家に天使が来た話 作:ナニワのおっちゃん
サブタイを何話目かの数字、それと言葉で作ろうとしているのですが、ネタ切れです。
多分段々と適当になって行きます。
「ふわあ...」
「あ、おはようございます。」
「おう。」
「なんでそんな急いでるんですか?」
「俺は今日仕事だぞ、舐めんな。」
「ニートのお前とは違うんだ。」
「専業主婦って言ってくれたじゃないですか!!」
「...よくよく考えてみたんだが、専業主婦ってワードがまず違うな」
「家事手伝いだ。」
「...なんかランクダウンしたような気がします。メイドとかじゃダメなんですか?」
「ねえだろ服が。」
「別にメイドはメイド服だけじゃなくてもいいのでは...?」
「昨今ではメイドはメイド服を着てないとメイド判定されない。覚えておけ。」
「あ、はい...」
「でだ。俺は出るから。留守をよろしく。」
「あ、はい。」
「行ってらっしゃい...で使い方あってます?」
「おう。合ってる。」
「おはようございまー...す。」
「ああ、おはよう。...とは言っても、今日は仕事は少な目だ。」
「昨日なんかあったんですか?」
「...いや、何故かね...山口君が、君の分の仕事を全部やってしまって...」
「???」
「私もそんな気持ちだよ。何かあったのかい?」
出社初っ端に、課長に挨拶をする。
すると、意味の分からない事実を伝えられる...あった事?天使と会わせたくらいかな...
それだろ。
それでしかねえよ。...でもなんで??
「そんなに首を傾げられても...本人と君しかわからなそうだし」
「聞くなオーラが凄かったから、ウチの誰も聞けなかったし...」
「俺もわかんないです...」
ここは誤魔化すしかない。
「そういうわけで、多分、君、今日の分が終わったら定時まで暇だろうから。」
「これよろしく「失礼します。」あっちょ、やってよ、どうせ暇じゃん!」
あぶねえ。ギリギリ仕事押し付けイベントを回避だ。
結構な量を取り出してただろうし...引き受けてたら残業コースだな。
とはいえ、さすがに暇なのは俺も嫌だ。
「半分だけ貰うんで。」
「ありがとう。助かるよ。」
「せっかくなら全部やってくれてもいいんだぞ?」
「嫌です。」
「随分きっぱり言うね...元々君はそういう人か。」
「よくご存じで...」
俺は俺のデスクに向き合い、今日の仕事を始める。
...そういえば、件の徹は?
チラりと、奴のデスクに目をやる。
...いない。どうやら、休みらしい。
まあ、休みじゃなかったらゴシップ好きの輩に詰め寄られてる事だろう。
俺も詰め寄りたいくらいだ。急にどうしたんだ?
なんだ、彼女が欲しすぎてついに狂ったか。
神にでも祈りに...
ああ、なるほど。
俺に恩を売ったのか。
仕事はだいたい定時ピッタリに終わった。
というか俺がそう調整した。
サボっているように見えず、かつとても忙しそうには見えない究極の塩梅で俺は完璧に仕事を成し遂げた。
「じゃ、お先に失礼します。」
「ゆっくり休みなよー。」
「じゃーねー。」
「お気遣い痛み入ります。」
俺は車に乗り、いつも通りの道を通り、いつも通り信号に引っかかり、いつも通り帰る。
「ただいま。」
「あ、おふぁえりふぁふぁい。」
ん?なんか妙だ。
靴が多い。
俺は、メシティスと服を買いに行ったとき、人間っぽさを出す為他の基本的な物は全て買った。
靴、ちょっとしたアクセサリ、服...
