家に天使が来た話 作:ナニワのおっちゃん
結構眠たいです。
結構、筆が乗っています。頑張れそうです。
「...これ、現実か?」
「ああ、残念ながらな。」
「...残念とはなんです。」
「お前の頭だ。」
「今バカにしましたね?!?!私上位存在なのに!!」
「そういうとこじゃないのか?」
「ムキーーーッ!!!」
ムキーって怒り方する奴を俺は初めて見た。
「...」
んで、徹は何を考えこんでるんだ?
「えーと...天使さん?」
「様付けでいいですよ。」
「じゃあ...天使様。俺に彼女をください。」
「そういうのは神に頼んでください。」
「...」
当たり前だろ。天からの使いなんだから天使なのに。
「...できれば、5人、いや、10人...」
「...」
ゴミを見る目、とはまさにこのことを言うのかもしれない。
んでこいつはこいつで何をしてるんだ?ハーレムでも作るつもりか?
「お前、ちょっと、黙れ。」
「おう。」
「見てみろ、天使様がお前をすごい、侮蔑してる感じの目で見てるぞ。」
「...」
「なんか、これはこれでいいかも...」
俺の友人はどうやら終わってしまったらしい。
「で?整理すると?この人が天使で?上位存在で?いきなり現れて?いきなり居候で?」
「おう。」
「でいきなり卵を電子レンジにぶち込んで大爆発させて?職場に電話をかけて?」
「おう。」
「ちょっとやめてください恥ずかしいんですけど!!」
「で俺を揶揄うために犬になって...どういうことだ?」
「俺もよくわからんまま過ごしてるからな。順応ってのは怖えよな。」
「頼まれたので犬になっただけです...」
「字面が終わってるな。変化とかもうちょっといい感じにしてくれ。」
「体を犬にされました...」
「もっと終わったな。叩き出すぞお前調子乗りやがって」
「それは勘弁してください」
「...じゃ、俺、仕事だから...」
「おう。」
俺は休みだ。平日に有給を取るのが一番気持ちいいと思わないか?
「わかります。それで仕事してる人の目の前で遊ぶんですよね。」
「お前終わってるな。」
「終わってるとはなんですか。」
「で、ひとつ気になるんだけど。」
「はい。」
「なんでお前俺の事抱き枕にしてんの?」
「あったかいからです。」
「叩き出すぞ。」
「ほら、美人の天使様に抱かれてうれしいとは思いませんか?」
「結局人間じゃねえんだから別に対して嬉しくねえよ。」
「...確かに。私も神様にいきなり抱き枕にされたら嫌ですね...」
「だろ?」
「でもそれは話が別です。」
「離せっつってんだろ!!!!」
「嫌です。」
「本当になんで?俺朝飯食いたいんだけど。」
「作ってくれるならいいですよ。」
「...お前さ、俺の家に来てまだ3日しか経ってないのに図太すぎない?」
「...いいじゃないですか、下位存在と触れ合える貴重な機会なんです」
「俺の事ハムスターか何かとでも思ってんの?」
「ほい。」
「あひはほうふはいはふ。」
「食うの早すぎ。頂きますくらい言え。」
「ひははひはふ。」
「...」
こいつ、本当に天使か?俺の知ってる天使とイメージがかけ離れてるんだけど。
だって、今、髪ボッサボサにしてダボダボのTシャツとあからさまなパジャマで俺の向かいに座って飯食ってるんだぞ。
「天使だってそういう時もあります。」
「...そうか。」
「天使の全員が全員、堅苦しいお役人様じゃないんですよ。」
「...お前、だから落ちこぼれなんじゃないか?」
「...(泣)」
「わあった、俺が悪かった。泣くな。うざいから。」
「一言余計ですね...」
「んで。俺は今日休みなわけだが。」
「はい。」
「...何かするか。」
「何かするかってなんですか。」
「知らねえよ俺に聞くな。天使のシュミなんぞに興味はないから何かしたい事ねえのかって聞いてんだよ」
「...あ、料理再挑戦したいです。」
「おう。何を...ああ、そうだ。お前昨日何作ろうとして卵大爆発させたんだよ。」
「オムライスです。」
オムライスで...卵を...電子レンジに...?
「なんで?」
「オムライスって単語と完成形は貴方の頭から吸い取ったのでわかるんですけど、過程がわかんなくて。美味しそうだったんですけど...」
「卵はあっためるといい事あるって事は知ってたので、昨日教えて頂いた通りにあっためてみようかと。」
「...」
レシピ本、買うか。
「いいんですか?!」
「読むなっつってんだよ追い出すぞ」
「ひぃ。」
「ちょっと待ってろ。」
「は、はい。」
「ほらよ。」
「...?【猿でもわかる料理の仕方】...これ私舐められてます?」
「卵を電子レンジに入れるバカにはそれくらいがお似合いだよ」
「猿の二段階上の存在なんですけど?!」
「まあ中身見ろよ。」
「えーっとオムライス...ああ、これ。めっちゃ美味しそうですね、いつ見ても。」
目えキラッキラにしやがって。
なんでそんなに人間の食い物食いたがるんだよ。
...
