俺はあの時から彼女に惚れていたのかもしれない。
*
⓪の4話は、春色深雪の第二作「Be My Girl←♡」の中にある、「リトルステラのゼラニウム Prelude」に収録されているものを、修正・改編したものになります。
人生で初めて完成させる(予定の)、ちゃんとした連載です。
最後に連載を書いていたのが11年前。もうそんな時間がたってしまったのか、という思いはありますが、その頃から幾分か進化した自分を、作品を、お見せできれば幸いです。
感想等、是非お待ちしています。
作者ページにXのアカウント、マシュマロ(匿名質問箱)もございます。
よろしくお願いいたします。
⓪ - 1 White
ああ、もう起き上がりたくない。
うだるような暑さの生徒会室。副会長というよく分からない役職。どうしてここに俺はいなければならないのか。面倒なこと――行事――ばかりの二学期が始まったなと思いながら、シャツのボタンを外す。九月だろ、夏はもういいよ。そんな言葉とともに籠った空気が抜けて、少しだけ渇いた空気が入ってくる。天井を仰ぐ。見慣れたシミの数を、いち、に、と数えてみる。あんな形のシミ、あったっけ。オーバーヒートしそうな頭を右手で掻く。ああ、何故こんなことをしているのか――
こんこん。
「失礼します、生徒会長はいらっしゃいますか?」
扉が開いた。律儀にノックをする人、ということから察するに、どうやら客らしい。慌てて顔を起こし、振り返る。
赤毛の髪先が揺れて、茶色の瞳と目が合う。振り返った俺の動きが一瞬止まる。カチューシャによって整えられた髪型。上まで締められた、真っすぐと伸びるネクタイ。しわ一つない制服のスカート。真面目そうな口調と振る舞い。視線を奪われる。
そんな俺をよそに、きょろきょろと見まわして目当ての人がいないと見た彼女は、言葉を紡ごうとするも上手く言葉が出ないらしい。
「あ……えっと、いつ戻られるとか分かりますか?」
「いや、これが分からないんだ。何か用だった?」
「はい、前に提出を頼まれていた資料を渡しに来たんですけど……」
「なら代わりに預かっておくよ」
「分かりました。じゃあ、お願いします」
「名前だけ聞いてもいい?」
「2-Aの田中琴葉です」
「田中さん、ね。分かった、渡しておく」
「すいません、よろしくお願いします」
律儀に頭を下げて、失礼しました、と付け加える。そのまま背を向けずに一歩下がって、扉を丁寧に閉めた。また静寂がやってくる。
「もしもし」
『あ、もしもし? 田中さん、持ってきた?』
「ああ、持ってきたよ。……で、どこにいるんだ?」
『そんなのどうだっていいだろう? 明日受け取るから持ってて』
「なんでだよ」
『生徒会副会長の仕事は、会長の補佐なの。で、これは会長命令な訳』
「はいはい」
『分かればよろしい』
「いつか絶対ぶん殴ってやる」
『はいはい、じゃあまた明日』
「はいよ」
ぷつっと切れた。電話の耳が当たっていたところを軽く拭って、ポケットに入れた。ボタンを閉めて、ネクタイを締め直す――のところで、田中さんが来た時そのままだったことを思い出した。……まぁ、いいか。回していた扇風機を止めて、椅子を正す。電気を消すと、まだ明るいグラウンドからの光が差し込んだ。夏も、もう終わる。
さっきの会長との話を思い出して苛立ちを覚えるも、不思議と嫌な感じはしなかった。いつもならもっと腹が立つのに。生徒会室の扉に手をかけた時、脳裏に赤毛の少女がよぎる。目に焼き付いていたその姿を思い出して、呟きかけて、やめた。その答えは、なんとなく、まだ出したくない。そう思った。
*
「それでは、第二回文化祭実行委員会を始めます。まず第一の議題から――」
