家に天使が来た話   作:ナニワのおっちゃん

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毎日更新したいなあ...とか思うんですが、絶対無理です。
5000文字って、小説だとどれくらいの量になるんでしょうか?1話にしては文字数少ない方ですかね?それとも多い?
できれば感想的な感じで頂けると嬉しいです。


4日目の失敗

しくった。

予想してなかったわけじゃないが、こうなるとは思わなかった。

 

 

 

 

...俺は、今日は仕事だった。月曜日だからな。

8時に家を出、悠々自適に車で出勤だ。

無事に会社につき、いつもと変わらず自分のデスクに座る。

 

「こんちゃ〜す。」

 

挨拶をすれば、自然に挨拶が返ってくる。

 

「おう、おはよう。」

「よ。」

 

この瞬間、やはり今までの事は夢だったんじゃないか、と思えてくる。

何も変わらない日常。特に何もなく、仕事をする日常。

 

さて、早速。

俺は自分のパソコンを開く。

 

会社は、簡単に言えば食品会社だ。

食いもんを開発して、プレゼンして、発売。

俺は主に経理、つまりその間にどれくらい金がかかるのか。仕入れルートによってどれくらい変わるのか。世界情勢的に安定して仕入れはできるか、などを整理して...と言う感じの職種だ。

 

今まで真面目に働いてきた。

特段休んだりもせず、俺の評判は社内でもいい方だ。

 

「村仲君、おはよう。」

 

「ああ、どうも。課長。」

 

この人は俺の部署の課長。

なぜか世話を焼いてくれている。

...まあ、ハゲかけたおっさんではあるんだが。まあ人柄がいいから人気だけどな。

 

「早速で悪いが、少し仕事を頼まれてくれるかね。」

 

「は、はい。」

 

「今、うちの部署でこんな話が出ていてな━━━」

 

仕事の話をして、俺のやるべきことをした。

...少し後の話だ。昼休みの時。

 

昭和っぽいと言われちゃあちょっと困るんだが、俺は付き合いでたまにタバコを吸う。

しっかり口臭ケアはしてる。

 

その時だった。

 

「村仲さーん。」

 

声が聞こえた。

別に変なことを言ってるわけじゃない。同僚の声だ。

 

「すんません、ちょっと失礼します。」

「はーい?」

 

「お電話です。名指しで。」

 

俺は先述の通り、入って一年経ったくらいのぺーぺーだ。

そして、営業職でもない。 家族なら、携帯に電話をしてくるだろう。

...俺には思い当たる節がある。あの自称天使だ。

 

「お電話代わりました...なんて言う必要ないよな。なんでかけてきたんだ、まだ初日だぞ?」

 

『た、助けてください、あの、その、レ、レンジが爆発しちゃって...』

 

「卵でも入れたのか?」

 

『...もしかして、原因はそれなんでしょうか?』

 

「卵はレンジに入れると爆発する。覚えとけ...はぁ。掃除しておけよ。」

 

『は、はい...』

 

くだらないことでよかった、と安堵しつつも。

ちょっと現代において世間知らずすぎるな、と心配になっている俺がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい亮、お前彼女いたのかよ。」

 

「いねえよ。...」

 

「嘘つけ、電話口から女の声漏れてたぞ!こいつぅ〜。」

 

「お前なあ...」

 

「いるなら正直にいるでいいのにな!」

 

俺は今、居酒屋にいる。

同僚かつ昔からの友達の一人の山口 徹(ヤマグチ トオル)に

「ちょっとお前話あるから夜付き合え」

と言われて半ば拉致の状態で居酒屋に連れてこられている。

 

「なんだよ、俺達の付き合いだってのに本当のことも言ってくれないのか?俺は悲しいぞ。」

 

「だからちげえってのに...」

 

「じゃあなんだ、母親か?なわけないだろ、俺はお前の母ちゃん知ってるぞ!あんな若い声じゃないだろ。」

 

「お前どこで聞いてたんだよ。」

 

「そりゃあお前、すぐ隣で盗み聞きよ。」

 

「性悪め...」

 

「なんだ、デリヘルの類か?...違うよな、電話なんてかけてくるはずがねえ。」

 

「...」

 