ただ、俺にはとても見慣れた革靴があるように思える。
「お前、何してんの?」
俺は、困惑していた。
今の目の前では、天使に土下座の勢いで跪いている徹がいた。
そして天使はと言えば、料理を頬張っている。
「えーと、ちょっと説明しますね。」
「なんか突然押し入ってきて、入れてくれって言われたので家に上げたんですが。」
「何で勝手に来てんの?ってかなんで勝手に上げてんの?」
「まあまあ。」
「
「それでですね。上げるなり『彼女をください!!ってか彼女になってください!』ってこの調子でして。」
「困ってたところです。なんとかしてください。」
「...」
俺は、徹を持ち上げた。
「ん?おっ、浮いた...あ?」
俺は、ジャーマンスープレックスをそのまま行った。
「ぐべああああ!!!」
「おお。中々カッコイイですね、それ!」
「いってえな、何しやがる!!」
「不法侵入者だろうが。警察に突っ込まないだけありがたく思え。」
「仕事してやっただろ!!」
「あ、お前それそういう事なの?」
俺はすっとぼける事にした。
「そうだよ!」
「で、その仕事をしてくれたありがた~い徹君は俺の家事手伝いに何をお願いしてるんだ?」
「彼女になってくれって。」
「...なんで?」
「形変えれるんだろ?なら、俺の好みにもなれるって事じゃねえか!」
「...確かに。」
「なんで納得してるんですか?普通に言ってる事最悪ですよ、私の事なんだと思ってるんですか?」
「迷子。」
「彼女。」
「ほんっとうに最悪ですね、なんで貴方こんな奴と仲いいんですか?!」
「...なんでだろうな?」
「知らねえ。...好みが同じだから?」
「多分な。映画とかまた見に行こうぜ。」
「おっしゃ。」
「なんかいい感じにまとめようとするのやめてください。」
「いや、まあさすがに冗談だよ。彼女になってくれって頼み込むバカがどこにいるんだ。」
「この人が来るまで結構ガチじゃなかったですか?」
「いやあ...はは。」
「お前、マジ?」
「いやあ...はは。」
こいつは苦しくなると愛想笑いでごまかす癖がある。多分、ガチだったんだろうな。
「...だって、親からせかされるんだよ、最近。」
「ほう。」
「孫はまだか、結婚はしないのかって。そろそろうざったくてな。」
「美人のレンタル彼女さんに頼んで親を黙らせたくてな。」
「あ、そういうことだったんですか?てっきり本当に手籠めにしようとしてるのかと。」
「天使が手籠めとか言うな。」
結構面白そうな事情があったみたいだ。
なら、首を突っ込む以外の選択肢なんてない。
「...」
おっと、えぇ...?って感じで俺の事を見るのはやめろ。
あと心を読むな。
「親に好みは知られてるから、適当な人に頼んでも違うだろみたいな言われそうだし。」
「頼む!ちょっと協力してくれ!」
「それを最初から言えばよかったんじゃねえか?」
「説明がなさすぎるだろ、いきなり彼女になってくれ、は。」
「やっぱりそうですよね。」
「次の休みでいいか?」
「...えっ?私まだ、何も言ってませんよ。」
「お前に人権はないよ。人間じゃないから。」
「ひどい!」
「まあいいですけど。」
「...スマン、ガチで助かる...」
「で?どんなのだ。好み。」
「あれ伝えてねえっけ。」
「おう。友達の女の好みとか知りたくもねえ、さっさとしてくれ。」
「つまらんやつめ。」
「...そうだな、黒髪ロングの清楚系美人なんてどうだ。」
「...えーと、こンなか...んジでどうでしょう。」
ぐにゃり、バキ、結構な音が鳴りながら、いかにも言った通りの女子人気が高そうな外見にメシティスが変化した。
「そうそう、そんな感じ...すごいな、イメージ通りだわ。」
「読みましたから。」
「何を?」
「貴方の心?を。」
「えっ怖い。俺、この子に全部筒抜けなの?」
「そうだぞ。俺もだ。」
「...おっそろしいな。」
「そうだ。対価は飯でいいぞ。」
「おう。ラーメンでいいか?」
「大丈夫です、ありがとうございます。」
外見が人間っぽくなると、いかにも人間だな。
これで天使だとか信じられねえ。
「やっぱり前の方がいいですか?」
「俺はな。人間っぽいのはなんか違う。」
「失礼ですね。」
「いや、なんか...こう、上位存在って感じがしなくてな。」
「前のはすると?」
「俺の中の天使のイメージ通りだからな。西洋のそういう本に載ってそうだ。」
「なるほど。」
「...で。なんでもう変化してんだ?次の休みって話だろ?」
「あ。」
「...バカ。」
「ひどい。もう変えるとお腹減るので、その日までこれでいますね。」
