TS特級呪術師 秋山凛子   作:オッパッピー

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呪術廻戦と対魔忍の親和性が高いと思うのは私だけでしょうか。


第四話 新しい学び舎

翌朝。

 

東京都立呪術高等専門学校。

 

鳥のさえずりが響く中、凛子は校舎の前に立っていた。

 

昨日、夜蛾から制服を受け取り、そのまま学生寮へ案内された。

 

慌ただしい一日だったが、不思議と疲れは感じない。

 

(今日からここで学ぶのか)

 

校舎を見上げ、小さく息を吐く。

 

すると背後から声が聞こえた。

 

「秋山」

 

振り返ると夜蛾が立っていた。

 

「ついて来い」

 

「ああ」

 

短いやり取りを交わし、二人は校舎へ入る。

 

 

---

 

教室。

 

扉を開けると、一人の少女が席に座っていた。

 

肩まで伸びた黒髪。

 

凛とした佇まい。

 

少女は静かに凛子へ視線を向ける。

 

夜蛾(・・)が口を開いた。

 

「庵歌姫だ。お前と同学年になる」

 

歌姫は立ち上がり、軽く頭を下げる。

 

「庵歌姫です。よろしくお願いします」

 

凛子も一礼した。

 

「秋山凛子だ。こちらこそよろしく頼む」

 

夜蛾は教卓へ立つ。

 

「現在、この学年は二人だけだ」

 

「互いに切磋琢磨しながら学べ」

 

「「はい」」

 

二人は同時に返事をした。

 

 

---

 

午前中は座学だった。

 

呪力とは何か。

 

呪霊とは何か。

 

帳の役割。

 

補助監督の仕事。

 

一般人へ呪術を秘匿する理由。

 

凛子は黙々とノートを取る。

 

(理屈は違うが)

 

(やること自体は対魔忍と大きく変わらない)

 

昨日まで抱いていた違和感が、対魔忍(原作)との差異が少しずつ解消して整理されていく。

 

「秋山」

 

夜蛾が問い掛ける。

 

「復習だ。呪霊とは何だ」

 

凛子は少し考えて思い出し、答えた。

 

「人の負の感情から生まれる存在」

 

「それを祓うのが呪術師」

 

夜蛾は静かに頷いた。

 

「理解が早いな」

 

歌姫は横目で凛子を見る。

 

(昨日来たばかりなのに……)

 

その理解の速さに素直に感心していた。

 

 

---

 

昼休み。

 

食堂。

 

向かいの席へ歌姫が腰を下ろした。

 

少し間を置いてから口を開く。

 

「秋山」

 

「ああ」

 

「昨日、高専へ来たばかりなのよね」

 

「ああ」

 

「急に環境が変わって戸惑ったりしなかった?」

 

凛子は味噌汁を一口飲み、静かに答えた。

 

「戸惑っても状況は変わらない」

 

「だから考えないことにした」

 

歌姫は少しだけ目を丸くする。

 

「……そう」

 

「あなたは随分落ち着いているのね」

 

「そうか?」

 

「ええ」

 

歌姫はそれ以上何も言わなかった。

 

(少し変わった人だけれど)

 

(悪い人ではなさそう)

 

それが凛子への第一印象だった。

 

 

---

 

午後。

 

訓練場。

 

夜蛾は二人へ木刀を一本ずつ渡した。

 

「今日は基礎を見る」

 

凛子は慣れた手つきで木刀を握る。

 

その所作を見た歌姫は小さく驚く。

 

(木刀の扱いに慣れている……)

 

夜蛾は静かに言った。

 

「秋山。構えてみろ」

 

「ああ。わかった」

 

凛子は自然な動きで中段に構える。

 

肩の力は抜けている。

 

重心も安定していた。

 

夜蛾は僅かに頷く。

 

(剣道の他は独学とは思えん)

 

続いて歌姫も木刀を構えた。

 

夜蛾は二人を見比べながら話し始める。

 

「剣や武術は術式を支える土台になる」

 

「どれほど優れた術式を持っていても、基本を疎かにすれば足元を掬われる」

 

「今日からは、それぞれの課題に合わせて鍛えていく」

 

「はい」

 

二人は力強く返事をした。

 

 

---

 

夕方。

 

寮へ戻る道。

 

歌姫が前を向いたまま静かに口を開く。

 

「同じ学年なんだから、これから色々あるでしょうけど」

 

「お互い頑張りましょう」

 

凛子は静かに頷く。

 

「ああ。よろしく頼む」

 

歌姫も小さく頷いた。

 

「ええ」

 

こうして二人は、同じ学年の仲間として歩み始めた。

 

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