FAIRYTAIL~錬鉄の魔導士~【凍結中】 作:深淵の守人
そう言えば、電源切れるの早かったなぁ。
一回それで書き上げたデータがおじゃんになって一日中泣きました。
では、本編へどうぞ。
一話
~一話 駆け抜ける地獄と怨念と悔恨と 《前編》~
目が覚めると真っ暗。
しかも、窮屈。
「何だ、何処だ、ここ?」
もぞもぞ動く。
「チッ、暴れんじゃっねぇ!!」
バシッ!!
痛っ、何かで殴られた。
何なんだよ!!
と、突然浮遊が俺を襲う。
ドスンッ!!
「痛っ!!」
受身すら取れなかったぞ!?
「オラ、出ろ!!」
やっと視界が明るくなったかと思えば、そこは洞窟。
周りにはみすぼらしい格好をした人達が隅っこで固まっている。
「何だ、此処は……?」
「お前が一生を過ごす仕事場だ。」
「わっけ分かんねー。」
バシッ!!
「黙って従ってればいいんだよ、餓鬼が!!」
木の棒みたいなので殴られた。
男は後ろにある牢の扉から出て、鍵を閉めてどっかに行った。
「おい、大丈夫か!?」
前から青い髪の少年が近づいてきた。
あ、見たことあるぞ。
確か、FAIRY TAILに出てくるジェラールだ。
「大丈夫、これぐらい何ともねぇよ」
柔道やってて何時も投げられてるし。
「はは、頑丈な奴だな。名前は?」
「咲夜だ。よろしくな」
「サクヤか。ジェラールだ、よろしく!」
俺達は握手した。
少年時代のジェラールってことは、此処は『楽園の塔』か。
「みんな、来いよ。新しい仲間だ」
ジェラールの呼び声に、ぞろぞろと子供達が寄って来た。
「初めまして、エルザだよ。」
うわ、小さいエルザだ。
目の前で見るとやっぱ可愛いー。
「?どうしたの?」
「あ、いや何でも。咲夜だ、よろしく」
俺はノーマルだ、ロリコンじゃない。
煩悩退散、と。
「ショウだよ。よろしく」
次に尖がった髪が特徴的な小さな少年から挨拶。
「ウォーリーだ、よろしく。ボソ(ミリアーナには手を出すなよ)」
続いて子供にしては妙に角ばった顔の少年。
丁寧に脅しまでつけてくれやがりました。
「あ、ああ」
将来、より角ばった顔を見ることになるのか、と思うと吹き上がる笑いを抑えるのに必死だ。
「ミリアーナだみゃあー。よろしくみゃあー」
間延びした口調で話す猫のように瞳が細い少女からも挨拶。
「シモン……よろしく。」
最後に若干老けた顔の少年がボソッと挨拶をした。
「咲夜だ。みんなよろしくな」
こうして、俺はジェラール達と仲良くなった。
あれから何日経っただろうか?
いや、何ヶ月か?
何年か?
時間という感覚がないこの中で、兎に角長い間過ごした。
分かった事といえば、まず何故か身体は縮んじまってる事(どこぞの小さい名探偵みたいだな)。
髪の色は黒だったのが緋色になっていた事(絶対神の仕業だ。そんなに衛宮が気に入っているのか?)。
それと、まだ強化の魔術すら使えないという事。
意外に拙いな、魔術が使えないのに。
今日はジェラール達と脱走する段取りになっている。
勿論、失敗するのも分かってる。
その後戦闘になるんだったら戦う力がなきゃ拙い。
ま、身体能力はあるみたいだし、生前やっていた柔道でやれるとこまでやるつもりだが……。
「姉さん、こっちだよ!早く!」
言い出しっぺのショウが先導する。
「ショウ!!でけェ声出すんじゃねェヨッ!!」
どう考えてもショウより大きな声のウォーリー。
「ウォーリーの方が大きい声みゃあー」
それを制するミリアーナ。
「へへっ、すまねぇ、ミリアーナ」
ウォーリーは大丈夫か、この調子で。
「エルザ……急がねえと奴等に見つかっちまう。」
シモンがエルザを急かす。
「う、うん。」
恐怖からか、エルザは震えている。
伊達に精神年齢こいつ等より上じゃないし、ここは年長者の出番かな。
「大丈夫だ、俺達はみんな一緒だ、怖くないぜ。何かあったら俺がみんなを守ってやるよ」
「サクヤ……。」
声色からエルザの安心感が漏れる。
「俺もいるぜ。」
そして、ジェラールがエルザの肩に手を置く。
「ジェラール……。」
「わーてるよ。な、大丈夫だ。心配すんな」
「うん!」
結果はやはり見つかった。
「脱走計画の立案者は誰だ?懲罰房へは、そいつ一人に行ってもらう。やさしいだろ?俺達は……ひひひひひ」
俺たちを捕まえた看守がそう言った。
これが優しさだって言うならアンタら人間じゃねぇよ。
ショウがガクガク震え出す。
恐怖するのは当然だ。
これまで散々逃亡を謀った奴らがぼろぼろになるのを見た。
どうなるのか先が見えてる、というほど恐ろしいことは無いだろう。
潮時だな。
「わ……「俺が計画した」……!?」
エルザの言葉を遮り、堂々と口を開いた。
これはエルザとジェラールを救える唯一の方法だ。
原作どおりならば此処で連れて行かれたエルザは右目を負傷し、エルザを助けに行ったジェラールは何者かに洗脳される。
この両方を避けるにはこれがベストだ。
「(おい!)」
ジェラールが小声で怒鳴る。
俺は振り返らず、言った。
「(逃げ出せる奴が行く方がいいに決まってんだろ?エルザ達を頼むぜ)」
最後のは嘘だ。
身体能力はあっても、体が子供並みで武器無しじゃ高が知れてる。
「俺が立案して、先導した。」
「ほぅ?」
看守は嫌らしく俺達を見回す。
「フン、この女だな。」
そう言って、看守はエルザの腕を掴み、引っ張り上げた。
ちっ、やっぱりエルザに目を付けたか。
どう足掻いても結果が同じように進むのか?
