超闘争ALT プロジェクト・ファンタズマ -i 作:独立傭兵月兎(仮)
…それでも、憎たらしい程に日常は続いていく。
SIDE:彩葉
かぐやを守りきって、九朗を喪ったあの日から、
一週間が経った。
私達が今やっていることは…
「ん~…やっぱりまだ何か違う気がする…。」
「そうかな?かぐやはこのメロディも好きだよ♪」
未完成だったかぐやの為の歌「Reply」
それを完成させようとしていた。
ーーー
九朗が居なくなった直後は、私達は何もできなかった。
…いや、なにもする気が起きなかったと言うのが正しいか。
病院に運ばれて、主の居なくなった九朗の部屋で。
…私達は、九朗の遺書を見つけた。
九朗は、あの場所で死ぬ気だったんだと、漸く気付いて。
皆して、声をあげて泣いて。
「鳥籠」はもはや、九朗がいなくなって空いたキズを舐めあうだけの集まりになってしまった。
ーーー
…それでも、時間は無情にも進み続ける。
カヨコは、呉服屋のシフトを多く入れて。
同時に広実も「オタ公」としての役目を増やして…
だけどそれは、九朗の居ない世界から目を逸らし続けるという事でもあった。
リンちゃんは、何時も九朗の病室に通っている。
いつか目を覚ますかもしれないという淡い希望にすがっている。
…一番酷いことになったのは、芦花だろう。
目を離した隙に九朗が死んだという事実。
芦花は怯えてしまっていて、私やかぐや、真実が…誰かが付いてないと泣き出してしまうようになった。
今は真実と瑛斗が、学校までの道を付き添ってくれて…夜は私たちと一緒に寝泊まりしている。
かくいう私もかぐやも、もう終わってしまってもいいやって、そう思っていた…でも
「あの最後の一文。
あれをハッキリさせないと、
私は九朗に合わせる顔が、ない。」
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文章データ:九朗の遺し書き
遺書の最後に走り書きされた文章
卒業ライブの前日に追記されたようだ
一つだけ、荒唐無稽な仮説がある。
それはヤチヨの正体についてだ。
完成途中とは言え、彩葉の作った「Reply」を聞いてそれは確信に変わった。
彩葉。どうか、「Reply」を完成させて歌ってみて欲しい。
そうして、気づいたら、ヤチヨに。
彼女に会ってやってくれ。
彩葉とかぐやには、
その権利と義務があると、思うから。
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そうして、「命より大事」とまで宣った学校すらサボって向き合うこと数日。
「よ、ようやく…」
「完成した、ね!」
…かぐやのための歌「Reply」が遂に完全な形となった。
「それじゃあ、かぐや。」
「うん、歌おっか。
九朗にも届くように!」
かぐやのヘッドホンに、私のイヤホンに、
「大切なメロディ」が流れ出す。
私たちはその音色に導かれるままに、
何処までも響くようにと、
その口を開いた。
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「…あれ、九朗?何処に居るの…」
「ヤチヨ…これを、見て欲しい。」
「FUSHI、どうし、っえ」
「…これが今の、九朗の状態だ。」
「そんな…こんなの、いや、嫌だよ…」
「ヤチヨ、大丈夫だ。まだ打つ手はある…」
「ーーその鍵は、彩葉とかぐやだ。」