るところや食事は提供しますが」

 

「体目当て?」

 

「あの、俺には貴方に引けを取らない可愛い彼女がいるので」

 

「そうだよね……年増には興味ないよね……」

 

「滅茶苦茶めんどくさいなこの人!」

 

 どうする、助かりたいの、助かりたくないのと強めに質問すると、本音は助かりたいらしい。

 

 というか紐になって彼氏によしよしされて生活したいと相当弱っている本音が出てきた。

 

「俺もこの世界で戸籍のある協力者が欲しかったから……小汚いおじさんよりはお姉さんのほうが良いし……」

 

「で、異世界遭難者さんに私は何をすればいいの?」

 

「脱力した状態で逆らわずに俺の目を見てくれればいい、俺は少し離れて、目を見つめるから」

 

「それくらいなら……」

 

 俺は捕まえるを技選択すると、99%と表示されている。

 

 数秒見つめると、東條さんは光になって俺に捕まった。

 

 誰もいない夕方の公園に俺は1人になってしまう。

 

「さてと、異世界に戻るか」

 

 俺は技で異世界に戻るを選択すると、異世界にめんどくさい年上の東條を拉致るのだった。

 

 

 

 

 

 

「お帰り、ずいぶん遅かったね」

 

「ああ、図書館行って調べれそうなことを色々調べていたんだ服のデザインとか作れる幅を広げたほうがいいだろ?」

 

「確かにそれはそうだね」

 

 帰ったら綾乃と会話をするが、なんか出してくれーって東條が叫んでいるような気がしたので、俺は彼女を外にだす。

 

「ぷはぁ……ハァハァ……な、いや、私に何をしたの?」

 

「自暴自棄になっていたお姉さんを捕まえて仲間にした。そしてようこそ異世界へ」

 

「異世界? ここが?」

 

 東條がキョロキョロと周囲を見渡すが、電球が無いのに天井を明るく照らす魔石があったり、玄関に大きなクリスタルの棒が鎮座していたり、ラミア娘のラミーが見える位置で掃除をしていたり……。

 

「ぷしゅぅ……」

 

 処理能力を超えてしまったらしく、東條さんは気絶してしまった。

 

「このOLっぽいお姉さんは?」

 

「あっちの日本で死にたい連呼しながら自暴自棄になってたから捕まえて連れてきた。戸籍もあるし、あっちの世界のお金稼ぎとかできないかなって思って」

 

「なるほど……とりあえず運びましょうかって……凄い汗の臭いが!」

 

「あー、アパート追い出されたって言ってたから風呂に入れてないのかも……綾乃、悪いけど風呂場で服脱がせて体拭くか洗ってあげてくれない?」

 

「了解、アオイも借りるね。アオイーちょっと来て」

 

「はいはーい」

 

 アオイも来ると、2人でぐったり気絶している東條さんを軽々お姫様抱っこをして風呂場に運ばれていくのだった。

 

 ステータスが伸びているからできるけど、綾乃よりも身長10センチ近くデカい成人女性を運ぶって、普通の女性の筋力だと厳しいからな……。

 

 それを軽々運べるのは、俺のステータス補正が載っているからだと思うが……。

 

 俺は俺で東條さんのサイズに合う服を用意しておくのだった。

 

 

 

 

 20分くらいすると、スーツから白いTシャツ短パンに着替えた東條さんが風呂場から現れ、

 

「見苦しい姿をお見せしました……」

 

 どうやら自暴自棄もだいぶ落ち着いたらしい。

 

 食堂に移動し、東條さんはお腹空いていると思うから夕飯先に少し出してあげてというと、夕飯で炊いていたご飯の上に鶏肉と卵、玉ねぎで仕上げた親子丼とポテトサラダ、麦茶っぽいお茶を出してあげた。

 

 凄まじくお腹が空いていたらしく、勢いよく食べるが、元々お嬢様らしく、早く食べてはいるけど、品がある。

 

 追加でお味噌汁も出してあげたが、それも美味しそうに飲んで、米粒1つ残さずに食べきった。

 

「ごちそうさまでした。数日ぶりにまともな食事を取った気がします」

 

「それは良かった」

 

 綾乃が微笑む。

 

「確かに美女だ……」

 

 と、なんか納得していた。

 

 他のメンバーも集まってきて、バトラーの角に驚いたり、女性があまりに多いので、

 

「斎藤ってハーレムでも作っているの?」

 

 真顔で聞かれた。

 

 別にそういうつもりはないんだけどなぁ……。

 

「アカリ、空いてる部屋あるよな」

 

「はい、まだ客室として使っていた空き部屋が幾つかありますよ」

 

「1部屋貸してやってくれ、元の世界で住むところが無いくらい無一文なんだって」

 

「うぐぐ……実際に言われると心に来る……」

 

「いや、事実なんだから受け入れてくれよ」

 

 そんな事を話しながら、俺達も夕飯を頂き、バトラーと一緒に風呂に入ってといつものルーティンをこなす。

 

 その後、東條さん……いや、あの残念さだと呼び捨てのほうが良いか? 