俺はとても困っていた。同居...まあルームシェアをあの天使としてるわけだが、彼女じゃないと言っても今のコイツは信じない。

俺も、多分コイツの立場だったら思い切り揶揄っていることだろう。

実際、上手い言い訳が思いつかない。

 

「...なんだ、お前、そんなに考え込んで。よほど言い訳に困ってると見たぞ」

「俺、今日お前の家行くわ。彼女さんの顔見るまで帰らねえからな。」

 

「...お前マジ?」

 

俺が後悔してたのは、ここだ。まさか、こうなるとは。

...アイツが卵を爆発させなけりゃ、こうはならなかったはずなのに...

まあ、さっきも言った通り、別に予想できてなかったわけじゃない。最悪の可能性として、考えてはいたんだ。

でも、まさか本当にそうなるとは。本当にしくった。

無視してささっと帰れば...あっ。

 

 

俺はなんて、性格の悪い人間なんだろうか。最高な事を思いついてしまった。

 

 

 

「...聞こえてるな?よし。お前、どこまでできるんだっけ。」

 

 

 

 

「おう、どうだった?」

 

「”快く”許可貰ったよ。」

 

「...意外だな、何が何でも阻止するもんだと思ってたんだが。」

 

「まあ、別に彼女でもなんでもないからな。拒否する必要もない。」

 

「そうか。...店員さんよ、お勘定!」

 

 

徹を連れて、俺は帰路につく。

奴はもう酒でベロベロだ。

 

「俺は悲しいよ本当に、俺だって...俺だって彼女欲しいよ」

 

「彼女じゃねえよ。てかモテてんじゃねえのかよ」

 

「タイプじゃね~んだよ~。」

 

「わがまま言うな。」

 

「せっかくモテる男に生まれたなら高みを目指したくなるもんだろ?」

 

「俺に言われてもな...」

 

「お前も大概モテてた癖に。」

 

「...そうだけども。」

 

 

...一応、美形に分類されるらしい俺は実際モテていた。ただ、他の人の為に金を使うのがバカらしいな、と思ってたから彼女は作った事がない。

...何故か今はそれが自分へのブーメランのように思えるがな。

 

 

「おい、ついたぞ。」

 

「おう。お前実家暮らしやめたんだっけ。」

 

「就職するついでにな...そうでもなきゃ人入れたりしねえよ、こんな時間に。」

 

「それもそうか。んじゃ早速~...」

 

 

「あ、お帰りなさい。」

 

 

「入らせ...」

 

「...」

 

俺は親指を立てた。

何故かと言えば、電話で話した通りだったから。

 

俺が思いついた最高な事は、徹に痛い目に合ってもらうことだ、簡単に言えば。

事前に電話で確認を取った。前に言っていた肉体の変化はどれくらいできるんだ?と。

 

「...聞こえてるな?よし。お前、どこまでできるんだっけ。」

 

「...?何のことですか?」

 

「前言ってたろ。天使は姿変えられるんだったよな?」

 

「そうですけど...それが何か?」

 

「ちょっと頼まれてくれ。今から、家にとある奴を連れて帰るんだが...」

「そいつに痛い目を見せたい。余計な事に顔突っ込むなってな。」

 

「えーとつまり...怖がらせるって事で合ってますか?」

 

正直、賭けではあった。めんどくさかったからこうしたので合って、恐らく最善手は無理やり拒否する事だ。

まず、人間の味方を自称する天使が手伝ってくれるかどうかも怪しい。

...ただ、やってみたら面白いだろうなぁ。その一心で、なんとなく声をかけた。

 

「...めっちゃ面白いじゃないですか!!やりましょう!!」

 

...そういえば、こいつはどちらかと言えばこういうやつだ。

 

 

 

「で、どこまでできるんだ?」

 

「そーですね...動物から、異形までなんでもできますよ。...ただ、翼とか増やすと怒られちゃうのでその辺は勘弁してください。」

 

「どうすっかな...そうだ、じゃあお前、喋れる動物みたいなのもできるのか?」

 

「もちろん。天使ですし。」

 

「じゃあこうしよう。犬になっててくれ。」

 

「わかりました。犬種の指定は?」

 

