クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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移住開始

「とは言っても……建材を集めるところからか……木材石材はこの島に沢山ありそうだし、安全地帯で集めるか」

 

 いよいよスローライフの第一歩を俺は踏み出した。

 

「キングスライム軍団には素材集めを手伝ってもらえればよかったな……まぁ良いや!」

 

 俺は海岸沿いから少し奥に向かい、木々をどんどん切り倒していく。

 

「範囲拡大! からの木材確保!」

 

 俺が斧を振るう度に、周りの木々にも切れ目が入り、何度か斧を振るうと、綺麗に切断される。

 

 倒れた木々に再び斧を振るうと木材として加工される。

 

「うーん、だいぶチート……でも便利だから助かるけど……」

 

 そう言えばと、100階層で大量に集めたカオスストーン……あれで斧とか出来たりしないかなって思いつき、能力で作ってみると、禍々しい斧が出来上がった。

 

「うわぁ……絶対に人に向けちゃいけない奴だな……木に当てたらどうなるか」

 

 スパンと一発で木が倒れた。

 

「包丁で刺身を切るみたいな感覚で切断できたな……」

 

 俺は適度な大きさに木を切断して、木材へと加工してからインベントリに収納し、木材が集まったら、海岸沿いに積み上げていく。

 

 作業が楽しくて1時間ぶっ通しで作業をしていたら、森が1つ消えていた。

 

 まぁ小さい森だったからなんというかその……。

 

「やりすぎちゃったか?」

 

 そんな感想が出てくるが、とりあえず穴を掘るで切り倒したことでできた切り株を全て引っこ抜いていき、更地を作っていく。

 

 整地の過程で、石材とかは多く集まるので、石材として纏めて、ブロック状にしていき、これも海岸沿いに集まったら置いていく。

 

「ふう、暗くなったし、今日はこれくらいにしておくか」

 

 海岸沿いに積み上げられた木材、石材の山に、俺は明日から始まる本格的な開拓を楽しみに、仮拠点として組み上げた小屋を拠点化させて、ホノカ亭に転移するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 

「じゃあホノカ亭を地上に戻そうか」

 

 ダンジョンの30.5階層にあったホノカ亭の移設作業をまず開始した。

 

 皆で手分けして、備品とかをアイテムボックスの中に集めて、ホノカ亭の中を空にする。

 

 他にもアリスの工房も移設するので中身を空にして、解体していく。

 

「斎藤の能力を使うと、物件の解体もお手のものなんだな……」

 

「まー戦闘以外は大抵できる能力持ちだからな」

 

「すげーな……」

 

「凄いわね……」

 

 山本と東條がどんどん解体されていくホノカ亭を見ながらそう呟き、ホノカ亭の解体作業は30分程度で完了。

 

 というか俺の力を使うと解体よりも建てるほうが早く済むのバグだろ……。

 

「はいはい、じゃぁ皆さん新しい拠点候補地であるヤシマ王国の八の島に移動するぞ」

 

 転移クリスタルに皆触れて移動したのを確認し、俺は最後にここの転移クリスタルを解体。

 

 俺自身は外にある倉庫の転移クリスタルを使って八の島へと移動した。

 

「「「『おお!!』」」」

 

 転移したメンバーが見たのは、初めて見る広大な海、白い砂浜、広がる更地……。

 

「凄いです! 僕初めて海を見ました!」

 

「うちらも初やな!」

 

「初めて見たねお姉ちゃん!」

 

 バトラー、アオイ、アカリの3人は初めて見る海に大はしゃぎで、砂浜を走り回っている。

 

 俺も少しして合流してから、最初に拠点となる場所にホノカ亭を再建しようという話になり、昨日更地にしていった場所を見に行くと、ゴーレムやキングスライム達が戻ってきたので、この島に残っていた魔王軍は殲滅してくれたっぽい。

 

「偉いぞ……」

 

 キングスライム達を撫でてやると嬉しそうに飛び跳ねていた。

 

 エレキマッスル軍団はマッスルポーズを繰り返していて相変わらずである。

 

「お前達ももう少ししたら魔人化させてやるからな」

 

 そんなことを呟きながらも、他のメンバーも来たので、海から少し離れた場所にホノカ亭を再建させる。

 

「「「おお!」」」

 

 素材さえあれば建物は一瞬で建てる事が出来るので、インベントリの素材を消費してホノカ亭を再建。

 

 そしてバトラー、アオイ、アカリの3人はホノカ亭に備品を運び込んでいく。

 

「でだ、他のメンバーは住む場所どうする? 材料沢山あるから各自マイホーム建てられるけど」

 

「「本当!?」」

 

 東條と山本が反応した。

 

 現代日本人、マイホームがあるなら欲しいのは変わらないっぽいな。

 

 綾乃は俺と一緒に住むで良いか? 

 

「うん、良いよ!」

 

「ミンナ、アリス、マリー、カグヤ、ニャン、ラミーはどうする?」

 

「今のところホノカ亭で住むのに困って無いから特に要らないかな……」

 

『私は再建してもらう工房に寝床の部屋を追加してくれると嬉しいです』

 

「私もホノカ亭でいいかなー」

 

 ミンナとマリー、カグヤとニャンはホノカ亭で引き続き住むと提案し、ラミーは折角だし山本と一緒に住もうかなーって、山本との距離を近づけていた。

 

 お前らいつの間にそんな関係に? 