 

 とにかく東條の部屋にノックをしてから入ると、ベッドの上でゆっくりしていた。

 

「幸せぇ……ふかふかのベッドだぁ……数ヶ月ぶりにまともな寝床だぁ……」

 

 枕に顔を埋めて幸せそうにしていた。

 

 Tシャツが胸の凶器でパツパツになっていて男性を惑わしてくるが、深呼吸をして落ち着くと、俺は彼女に異世界について教えていき、今いる場所はダンジョンの中であること、協力してもらうかわりにお金はなんとかすることを伝える。

 

「異世界で生活するの駄目? 元の世界デジタルタトゥーが酷すぎて、生活するのも辛いんだけど……」

 

「どんな映像撮られたんだよ……」

 

「言いたくない」

 

「いや、言わなくていいけど……」

 

 俺としては身分証を持っていて、物が売れるってことのほうが大きい。

 

「例えばこういうのを売ってほしいんだけど」

 

 俺は道具を作るによって金のブレスレットを作り出し、東條に渡した。

 

「確かに超能力者だわ……何もない場所から金のブレスレットが……これ本物?」

 

「本物だ。といっても無から作り出したわけじゃなくて、異空間……インベントリみたいな場所に金の在庫から取り出しただけなんだけどな」

 

 東條が金のブレスレットを確認すると

 

「これ何金相当?」

 

「え?」 

 

「金にも比率が合って18金とか24金とか色々あるんだけど、その場合金に刻印が刻まれているんだよね。売却の時の目安になるから海外から仕入れたとかじゃない限り刻印されているんだけど」

 

「どんな感じか絵にできるか?」

 

 俺は紙とペンを渡すと、東條が刻印のマークを描いてくれた。

 

 それを見ながら、ブレスレットにその刻印を小さく付ける。

 

 というか流石元お嬢様……そういうのが瞬時に出てくるって凄いな。

 

「売るなら早い方がいいわね。まだ住所変更はしていないからマイナンバーカードの更新もしなくて済むし、ブレスレットだけでなく指輪とか他にも小物を作ることはできる?」

 

「ああ、できるぞ」

 

 俺は指輪やイヤリングなどの金細工の品を東條の前に出していく。

 

「重さって量る物ある?」

 

「ちょっと待っててくれ」

 

 俺は台所から秤を持ってくると、今作り出した金細工を全て乗っけて重量を量る。

 

 量ってみると総量は200グラムにもなった。

 

 ちなみに暇な時に釣りしてメタリンに延べ棒にしてもらった金がまだ数キロインベントリの中にあるけど、流石に過剰なので渡すのはそれくらいにしておく。

 

「他にも宝石とかあるけど……」

 

「いや、現状で現金化するならこれぐらいにとどめておいたほうがいいわね。これでも現金化すると400万円超えるわよ」

 

「金相場ってそんなに高いんだ……」

 

「両親の財産整理するときに貴金属相場は散々調べたからね。まぁ結局自己破産することになったけど……今の私でも売ることは可能な筈だから問題ないわ」

 

 一応お金を得ることができても、これができるのは1回限りに近い。

 

 何回も行えば確実にマークされるし、一度自己破産している人がそんな財産を持っていれば追徴課税食らうからって説明を受ける。

 

「それだけど……もしよかったら運を滅茶苦茶良くしないか?」

 

「怪しい話になってきたわね……なになに? 運ってラックのこと?」

 

「この世界に来れたのなら……ステータスオープンって言ってみなよ。ステータスが現れるはずだから……」

 

「恥ずかしいわね……ステータスオープン……本当にでた!」

 

 びっくりして東條は腰を抜かしていたが、綾乃みたいに異世界に召喚された人物基準のステータスになっていた。

 

 名前 トウジョウ・リオ

 年齢 27

 性別 女

 職業 無職

 

 HP 100

 MP 50

 パワー 80

 ガード 50

 マジック 50

 スピード 30

 ラック 42

 

「うーん見事なカスステータス……ラックは思ったよりもあるな」

 

「酷い、いきなりカスステータスなんて……」

 

「この世界の人、ラック以外は平均400くらいはあるから滅茶苦茶ステータス弱くて、この世界だと暮らしていくの辛いよ」

 

「異世界にも夢が無いの私……」

 

「まぁ今必要なのはラックのステータスだけだから……これを俺が手を加えることで数倍に運を上げることができるんだ」

 

「運を上げるとどうなるの?」

 

「直感が強くなったり、普通に金運とか巡り合わせが良くなる。金を持ち込んだとしても変に疑われなくて済んだりするかもしれない」

 

「かもなんだ……」

 

「俺あの世界の日本(ひのもと)に行ったのさっきが初だったから……どうなるか未知数だし……」

 

「おい!」

 

「まぁどうなるかわからないけど、運が良ければ生きていくことはできるから……異世界で生活したからったら協力してよ」

 

「……ちなみに私を使って金稼いで何がしたいの?」

 

「技術書や作物の種だったり……家畜だったりを購入したいからある程度のお金が欲しいだけで、東條に声を掛けたのもたまたまだし……」

 

「たまたまで人生リセットできる可能性が出てきたのは最高ね……ところで斎藤は初めて日本に来たって言うけど、どういうこと?」

 

 俺はAの地球に住んでいたが、勇者召喚に巻き込まれて異世界転移、そしてそこで鍛えたことで異世界に行ける技を身につけて、Aの地球に帰るはずがBの地球にしか接続することができなかったと説明する。

 

「だから日本人だけど日本人じゃないというか……」

 

「なるほど……彼女さんもそうなの?」

 

「うん、俺と同じ世界出身。他のメンバーはこの世界の住民」

 

「なるほど……頭の中で咀嚼することができてきたわ。うん、ネットの無いこの世界で生活を保障してくれるんだったら手伝うわよ」

 

「ありがとう」

 

「いえ、私としては本気で命の恩人だし……で、運を上げるってなったらどうすればいいの?」

 

「捕獲状態にまたして、俺の技の鍛えるで東條のレベルを上げる。レベルを上げるとゲームみたいにポイントが貰えるから、それでラックのステータスを上げると、ラック上限100を超える運にすることができるんだ」

 

「わかったわ。やってちょうだい」

 

 俺は東條を捕獲状態にすると、鍛えるで一気にレベルを上げるのであった。

 




やっぱりハーメルン読者優しいわ。

本当ありがたい。
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