初日にバラさんでもええやん……   作:匿名うゆ

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評価が高かったので急いで書きました


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学校二日目

 

午前中の授業は何事もなく終わり、誰かと一緒に食堂にでも行こうかと思っているのだが……

 

生憎とまだ友達と言えそうなのが1人も居ないのは困ったものだ。

 

沖谷?いや、あいつとの関係は特殊すぎてな……

 

 

平田というイケメンがオレのことを誘う素振りを見せてくれていたのだが、オレの思いも虚しく女子軍団に連行されていってしまった。

 

ああ、オレの希望が……

しかし、あの和に入ることはオレにはできない。

あの和に平気で入れるようなコミュニケーション能力はあの場所では教えて貰えなかったのだ。

 

くそっ、こんなことならそれだけでも学んでから脱出すれば……

 

そんな無駄なことを考えていると、沖谷に話しかけられた。

 

「ねえ、清隆くん。良かったら一緒に食堂行かない?」

 

こいつ……さっきの言葉は訂正しよう。

沖谷はまさしくオレの友達だ。

 

ご飯を誘ってもらうだけでそれなんてチョロいって?

 

はて……なんのことやら?(すっとぼけ)

 

 

二つ返事で誘いをOKし、沖谷と食堂へ向かうことにする。

 

 

食堂に着き、メニューを見るとなんと0ポイントの山菜定食というものがあった。

これは気になるな。

 

「え、清隆くん、0ポイントの山菜定食って……最初にそれって意外とチャレンジャーなんだね」

 

「そ、そうか?」

 

「なかなか最初に頼む人は居ないと思うよ。みんなポイントもまだまだあるだろうしね」

 

どうやらズレているらしい。

一緒に居たのが沖谷だけで良かった。

 

沖谷は唐揚げ定食を頼み、席へと座る。

 

「僕、人とご飯食べるの久しぶりだなぁ」

 

「そうなのか。まあ、実は俺もなんだけどな。あそこを出たのはいつなんだ?」

 

「そうなんだ!僕たち一緒だね!あ、急に大きな声出しちゃってごめんね。……えっと、脱落しちゃったのは8年前くらいなんだけど、そこから学校に通っても友達ができなくて……不登校って言うのかな、そんな感じになっちゃったんだよね」

 

8年前ならオレが沖谷を覚えてないのも無理はないか……

 

「そうか、大変だったんだな。……お前のことを覚えてなくて本当にすまなかったな」

 

「ううん、しょうがないよ!昔の話だし、僕は普通くらいの成績だったから……でも、脱落してからも悔しくて勉強とか運動は続けてたし、今の方が実力に自信はあるんだけどね」

 

沖谷は寂しげに笑いながらそう言う。

 

「普通か……」

 

4期生での普通の成績は、別の期ではトップクラスの成績に値するだろう。

そう考えると沖谷の実力は侮れないな。

 

「う、うん。少なくとも清隆くんみたいに怪物みたいな凄い結果を残せる感じじゃなかったよ」

 

「怪物扱いかよ」

 

「でも、本当のことだし。ふふっ」

 

「どうしたんだ、急に笑って」

 

沖谷の笑顔は人を惹きつける魅力があるな。

正直可愛いと思ってしまう。

 

「いや、あの清隆くんと普通に喋れてるのがなんかおかしくて」

 

「別に、オレは普通の人間だぞ」

 

「少なくとも普通ではないと思うけど……ふふっ。清隆くんはこの学校でも怪物みたいな成績を取るの?」

 

「そのつもりは無かったな」

 

「えぇ!もったいないよ!なんで?」

 

「もったいない、か。それはなんでだ?」

 

「えぇ……成績良かったらいいなって思うのは普通じゃない?」

 

あの場所では好成績をロボットのように取り続けていたからその感覚が薄れていたが、普通は良い成績を取ることは嬉しいことらしい。

新鮮だな。

 

「そうか……しかし、好成績を取るつもりはなかったんだが、どうやら取る必要がありそうなんだよな」

 

「どうして?」

 

「お前が自己紹介の時にオレが勉強も運動もできるような旨を暴露したからだ」

 

「あ、確かに……ご、ごめんね」

 