「...なんでもいいぞ!あいつを驚かせれば俺は十分だ」

 

「はーい。待ってますね。」

 

 

 

 

 

これが経緯だ。

 

そして今、俺の家の玄関口には人と同じ位のサイズの柴犬が待っている。

しかも、その口から「おかえりなさい」なんて言いやがる。しかも、女の声で、だ。

 

俺は笑いを堪えるのに必死だった。

なんでかっつーと、徹が固まってるんだから。

 

「...はっ?」

 

「(尻尾ブンブン)」

 

こいつ犬の真似上手すぎだろ...っていうか、どこまで犬なんだ?...もしかして、喋れる事以外全部犬なんじゃないか?

 

「今っ...しゃべっ...あ?」

 

「聞いてたお友達様ですね?」

 

「うおおああああ!!!!!」

 

間抜けな声出しやがる。...人の事も言えないか。俺もこいつが来たときこれくらい間抜けな声出してたからな。

 

「おい、もう十分だろ?帰れ。」

 

「い、いや、十分なわけないだろ!どうなってんだよ、これ!!!」

「あ、あれか?噂のAIってやつか...?」

 

面白い推測すら始めやがった。

 

「もういいですか?」

 

「まあ待て。」

 

「なんの話をっ...俺を揶揄ってるんだな?そうだろ?!」

 

そうではあるな、確かに。

 

「なんでっ...てか、デカっ!」

 

今更かよ。

 

「...クソっ、酔いすぎたか。...すまん、俺、やっぱり帰るわ...」

 

「おう。そうしな。」

 

徹はフラフラと頭を抑えながら、歩いて行った。

 

 

 

「...よくやった。」

 

「自分でも上出来だったと思います。」

 

バキバキと妙な音を立てながら、骨格が人間のそれに戻っていく。

 

「...お前、それ、そんなグロい感じの変形だったの?」

 

「?はい。痛くはないですけど、結構疲れるんですよ。...まあ、あのリアクション見れたなら十分ですけど。」

 

嫌な顔しやがる。こいつ、多分性格悪いよな。

 

「貴方が言いますか?」

 

「後さ。お前その、血色無い外見どうにかならないの?彫像ってわけじゃねえけどさ。肌真っ白すぎて怖いんだけど。」

 

「これでもかなり頑張ったほうなんですよ...」

 

バァン!!

 

「俺がそんな事で動揺するかッ...あ?」

 

俺が玄関の方を見ると、徹が戻ってきていた。...何で?てか俺の家のドアバァンって開けた?

んで、徹は目を丸くしていた。

 

そりゃあそうだ。

 

だってそこにゃあ、金髪ロングのお姉さんがいらっしゃるんだもんな。しかも、ほぼ裸の。

                ↑天使に性別はありませんよ。

 

 

まずった。

 

メシティスはと言えば、何故か俺の後ろに隠れやがり、徹はと言えば、今俺の家の居間で正座をさせられている。

 

「...離れろ。うざい。」

 

「だってぇ...」

 

「お前今更すぎるだろ。俺の目の前で思いっきり全裸になってた癖に。」

 

「人を痴女みたいな言い方するのはやめてください!」

「女じゃないですけど。」

 

「女声で髪の毛長いなら実質女みたいなもんじゃないか?」

 

「...まあ、確かに、そっちに寄せたのは認めます。」

 

 

「...」

 

ヒソヒソと後ろに引っ付いてるやつと会話を続けながら、徹を見れば。

黙りこくって、まるで今から切腹をしますと言わんばかりの武士のように、固まっていた。

 

「...どうすんだよ、これ。」

 

「なんで私に聞くんですか?そっちの人に聞くべきじゃないですか?」

 

「...........お前、なんで戻って来たの?」

 

「...いや、ベロンベロンだったけどさ...喋る犬なんているわけねえだろ、って。」

「確かめに、できる事なら動画に...とか、思って...」

 

「んで、着替え中のコイツと遭遇したわけだ。」

 

「てか、彼女いるじゃねえか!嘘付きやがって!!!」

 

「うるせえな。...いや...ルームメイトっつーか。なんつーか。」

 

