ミに来た、実力至上主義の教室を   作:Iota

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P5Xで美鶴さんが来た。気が付かなかったけど、中の人はFGOの殺生院キララと同じなんだね。コスプレはしたのかな?



17話 この島って何?

 

『うるさいな』

俺は内心呟いた。なんか久し振りな感じだ。

目の前では女子たちがトイレ問題で騒いでいる。対峙しているのは池と幸村の珍しいコンビ。仮設トイレを買う買わないで揉めている。

道場の山籠もりでは男も女もスコップに頼っていたので、簡易トイレでもあるだけまし、なのかな? でも一週間という長丁場だからな……

 

さて、巻き込まれないうちに、偵察にでも出かけるか。とクールに去ろうとしたところ、

「あ、富士宮くん! 君の意見はどうかな?」

と平田に捕まってしまった。ふう。まあ、仕方がないので当たり障りのない意見を。

「これが一日、二日の試験ならいらないと思う」

『えー』という黄色い声は無視。正直食事は抜き、水だけで過すことを進める。だけどね、

「この試験で大事なことって何だと思う?」

「ポイントだろ」

池の声も無視。

「安全、安心、健康で過ごすことだと思うぞ」

体調崩してリタイヤ続出なんてことになったら目も当てられない。俺は暇で良いけど。

「だから体調管理の為のものなら良いと思う」

個人的な感想だけどな。

なのだが、流石ぁと感謝な女子と、恨み顔の幸村池。それも無視して、

「あ、そうだ。虫よけ! 蚊取り線香とか防虫スプレーとかないか見ておいて」

と言い残す。屋外なのだ、虫に追われる日はごめんだ。

 

 

偵察に出た俺についてきたのは綾小路。と、何故か同行することになった高円寺。俺の重点監視対象の二人だ。こうなったのには意味はないと思いたい。

先頭をどんどん行く高円寺についていく。山道の筈だが歩くのが意外と楽だ。なるほど、高円寺の意図がわかってきた。

 

と、高円寺が足を止める。

「君たちにはこの場所がどんなふうに見えているか聞かせてもらえないだろうか」

なんか抽象的な質問だ。だから俺は周りを見渡し、ごく当たり前な答えを返す。

「なんていうか、不自然なほど人の手が入っているね」

「ほう」と感心する高円寺に、

「え?」と目を丸くする綾小路。ああ、こいつは都会っ子だ。

この島は無人島ではあるかもだけど、無人島イコール人の手が入っていない、という訳ではない。現に船が島を一周したとき人工的な建造物が見えてた。

 

「続けて」と言われたのでその続きを。

「この森だけど、普通に歩きやすい。火山島だから基本山道で、登ったり下ったり、崖や谷で進めなくなると思ったけど、問題なく行ける」

伊豆諸島は分類として火山島なのだ。島は土地が痩せているそうだから植生は本土と違うと思う。だけど俺達が通るのに問題ないくらいに樹木の間隔が開いていたり、獣道という訳でないのに山肌を縫って歩ける路があったり。

ただし縦横無尽という訳ではない。行ける方向は制限されている。なので、

「イメージとしては遊園地や植物園にある、植物でできた迷路の山版かな?」

「なるほどね」

「?」

高円寺は納得し、綾小路はピンとこないようだ。なので、都会っ子にもわかるように、

「要するにここはキャンプ場でないとしても、お金をかけて整備した自然公園なんだよ」

ただし自然公園としてはNGな点もある。

 

「虫が少ない」

藪蚊はわずかに飛んでいるが、虻や蚋、蜂の類が見当たらない。虫取りをしたい奴がいるかもしれないが、残念ながら強力な殺虫剤で一掃されたみたいだ。

「蚊っていうのは人間の次に人を殺している生き物らしいからね、いないに越したことはない」

 

「あとは鳥、というか海鳥がいなさそう」

この島の位置だと海鳥の楽園とか言ってバタバタ飛んでいても不思議じゃない。なのに鳥の気配がない。最初に無人島と聞いた時、日が上る前に鳥の鳴き声で起こされると覚悟していたが、その心配はなさそうだ。

 

「海鳥は私も気づかなかった、フジヤマボーイはさすがと言っておこう」

などと言うと高円寺は再び森の中に足早に消えていった。

彼には彼で見えているものがあるらしい。なので先に行かせて、俺たちは追えば良い。

俺は綾小路と歩調を合わせ高円寺を追うと、今までと違うしっかりとした道にでた。さすがに舗装はされていないが、踏み固められた十分に実用的な道だ。それを登っていくとちょっとした広場と、洞窟? よく見ると洞窟は人工的に補強してあるっぽい。

これがスポットかと思い近づこうとして、すっと身を潜めた。綾小路はと思うと彼もしっかり身を隠している。

 

俺たちが見守る中、洞窟の中から一人の男子が出てきた。しばらくあたりを見渡すのを見張っていると、追加でもう一人出てくる。

『……あいつは』船でいちゃもんつけてきたAクラスの男だ。二人は何やら話すとその場を離れていった。

完全にいなくなったのを確認して、洞窟の中に。中にはなにやら端末装置。Aクラス占有中を表示している。

ならあの二人のどちらかがリーダーなのか、しかし、

「おかしい?」

俺は思わず顔をしかめた。

「どうしたんだ」と問う綾小路に俺は気になったことをぶつけてみた。

「俺達Dクラスはトイレ問題で散々揉めて、スタートダッシュがかなり遅れた。それに対してAクラスは解散して直ぐに動き出している。なのにこの場所に着くのが数分差っていうのが気になってね」

普通に考えるとあの二人のどちらかがリーダーの筈だけど。なんか気になる。もしかしてあのスキンヘッドの男、実は方向音痴という落ちか?

