『うるっさい!』
俺は小さく吐き捨てた。
少し離れたプールサイドでは、野郎どもがその……、日本語で正しいのかしらんが、おっぱいおっぱいしてる。
同級生の胸のサイズで賭けをするって、恥ってないのか?
俺も男なので興味がないわけではないが、最低の品性は持っていたい。
伊集院もおっぱいおっぱいしてるので、そんな野郎どもと離れて俺は一人。
さてどうするか。 と、一人は俺だけかと思ったのだが、ポツンとしている綾小路発見。
なら隣に行こうかと思ったが堀北さんがポップして、ごく自然に綾小路の隣に腰をおろす。
お前ら出来てるだろうとググッと睨むと、……あれ?
「どしたの、隅っこで一人で」
と声をかけてきたのは、いつの間にかポップしていた松下さん。
あれッ一人?、と思いスタンドに目をやると、見学の女子多数。軽井沢グループもいるので、一人になった彼女は俺のところに来たらしい。意外と真面目に授業受けるのか?
彼女は俺の目線を追って、
「あれ、堀北さん見てたの?」
お前もおっぱいおっぱいかと、少し目が怖い。
「いや、綾小路」
「おお、それは!」
キラキラと彼女の目が別の意味で怖い。
「ちゃうわい!」
俺は勢いよく立ち上がると腕を上げ、上腕筋をグイ。
「おお、マッスル!」
次は腕をおろして胸筋を強調
「ぴくぴくしてキモイ!」
後ろを向いて背筋を魅せる。
「アハハ、いい身体してるじゃない!」
面白がられてシックスパックをツンツンされる。これ、俺が松下さんにしたらセクハラだよね、しないけど。
「でだ、」
俺は結構真面目にトレーニングしてこの身体を作っている、今だって早起きしてランニングしてるし、ジム通いも考えているのだ。
なのに綾小路。
「あいつの筋肉は生まれつきのもんじゃない。相当に金かけてトレーニングしたもんだ」
特殊なトレーニング、たとえばバーベルの代わりに、バランスをとるためにピアノを持ち上げるとか……? なんでピアノという単語が浮かんだ?まあ良い。
「同じ細マッチョとしてジェラシー?」
「そんなところだ」
「なら」とプールサイドの一角を指さす「あれは?」
その先にはポージングしている高円寺。確かにあの筋肉はすさまじいが、
「……ジャンル違いだ」
俺にはブーメランを履く勇気はない。
「よーし、お前ら集合しろー」
体育の教諭がみんなを集める。なんか新鮮だ、茶柱先生以外から授業を受けるって、これが初めてな気がする?なんでだろう?
みんなを集めると、夏までに泳げるようにすると豪語する体育教諭。夏までに水泳の授業は何枠あるんだ?、水泳以外もあるだろうに。
準備運動して軽く泳ぐと、なぜか競泳をすることになった。賞金5000ポイントは割とおいしいので頑張るぞ!
「行ってくるよっ!」
「がんばれよっ」
女子が先にレースなので松下さんを送り出す。
結果は、
「一位小野寺、二位堀北か」
「あーん、勝てなかったよ!」
とポコポコ俺を叩く松下さん。女の子に叩かれるのは、お姉を思い出すので正直やめてほしい。伊集院達の目も怖いんで。
男子の1レース、俺の注目は須藤、ではなく綾小路。なのだが、
「負けちゃったね?」
「あの野郎、手抜きやがったな!」
須藤がぶっちぎりで綾小路は遅れて3位。筋肉が泣いてるぜ。
2レースは黄色い応援で平田、美形滅ぶべし。
3レースは圧倒的に高円寺。あいつはやっぱりジャンルが違う。
4レース、スタート台に立つと、
「富士宮くん、ガンバ!」
「富士宮!、負けるなよ」
松下さんと伊集院が応援をくれる。さて頑張るか。
で、4レースのトップは俺。
決勝戦は……僅差で三位。平田には勝ったんで良し。
原作でもアニメでも全然鍛えていない綾小路。二年時にジムに通いだすまで、なにもやってない模様。
それなのに体力は超人レベルを維持している。
後輩二人もそれは同じ。
ホワイトルームトレーニングのすごいところは、衰えのない驚異の持続力なのかも。
で、アニメ見直しましたがこの回は競泳どころが授業自体がないのですね。
おっぱいおっぱいがなかったのはコンプライアンスの問題かもしれませんが、女の子の水着を出すためだけなら解釈違いですね。
まあ一番の解釈違いは、軽井沢さんが水着を着てることです。彼女が水着を着られないの原作で説明されていますし。