 

「住居どんなのが良いとか希望あるか?」

 

 俺は東條と山本に聞くと、結構現実的な話をしてきた。

 

 床はフローリングが良いこと、2階建てで部屋数が5部屋くらいあると嬉しいと山本が言ったり東條が言ったり……。

 

 トイレ、風呂別のできればシステムキッチン風に……と要望を言われ、俺は少しずつ形にしていく。

 

「アリス、水回り関係は手伝ってくれ」

 

『はーい』

 

 家の形は出来ても、魔石で可動する水やお湯を出したりする装置や火を点火するのは残念ながら俺の道具を作るでは作り出せない。

 

 いや、カセットコンロみたいなのだったり、井戸を掘る……とかは逆にできるし、テンプレ通りの家やホノカ亭みたいに設計を読み込んだ物件だったらそこら辺の再現もできるんだが……。

 

 テンプレ通りじゃない家だと結構作るのを気をつけないといけないからな。

 

 まぁ本当の建築とは違って、柱の強度とかは気にしなくても頑丈な家はできるんだけど。

 

 色々工夫をした上で出来上がったのが、東條は1人で暮らしていくのに不自由しない平屋の物件。

 

 山本はラミーと一緒に暮らすからと2人で暮らせるし、家族が増えても問題ない部屋数の2階建ての物件に仕上がった。

 

「めっちゃ集中力必要だわ……思ったよりも疲れる……」

 

「それでも要望通りの家を2時間で2軒建てちゃうのも凄いけどね……」

 

 東條に褒められながらも呆れられてしまった。

 

 ちなみに俺と綾乃の家はテンプレにあった田舎の一軒家っていうのにした。

 

 テンプレの説明によるとチューダーと呼ばれるイギリス風の建築様式らしく、1階よりも2階の床がせり出ていることが特徴的な造りをしていた。

 

 あとは日本風の真壁造りと呼ばれる柱や漆が部屋の中からでも見えるのも特徴的で、あとは窓ガラスが1枚の大きい物ではなく、ひし形に組んだ枠組みにガラスをはめ込む事で大きなガラスの代わりにする造りをしていた。

 

 一応内装は拘って、2人で入っても余裕ある浴槽と風呂場、広々のキッチン、必要かわからないけど暖炉と薪木を置くスペースに、農具を置いておく為の納屋も一緒に作った。

 

 ベッドは一応別々のを作ったが、空き部屋に大きなキングベッドを設置。

 

 2人で住むには広すぎるくらいの大きさになっていた。

 

「絶対に子沢山になるね」

 

『うん、主様とフジワラ子沢山になる!』

 

 ミンナとアリスに茶化されたが、ちょっと恥ずかしくなる。

 

 アリスの工房も設置した後に居住空間も増築し、とりあえず今いるメンバーの住居を建てる事は完了した。

 

「さてと……思ったよりも浜風が入ってくるな……これだと風によって畑が塩害になったりしてしまうかも」

 

 俺は海岸沿いを探索すると、ヤシの木っぽい木が生えていた。

 

「普通のヤシの木か?」

 

『その木はアブラヤシの種類だと思うよ』

 

「アリス知ってるのか?」

 

『うん』

 

 アリスの居た地域で油を精製するのにアブラヤシが使われていたとのことで、プランテーション農園みたいなのが普通に有ったらしく、長い年月を得て進化しているっぽいが、アブラヤシの性質と似ているってアリスは言う。

 

『食用から加工品の油まで私なら作れるから、育てて損っていうのは無いと思うし、もしかしたらこの島では元から育てられていたのかも?』

 

「確かにあり得る話だな。まぁ防潮林を作りたいと思っていたから、この際アブラヤシを海岸沿いに植えてみるか」

 

『いいんじゃないですか? 確かに浜風が強く当たるので、今のままだと家屋にダメージが蓄積しそうですし』

 

 俺はアブラヤシから実を取り、大量のつぶつぶしている種を適度な範囲広げながら撒いていき、アリスに水を出す魔法で湿らせてから大豊作を設定した。

 

 これで木なので数日後にはアブラヤシが育つ筈だ。

 

 その後は土壌を畑にするのに適した土地にするために、自動掘削で適度な範囲の地面を削り、拠点作成の技の副次機能である畑を作るで、掘った土を消費して、肥沃な土に張り替えていった。

 

 特にマリーに手伝ってもらって、俺が大量の肥沃の土を作り出すので、それをマリーの魔法で運んでもらって、ドサッと自動掘削で削り取った地面に流し込んでもらった。

 

 あとは適当な場所に無限水源を作り、底から四方に水が流れるように用水路を作っていき、ちゃんとした畑を作り出していった。

 

「んん、まだ何も植わって無いけど、広がる農地、整備されて区画化された農地……整った水回り……農業やるのにこれくらい整ってないとな」

 

 俺が思う理想的な農地が出来上がったので、喜びに打ちひしがれる。

 

 周りはドン引きであるが、農家なんてこんなもんだ。

 

「さてと、どんな作物を植えようかな……ん?」

 

「どうしたの隆史君」

 

「いや、海岸沿いに船が見えた様な……」

 

「……本当だ」

 

「ヤシマ王国の船かもしれないな。とりあえず魔王軍を討伐してこの島をもらうって事を伝えた方が良いかもな。目印に光の柱を飛ばすシンボルを設置しておこうか」

 

 俺は手持ちの材料で、光を放つシンボルを設置して、船の出方を伺うのであった。

 

 

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