The Reversed Star――逆位置の星――   作:ほいみん

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FGO二次創作長編『The Reversed Star――逆位置の星――』です。

※独自解釈/女性体オリジナルサーヴァント/ギルガメッシュ×アトラス/本文に文章生成AI補助あり
※掲載イラストは作者による手描きです。

詳しい注意事項・制作FAQはこちら:
【作品案内URL】
https://docs.google.com/document/d/1GdwYLijsN-D6iR4MKAlV2ziDaThI6rrddGUy8nim0KE/edit?usp=drive_link


第9話 丘に立つ民

 翌朝、立香が荷置場へ来ると、大きな石臼の前で声が上がっていた。

 保存食と水の荷は、もう積み分けてある。残る場所へこの石臼を加えれば、ほかの道具を降ろさなければならなかった。

 

「これを置いたら、向こうでどうやって挽く」

「外に、同じものを作れる石があるとも限らん」

 

 ペトロスの言葉に、アトラスが使い手へ尋ねた。

 

「持ち運べる小型はあるか。当座の食事は、それで賄えるか」

「手回しのものがある。遅いが、挽ける。最初に食べる分は、もう粉にしてある」

「大きいものを作り直すには、何を残す必要がある」

「削る道具と、溝の取り方だな。図は持っていける」

 

 使い手は積荷を見比べ、小さな石臼の方へ手を置いた。

 

「……大きい方は置こう。こっちを積んでくれ。挽くのは、向こうでも私がやる」

 

 ペトロスが図へ削り方を書き加える。アトラスが積荷の収まることを確かめると、立香は選ばれた道具に札を付けた。

 診療所からは保温用の布と、小さな器具の箱も来ていた。巨大な冬眠槽は、船内に据えられたままだ。

 

「この包みも、頼めるか」

 

 立香は声の方を向いた。目覚めた日に、降りたくないと言っていた人だった。

 小さな包みの端から、名を写した布が覗いている。立香は荷の札を確かめ、本人へ返した。

 

「はい。ここへ置いてください」

 

 記録も運び出されていた。民籍の写しは各群で分けて持ち、最初の王の包みと、十七人の綴りも、それぞれ納められる。

 その脇へ、薄い板が差し出された。

 

「これも持っていきたい。この船で歌ってきたものを、書き留めてある」

 

 立香は、板に並ぶ文字を見た。

 記録係が持出札へ歌と書き、用途の欄で筆を止める。

 

「その欄は空いていてよい。持ち出すものとして記せ」

 

 アトラスが板を取り、布を広げて待つ手へ渡した。

 立香は札を受け取り、包みに結んだ。

 

 別に用意された車には、亡くなった人々が横たえられていた。搬送に付き添う人が、ずれた布を静かにかけ直している。十七人も、この船に残さず運ぶ。

 

 荷が動くにつれ、大きな石臼の周囲が空いていった。

 立香は、床に残った丸い石を一度振り返り、搬入口へ向かうアトラスを追った。

 

  *

 

 搬入口で、立香は丘の受入側から届いた返事をアトラスへ伝えた。道を守る者も、患者を受け取る者も、持ち場に就いている。

 

「先に行っているね。向こうで、布を直して待っているから」

 

 歩いて降りる列のそばで、ゾーイの母が娘へ言った。

 

「うん。私は患者さんたちと行く」

 

 ゾーイは母に頷き、待機中の患者を運搬役へ引き継いだ。

 

「この方は、まだ返事ができません。途中で呼吸が変わったら、すぐに呼んでください」

 

 担架の横に介助者が付き、車へ移す支度を始める。

 アトラスは、集まった担当者へ向き直った。

 

「現場の危険が変われば、己(おれ)の返答を待つな。見た者が決め、名と結果を返せ」

 

 周囲から返事が上がった。

 立香はマシュに、手元の記録を示した。

 

「さっき包みを預けた人、まだ船内にいたいって」

「はい。居住通路ですね。わたしが後で声を掛けます」

 

