マホウトコロ×ナイトレイブンカレッジ   作:みやり

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第3章 新たな出会いとグリム、再び

オンボロ寮、昨日はいろんな出来事があり美月はぐっすり眠りに入り、次の日の朝、すっきり

目覚めた。ゴースト達に挨拶をして、顔を洗い、髪を整えて、制服に着替えたりなどをして

(未だにこの世界にいる自分が信じられない……。) 思いながら身支度をした。

すると、オンボロ寮にクロウリーが訪問して来た。

 

クロウリー「おはようございます、ヒガシノさん。よく眠れましたか?」

 

「おはようございます、学園長。昨日、いろいろとあったのでぐっすり眠れました。」

 

クロウリー「異世界に飛ばされてきたというのに図太くて大変よろしい! さて、そんなわけで

本日のお仕事についてお話があります。」

 

「お仕事ですね。分かりました。(私、そんなに図太くないけどなぁ…。)」

 

 

 

こちらの世界に来て初めてのお仕事、それは学園内の清掃である。ただし、学園内は広いとの

ことで今日はメインストリートのみの清掃とのこと。メインストリートに到着した

美月は、ここにある7つの石像を見た。

 

「(この石像、ひょっとして、グレート・セブンという偉人達だよね!? 実際に生で見ると迫力

あるなぁ。)」

 

左に4体、右に3体飾られておりクロウリーから魔法を使っても良いと言われているが、出来る限り手作業でしたいと思い、掃除を開始した。

 

「(この人は、魔の山に住む茨の魔女。魔法と呪いはこの7人の中でも優秀、凄いけど呪いは恐ろ

しいね…。これは、サバンナを支配した、百獣の王。生まれながらの王じゃなくて自分の力で

玉座(ぎょくざ)を手に入れた努力家。王になった後 嫌われ者のハイエナなども差別せず一緒に

暮らそうって提案したらしいね。世界一美しいと言われた女王、深海の洞窟に住む、

海の魔女……。)」

 

 

美月は石像の掃除をしながら小声で呟いていた。だが、(この人、誰だったかな……。)

1体だけハートのステッキを持っている石像の名前を忘れてしまい思い出そうとした

ところ(ハートの女王知らねーの?) 少し跳ねた赤みの強いくすんだ茶色の髪、左目尻に

ある大きな赤いハートの模様をつけている青年が話しかけてきて、その隣には整った

濃紺の髪、右目尻にある大きな黒いスペードの模様をつけている青年がいた。

 

 

「ハートの女王…。あ!! 確か昔、バラの迷宮に住んでいた人…でしたよね!?」

 

ハート模様の少年「そうそう!! 規律を重んじる厳格な人柄でトランプ兵の行進も薔薇の

花の色も一切乱れを許さない。マッドな奴らばっかりの国なのに、誰もが彼女には

絶対服従。なんでかって?規律違反は即打ち首だったから!」

 

「打ち首ねぇ…。(規律は大切だけど、ちょっとやりすぎかな…。)」

 

ハート模様の青年にハートの女王について教えてもらい、美月はお礼を言って、お互い自己紹介をした。赤いハート模様の青年、エース・トラッポラと黒いスペード模様の青年、デュース・スペード。2人共ハーツラビュル寮に所属している、この学校に入学したばかりの1年生であり、

美月と同じ16歳である。クロウリー以外、この学園の生徒と出会えたことに少し嬉しさを感じた。

 

エース「学園長から聞いてるぜ。あんたが東洋の魔法学校から来たっていう生徒か!?」

 

「そうです。」美月は返事をして、「マホウトコロって……あの、東の果てにあるっていう、歴史ある魔法学校のことか!?」デュースは驚き、エースは面白そうに目を細め、美月が着ているローブを上から下まで眺めた。

 

エース「それにしてもさ、その服、すっげー綺麗!! なんかひらひらしててめっちゃ良いじゃん。」

 

デュース「おいっ、エース!! 初対面の相手に対して失礼だろ!!」

 

美月は魔法のローブについて説明して、「お前はものすごく真面目で、努力の天才ということか…!?」デュースは目を輝かせていて「いやいや、そんなことないですよ(;^_^A」美月は

答えて、「お前、何だかひょろひょろしてそうだな。」エースに少し意地悪く言われたが苦笑い

して受け流した。

 

 

3人が話している所に、「にゃっはー!!」との声がして3人は振り向くと、魔獣・グリムがまた

現れた。エースとデュースは初めて見るグリムに思わず目を丸くする。

 

「あなた、あの時の!? まだ、この学園の中にいたのですか!?」

 

グリム「ぎゃっはっは!コウモリが水鉄砲くらったみたいな間抜けな顔してるんだゾ!オレ様の

手にかかれば、もう一度学園に忍び込むことくらいチョロいチョロい。ちょっと外に放り出した

くらいで、オレ様が入学を諦めると思ったら大間違いなんだゾ! つーか、お前何でまだここに

いるんだゾ!?」

 