「しょうがねえな。」
「...すまん、今日はいったん帰るわ。邪魔したな。」
「おう。」
「その日、俺がそっち行くから。世話んなるわ。」
「はい。では。」
「馴染まねえな、それ。」
「まあ突然外見変わりましたから。」
「...どこまで再現されてんの?」
「強いていうなら、お人形さんです。髪は伸びないし、体温はしません。」
「触られたら一発ですね。」
「...なんで?」
「前のは、実用性と外見を両取りしようとして結構上手くいったんです。」
「どっちかに偏っちゃうと、どっちかが上手くいかなくて。」
「高位になると、変化も上手くなるはずです。」
「...落ちこぼれ。」
「ひどい!!!これでも頑張ってるほうなんですよ!」
約束の日が来た。
その間、メシティスはずっと黒髪清楚系美人だ。
ただ、言動が伴ってなさ過ぎて。
「失礼ですね。敬語ですし、十分じゃないですか。」
「そうっちゃそうなんだが。...なんというか、馴れ馴れしすぎるんじゃないか?」
「大丈夫です、現地行ったらなんとかするので。」
「おう、頼むぞ。」
「...」
徹は運転してる。
俺達は、今、徹の車の後部座席に乗り付いて行っている。
「その。」
「ん?」
「一つ疑問なんですが、貴方必要だったんですか?」
「面白い事に顔出さないわけにいかないだろ。」
「...性悪め。」
「お互い様だろ。」
「貴方達二人が仲いい理由がわかったような気がします。」
「でも、邪魔じゃないですか?」
「おう。だから...」
俺はメシティスの肩に手をポンと置き。
「撮影、頼む。」
デジカメを手渡した。
「...........................はい。」
とてつもなく長い沈黙が流れたような気がした。
俺は、今、漫画喫茶を一室借りてその映像を見ている。
LIVEだ、簡単に言えばな。
『えーと、この人。が、前に言った結婚候補の人。』
『付き合い始めて、そろそろ一年経つんだ。』
『ほう...』
『お初にお目にかかります。ケリー・ヴァン・グリフィスと申します。』
『...あら、あらら。日本語お達者なのね。』
ちなみにこの名前は昨日俺が適当に名前生成器を使って作った名前だ。
本人曰く、「...適当すぎませんか?」
だそうだ。
黒髪なのに日本人にしなくていいのか、とも言われたが、色白だし外国人の方が都合がいいだろ、とそういうことにしてある。
まあギリシャ語喋れるしな。実質外国人だろ。
『...これでいいか?顔も見せたし...』
『...いいえ、貴方。なんで、うちの子を選んだの?』
『えっ。』
出たな。困る質問No.1。顔とか言うとヒかれるんだ。
『えっと、優しくて、私に寄り添ってくれたから...とかでしょうか。』
知り合って1週間くらいだろうが。
『ほう...』
ほうじゃねえよ。
『...貴方。家事はできるの?』
できる。俺が直々に教えてやったんだ。
『ある程度は、できると思います。』
ある程度じゃねえ。完璧と言え。
俺は家政士検定1級だぞ。どうでもいいが。
...あーでも、卵爆発させたのはまだ根に持ってるけどな。
最近はそういうのもないし、洗濯とかも教えたから無難にできてるし、マジでいい感じだと思うんだが。後は家のメンテとかの知識を叩き込まなきゃな...
『じゃあ、見せて頂戴。』
『えっ。』
...まずい。こいつはレシピ本がないと何もできない。
いや、覚えてはいるかもしれないが。日本語とかも、すぐに覚えてたし。
それこそオムライスとか...
『ステーキを作って。材料はあるから。』
...そんなの作られた覚えがねえな。まず肉をあんまり使ってねえし...
あんときのチキンライスくらいか?なら、覚えてないんじゃねえか?
『その、レシピとかって...』
おお。よく切り出したぞ。
『目分量よ。』
終わったな。
『..なあ、そんな事する必要あんのか?俺が料理をすれば...』
『アンタ、社会人でしょ。働いてるのにどうやって家族分の料理まで作るつもり?』
ド正論だ。
しかも、健康を気にするならなおさらだな。
『将来、子供設けるんでしょ?それでズボラ飯とかしすぎて体調崩すとか論外よ。』
さらにド正論だ。
...人間と天使の間に子供はできるんだろうか。
『...体をいじれば、生物学上の胎児は生まれますよ。...』
...........お前、聞いてたのか?遠距離でもできるのか?それ。
『(にこり)』
カメラの方を見てほほ笑むな。怖い。
てかカメラどこに置いてあるんだよ...荷物か?テーブルの上で安定してるな...