隣の会長が、人前で話す用の明るい声で話す。普段は学級委員会と生徒会長のみの出席であるはずのこの会議に、副会長である俺が呼ばれたのは完全にこいつの私怨だった。なんでも、「生徒会が俺一人なのは心細い」とのこと。そんなのはどうも方便で、俺を巻き込みたいだけのが透けて見える、なんともくだらない理由だ。会議資料で汗が吹き出した顔を仰ぎたい気持ちが湧くも、堪えた。
話の内容は、文化祭の出し物について。例年、縦割りで舞台・展示・模擬店の三種類を管轄しており、今年は一年から三年のAクラスが担当するのだが……どうやら模擬店担当の3-Aの資料が色々と抜けていて大変らしい。三年中心に意見が飛び交う。紛糾する会議を、俺はどこか引いた目で見つめる。
そんな中で、あわあわとしている見覚えのある赤毛の生徒が見えた。田中さんだ。そういや、前に資料を出しに来たってことは、学級委員だったのか。まぁ、ちょっとそれっぽい感じはするもんな、と黙っている分有り余る言葉を頭の中で呟いてみる。とはいえ、彼女の発表はこの後だから、こんな会議の状態を見せられて、さぞ不安に違いない。心の内でご愁傷様です、と手を合わせるも、俺にできることはない。言われた通り、座っているだけだ。
「では、とりあえず模擬店の衛生管理については持ち帰って、次の会議でお願いします。では次、2-Aから、舞台発表について、お願いします」
「わ、わかりました」
会長が時計を見て察したのか、区切りをつけると、途端に2−Aに回ってきた。男子もいるが、どうやら話すのは田中さんらしく、驚いた表情で立ち上がった。
「え、と、まずは舞台発表のタイムテーブルから説明します」
一呼吸置いてから、落ち着いた声に戻ると、すらすらと手元の台本や資料を元に話し始める。事前に配られていた資料を見ながら、まとめられているそれを確認する。手書きではあるものの、丁寧な文字と表。なんだか、らしいな、と思った。
その後の会議は円滑に進んだ。資料について説明し、特に質疑応答もなく、展示発表についても同様に進んだ。これ以上荒れなくてよかった、と胸を撫で下ろす。
ぞろぞろと学級委員が退散していく。静かになっていく会議室を見渡す。最後まで椅子を整えたり黒板を消したりしている、その後ろ姿は。
「田中さん」
「あ、副会長。お疲れ様でした」
「田中さんも、お疲れ様。緊張したんじゃないか?」
「はい……そうですね、緊張しました」
「次回の会議はああならないといいな」
「そう、ですね」
その返答で曇った表情が見えて、答えようのない問答をしてしまったと、心の中で反省する。何か、何か別の話題は……。
「そういや、田中さんのクラスは何するんだ?」
「うちは、劇です。二年生が舞台発表担当なのもあるんですけど、みんなの希望で」
「劇か……となると、これから練習期間だよな」
「そうですね、今日もあります」
「じゃあここの片付けは俺がしておくから、先行きなよ」
「あ、いえ、そんなわけには」
「いいからいいから、他はみんな帰ってるし、俺はどうせこの後も暇だから。頑張って」
「あ、ありがとうございます」
申し訳なさそうに、でもちょっと嬉しそうな彼女の背中を見送る。カバンを持って駆けていく彼女の背中は、どこかのドラマに出てきそうな、そんな雰囲気だった。
*
文化祭準備もいよいよ大詰め。十月半ばともなると、文化祭準備時間割になって、午後の一時間は必ず準備に充てられる。とはいえ、生徒会の俺は「生徒会本部役員は生徒会室集合」とのことで、二階の生徒会室に入り浸ろうとしている訳だが。なんとも張り合いのない。カバンを肩に担いで、だらだらと歩く。廊下の窓から見える空。大きな雲を作った夏が過ぎ、真っ青の秋晴れ。呆然と眺めながら生徒会室の前まで来る――と、その時、中央階段から足音がした。
