【書籍化決定】クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
私の名前はサイトウ・ミカ。
ピッチピチの6歳児。
ピースピース。
6歳にしては頭が良くないかって思ったそこの貴方……ふふん、私って天才ですから。
パパやママ、沢山いるお母さん達に習って色々勉強しているんだけど、滅茶苦茶頭が良くて成長が早いって褒められた。
まぁ、頭が良いのは私だけじゃなくて、弟や妹達もそうなんだけどね……。
他の家の子達は同じ年の子でもめっちゃ子供っぽい。
というか、私達姉妹や姉弟が成長が早すぎる。
パパ曰く、私6歳なのに、15歳くらいの容姿やそれ以上に成熟した頭脳を持っているって言われていた。
いや、弟や妹達も皆超早熟だからそんな感じはしないんだけどね……。
「おはようございますアリスさん」
『おはようミカさん。今日も元気ですね!』
「はい! 元気なんですけど、ちょっと剣に歪みが出てきちゃって」
『あーはいはい、じゃあ補修しておきますから、予備持っていきますか? 今日も皆でダンジョンに潜るんでしょ?』
「はい! 弟と妹と一緒にダンジョンに潜っていきます」
私が4歳の時に他の弟や妹達と一緒に学校に通うようになったんだけど、東條お母さんが学校の授業以上の勉強を教えてくれて、あと、ミンナお母さんとマリーお母さんから魔法についてを、アリスさんから錬金術を、工房で働いているお兄さん達から科学や工学について教わっていたら、1年で学校で教わる勉強を終えてしまって……。
5歳になってから、ググンって身長も伸びて、顔の幼さもすっかり消えたので、弟達と妹達と一緒にパパに直談判して、冒険者になることを許された。
パパ的には一緒に農業やろうよ〜って言っていたけど、子供の私達は本に書かれている偉人のように冒険がしたいってどうしてもやりたい。
だから冒険者として認めてられてから3ヶ月間は冒険者で一番技量の高かったミンナお母さんから冒険者のイロハについて学んだり、八の島のダンジョンに潜りに来ている冒険者をパパがお金を支払って、私達の先生にしてくれた。
過保護だとは思うけど、本来5歳の私達が冒険者をやるのは幼すぎると、冒険ギルド長をしているスズナリさんからも冒険者になる時に忠告を受けていたから、しっかり基礎を学んでからダンジョンに潜るようになった。
ちなみに私達からすると一番上の姉……と言ってもパパの血は繋がってないんだけど……イオリ姉さんは大きくなってもパパにべったりで、私達みたいに冒険者には成らないで、パパと一緒に農作業をする日々を送っていた。
イオリ姉さんも弟や妹達から人気があるので、私達の1歳下の弟、妹達は学校で習う範囲の勉強を終えても、痛いのは嫌だからと、イオリ姉さんと一緒に農作業をするようになっていた。
あと、バトラーさんとアオイ、アカリさんの2人の息子さん達も早熟で、私達と同じくらい成長が早くて、同じ時期に冒険者になって、ライバルみたいな関係だ。
バトラーさんはパパに愛情を抱いているような振る舞いをするけど……あれはどうなのだろうか?
「レン、マサヨシ、フウカ、ライカお待たせ」
「遅いよリーダー」
「待ってたよ!」
レンはミンナお母さんとパパの女の子。
マサヨシはマリーお母さんとパパの男の子。
フウカとライカはリオンお母さんとパパの双子の女の子。
それに私を加えた5人でパーティーを組んでいるんだ。
私が盾と剣を持っていて、マサヨシも大きな盾を持つ前衛。
レンはミンナお母さんが魔女って種族を受け継いで、魔女で、魔法が滅茶苦茶得意。
フウカはお父さんの能力の素材解体を、ライカは異空間に収納の能力を継承していて、基本的に魔導銃って武器を扱う。
アリスさんと技術者のおじさん達が作り出した新しい武器……魔導拳銃。
魔石を加工して、拳銃から色々な魔力の弾丸を発射することができる武器で、魔力量に関わらず、一定の威力を出せる武器何だけど、フウカは小銃型を、ライカは威力重視の狙撃銃型を使う。
内部が広いダンジョンだから使える武器だけど、前衛2、中衛1、後衛2で私達のパーティーは滅茶バランスがいい。
ダンジョンの近くに行くと、早朝なのに、冒険者の方々が列車に乗り込もうと列ができていた。
八の島のダンジョン名物、ダンジョン列車。
乗り込むことで、10階層ごとに列車が止まる駅になっていて、そこから冒険を始めることができる。
外から来た冒険者の方々は20階層から30階層がメインの狩場。