 マシュはその場所を確かめ、後続の列へ戻った。

 通信から、ダ・ヴィンチの声が届く。

 

『機構の運用は、まだ解除されていない。搬出が続けば、隔壁を閉じるかもしれない。扉からは目を離さないでくれ』

 

 立香は搬入口を見上げた。

 その上を、起重機の吊り台が荷を載せて動いている。ギルガメッシュは張り出した腕の先を見ていた。隣のアトラスは、出口から坂道へ続く列へ目を向ける。

 

「最初の組、出てくれ」

 

 民の担当者の合図で、先頭の列が動き出した。

 

  *

 

 マシュは診療所前の分岐で、最初の患者の車を通した。

 歩いて降りる人々は、脇の広い場所で待っている。介助者が車の横に付いたまま角を曲がり、搬入口へ下る坂へ出た。

 

 通れた。

 

 マシュは次の組へ合図を送り、自分も列に沿って坂を下りた。

 開いた搬入口の先では、人々が船外の道を進んでいる。食料の荷車が続き、空になった車が戻ってくる。

 その往来の上に、機構の声が響いた。

 

「帰船を指示。搬入口、閉鎖」

 

 頭上で、重い音がした。

 マシュが顔を上げると、搬入口の隔壁が下がり始めていた。出口脇の積替え台も動きを変え、載っていた荷車を船内へ戻し始める。

 

「患者の車は、そこで止めてください! 後ろの方は、待機場所へ!」

 

 マシュは列の前へ出た。

 壁際から伸びた搬送アームが、荷車の枠を捉えようと通路を横切る。その先へ盾を差し入れた途端、重い衝撃が肩まで抜けた。

 靴底が床を擦る。金属の腕は盾に押し当たり、なおも荷を引き寄せる位置へ戻ろうとしていた。

 

 表示は、船の内側を指している。

 

「こちらへは、通しません……!」

 

 盾を立て直した時、視界の端で紺碧が開いた。

 

「限定開城」

 

 アトラスの外装が離れ、光の壁となって隔壁の下へ立ち上がる。

 降りてきた扉が、その上で止まった。床から伝わっていた振動が、マシュの足を震わせる。

 もう一枚が出口の段差へ渡り、船内の床と、外へ下る仮設の坂道をつないだ。

 

 別の搬送アームが、患者の車の枠へ伸びた。

 

 アトラスが三叉槍の穂先を下げる。

 金属の腕が急に沈み、車へ届く前に床を打った。持ち上がろうとする継ぎ目へ槍が走る。接続部が裂け、腕の先が力を失った。

 

 マシュも盾で押さえていたアームを壁側へ押し戻した。

 その間を、アトラスの外装が塞ぐ。

 

「マシュ、車を」

 

「はい!」

 

 振り返りかけたマシュの視界を、大きな影が横切った。

 船外へ出た荷車の上に、起重機の吊り台が降りてくる。荷を拾い上げる高さへ。そこまで下がれば、坂道を通る列が塞がれる。

 

「前の方、止まってください!」

 

 頭上を、黄金の槍が走った。

 

 起重機の根元に突き立った一撃が、旋回する腕を無人の荷置場側へ押し返す。次の一撃が継ぎ目を甲板へ縫い留め、巨大な腕の動きを止めた。

 吊り台が列の上から逸れ、空いた荷置場へ落ち着く。張り詰めた吊索が、低く鳴った。

 

 搬入口の外で、ギルガメッシュが片手を上げていた。

 背後に開いた黄金の波紋から、さらに刃が覗いている。機械が軋むたび、赤い瞳がその動きを追った。

 

「上は我が押さえる。好きに通せ」

「下は、己が通す」

 

 アトラスが槍を引き、足場の脇へ立つ。

 マシュは患者の車へ手を添えた。

 

「進めます。ゆっくり、こちらへ」

 