振り向くと、そこには。
「田中さん?」
「あ、副会長……」
「あれ、2-Aって今体育館練習じゃなかったっけ」
「そう、なんですけど」
「なんかあった?」
「あ、いや、特に何かあったわけではないんですけど……」
都合の悪そうな顔で、目を右下に逸らした彼女。二年生のフロアは三階なのに、わざわざこのフロアにいる理由を考えるも、真っ当なものは浮かばない。とはいえ、この表情の彼女を放っておくわけにもいかなくて。ああ、一瞬の時間が過ぎてしまう。返事をするタイミングを逃しそうになる。待ってくれ、と願って出てきた言葉は。
「寄ってくか?」
「え?」
「生徒会室」
目の前の扉を見つめてから、振り返る。茶色の瞳が見開かれる。
「話ぐらいなら、聞けるかもしれないだろ?」
思ってもない言葉が出てきて驚きたいのは俺の方でもあったが、なるべく平静を装って、言葉を紡いでみる。
ノブを捻る。中に居たのは、生徒会長ただ一人。窓辺で姿勢よく立っていた会長は、田中さんと俺を交互に見るなり、少しにやっとして。
「いらっしゃい、お茶でも飲む?」
他所行きの声で、そう呟いた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう、ございます」
いきなり入った部屋の中で紅茶が上級生から出されれば、そりゃこうなる。田中さんはペットボトルで紅茶を受け取る。ひとくち。香りのおかげか、少し顔が緩む。
「どう? 落ち着いた?」
「はい……ありがとうございます」
「こういう時のために、ペットボトルで常備してるってわけ」
「会長は紅茶がお好きなんですね」
「まぁね。ちなみにこれは経費で落としてる」
「えっ!?」
「うそうそ。お小遣いから出してるよ。ちょっと高いけどね」
嘘なのか本当なのか分かりづらい適当なことを言う会長に、表情をコロコロと変える田中さん。人をいたわるとか慰めるとかいう態度じゃないだろ、と突っ込みたくなるが、空気が壊れそうなのでやめておく。
「で、なんで入れたの?」
「なんで、って、そこで会ったから」
「そこで会っても普通は入れないでしょ」
「いやまぁそうなんだけども」
俺と会長が言葉を発するのに合わせて、田中さんの視線が左右に振られるのが見える。ずっと見られてる感じがして落ち着かない。あの状態を放っておけないのはそうだったんだが……今こうしているのが正解とは言えない、というこの状況が俺の自信を三十パーセントほど削ぎ落としていた。
「というわけで、こいつは何にも教えてくれないからさ、田中さんに聞きたいんだけど」
「は、はい」
「何があったの?」
会長がよっこらせと腰かける。そのまま彼女に向き直ると、単刀直入に切り込んだ。前置きや探りのない一撃。そんな訊き方をして大丈夫か、と思わず驚きながら彼女を見つめる――
「えっと、その……なんというか」
「はっきりしてない?」
「い、いえ! はっきりはしてるんです。ただ、どうしようもできなくて」
「劇の練習で何かあった? 田中さんのところ、劇だったよね」
「そう、ですね……」
喉まで出かかっている言葉を、上手く出せない様子で。出したくても出せない、苦みのある顔で。
「練習でもめた? 上手くいってないなら仲裁ぐらいはしてあげられるけど」
「あ、その、そういうんじゃなくて……その」
だから、結局俺は「こういう判断」を選んでしまう。
「無理して聞かなくてもいいんじゃないか」
「え?」
「いつも結論を急ぎすぎなんだよお前は。俺らは困らないんだし、ここに居てもらったっていいだろ」
「いや、でも、問題があるならちゃんと解決しなきゃ駄目じゃん」