この島の島民の冒険者の多くは40階層から50階層が狩場で、私達は60階層から70階層までをメインの狩場にしていた。
「列車が出発します。ゆっくり、焦らずに乗車をお願いします」
八の島のダンジョンは一の島のダンジョンよりうま味が少ないらしいけど、ライバルが少ないし、素材買い取り金額は八の島の方が高いということで、素材を多く回収できたり、素材の剥ぎ取りが上手い人は八の島のダンジョンは穴場らしい。
というか、列車で行きたい階層まで送ってくれるのは時間短縮の意味でも楽だと私達を鍛えてくれた冒険者パーティーの皆さんはそう言っていただけ……。
『60階層、60階層……お忘れ物の無いようにご注意を』
列車から降りて、駅を出ればダンジョンの入り口が広がっている。
下の階層に行きたい時は線路沿いの通路を進んでいけば、下に行くことができる。
ただ冒険するならここから先に進んでいくのが基本。
「レン、案内お願い」
「任せて、リーダー」
レンの能力は敵の探知とマッピングができる能力。
頭の中に敵の大まかな位置と周辺の地形を把握できるのだとか。
お陰でうちのパーティーは地図要らず。
「次の部屋にモンスターの反応4……恐らくグリーンタイガーの群れだと思う」
「了解!」
隊列を組み直して、前衛組が前に出る。
ガンナーであるフウカとライカも銃を構えて部屋の中に入ると、虎のモンスターがこちらに気がついて襲いかかってきた。
パパパン バスン
フウカがいち早く三点バーストで虎の1体を倒し、ライカも狙撃で1体の頭を撃ち抜き絶命させる。
近づいてくる残り2体のモンスターにレンがスタンの魔法で動きを封じて、私は片手剣で、マサヨシはナイフで急所を刺殺する。
フウカがちゃちゃっと倒したグリーンタイガーを解体して、それをライカがアイテムボックスに素材ごとに分けて収納する。
「15万ベルクゲット! ラーメンデラックス盛り15杯分!」
「いや、遠藤さんの寿司屋で食べない?」
「マサヨシは寿司好きだねぇ……」
「私は牛肉買って、アヤノお母さんすき焼き作ってもらおうよ。弟や妹達の分も買ってさぁ」
「私ケーキ食べたいな〜」
冒険者として稼げるから、私達のお金は自由に使っていいことになっている。
というより家が島一番のお金持ちだから、特に苦労することはないんだけど、お金の使い方は実地で学んだほうが良いってパパは考えているらしく、私達が稼げるようになってから誕生日や祝い事以外は特に買い与えてくれることはなくなった。
まぁ私達も欲しいものがあればダンジョンに潜れば良いって思っているから別に良いけど……。
「でも、私達はダンジョンに潜れるから良いけど、ケイン達(エリーゼの子供達)は大変だよね」
「島長の家系だからってダンジョンに潜れるわけでもなく、早熟だから同年代の子供達は幼すぎて、10歳以上年上の人と婚約することになったんだっけ」
「王族島長の一族は大変だよね〜」
「一応私達も一族ではあるけどね。パパが英雄だから」
「でも母親が違うってだけで、ケインは泣きながら政務漬けの日々送っていると思うと可哀想だよ……」
「今度ケーキでも差し入れしましょうか」
「「「「賛成」」」」
ケーキ大好きなライカがケーキを差し入れするほど同情を買われているケインだった。
「相変わらず素材の剥ぎ取りが綺麗ですね……これなら満額お支払いできますよ。換金額は100万ベルクになります!」
「はーい」
1時間ちょっとダンジョン内を潜って、安全な範囲でモンスターを狩って100万ベルク。
今日も十分に稼ぐことができた。
まぁほぼ作業みたいなものだけど。
換金を終えて、列車が来るのを待ってから15分したら列車が到着。
1回列車を逃すと40分待ちになるからね〜。
列車に乗り込んで座席に座り、リオンお母さんが日本で買ってくれた小説を読む。
異世界の小説って、異世界の日常が見られて面白い。
「異世界だと高校ってことろでこんな甘酸っぱい恋愛ができるんだ……」
「またリーダーが恋愛小説読んでる。そんなに恋愛面白いか?」
「マサヨシは子供だね。恋愛と言えば家の家族だとやっぱりアヤノお母さんのお父さんの馴れ初めよね」
「異世界に来てから両思いになって結ばれる……うん。ああいう恋愛を私もしてみたいなぁ……」
「私はリオンお母さんの馴れ初めも良いと思うけど。お父さんまるで物語の王子様みたいな助け方じゃん」
「いいよね~」
「いい!」
そんな会話を私達姉妹はするが、男のマサヨシには通じてなかったのだった。