「天使って何喰ってんの?」
「あれ、前言いませんでしたっけ?天使はまず物を食べる方が少数派です。」
「高位になれば、エネルギーを消耗しずらくなるんですよ。後は、食べなくてもいいからだに体を変形させたり、とか。」
「可哀そうだな、なんか。美味い物の味も知れないなんて。」
「やっぱりそう思いますよね?だから私はこの人間っぽい体を好んで使ってるんです。」
「一応望めば謎のキューブが食べ物として支給されるんですけど、すごい不味いです。」
「逆に食ってみたいな...次に天界行ったときに持ち帰ってきてくれ。」
「いいですよ。...まず帰れませんけど。」
「そうだったな、お前。迷ってるからここに居候してるんだったわ。」
「...じゃあなんで、お前迷ってる時に体変えて疲れない体ー、とかにしなかったの?」
「...変形、めっちゃめちゃエネルギー使うんです。だいたい、1日中走り回るのと同じくらい。」
「昨日はそこまで疲れてるように見えなかったが。」
「がっつり食べたからですね。」
「.............」
俺は、不安になって冷蔵庫を見た。
俺は今まで数々の料理を自分の弁当やら夜食やらの為に作って来た。そして、冷凍食品とかもしっかりと備蓄をしたはずだ。
空っぽだった。
俺は限界だと思った。
「食いしん坊すぎ。どうなってんだ腹のキャパ。」
「...やろうと思えば、無限に...」
「反省しろ。俺の食いもんと金が消えていくだろうが。」
「はい...」
結構ガッツリ叱った。
「料理したきゃ、自分で作れ。」
「...えっと、材料は...?」
「...」
そうだわ。こいつ、金がない。
「...頭抱えたいのは、私もです...戸籍なんてないので、労働できないんですよ...」
「マジか。」
「大マジです。...賭け事はしませんからね。」
「本当に居候だな。」
「はい...ご迷惑おかけします...」
こいつ、自分が起こられてたり自分に非がある時途端に大人しくなるな。
ずっとこの状態だったら俺も快適なんだけど...
あー、それだと面白くないな。
「...?」
「どういう表情ですか、それ...」
「おう、読まないのはサンキュー。今後ずっとそうしてくれ。」
「精進します。本当に気になったら読みます。」
「やめろ。」
「一応、金は全然残ってるから、好きに買い物はしろ。」
結局、小遣い制になった。
毎週、5000円を渡す。から、好きに使え、と。
足りなくてどうしても欲しい物があれば相談しろ、と。
ただ、出費としては余りにも痛すぎる。
正直、こいつに如何に働かせるか、って感じはするな...
「おおお...!」
始めて見る金に目を輝かせてる。
...金に表情を輝かせるって、なんか面白いな。
「ただ、お前あの量を毎日食ってたら金なんて速攻で尽きちまう。」
「基本、一日三食に抑えろ。人間の生活と一緒だ。」
「はい。」
「一応、エネルギーを使う行動さえしなければこの体はほとんど人間なので、それでなんとかなると思います。」
「天使の燃費って悪いんだな。」
「どちらかと言えば、人間の身体の燃費が酷いだけですね。」
「...そうか...」
「...」
俺は、ソファーでダラダラとスマホで動画を見ていた。
ちらりとキッチンの方を見ると...
「~~♪~~♬」
鼻歌を歌いながら、メシティスが料理をしている。
...よほどレシピ本が嬉しかったらしい。
あの後、俺はメシティスと共に欲しい材料を買いに行き、帰って来るや否や早速と言わんばかりにエプロンを付け、キッチンに閉じこもった。
なんというか、子供に戻った気分だ。
母親が休みの日に、よく昼飯を作ってくれてたから。
「...おい。」
「はーい?」
「手伝いとかいらないか?」
「大丈夫です!今のところ、なんとかなってるので!」
...手持ち無沙汰だ。なんか、今は実質ニートみたいなもんとはいえ、申し訳なくなってくる。
...箸とか、スプーンくらいは並べてやるか...
...専業主婦じゃないか?洗濯は覚えさせた。皿洗いもできる。料理も...まあ、練習中だ。
...家事をしなくていいって、楽だな...
「できたみたいです!!」
「おお。そりゃ、何よりだ。」
「...?座らないんですか?」
「は?」
「その、座らないんですか?と...」
「...なんで?」
「二人分あるので...」
「マジか。ありがたくもらうわ。」
確かに材料を大量に買ったが、俺はてっきり全部自分で食うもんだと思っていた。
どうやら俺の分も作ってくれているらしい。
見栄えは、随分な物だった。
ザ・オムライスと言った感じの。黄色い袋。結構綺麗にできてるな...
中にはどうやらチキンライスが入っているらしい。
「なあ。」
「はひ?」
「なんでケチャップハートなの?」
「...//」
顔を赤くするな。お前性別ないだろ。
「そうですけど...ほら。体は女性ですし。」
そういうの関係あるのか。」
「声に出てますよ。」
美味い。その一言に尽きる。
結構しっかり味付けとかもされていて、店を出せるレベルだろうとは思う。
まあレシピ本の通りなのだから、当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが。
「...美味いな。」
「それは良かったです。これで不味いとか言われたら泣いちゃってましたよ。」
「作ってもらった立場で不味いとか言えるのは相当な性悪だな。」
「今後は私も厨房に立っていいですか?夕ご飯とか。」
「お世話になってるのに何もしないのも、どうにも、と思いまして。」
こいつにも人の心とかあったんだな。
「なんで泣いてるんですか???」
「いやあ...なんか、感動して。」
「何に???」
「結構料理できるみたいだからよろしく。なんなら専業主婦みたいな感じだな。」
「...まあそうですね。仕事とかはできないですけど。」
「家事に戸籍なんぞいらないからな。人手が増えるだけでめっちゃ助かる。」
「まあこれからは天使メシティス様と呼んでくださって結構ですよ。」
「よぉし追い出す、そこに直れ。」
「ちょっまっそれは勘弁してください本当に!!」
調子にさえ乗らなけりゃあいいのにな。