夏の
「おいエリック。いくらなんでも早過ぎじゃねえか?」
そんな文句を、この
「ジェイムズさん、おはようございます。それに皆さんも。ええ、今日はですね、さくらさんのご希望のお時間でして。はい」
エリックはそう言うと、ジェイムズ以下
「うふふ、ごめんなさい。今日の作業は朝早くがいいかなって。その代わり皆さんには、美味しいお弁当をたくさん用意していますので」
さくらは、まだ眠っているきなこを抱きながら、朗らかな笑顔を皆に向けた。
「本当か?そりゃ楽しみだぜ!」
ジェイムズは美味い弁当があると聞き、大工連中とともに歓喜の声を上げた。
「わたくしたちも同行させていただいてもよろしかったのでしょうか?」
おずおずとしながらも、格好だけはしっかり準備してきていたフリージア家のメイドたち、「ノアール・クラウディア」と「ユイロージア・ミスティリア」がそこにはいた。
「ぜひぜひ。たくさんのタネと
「ありがとうございます。わたくしたちもすごく楽しみにしてまいりました。どうぞよろしくお願いいたします」
ノアとユイは
「それではまいりましょうか」
エリックの号令で皆が馬車のカゴに乗り込み、たくさんの道具や荷物を積み込む。馬車を
「しゅるるるるるる………………」
「そろそろ着きますよ」
馬車の
「ついたか~!
ジェイムズがそう言うと、馬車と
ここ『Lケーブパーク農園』はベイ・ピースの
「わぁ!本当に広いですねぇ!」
「うむ!これはやりがいがありそうだ!」
さくらとフリーゼは目の前に広がる土地を前に、気分が
「にゃ……もうついたのかにゃ……?」
「きゅる……きなこ様、とても良い天気でございます。おはようございます」
ようやく起きたきなこは、フリーゼに早速クワを渡され、ねじり鉢巻を巻くのだった。
「よぉし!早速やっかぁ!」
ジェイムズの掛け声とともに、皆は「おー!」と歓声を上げ、まずは草刈りをする
「ジェイ!負けんぞ!」
「姫様!あっしは男の子でやすから!」
フリーゼとジェイムズは顔を
「す、すごいね」
「にゃ、にゃんだかあっという間に草がなくなっていくにゃ……」
さくらときなこは、その圧倒的な作業量の前に思わず腕をだらんと下げていた。
「さくら様、わたくしたちは土をつくりませんか?」
「そうですね!負けないように私たちも頑張りましょう!」
メイドのノアにそう言われ、我に返ったさくらは腕まくりをして、ふんと鼻息を荒げた。
さくらときなこ、そしてメイドのノアとユイはクワを使い、サクサクと畑を
「
「さくらちゃん、どうだ、終わったぞ。ジェイは、息も、
「そうおっしゃる姫様も……肩が……上がってますぜ」
意地の張り合いもそこそこに、さくらは礼を言い、次は耕す作業を頼んだ。
「私たちは、できあがった土にタネと苗を植えていきましょう!」
さくらはそう言うと、植え付け担当の者たちに用意していたものを配り、それを土に植えていった。
「さくらさん、これはいかがいたしましょうか?」
ユイは苗の扱いに慣れておらず、取り扱いに
「土ごと手のひらに包んで、そのままふわっと埋めてください。あまりパンパンと押し固めないようにするのがコツです!」
次第に慣れてきて、メイド二人も苗の扱いに手慣れていった。きなこはタネを入れたカゴを手に持ち、パラパラと
「できたぁ!」
「やったぁ!」
時刻は午前七時。あっという間に作業は終了し、皆は歓声を上げてハイタッチを交わした。
「みなさん。食事の準備ができていますので、手を洗ってきてくださいね」
さくらは途中で作業から離れ、ひとり食事の準備を進めており、ちょうど終わる頃に味噌汁が出来上がるようにしていたのだった。
「ひー腹減ったぁ」
大工連中はそう言い、ジェイムズたちは「俺たちの腹のすき方は
「ごはんの大きな釜、まるごと一つ持ってきていますから!」
さくらはそう言うと、ボンとその大きな
「全部食っていいのか?」
「ええ、全部食べちゃってください!」
「やったぜ!」
大工たちは
「ところでさくらさん」
大きなゴザを
「これらの
「大体のものはグランデ・マルシェでも手に入らないものです。
「聞いたことのないものばかりですわ。楽しみですわね」
ノアとユイはそう言い、今日の働きがどのような
「嬢ちゃんよ」
ほんの少し風向きが変わり、朝の
「俺っちとしては今まで通り、嬢ちゃんたちと付き合っていきたいと思っている」
さくらは、そのぶっきらぼうな言い方を、少しの間
そしてさくらは、きっと勇気を出してタイミングを見計らい、彼なりに気を
「ジェイムズさん、私も今まで通りでお願いしたいと思っています。ライテス様とエリックさんと、ちゃんといろいろ話をしました。もうあの研究には関わらないこともお伝えしましたし、バレットさんも納得してくれました。ジェイムズさんにきちんと伝えていなかったのは、ごめんなさい。でも、これからもまだまだやりたいことがありますので、そのたびにお願いしたいと思っています。よろしいですか?」
さくらはそう言って、ジェイムズの顔を見上げた。
「お……おうよ!あったりめえじゃねえか!店のことは俺っちに任せとけってんだ!」
ジェイムズの複雑そうな表情は
そのあと、さくらは冷たい麦茶を注ぎ直し、