「まあ、第一印象は変えられないものだ。もう少しくらい目立っても変わらないだろう」

 

「そうかなぁ?でも、許してくれてありがとう」

 

「当然だ。オレの初めての友達だからな」

 

「えっ、僕たち友達!?」

 

「違ったか?」

 

「ち、違わないけど!……友達……ふふっ」

 

沖谷は嬉しそうに笑う。

そこまで嬉しそうにされるとこっちまで嬉しくなってくるな。

 

話をしていると、沖谷が小さく欠伸をした。

 

「どうした?眠いのか?」

 

「へへ、実は昨日僕ほとんど眠れなかったんだ」

 

「緊張か?」

 

「うん。それもあるし……ちゃんと高校生活できるかなって」

 

沖谷は箸で唐揚げをつつきながら俯いた。

 

「初日に失敗しちゃったし、これからもっと失敗したらどうしよう、とか考えちゃって」

 

「考えすぎだ」

 

「清隆くんは?」

 

「オレか?」

 

「不安とかないの?」

 

オレは少し考える。

……沖谷には正直に言うか。

 

「……友達ができるか不安だった」

 

「え?」

 

「今は一応解決した」

 

「……ふふっ」

 

後はたわいもない話をしながら昼食を食べ終えた。

山菜定食は値段の割には美味しかった。

人と食べるご飯は美味しいと聞いた事があるが、本当だったんだな。

 

 

─────────‪──────────────

 

 

放課後になった。

どうやら、部活動説明会があるらしい。

これはもしかしたらまだ見ぬ友達との出会いがあるかもしれない。

行くしかないな。

 

「沖谷、部活動説明会に興味はあるか?」

 

1人で行く勇気はさすがになかったので沖谷を誘うことにした。

 

「うん、あるよ。自分を変えるために、どこかの運動部に入ろうかなと思ってるんだ!」

 

 

ということで、沖谷と一緒に部活動説明会へ向かおうとしていると堀北に話しかけられた。

 

「ねえ、綾小路くん、聞きたいことがあるのだけど」

 

「なんだ?今から部活動説明会へ行くとこなんだが」

 

「手短に済ませるわ。単刀直入に聞くけど、ホワイトルームとは何なのかしら?」

 

だいぶ切り込んできたな。

まあ、話せることはほとんど何もないのだが。

 

「学習施設のようなものだ。すまないが、詳細は話すことはできないな。それに、なぜ今聞いてきたんだ?」

 

「そう、昨日自分の部屋に帰ってからあなた達の会話が気になって調べてみたのだけれど、ホワイトルームと調べても何もヒットしなかったから気になったのよ」

 

「個人経営の施設だったからじゃないか?」

 

「はあ、本当かしら」

 

堀北は疑いの目でオレを見てくる。

 

「誓って本当だ」

 

「まあ、そういうことにしておくわ」

 

「意外とあっさり引くんだな」

 

「それ、裏があると言ってるようなものじゃない」

 

しまった、と思ったオレはそそくさと沖谷を連れて部活動説明会を見に体育館へ向かう。

 

 

─────────‪──────────────

 

 

部活動説明会では、サッカー部やバスケ部、茶道部なんかの色々な部活動の説明があった。

 

今のとこ入るつもりは無いが、沖谷はどうするのだろうか。

 

「すごいね……こういうの、ちょっと憧れてたんだ」

 

沖谷が小さく呟く。

 

「部活にか?」

 

「うん。放課後に友達と残って、汗かいて、くだらない話して帰るみたいな」

 

「なるほど」

 

青春、というやつか。

どうやらオレも少しだけ興味が湧いてきた。

 

 

「沖谷、入る部活は決まったか?」

 

「うん!サッカー部に入ってみようと思う。昔からサッカーには憧れてたんだ!」

 

「そうなのか。サッカー部……良いんじゃないか?良い青春ができそうだ」

 

「清隆くんはどこに入るの?」

 

「まあ、正直どこにも入るつもりはないな」

 

「そ、そうなんだ。……良かったら、一緒にサッカー部に入らない?」

 

「いや、オレは入るつもりは……」

 

「見学だけでも……!ね?」

 