「連れてけ。」
エルザは看守の一人に連れていかれる。
「俺だ!!俺が立案者だ!!……俺が立案者だって――」
この場面を打開するには無理にでも対象を俺に向けさせなければならない。
俺は近くの木箱にあった鉱石を握り、
「―――言ってんだろうが!!!!」
思いっきり看守に投げつけた。
ゴンッ!!
鈍い音と共に、エルザを連れていこうとした看守は吹っ飛んだ。
「な、この餓鬼ィ!!」
看守が掴みかかろうと、腕を伸ばしてきた。
「おいおい――」
足下を回し蹴りして払う。
「―――足下がお留守だぜ。」
「こ、この餓鬼ッ!!もういい、コイツを連れてけ!!」
「サクヤ!!」
ジェラールの声を聞いた最後、無数の手が迫る。
その後、何人もの看守に取り押さえられ、俺は懲罰房を連れていかれた。
バシンッバシンッ!!
鞭で打たれる音が響く。
勿論、俺がやられてるんだが。
「この餓鬼、嘗めやがって!!」
鳴り止むことの無い鞭の音が耳を通り抜ける。
痛みで既に身体の感覚は無い。
「ハッ……驕りは……強者の特権だからな……。俺は………お前等みたいに……数だけ揃えた……弱虫とはちげぇーんだよ……」
虫の息でも皮肉は止める気は無い。
「ッ!!この―――」
怒りに狂った看守はどこにあったのか、剣を振り上げ、
「―――糞餓鬼がぁ!!」
俺の右目を思いっきり斬った。
「があァアァアアアァァアァッ!!!」
痛い、痛い、イタいッ!!
考えればそうだ。
本来、右目を負傷するのは
それを肩代わりしたと言うことは、その因果を受け取るのはサクヤなのだ。
けたたましい悲鳴の後、吊るされたサクヤはぐったりと垂れた。
「アハハハハ、いい気味だな!」
「おい、やりすぎだ」
「チッ、何だよ!?いいところなんだよ」
「それにそろそろ外の見回りの時間だ。行くぞ」
「チッ!」
かんシュたチはでテいった。
イタい。
ナマじ、エイレイノにくたいをサイゲンしてあるだけアッて、ショック死は、させテくれないラシイ。
激痛に襲われながらも、サクヤの意識は途絶えた。
「こっちだ、エルザ!!」
「うん」
ジェラールとエルザは牢を抜けて、咲夜を探しにきていた。
エルザ達は懲罰房を見つけた。
そこで、横たわる咲夜を発見した。
「「サクヤ!!」」
二人は咲夜に駆け寄る。
二人係で吊るされたサクヤを床に下ろす。
「おい、しっかりしろ!サクヤ!!………!?」
徐にジェラールは昨夜を抱き起こす。
「……酷い……」
エルザがそう呟くのも無理は無かった。
ジェラールとエルザは見てしまったのだ。
無惨にも右目を切り裂かれたサクヤを………。
「俺達が………俺達が何したっていうんだよ……」
「兎に角運ばないと……」
エルザがジェラールを促す。
その時だった。
「脱走者はこっちだ!」
外で慌しい足音が無数に聞こえる。
「チッ、サクヤを連れて先に行け!俺は攪乱して戻る!」
ジェラールは転がっていた石を引っ掴み、駆け出す。
「わ、分かった!」
ジェラールが懲罰房を出てすぐに声が聞こえる。
合い音が遠ざかるのを待って、エルザはサクヤを連れて出ていった。
一方ジェラールは看守達を引き連れて遠回りをしながら牢へ向っていた。
「おい、こっちだ、ノロマ共!!」
「あっちにいたぞ、捕まえろ!!」
時折後ろを振り返り、わざと声を上げて引き付ける。
それでも追いつけない看守達を見て安堵していたのだろう。
「これなら逃げ―――」
だから前に注意を払って無かった。
ドスッと何かにぶつかる。
「―――えっ?」
「イテェじゃねぇか……糞餓鬼ィ!!」
バシンッと音が響く。
前から来た看守は手にしていた木の棍棒でジェラールを殴った。
「ガッ!!」
短い悲鳴を上げて、ジェラールはそのまま倒れ込み、気を失った。
「チッ、手こずらせやがって」
その頃、エルザ達は自分の牢に戻って来ていた。
「姉さん!!サクヤ兄さんは!?」
戻ってきた二人を見て、ショウが声を上げる。
