家に天使が来た話   作:ナニワのおっちゃん

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書き始めが一番モチベが高いと思いませんか?


3日目の生活

今日は土曜日。

あの後、俺達は普通に寝た。

俺は寝れなかったが。珈琲を飲んだのがまずかった。カフェインで寝るのに時間がかかった。

 

...それで。

 

俺達は約束通り、今はデカめのショッピングセンター的な場所にいる。

 

そして。

 

今、気分が悪い。

 

人目を引くのだ、(メシティス)が。

 

前に、人形みたいだ、と表現をした。つまりところ、綺麗ではあるのだ...人間とは思えないほどに。

まあ、天使ってのは外見がよくなきゃあ成立しないんだろうが。

...もしくは、化け物じみているか。

よかった、聖典で見るような悍ましい天使がウチに来てなくて。

 

「そう思いますよね?やっぱり先輩、外見が怖いんですよ。」

 

「読むな。家にいないからって。」

 

結構通りかかる人が、俺達の方を見ているのを感じる。

 

「...ねえ、あの人女の子を連れまわしてるわ。」

 

嫌な囁きも聞こえる。

 

「天使には性別はないんですけどね。」

 

「黙れ。お前が何か話して、聞かれでもしたら面倒になりそうだ。」

 

「はぁい。」

 

「曲がりなりにも天使なんだから、もう少し天使らしい振る舞いをしてくれ。」

 

こいつが、ずーっとウキウキなのだ。...車でここに来たのだが、乗ってる間も鼻歌やら降りても跳ねながらついてきたり...子供なのか?

 

「ウキウキしてるだけです。だって、人間の文化にしっかり触れるのは初めてなんですもん。」

 

「お前、一回降りたんじゃないのか?」

 

「ええと、だいぶ昔の話ですので。こういう、所謂現代的な場所に来るのはこれが初めてなんです。」

 

こいつもこいつで、謎が多いな。なんでわざわざ降りて来たんだ?

 

「業務機密です...迎えに来た先輩がいいよって言ったら、多分話せるので...すいません!」

 

「まあ俺は結構どうでもいいから、別に話さなくてもいいよ。」

「んで、良い物は見つけたか?」

 

俺達は今、ショッピングセンターの服屋にいる。

 

こいつの私服を見繕って、部屋着とかも買わなければいけない。

 

「おい。ところで、お前、下着とかはどうするつもりなんだ?」

 

「あぁ~。えーとですね。さっきも言った通り、天使に性別はないんですよ。」

「なので、適当にフィットするサイズを...あ、すいません。」

 

店員に話しかけに行った。サイズを測ってもらうらしい。

今は、アイツは俺の私服を着ている。もちろん、無難な物ではあるが、女性的な容姿である天使には似合わない。

 

というか、ダサい。

俺自身のファッションセンスが不安になって来た。

あいつが好きに選んだものだからかもしれないが、短パンにストライプのTシャツは...小学生しか着ない。

 

「...そうなんですか...?」

 

そんな犬みたいな目でこっちを見るな。

 

「...だから、買いに来てるんだろ。好きなの選べよ。」

 

「やったあ!」

 

自分で言うのもなんだが、俺は高給取りだ。

人を一人養うくらい、どうってことない。

やろうと思えば、3人くらいは多少暮らしは難しくなるが、養えもするだろう。

 

...だが。

 

この出費はやばい。

 

「見てください、これ!」

 

アイツが持ってきたのは、たくさんの服。

 

随分待った。だいたい、2時間程度だろうか。どうやら、こいつは気に入った物を片っ端から持ってきたらしい。

店員が若干ヒいている。大丈夫だ、俺もヒいている。

 

腕に...10本くらいハンガーが下がって、それが両腕分。うち、どうやって使うのか全く分からないダサTがある。

 

「ダサくないです!」

 

「うるさい。...お前、それ全部買いたいのか?」

 

「はい。その、もちろんその分働くので!」

 

「...働き方を教えるのは俺なんだが?」

 

「うっ。」

 

「...俺が高給取りでよかったな、本当に。」

 

「買ってくれるんですか?!」

 

「お前、この先覚悟しろよ。」

 

「えっ。」

 

 

 

...結局、買った。

俺の家のクローゼットに入らなかった。

ひとまず洗濯竿にひっかけてある...お前、どれだけ俺の家に居座るつもりなんだ?