 車輪が紺碧の足場へ乗った。

 介助者が横から患者を支え、運搬役が歩調を合わせる。止められた扉の下を抜け、車が外の坂へ渡るのを、マシュは盾を構えたまま見送った。

 

「補助止めを掛ける。そこの幅を空けろ」

 

 ペトロスが搬入口の壁際へ入り、留め具を押し込んだ。

 スティリオスは荷車の向きを直し、開いた通路を見通す。

 

「通るぞ。次の車、こっちだ!」

 

 マシュは盾の陰へ、次の患者を迎えた。

 頭上では扉を閉じる音が続いている。船外では、押し留められた起重機が軋んでいた。

 その下を、車輪が一つずつ越えていく。

 

 出口から伸びる列は、坂道の折返しまで届いていた。

 

  *

 

 立香は荷車に沿って、丘へ続く坂道を上っていた。

 列の外側から、短い合図が飛ぶ。民兵が槍を受け取り、岩陰へ穂先を向けた。

 

 曲がり角で、アストライアが腕を振った。

 放たれた宝石が光を弾けさせ、道へ飛び出した魔獣を押し戻す。獣が岩場へ転がる間に、女神は次の宝石を指に挟んだ。

 

「出し惜しみなどしませんわ。さあ、列を崩さず進みなさい」

 

 立香は頷き、荷車とともに角を曲がった。

 その先で、車輪が大きく傾いた。

 

「止めろ!」

 

 牽き手が踏ん張り、車を止めた。折れた車軸の先が、土を掻いている。

 立香が通信へ手を伸ばすより早く、荷の担当者が声を上げた。

 

「予備車を! 後ろは脇へ寄せろ。下りの便も止めてくれ!」

 

 丘から来る空車が手前で止まり、後続は道の膨らんだ場所へ入った。

 予備車へ食料が移され、壊れた車は道の外へ引かれる。立香がアトラスへ報告を送る頃には、荷を結び直す作業が終わっていた。

 

「予備車に積み替えたよ。食料も全部ある。列はまた動き始めた」

『承知した』

 

 立香も荷車を追い、丘へ上がった。

 

 受入場所の脇で、ゾーイの母が腰を下ろし、搬送布のほつれを縫っていた。直した布を戻りの便へ渡すと、今度は荷袋を膝に広げる。

 しばらくして、ゾーイが患者の車とともに着いた。受入班への引継ぎを終え、母のそばへ寄る。

 

「お母さん、手は痛くない?」

「まだ平気。あなたこそ、水を飲んだ?」

 

 ゾーイは一度口をつぐみ、それから自分の水入れを取った。

 母はその隣で、荷袋へ針を通していた。

 

 便が着くたびに、丘の荷が増えた。

 通信の声が途切れた時も、次の便が船内の控えを運んでくる。立香は、到着した人の名と照らし合わせた。

 

 やがて、最後の食料車と水の便が坂を上がってきた。

 受入側から、予定した荷が揃い、容器にも損傷がないと返事が届く。

 

 立香は民籍の綴りへ戻った。

 まだ到着していない人の名には、船内に残る場所が書き添えられていた。

 

  *

 

 居住通路に入ったマシュは、墓銘板の前で足を止めた。

 朝、まだ船内にいたいと答えた人が、そこにいた。呼び掛けると顔を上げ、自分の名を答える。荷は先に出した、とも言った。

 

「船を沈めるのは、分かっている」

 

 その手が、壁に据えられた板へ触れた。

 

「字だけ持っていけばいいってものでもない」

 

 刻まれた名の上を、天井の灯りが照らしていた。名前を写した布の包みは、もう丘へ運ばれている。

 マシュは隣に立った。

 

「……はい」

 

 手を伸ばさずに待っていると、背後で低い音がした。

 通路の入口へ、隔壁が下りてくる。

 

 マシュは駆け戻り、盾を差し込んだ。縁へ食い込む重みに、膝を曲げて踏みとどまる。

 

「先輩、居住通路です。ご本人と話せています。ただ、出発するかどうかは、まだ――」

『分かった。まだ居住通路にいるんだね』

 