それをいうと綾小路も首を傾げた。無表情でわからないがこれは当惑?

 

 

集合地点に戻ると、池が川を見つけたとか騒いでいた。

こんな狭い島にそんなものがあるわけないだろと思いつつ、道案内する池についていくと、あったのは池、ではなくて川?

森の中にちょっとしたサイズの広場があり、その一部に幅数メートルほどの川?が流れている。

ちょっと待て、こんな狭い島にこんな広い川があるわけない。島の半径からして流域が400メートルもないんだぞ。

離島で生活する場合、一番問題になるのは生活用水と聞いたことがある。川や地下水に頼れないので、雨水をドラム缶にためて生活用水にしているとかなんとか。

 

なので俺は川?の下流に目をやるとそこにあったのは堰? 水が一気に抜けないようにせき止めてある。

なるほどと今度は上流のほうを見ると、水が滝っぽく岩壁を滴るように上のほうから落ちている。川の流れを作り出すほどではないが結構な水量だ。しかし、

おい、こんな狭い島でまかなえる水量ではないぞ。

地下水を無理やり汲み上げ、とか思ったけど、こんな狭い急峻な地形で地下水が溜まるわけないだろ。

こんな地形の謎、たとえタモリさんがブラブラしても解き明かせないぞ。

 

つまりだ……

この島、絶対に海水の淡水化プラントかなにか、在るだろ!!

此処って自然公園かと思ったけど、もしかして本当に国が秘密で作ったメガフロートかなにか? 確か羽田空港の新滑走路をメガフロートで作ろうと提案があったらしい。3000メートル×200メートルならこの島?より広いか? またはメガフロートの耐久性を調べるためコッソリ作った。だから場所の特定ができないようにした? 

……戯言だな?

 

俺はスチャっとサングラスをつけると川?の中を覗き込んだ。レンズは釣り用の偏光グラスだ。川?の中をよく見ると魚影が濃い。どう見てもこの川で養える数ではない。

……長さ30メートル弱、幅3メートル強、魚影濃し。なるほど、これは川ではなく生簀。いやマニュアルに釣り竿があることを考えると釣り堀だ!

納得してクラスメイトのほうを振り返ると、

「カー! キンキンに冷えてて気持ちいいぜ! うめぇ!」

とか言って池が川(笑)の水を飲んでいた。

「……お前、良くこの水が飲めるな」

と俺が呆れると、

「なんだよ、お前もアウトドアの経験あるんだろ、川の水くらい飲んだことないのかよ」

と怒鳴って来た。聞いてなかったがクラスメイトとなんかやり取りがあったらしい。なので、

「ここの水は飲まないほうが良いぞ」と親切に教えてあげる。

『なんでだよ』、怒鳴り返されたので、

「ここの水、お魚さんのウンチが混じってるぞ」

というのが答え。水量の割に魚の数が多いとはそういうことだ。

ウワッと引くクラスメイトと顔色が蒼くなった池を置いておいて、俺は荷物の中からカップを取り出す。小走りに上流の滝のほうに移動。上をよく見ると上流の川から落ちているのではなく、斜面の途中にある噴水口から沸いているのがわかる。地下水を模しているという訳だ。

だから落ちてくる水をカップで汲んで一口。カルキくさくはないが、何かで消毒はされている模様。なので喉を潤し、汲み直す。大丈夫、変な味はしない。

なので皆の処に戻って、とりあえずカップを平田に渡す。

「地下水が噴き出ているみたいだ。滝のほうなら飲めると思うよ」

それならと恐る恐る口をつけようとする平田だが、

「でもまあ、飲むなら浄水器かなにか通した方が良いかもな」

というとほっとしたようにカップを戻す。

 

結局この川を占有しベースキャンプにすることになった。

リーダーを押し付けられそうになったが、俺はCクラスに目をつけられているからとパス。

リーダーには責任感が必要と、櫛田の推薦で堀北が務めることになった。しかし櫛田視線で堀北って責任感あるのかい? 裏があるとしか思えない。そこらへんジックリ観察させてもらおうか。

 

 

「ところでそのカップは?」

持ち込みOKだったのかと櫛田に聞かれた。キャンプとかで良く使われるアルマイト製品だ。

常備薬飲むときに使う用と言ったらOKでたよ、と答えると納得したように帰っていった。残念、俺が通った係の人は、よっぽどのことがないとスルーするように申し合わせがあったんだ。おかげで色々持ち込むことができた。見つからないように隠さないと。

 





葛城くんがあのタイミングで洞窟にいた理由を考えたのだが、思いつかなかった。強いて言えば先にCクラスと契約していたから遅くなったとか? でも物資の譲渡契約は色々隠せる洞窟を確保したからと思われます。やはり方向音痴だったのかな?

また、原作小説ではDクラスがベースにしたこの川、幅10メートルで水浴びとかできる深さがあるんですよ。アニメ版では細くなって幅3メートルくらいになってましたが。井戸を含め、いずれにせよ離島でまかなえる水量ではないです。
学校としてもガチにサバイバルをさせることが目的でないとしても、甘やかしすぎですね。

なお私は熊本の親戚の家に遊びに行くことがあったので、井戸水を飲むのに抵抗はないです。
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