「一つ屋根の下に同居してんだろ?!じゃあ彼女みたいなもんじゃねえか!当てつけみたいに目の前でベタベタとくっつきやがって!!」

 

「...」

 

やっぱりこいつは酔っている。

 

後顔真っ赤にしてちょっとずつ離れてくのやめろ。俺まで恥ずかしくなる。

 

「...」

 

だからと言って戻ってきて顔真っ赤なままくっつき続けるのもやめろ。

 

「じゃあどうすればいいんですか?!」

 

「大人しくしてろってんだよ。お前も座れ。」

 

「はい...」

 

「何、そうやって私達以心伝心ですって俺に見せつけてんの?!?!なんだよ!!」

 

「.....」

 

収集の付け方がわからねえ。

 

「.......終電、ねえ時間なんだけど。お前どうすんの?」

 

「泊めてくれよ~~~~~俺とお前の仲だろ?」

 

「.........」

「コイツと...?」

 

「声に出てますよ!!」

 

「てか犬はどこ行ったんだよ!犬が消えて代わりに美人のパツキンネーチャンが出現するの意味が分からなすぎるだろ!!!」

 

「...」

 

そうだわ。どうやって説明つけよう。

 

「私の正体をささっと明かせばいい話では?」

 

「そういうのってさ...お前、隠したりするもんじゃないの?」

 

「いや、別に...」

 

「...お前がいいならいいけどさ。」

 

 

 

 

「しかと御覧なさい、人の子よ。私は天使です。」

 

「...w」

 

「今笑いましたか?!いいですよ、見ててください!!!」

 

そう言って、もう使い古されたネタであろう翼が生える。

 

徹は...

 

「...こんどこそ、酔ってたらしいな。俺の布団ってあるか?」

 

「あーっ信じてない!!!ほら見てください!!輪っかまでできるんですよ?!」

 

「...」

 

「いいですもん、じゃあ貴方にとって一番の証拠になり得る姿になってあげます!!」

バキ、グチャ。

 

「お前さ、そのグロい効果音どうにかならん?」

 

「しょうがないじゃないですか!!」

 

「!??!?!?!??!?!?!?!?!??!?!?!?!?」

「パツキンネーチャンが消えて...犬が出て来た...」

「俺は、どれだけ酔ってるんだ?これは、もしかして夢か?」

 

「安心しろ、現実だ。殴ってやろうか?」

 

「おお頼む。...イッテェなおい!本気でぶったろ!」

 

バチィン、といい音の鳴ったビンタだった。...我ながら、いいスイングだった。

 

「(ワン)」

 

「おお、それ、吠えれるんだな。」

 

「完全再現ですから。天使ですよ?」

 

「すまん、やっぱり寝るわ、俺。」

 

「しっかり休めよ。そこの布団使っていいから。」

 

「ちょっ、それ私の布団...」

 

「お前今日ベッド使え。貸してやるから。」

 

「あ、やったあ。」

 

 

 

 

 

 

 

.....寝苦しい!

 

なんだ、これ。重い。

俺は確か、床にタオルケットを適当にぶちまけて布団代わりにして寝たはずだが...

 

ん?

 

なんかいるぞ。

 

「うおわっ?!」

 

「.........うるさいですね、今何時だと...」

 

「今決めた。お前、やっぱり追い出す。」

 

「なんでなんでなんでですか?!?!」

 

「お前、家主を抱き枕にして寝る天使がいるか!!」

 

「いいじゃないですかちょっとくらい、たまには人肌を感じて寝たいんですよ!!」

 

「お前人肌なんて感じた事ないだろ。」

 

「これが初です。」

 

「じゃあたまにって言わないんだよ!!!!」

 

「いいじゃないですか!!!!」

 

ぎゃあぎゃあと喧嘩していると、昨日泊めたバカが入室してきた。

 

「...うおっ、夢じゃねえ...」

 

リアクションがバカみたいだな。




山口 徹
男、24歳。
会社員。村仲 亮と同じ会社に勤める同僚。
元々大学で知り合い、仲良くなっている。本人談の通りモテてはいたが、理想が高すぎて結局彼女は出来ずじまいだった。
よく飯に行く。
好きな物は金・酒・女。
嫌いな物は不真面目な奴。
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