TS特級呪術師 秋山凛子   作:オッパッピー

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この作品はChatGPT様に助けられて文章が成立しています。


第二話 見える世界

夕焼けに染まる通学路。

 

秋山凛子は制服のスカートを揺らしながら、一人で歩いていた。

 

表情はいつも通り冷静である。

 

しかし頭の中は、今日一日の出来事を整理するので精一杯だった。

 

(前世の記憶……)

 

(私は、男だった)

 

不思議と混乱は少ない。

 

「俺だった」という記憶は確かにある。

 

それでも、今の自分を「間違っている」とは思わなかった。

 

十五年間生きてきた秋山凛子としての記憶も、前世の記憶も、どちらも自分なのだ。

 

前世の記憶が覚醒した今でも、性自認は女だ。

 

だからこそ結論は早かった。

 

(……考えても仕方ないな)

 

「今は私が秋山凛子だ」

 

自然と口から出たその言葉に、自分で少し驚く。

 

(またか)

 

前世なら「俺は俺だ」と言っていただろう。

 

だが今は、「私」という一人称も、落ち着いた話し方も違和感なく口をついて出る。

 

(身体の影響か……)

 

それ以上深く考えるのはやめた。

 

 

---

 

人気のない路地へ差しかかった時だった。

 

ゾワリ、と背筋に悪寒が走る。

 

視線を向けると、黒い靄がゆっくりと人の形を成していく。

 

昨日見たものよりも大きい。

 

四本の腕。

 

裂けた口に不自然な程に長い舌。

 

全身から漂う禍々しい気配。

 

(またか)

 

凛子は足を止める。

 

異形はこちらに気付くと、獣のような唸り声を上げた。

 

「ギィィ……!」

 

周囲には誰もいない。

 

(ここなら問題ない)

 

凛子は制服の上着を脱ぎ、近くのガードレールに静かに掛けた。

 

「来い」

 

その一言だけで十分だった。

 

魔族――異形の怪物が飛び掛かってくる。

 

凛子は半歩だけ身体をずらす。

 

鋭い爪が空を切った。

 

「遅い」

 

そう呟くと同時に、右手を縦に振るう。

 

刀は持っていない。

 

それでも、できるという自信があった。

 

ズバンッ!

 

空間が裂けるような音が響き、魔族の右腕が肩口から切り落とされた。

 

「ギャアアアア!」

 

(やはり昨日の力だ)

 

凛子は静かに分析する。

 

(刀がなくても斬撃を飛ばせる……いや、違う)

 

(空間そのものが裂けている)

 

直感だった。

 

理屈は分からないが、なんとなく分かる。

 

だが、自分の力は「斬撃を飛ばす」のではなく、「離れた場所を直接斬る」ものだと理解する。

まるで原作(対魔忍)の秋山凛子が使う「空遁の術」みたいだ。

 

「便利だな」

 

短く呟く。

 

魔族は怒り狂い、再び突進してくる。

 

今度は速い。

 

だが凛子の目には、その動きがはっきりと見えていた。

 

(見える)

 

身体が勝手に反応する。

 

右へ。

 

左へ。

 

紙一重で攻撃をかわし続ける。

 

「終わりだ」

 

両手で手刀を振り抜く。

 

目に見えない斬撃が十字を描き、魔族の身体を四つに分割した。

 

黒い煙となって消滅する。

 

場に静寂が戻る。

 

「……ふぅ」

 

軽く息を吐く。

 

その時だった。

 

「そこまでだ」

 

背後から、低い男の声が聞こえた。

 

凛子は即座に振り返る。

 

電柱の裏に、一人の男が立っていた。

 

黒いスーツ。

 

凛子は知る由もないが、補助監督と呼ばれる人物であった。

 

男は驚いたように凛子を見下ろしている。

 

「君……今の呪霊を祓ったのか?」

 

(呪霊……?)

 

(あの化け物の呼び名か)

 

(世界が違えば呼び方も違うということか?)

 

凛子は少し考えてから答えた。

 

「そうだ」

 

「君は術師の家系か?」

 

「いや、普通の家庭だ」

 

一通りの事を聞き終えた男は絶句した。

 

十五歳。

 

未登録。

 

しかも術式持ち。

 

あり得ない。

 

「少し話を聞かせてもらえるだろうか」

 

凛子は相手を観察する。

 

(この人も退魔師か)

 

(やはり、この世界にも魔族と戦う組織があるんだな)

 

心の中でそう納得すると、小さく頷いた。

 

「構わない」

 

こうして秋山凛子は、自らが「呪術師」と呼ばれる存在であることを知る。

 

もっとも本人は最後まで、

 

(呼び方が違うだけで、やっていることは対魔忍や退魔師と同じだ)

 

と解釈したままだった。

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