 通信に、アトラスの声が入った。英雄王へ向けたものだった。

 

『搬入口を頼む』

『さっさと行け』

 

 ほどなく、盾の向こうへ紺碧の光が入った。

 アトラスの外装が隔壁を受け止め、マシュの腕から重みが抜ける。通路へせり出してきた搬送アームには、三叉槍の穂先が向いた。圧し伏せられた腕が床を擦り、止まった。

 

 アトラスは槍を保ったまま、墓銘板の前へ顔を向けた。

 

「出口は保っている」

 

 住民は、開いた通路を見た。

 その先から風が入ってくる。マシュは盾を起こし、身体を横へずらした。船外へ続く道が、ここからも見えた。

 

 碑の縁に置かれた手が、ゆっくりと離れた。

 一歩を踏み出してから、住民がマシュへ手を差し出す。

 

「……手を、貸してくれ」

「はい」

 

 マシュはその手を取った。

 歩き始める時、相手の顔が一度だけ後ろを向く。マシュも歩幅を緩めた。

 

 隔壁の下を通り抜けると、アトラスが続いた。背後で外装が一枚引かれ、通路を閉ざす音が響く。

 握った手に、力がこもった。

 

 搬入口では、ペトロスがまだ補助止めを押さえていた。スティリオスが二人を見つけ、通れる方へ腕を振る。

 マシュはその先の平らな場所まで付き添い、待っていた護送の担当者へ引き継いだ。

 

「丘まで、お願いします」

 

 住民は差し出された腕を借り、自分の足で坂道へ踏み出した。

 マシュは姿が曲がり角を越えるのを見届け、アトラスのいる出口へ戻った。

 

 やがて、通信から立香の声が届いた。

 

『こちらに着いたよ』

 

 マシュは搬入口へ目を向けた。

 残っているのは、ペトロスとスティリオスの二人だった。

 

  *

 

 道の警戒を民兵へ引き継ぎ、アストライアは搬入口へ戻った。

 ペトロスが補助止めから手を離すところだった。出口に立つスティリオスが、船内を振り返る。

 

「もう誰もいない。出るぞ」

「ああ」

 

 二人が並んで踏み板へ足を掛けた時、隔壁が大きく鳴った。

 衝撃が床を伝わり、古い板が持ち上がる。スティリオスは浮いた端を避けようとして、右足を捻った。

 

「っ……!」

 

 膝が落ちる。ペトロスが腕を掴み、引き寄せた。その左前腕を、割れた板の縁が裂く。

 弾けた破片は、マシュの盾を叩いた。

 

 足元へ、紺碧の外装が滑り込む。

 アトラスが二人の体重を受けた一枚を保ち、もう一枚を地面との間へ渡した。頭上では、起重機の腕が再び道を横切ろうとしている。

 金色の光から放たれた剣が、その継ぎ目を打った。腕は船側へ押し戻され、吊り台が空の荷置場の上で揺れた。

 

 アストライアは平らな場所を指した。

 

「ここへ車を。足を傷めています」

 

 戻ってきた救援車が、道の端へ寄る。

 女神が足場へ向き直ると、ペトロスは傷めた左腕を胸元へ寄せ、右腕をスティリオスの肩へ回していた。スティリオスもその胴を抱え、右足にかかる重みを逃がしている。

 

「引っ張るな。足を合わせろ」

「合わせてる。そっちこそ離すなよ」

 

 また、その言い方をする。

 アストライアは二人の間へ手を上げかけた。

 

 ペトロスの足が止まった。

 スティリオスが片足を寄せるのを待ち、二人で次の一歩を踏み出す。言い返しても、肩と胴に回した腕は離れなかった。

 

 二人の顔が、同じ高さに並んでいた。

 あの日、二人を床へ伏せさせた手が、宙で止まった。

 

 最後の段差を越える時、ペトロスが腰を落とす。スティリオスはその肩へ身を預け、地面へ足を下ろした。

 