「………。」
しかし、エルザは黙って、ゆっくりサクヤを横たわらせた。
それだけでも見えただろう。
……サクヤの状態を。
「あ、あぁ……」
ショウはただただ口をパクパクさせていた。
立案者だった手前、罪悪感と恐怖で表情が強張っていた。
「何という事を……。」
近くにいたロブお爺ちゃんはサクヤを見て言った。
私のせいだ。
私の……。
「……エル……ザ?」
「サクヤ!?」
意識を取り戻したサクヤに、私は駆け寄った。
「何……悲しそうな……顔……して……んだよ?可愛い……顔が……台無し……じゃ……ねぇか」
サクヤの手が私の頬に触れる。
「泣くな……お前の……せいなんかじゃ……ないんだ」
「でも……」
「この世は不条……理な……事だらけだ……手を伸ばせば………離れていって……しまうほどに。それでも………俺達は……追い求めなければならない」
息も絶え絶えで、それでも言葉を紡ぐサクヤの言葉をしっかりと聞く。
「…遠くても……求め続けろ。その先に……ある
そこまで言って、またサクヤは意識を失った。
「グス……もうやだ……もう、こんなトコやだぁあああ!!」
ショウが泣き出す。
その騒ぎを聞きつけ看守がやって来た。
「何の騒ぎだ!!」
看守が牢を開けて、入ってきて脅す。
「ガキ、黙れ!黙らなねぇと、舌引っこ抜くぞ!!」
「ショウ、落ち着け」
「ショウくん、大丈夫だよ、おじいちゃんが近くにいるからね」
ウォーリーとロブお爺ちゃんがショウを宥めるのが耳に入ってくるが湧き上がってくる恐怖に襲われる。
私は耳を塞ぐ。
怖い、怖い!
また誰かが傷つく。
また……。
その時、サクヤの言葉がリフレインされた。
「この世は不条……理な……事だらけだ」
彼は私達より少し大人びていて―――
「それでも………俺達は……追い求めなければならない」
何処か遠くを見ていて―――
「…遠くても……求め続けろ」
誰より優しい笑みを浮かべて励ましてくれる―――
「その先に……ある
だから、少し勇気を出してみよう―――誰も傷つかない世界を夢見ることは、間違った事ではないのだから。
「うわあァァアアアァァアァァアッ!!」
エルザは看守から槍を奪い取り、二人の看守をまとめて凪払った。
そこにいたみんなが驚きの声を上げる中、エルザは声を張り上げた。
「従っても、逃げても、自由は手に入らない。戦うしかない!!自由の為に立ち上がれぇぇ!!」
オオオォォォ!!
牢に大勢の人達の声が響く。
反乱の開始だった。
「今日中に第八セクターを解放する!!みんな、頑張って!!」
エルザは、反乱軍を先導する。
「無茶だ!あそこは兵の数が多い!」
仲間の一人が声を上げる。
対して、エルザも言う。
「あそこにはジェラールがいるんだ!!サクヤなら、きっと助け出すって言うよ!!」
近くで聞いていたウォーリーは、隣を走るシモンにニヒルな笑みを浮かべて言った。
「サクヤなら……だとよ。脈なしだな、シモンさんよ?」
ドサッとシモンは咲夜を地面に落とし、引きずりながらエルザに近づいていく。
「お、おい、サクヤを雑に扱うなよ!!」
ウォーリーは流石にやり過ぎたか、と思った。
「エルザ、お前サクヤの事好きなのかよ?」
シモンが徐に尋ねた。
「は?こ、こんな時に……な、何言ってるの?そんな話、今は……」
図星なのか、エルザは少し頬を赤く染めてあたふたとする。
「俺はお前が―――」
シモンがその様子に絶えかねて口を開こうとした。
その言葉は最後まで続かなかった。
ゴォーーーンッ!!
轟音と共に飛んできた劫火がシモンと咲夜を吹き飛ばした。
「シモーーン!」
ミリアーナが声を上げる。
轟音の正体は魔法。
つまり―――
「魔法兵だーー!!」
「逃げろーー!!」
―――最悪の展開だ。
反乱軍は一斉に退却を始めた。
前作での文章に手を加えただけなのでおかしな表現があったかもしれません。
アドバイス有りましたら宜しくお願いします。