 

「...えっと、先輩が迎えに来るのがいつになるかわからないので...何年単位、かも。」

 

「...」

 

「す、すいません...」

 

「いや、受け入れたのは俺だしな...」

 

別に、嫌じゃないかも。なんとなく、そう思った俺がいた。

やっぱり、一人は寂しかったらしい。

 

「まあ、お前にはこれからキリキリ働いてもらうからな。覚悟しろよ。」

 

「が、頑張ります。」

 

 

 

 

 

さて、俺は今まで、散々後悔しただのなんだの挙げてきたが。

特に今までの行動を後悔したのは、ここだった。

 

奴は、とんでもなく...不器用だった。

 

「あのな、こうトントンって入れるんだ」

 

「は、はい...」

 

料理をさせてみた。

最初は、簡単なのからやった。

 

「台所に立つ時には、必ずエプロンをしろ。俺がいつも使ってる奴が、ここにかかってる。」

 

「はい!」

 

「それと、手を洗え。お前には、基本的に俺がいない時に家事をこれからやってもらう。」

 

「は、はい!」

 

「電子レンジは、こう使う。ここにボタンがあるから、あたためと解凍を...」

 

「なるほど。」

 

「コンロは、こうだ。ここで火、ここで換気扇。火を使う時は、必ず換気扇を付けろ。」

 

「...えーと、ここが...はい。」

 

 

何時間か経って。

調理器具、ある程度の機械の使い方はわかったらしい。

 

「...お前さ。」

 

「はい。」

 

「なんかしたい事とかないの?」

 

今は一息ついて、雑談タイムだ。

 

「ええと...今日の買い物とかはそうだったです。」

 

「他に。...あんな買い物ずっとされたら俺が破産する。」

 

「...うーん...」

 

「まあ、なんだ。せっかく天使様に人間界に来てもらってるわけだし、楽しんでもらわなきゃな、と思ってな。」

 

「えっと、ありがとうございます?」

「天界は退屈なので、もう既に結構楽しませてもらっては頂いてるんですけど...」

「あ、これ美味しいですね。なんて食べ物なんですか?」

 

「カレーライスだ。」

 

「甘くて...うーん、手が進みますね。...美味しい物、たくさん食べてみたい、とか?」

 

「俺が作れる範囲なら、手伝ってやるよ。」

 

「...!ありがとうございます!」

 

「お前に家での過ごし方とか教えてたら、俺の休日は溶けちまったし、俺は明日からはまた仕事だ。」

「多分、退屈だろうし、やりたい事でも探してみろ。」

「それこそ、今日使い方は教えたし、少しの料理くらいはできるだろ?」

 

「やってみます!」

 

「色々試してみてくれ。」

 

「はい、泊めて頂いてるのに色々やらせていただき、ありがとうございます...」

 

「ああ。俺は、もう寝るからな。」

 

「私も、そうします。おやすみなさい。」

 

そういうと、奴は柔和な笑顔を浮かべた。

こう見ると、しっかり天使してはいるんだけどな。

 

「天使ですって。」

 

「なんかいまいちそれっぽくないよな、お前。」

 

「一応天使ですよ~?」

 

「なんかさ、その輪っかと翼以外に証明手段ねえの?」

 

「...あるにはあるんですけど、多分、嫌な気分になりますよ?」

 

「ちょっと気になるな...」

 

「ほら、前言ったじゃないですか。高位になるほど、人間から姿を離していく、って。」

「あれ、別に下位の天使でもできるんです、ちょっぴりですけど。」

「例えば、本来あり得ない形に腕を曲げたりとか、ある程度の範疇に納まってるなら、形を変えたりできますよ。」

 

「...どこまでできるんだ?」

 

「そうですね...腕もう一本生やすくらいなら...全然余裕でできます。」

「天使の階級はどちらかと言うと翼の数の方が重要なので。」

 

「翼は生やせないんだな?」

 

「ええ。ズルしようとすると、堕天しちゃいます。」

 

「へぇ。神は見てる、とかそういうやつか?」

 

...じゃあなんで、コイツを助けに来ないんだ?

 

「.,.わからないです。結構重要な役目ではあったはずなんですけど、なんで放置されてるのか...」

 

「大変だな。」

 

「本当に。」

 

「じゃあな。俺は本当に寝るぞ。」

 

「はい、おやすみなさい。」




だいぶ筆が乗っています。4時間でだいたい1万文字くらいでしょうか。
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