 この先も、二人は争うだろう。

 それでも、自分が二人の間に立ち続ける必要はない。

 

 アストライアは手を下ろした。

 

 車へ乗り込むスティリオスに、ペトロスが右腕を貸す。その隣へ腰を下ろすと、救護役が左腕の傷を布で押さえた。

 女神は道を空け、二人を通した。

 

 車輪が動き始める。

 マシュが足場から下り、アトラスの外装が後を追うように引かれた。英雄王は起重機を押し留めたまま、道へ張り出していた吊り台を船側へ戻す。

 

 最後の民が、船を離れた。

 

 アストライアは車を見送り、まだ作動音の続く搬入口へ向き直った。

 

  *

 

 一足先に丘に着いていた立香は、坂を上がってきた救援車へ駆け寄った。

 ペトロスは左腕に布を巻かれ、スティリオスは片足を伸ばして座っている。ゾーイが車の脇につき、手当てをした者から経過を聞いた。

 

「ペトロスさん、スティリオスさん」

 

 二人が顔を上げる。

 立香はその顔を確かめてから、記録係へ頷いた。二人の名に到着の印が付き、三つの綴りに残っていた最後の札が外される。

 

 千百八十三人。

 

 そのそばには、十七人を運び終えた記録もあった。布に包まれた身体は、患者たちから少し離れた場所に安置されている。

 荷の担当者も、丘で確かめた控えを持ってきた。壊れた車から移した食料も、船へ置いてきた物も、そこに記されていた。

 

 記録係が最後の頁を確かめ、立香へ渡す。

 立香は通信を開いた。

 

「全民籍、照合完了」

「生存者は全員、丘にいます」

 

 言い終えて、端末を握っていた指を緩めた。

 

 マシュとアストライアも坂を上がってきた。道の見張りは民兵へ引き継がれ、救護に残っていた者も丘へ入る。

 その後ろから、ギルガメッシュが歩いてきた。全員が機械の届く範囲を離れるまで、搬入口を押さえていた王だった。

 

 立香はマシュと目を合わせ、頷いた。

 仲間も、ここにいる。

 

 アトラスが丘の縁から戻ってきた。船を見下ろし、患者と荷の置かれた場所まで目を巡らせる。

 

「この丘には、及ばせぬ」

 

 紺碧の外装が、一枚ずつ戻ってきた。

 道へ渡していたもの、車と人を守っていたものが王のもとへ収まり、完全閉城の姿を形作る。外套の裾が、湿った草を撫でた。

 

 ギルガメッシュが、その隣へ立った。

 蔵の奥の一振りは、まだ抜かれていない。

 

  *

 

 台車の軋む音がやんだ。

 立香は綴りから顔を上げた。風に鳴る布の音に、子供たちの声が混じっている。

 

 ゾーイは患者のそばに膝をつき、腰の器具袋から布を取り出していた。隣には母がいる。呼び掛けに応じない患者の胸も、掛け布の下で上下していた。

 

 ペトロスは処置を終えた腕を抱え、スティリオスと肩を並べて座っている。

 墓銘板の前にいた人も、戻ってきた包みを膝に置いていた。顔を上げても、その口元は固いままだった。

 

 立香も、同じ方を見た。

 

 丘の下に、巨大な船がある。

 布を干していた欄干。人々の声が重なった広場。何度も荷車を押してくぐった搬入口。

 どこにも、もう人影はなかった。

 

 それでも、搬入口の灯りはともっている。

 

 雨上がりの空は、まだ一面の灰色だった。

 立香の少し先で、二人の王がからっぽの船に向き合っていた。

 




活動報告で、制作裏話や本編に採用する場所のなかった掌編などを公開しています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view_list&uid=332978

この作品の興味をもったところは?

  • アトラスのキャラクター性・内面
  • ギルガメッシュとの関係性
  • 王としての在り方・王権のテーマ
  • ストーリーの展開
  • その他
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