ああ、まあ、変に誤魔化すより自然か。
さて、料理検定が始まった。
結構慣れた手つきで包丁を扱ってるが...
まあ、下準備とかは多分問題ないはずだ。ここ一週間くらい、俺はコイツの飯しか食ってないからな。昼以外。
結構ウチの家政婦は優秀みたいだ。
...味付けが一番心配だな。
『教えてください』
お前、マイクを仕込んでるとはいえ好き放題しすぎじゃないか?
そうだな...そこにある材料なら...
できた。
...めちゃくちゃ美味そうだ、しかも。
『おお...!!』
徹の野郎も感嘆してやがる。お前がやった事と言えば、せいぜい肉を切って俺が言った調味料を渡してただけだけどな。
『ほう...』
だから
『...上出来みたいね。でも、味は...美味しいわね。...』
文句のつけようのない味付けだ。
そりゃあそうだ、俺が味付けを何から何まで仕切ったんだからな。
元々人の記憶を読むなり結構ズルができる生物だから、家事はすぐに覚えた。包丁の使い方とかもな。基本的な調理器具は全部完璧に使えるし、中々使い勝手がいい。
こりゃあ文句ないだろ。
......ちょっとまて。じゃあ俺の家政婦がこいつらに取られるのか?
ちょっと嫌だな。家事なくなって楽になってたのにダルくなっちまう。
『...うん、合格ね。ウチの徹ちゃんの嫁候補なだけあるわ。』
『...』
カメラをちらっと見るな徹。バレたらどうする。
ってかさっさと帰ってこい。
『それで、式はいつ挙げるの?』
『........』
...早く帰ってこい!!
『あーっと。まだ、考え中。とりあえず、一旦帰るわ。俺ら、この後ちょっとした旅行計画しててさ。』
『二人で話し合いもしたいし。』
『...そう。』
すごい、疑ってる視線だな。
だが、よくやった。
『それじゃ、俺ら一旦帰るから。母さん達へのお土産な、これ。』
『ほう...』
「おう、戻ったか。」
「すまんマジで助かった!!!!!!あのクソババア共も当分口出してこねえ!!!」
「俺はその間にしっかりした嫁さん探すよ。」
「...そうか。」
「まあ、お手伝いでなんとかなったならよかったですけど。」
「それ、さっきの私と似た外見じゃないと誤魔化せなくないですか?」
「俺の好みしか嫁さんにしたくないから、どうやっても似ると思うけどな。」
「...なるほど。」
「よし。じゃあ、俺らも買えるぞ。」
「はい。」
「...あ、飯。ってか戻れ。」
「あ、はい。(バキバキバキバキ)あと奢ってもらえるんですよね?」
「それくらいはやんなきゃな、男が廃るってもんだよ。」
助かるな、相当食費が浮く。
多分、今、こいつ空腹だろうしな。
「やったあ。」
涎が垂れてるぞ、しまえ。
「...!」
意外と便利だな、心読まれるのも。
「...」
「お腹いっぱいです、ありがとうございます!」
「そりゃ何よりだ。ふぅ。美味かったわ、サンキュー徹。」
俺は棚から牡丹餅だけどな。だって、何もしてないどころか愉悦してたし。
「...奢るとは言ったけど...ここまで食うか?人の金で?普通...」
メシティスは、ラーメンを大食いしていた。
他の客も来てちょっとしたイベントに成りかけてたな。だいたい、ラーメン10杯だ。
1万以上飛んだんだよな、こいつ。多分。
「...中々美味しいですね、ラーメンってもの。今度作ってみたいです。」
「市販もあるし、やってみたらどうだ?」
「いえ。スープから自作です...!」
「...マジか。湯切りとかはあるが...調理器具ちょっと買ってくか?」
「いいんですか?!」
「奢ってくれるんだよな。」
「...お前、人の心ないのか?」
「でもウチの家政婦を派遣してやったぞ。お前の精神衛生と金、どっちが大事だ?」
「...........はぁ。しょうがねえなあ!!!!」
「よっしゃ。」