沖谷は上目遣いでそう言う。

おい、それが通用するのは可愛い女の子だけだぞ……

いや、可愛いな、これは従ってしまう。

 

「分かった。でも、見学だけだからな」

 

「ありがとう!」

 

オレたちはサッカー部の見学へ行くことにした。

 

 

「おお!綾小路と沖谷じゃねえか」

 

「須藤、お前も来てたのか。どこの部活に入るかとか決めたか?」

 

「ああ、俺はバスケ一筋だからな。バスケ部に入ることにしたぜ。お前は?」

 

「オレは一応サッカー部の見学に行くつもりだ」

 

「そうなのか。お前背たけぇし、運動できそうだもんな!バスケ部に入ればいいのによー」

 

「検討しておく」

 

傍らには池と山内がいたが、須藤はオレに対して偏見を持たずに接してくれる良い奴だ。

 

あ、池と山内もオレたちをクラスの男子のチャットのグループに誘ってくれたから良い奴だ。

 

 

─────────‪──────────────

 

 

サッカー部の受付へ行くと、部長らしき男子生徒と、マネージャーらしき女子生徒がいた。

 

「サッカー部へようこそ、私は3年でマネージャーをやってる今村です。入部希望ですか?体験入部もできますよ」

 

「はい!入部しようと思ってます」

 

「えと……オレは体験入部で」

 

「入部希望と体験入部希望だね。サッカー部に来てくれてありがとう!この紙に、名前と経歴の有無を書いてね」

 

オレたちは2人とも未経験と書いて提出する。

 

「未経験かぁ……」

 

「だめでしたかね?」

 

「だめってことはないけど、うちの部活は結構レベル高いよ?」

 

「僕はちょっと自信ないですけど……この綾小路清隆くんは凄いので、多分大丈夫だと思います!」

 

「おお……それは心強いね。まあ、とりあえずバス回しとかの練習してみよっか?」

 

オレたちはグラウンドへ行き、ボールの置いてある場所へ向かった。

 

何人かの部員が既に集まっていた。

どうやら新入生も混ざってやるらしい。

 

「やあ、綾小路くんと沖谷くん。君たちもサッカー部に入るの?」

 

平田から話しかけられた。

君たちも、ということは平田はサッカー部に入ることを決めているのだろう。

 

「いや、沖谷は入るらしいが、オレはとりあえず体験入部だ」

 

「そうなんだね。もし同じクラスの2人が入ってくれるならとても嬉しいよ」

 

その後、オレたちは平田と先輩を交えてパス連をすることになった。

 

 

パスッ……パスッ

 

最初はトラップが大きく弾み、先輩に苦笑された。

だが二度、三度と繰り返すうちに感覚が掴めてくる。

ボールの重さ、足裏に伝わる反発、蹴る角度。

パス回しはなんとか形にすることができただろう。

 

「君たち上手いねぇ。平田くんは経験者って聞いてたけど、あとの2人は本当に未経験?」

 

先輩がそう言う。

 

「はい、そうです。未経験でも清隆くんはなんでもできて凄いんですよ!」

 

「そ、そうなのか。ま、上手い新入部員が入ってくる分には嬉しいよ」

 

「ありがとうございます!」

 

沖谷、オレのことに関するとテンションが高くないか?

気のせいじゃないよな?

 

 

次に、ミニゲームをすることになった。

 

チーム1はオレと沖谷、柴田というBクラスの生徒、チーム2は平田、園田というCクラスの生徒、2年の先輩というチーム分けになった。

 

 

接戦だっだがオレと沖谷のコンビネーションが上手くハマり、勝利を収めることができた。

 

「お前らまじで上手いな!まじで未経験か?」

 

そう言うのはBクラスの柴田、気さくでいい奴だ。

 

「でしょ?綾小路くんは凄いんだよ!」

 

「いや沖谷、お前も上手いって!」

 

「そ、そうだった?ありがとう」

 

「ま、綾小路は絶対入れよ!」

 

「ああ、前向きに検討しておく」

 

しかし、少ししかやっていないが、サッカーというものは面白いものだな。

本当に入部するのもありかもしれない。

綾小路はサッカー部に入部する?

  • 入る
  • 入らない
  • 生徒会に入るから入れない
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