「私は、東の果てから来たマホウトコロの生徒で、突然この世界に飛ばされてきて、マホウトコロに戻るまでにこの学校の生徒として許可を貰い滞在することになったのです。」

 

美月は説明すると、「そんな学校、知らねぇ。お前だけここにいるなんて、ずりーんだゾ!!」

グリムはかなり怒っていた。

 

「えっと、グリムでしたよね…。どうして、この学校に入りたいのですか?」

 

グリム「決まってるんだゾ!! オレ様が大魔法士になるべくして生を受けた天才だからなんだゾ!! いつか黒い馬車が迎えに来るのをオレ様はずっとずっと待ってた。なのに……。なのに……。」

 

グリムは泣きそうになりながら答えた。昨日、突然現れて大暴れしてひどい目にあったがたった1人でこの学校に来て、魔法士になりたいという強い想いに美月は心を打たれた。

2人の会話を聞いていたエースが話し始めた。

 

エース「プ……。あはははは! モンスターが大魔法士になりたいだって。お前の所に黒い馬車は

迎えに来なかったよな。ありえねーし、だっせー。」

 

グリムの発言にエースは上から目線な言葉を次々と投げかけて「おいっ!! お前言い過ぎだろ!!」デュースが必死に止めようとしたが、エースは聞く耳を持たない。

美月は二人を落ち着かせようと一生懸命言葉をかけたが、ついにグリムが怒り爆発してしまい、エースとの喧嘩が始まった。

 

 

グリムは青い炎、エースは黒いボールペンのようなものを手に持って風魔法を出して、

お互いの技が衝突しあい、(このままだと、皆大怪我してしまう…。仕方ない…。) 美月は杖を

出して「フィニート・インカンターテム(呪文よ終われ)」 唱えて青い炎と風魔法は消えたが、

炎の一部がハートの女王の石像に当たり燃えてしまい黒焦げになってしまった。

「レパロ(直れ)、スコージファイ(清めよ)」美月は呪文を使ったが黒焦げになった石像はなかなか綺麗にならない。(ひょっとして、何か特殊な魔法がかけられている…!?) そう考え込んでいると「まったく騒々しい。一体何事ですか。」クロウリーが現れて石像を見た瞬間、大声を叫んだ。

 

 

クロウリー「あ~な~た~た~ち~は~~~~一体一体何をしているんですか!!! グレートセブンの石像を黒焦げにするなんて!! それと、昨日の狸はなぜまだここにいるのですか!!」

 

エース、デュースは焦った表情をして顔は下を向いており、美月はグリムを魔法で捕まえて抱きかかえて謝罪しながら事の経緯について説明したが、クロウリーは怒りが止まらない。

 

クロウリー「あなたたちは即刻退学。この狸は、私が処分致しましょう。」

 

エース・デュース「ええええええ〜〜〜〜っ!?!?!?」

 

グリム「しょ、処分だなんてオレ様いやなんだゾ~!!」

 

「退学」との言葉を聞いてエースは焦っていて「ちくしょう……。なにやってんだ俺は……。

母さんになんて言えば……。」 デュースは悔しそうに呟いていた。

美月は、せっかく入学許可を貰ったのにこのままだと元の世界に戻れない、さらにローブを見ると袖辺りが少しだけうっすらと白くなっているのを感じ取り、マホウトコロにとって「白」は大変

不名誉である。いろいろと考えていると冷や汗が出てきた。

 

「学園長、この石像を直す方法はありませんか!? 私の魔法では直すことは出来ませんでした。

もし、ご存じなら教えていただけますでしょうか。お願い致します!!」

 

美月は必死にお願いすると、クロウリーは考えながら提案を言ってきた。

 

クロウリー「1つだけ、石像を直す方法があります。この石像に使われた魔法石はドワーフ鉱山で採掘されたもの。同じ性質を持つ魔法石が手に入れば修理も可能かもしれません。ですが、鉱山に魔法石が残っている確証はありません 。閉山してしばらく経ちますし、魔法石がすべて掘り尽く

されてしまっている可能性も高い。」

 

「(魔法石。石像にとって必要不可欠だね。) 魔法石、取りに行きます。もし、取得出来たら私達の退学、あとグリムの処分を取り消しすることは可能でしょうか?」

 

デュース「僕も取りに行きます!!」

 

クロウリー「……いいでしょう。では1晩だけ待ってさしあげます。明日の朝までに魔法石を

持って帰って来られなければ君たちは退学と君は処分です。」

 

デュース「はい……!! ありがとうございます!!」

 

クロウリーの提案にデュースは真剣な表情になり、エースは面倒くさい顔をしていた。グリムは処分と聞いて焦っていたが、美月が提案してくれたことに少しほっとしており、同行することになった。

こうして、3人と1匹は、鏡の間を使用してドワーフ鉱山に向かった。

 

 

 

 

 

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