「い〜〜や〜〜だ〜〜〜あ」
王国の城の中でローブを纏った、不機嫌な赤髪の男は、汚い声で泣き喚くき、縄でぐるぐる巻きにされた少女を引きずっていた。
赤髪の男は急に立ち止まり、顔に青筋を立てながら少女の頭に拳を振り落とす。
「グエッ⁉︎」
「いッだァ〜〜〜〜い」
「この男、可愛い美少女の頭を殴りましたよ。」
「可愛い美少女の頭が悪くなったらどうしてくれんですか!?」
少女は頭を抱えながら、ビックリした顔で大袈裟に泣き喚く。
「テメェ!! 文句ばっか言ってんじゃねぇ、何が可愛い美少女だ、だいたいテメェがちゃんと働いていれば、俺がこうしてお前を、連れ出すこともなかったんだ!!」
「だってだって、あんな量の仕事できるわけないじゃないですか」
「何があんな量だ!! テメェの仕事量は俺や他の連中と比べれは大した量じゃねえだろうが!?」
うっ(汗)
少女は図星を突かれたよう、に露骨に目を逸らしながら、ハッと名案を思い浮かべ、ドヤ顔をしながら言い放った。
「そもそもノアさん達が、働きすぎなんですよ。少しは休んだらいいんじゃないんですか( ・᷄∀・᷅ )」
「テメェが!! ちゃんと働いていれば俺達がこうして働きすぎなことはねぇんだよ。 だいだいテメェは書類仕事を任せたら、書斎で涎を垂らしながら寝て、護衛を任せたら、同期のやつに押し付けて遊びに行き、魔物の討伐を任せられば、討伐先の所から帰ってこねぇ!!」
ブチギレた男は、少女の頭に指をぐりぐりと押し付けながら、不満をぶちまけた。男が怒っている事に漸く気づいた少女は焦りながら、必死に弁明を図ろうとするが。
「でもでも(汗) 今回はちゃんと働きましたよ」
ブチッ
「テメェは!!!! ちょと書類仕事をしただけでちゃんと働いたって言うのかよ!! それをめちゃくちゃ働いたかのように言いやがって!そしてテメェは結局仕事を放り出して逃げたじゃねえか」
ギクリ
「な‥なんで仕事を放り出してって知ってるんですか」
「テメェに仕事を押し付けられたって、部下が嘆えてたんだよ!」
「はぁ‥‥」
男は一旦落ち着こうと、ポケットから煙草出し口に咥え、魔法で火を付け、目を閉じた。しばらくして落ち着きを取り戻した男は少女に向けて言おうとした。
「とにかく‥‥テメェは部下に押し付けた仕事と、残った仕事が終わるまで帰れねぇと思‥‥」
男はポカンとした表情で、目を見開いた。男の口からは驚きすぎて煙草が口から滑り落ちていた。そこにはいつのまにか縄を抜け出した少女が風の様に消えていくのが見えた。
余りの事に己の目を疑った男は、混乱して、己の頭を壁に叩き付けた。ジクジクとした痛みが広がりこれが現実だと知った男は煙草の箱を握りつぶし、叫んだ。
「テメェ!!〜〜〜〜〜〜」
「逃げんじゃねぇ〜〜〜〜〜〜〜」
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私の名前はエミリー、とっても可愛い美少女だよ。キラッ★
そんな可愛い私は、頭が血まみの状態で鬼の様な形相で、こちらを追いかけてくる厳つい男から、絶賛 逃亡中です。
「待てや〜〜〜ゴラァ!!」
「待てと言われて待つやつがいるか〜〜」
フッフッハハハ
私は、このまま逃げ切り湖が見える崖の家で、悠々自適で自堕落な生活を送ると決めているのだ。そんな私の願望を、邪魔するんじゃねぇ〜〜
そして私は、絶対に働かない。なぜかそんなの決まっている、働いたら負けだからだ。誰だってまけるのは嫌だろうだから私は働かないのさ
(ドヤァ)
余裕があるのか少女はまるで踊るように様々な障害物を華麗に交わしながら煽るために後ろを振り向いたが、ギョとした表情で慌てて急ぐ。そこには明らかにさっきより近くなっている男がいた。心なしか本物の鬼の様に体が大きくなっている様に見える。
「バてや〜〜〜〜〜ゴゥラァ!!?」
少女はさっきより心臓の鼓動が明らかに早くなっているのを感じながら、慌てたのか、落としそうになりながら右手に杖を持ち、魔法で上空から様々な障害物達を呼び出す。
「ひ‥‥ヒビンダル」
【ドッスーーーン】 【ガッシャーン】 【バッシャーン】
「こ‥これで少しは時間稼ぎが出切るはずだよね?」
少女は心底安心した様に、ホッと胸を撫で下ろした。だがまたいつ、この障害物達をが取り除かれるか分からない。少女はドタドタと急いでこの場を後にした。
少女がこの場を後にしたすぐ後に【ビギッ】と音がなる。
ついに見えた(ニヤッ)私を自由の鳥にしてくれる、自由への扉。ここから出て、街の中にさえ入れれば、さすがのノアさんでも追っ手はこれまい。フッ勝ち申した。
トウッ!!
ここはエーリッヒ王国、海の端に聳え立つこの国は、国中に水が駆け巡り、そんな水と共に生きる水の国。 そんな美しい国のとある騒がしい、酒場の隅で、隠れるようにローブを深く被り、不気味な笑みを浮かべている、不審な人物がいる。
そう赤髪の男から逃げ出した少女だ。
そんな少女は、薄ら笑いを浮かべながら勝ち誇った顔で、酒を片手に笑っていた。
「フッフッ フハハハハハ 」
フラグが成立するかと思った、残念!そんなもの成立するわけないじゃん。もう私は、街の中でゆっくり座りながらお酒を飲んでいるよ。 そもそもフラグなんて、成立する訳ないじゃんここは、現実、アニメや漫画の世界じゃないんだから ( ・᷄∀・᷅ ) 馬鹿じゃない。
「ハ‥ハハハハハハ」
そんな、ご機嫌な調子で頬赤くした少女は、酒を片手に大声で叫んでいた。
「もっと酒を持ってこ〜〜い」
【ガシッ?】
「へぇ‥‥?」
所で、(汗)いつの間にかすぐ後ろで私の頭を掴んでる、血まみれで鬼の様なオーラを纏った、厳つい男が見えるんだけど、‥きき‥気のせいだよね(涙)
「つ・か・ま・え・た」 (ニチャア)
「ま‥‥待ってマッて、と‥とにかくこの掴んでる手を、話してくれると嬉しいな〜‥‥なんて」
「ほう‥‥それがお前の最後の、遺言でいいんだな」
【わしっ】
【パラパラ】
「わぁ!? マッテ髪が抜けてる!可愛い私の髪が抜けてる〜ー!?」
「ご‥ごめんなさい、あ‥‥あやまる あやまるから〜〜⁉︎」
「じゃあ仕事をしようか?」
私の頭を鷲掴みにしながら、とてもそりゃもう仏の様な笑顔で言い放った。
「‥‥‥‥はい、わかりました」
シクシクと頬から、涙を流しながら、猫のように首根っこを掴まれた少女は、憂鬱な表情で首根っこを掴まれながらその場を後にした。
これがこの少女と男のいつもの日常である。