超闘争ALT プロジェクト・ファンタズマ -i 作:独立傭兵月兎(仮)
時系列としては、前話の数日前くらいです。
SIDE:FUSHI
「や、やめ…!」
ザシュッッッ
『…それで最後みたいだ、レイヴン』
「…終わりか」
やはり粗製か…とボヤきながら刀をしまう
その目の前に転がっているのは、
…九朗に気付いた企業や研究者達がこぞって、その存在を捕らえようとしていた。
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数日前のこと。
その日もレイヴンが再び現れ、「KASSEN」をしている。
どうせ直ぐに消えてしまうんだろう、とボクは半ば諦めかけていた。
だけど、その日は違った。
「…お?」
彼のコンソールにあったのは、何時もなら絶対に無かった物。
レイヴンに対する、対戦申請。
あまりにも、怪しすぎる。
嬉々としてKASSENに飛び込んでゆく九朗をボクはこっそり追いかけた。
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果たしてその予感は正しかった。
「…お前が九朗…いや、レイヴンか。」
「そうだが?」
九朗に向かい合っていたアバターの姿が、砕けた。
「残念だが、これはKASSENではない。
騙して悪いが仕事なんでな、一緒に来て貰うぞ」
『九朗!
そいつらは、普通じゃないッ!!』
堪らず、彼らの前に躍り出た。
彼らのスキンには、
だが一向に不正検出システムが働かない。
そんな芸当は、民間や個人ではまず不可能だ。
『
九朗、どうにか逃げ、ろ…ッ』
やはり、というべきか。
この状況でも九朗は逃げるどころか、自身の武器を構え嗤っていた。
まるで、新たな獲物を見つけたと言わんばかりに。
「丁度いい。FUSHI、俺のオペレーターをやれ」
『…は!?』
「敵の数を教えてくれればいい、行くぞ!」
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そうして、今に至るまで沢山の人間を返り討ちにしてきた。
ヤチヨも頑張ってくれてはいるのだが、それでも「密航者」は後を絶たず。
最後はボクと九朗の手で追い出すしかないのだ。
…それでも、悪いことばかりじゃない。
戦闘の後、何処かへ消え去るまでの少しの時間だけ、彼と話ができた。だけどどんな話をしても、九朗はどうでもよさそうで。
ヤチヨに会いに来てくれた時のような温かさは既に無かった。
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そして今日も、時間がやってくる。
『…もう時間か。』
「…ああ、またな、FUSHI。」
『そうだ、最後に…レイヴン。
…オマエに"ミッション"を依頼したい。』
「…ほう?」
つまらなさそうに聞いていたレイヴンが、此方を見た。
『内容は、9/12日に開催する"かぐや"の復活ライブ…そのイベントの一つ「KASSEN」で、かぐやと戦って欲しいんだ。』
それは、彩葉がボクに提案した方法。
九朗を舞台に引っ張り出すための、あまりにもわざとらしい言い回し。
『
…受けてくれるか?』
…言っておいて何だが、あまりにも怪しすぎる。彩葉は
「こう言えばあの戦バカは確実に来る。」
何て言っていたが、どうなんだ…?
「勿論、その依頼を受けよう。」
そんなボクの疑念とは裏腹に、目論見は拍子抜けするほどあっさりと通った。
呆気にとられるボクを気にもせず、九朗は笑う。
「かぐやと戦えるんだろ?
どれ程までに強くなったのか、楽しみだな…!」
ンッフッフッフッフッ…
不気味な笑いを溢しながら、九朗はまた何処かへと消えた。
『…よかった…』
「ネスト」に『上手く行った』とだけメッセージを送り、ボクもヤチヨのもとに戻る。
賽は投げられた、あとは進むだけだ。