「今じゃなくていい、ってこと。……時間は、まだあるだろ」
「だけど――……はぁ、じゃあそれでいいよ。こういう時、下がらないからな、こいつ」
今じゃなくていい、の言葉で目が合った俺と彼女のことを見て、会長はひとつ溜息を吐く。いつもは敵わないが、こういう時ぐらいは、我を通させてほしい。そんな願いが、ちょっとは通じたのだろうか。
「紅茶」
「え?」
「それが飲み終わるまでなら」
とはいえ、納得はしてないらしい。不貞腐れたように窓を見つめながら、もう一度ため息を吐いた。
「ありがとな」
背中を向ける会長に一言だけ礼を言って、俺も椅子に腰かける。しばらく、校舎の中から響く賑やかな喧騒に耳を傾けて、目を閉じた。
「ありがとうございました」
「いーえ。またおいで。ごちそうするよ」
「会長はいつもこんな感じだから気にしないでくれ」
紅茶を飲み終えた彼女は、律儀なお礼をして、あの日――書類を渡しに来た日のように、一歩下がって、丁寧に扉を閉めて出ていく。
「上手くいくといいが」
「どうだろうね。結局、何が問題なのかも、何を解決すべきかも、分からないままだったし、これからの彼女次第じゃない?」
「まぁそうか。……彼女のところの劇、題目何だっけ」
「えっとね……確か企画書に……あったあった」
「『ロミオとジュリエット』、だね」
*
それから、特に何もないまま、文化祭準備期間は過ぎていった。空を飾る枝木は、緑から赤へ、季節は初秋から晩秋へと移り変わっていく。校舎内も、夏服と冬服が混じり始めた。これなら、文化祭当日の空調設備で生徒会にクレームが来ることはなさそうだ。
校舎を出ると、金木犀の香りがした。最近は秋という季節を忘れるほど、あっという間に暑さから寒さへと変わってしまうから、この香りすら忘れてしまっていたなと気づく。携帯を開いて日付を見る。十月三十日。明日が文化祭一日目。ようやくひと仕事終わるという達成感と、高校最後の文化祭という寂しさが同時に押し寄せていた。一度だけ、うんと背伸びをする。校門へと向かう俺の足音が、遠くまで響いて返ってくる。こういう寂しさも、秋の特徴だったな、と思い出しながら歩く。校舎の方を振り返ると、まだ何か騒がしい。おそらく徹夜で泊まりこむ準備組の声だろう。隣の体育館も、まだ明々としている。
……田中さん、上手くやってんのかな。なんて、どんな立場から言ってるんだと言われそうな考えが、頭から飛び出してくる。あの日以来、会議で顔を合わせることはあっても、会話はまともにしていない。ただ、ずっと姿を目で追ってしまっている自分がいて、若干の気持ち悪さと罪悪感が押し寄せていた。とはいえ、気になってしまうものは仕方ない。あの真面目そうな彼女が、練習を抜け出すほどのことだ。踏み込まないのが正解とは分かっていながらも、気にしてしまってはいる。……会長の言う通り、あの場ではっきりさせておくべきだったかもしれないと、何度か思った。
そこまで思って初めて、足を止めた。体育館の方を見てみる。もしかして、まだいるかもしれない。いや、見に行くのは気持ち悪いか……いやいや、巡回だって生徒会の仕事の一環だ。現に残りの巡回を押し付けて出てきたばかりなのだから、ちょっとぐらい手伝ったって本来の業務通りだ。それに、最終下校まではまだ時間もある。たまには、いいだろ。脳内で言い訳をバイキングみたいに並べてみる。どれもちっとも美味しそうではないけれど、今はそれでもいい、といくつかそれらを頭に取り置いて、足を体育館に向けた。
「名前なんてなんの意味があるの? バラは……あの美しいバラは、どんな名前で呼んだとしても、同じように甘く香るというのに!」
扉をゆっくりと開くと、そこにいたのは、たった一人。明々と照明がついた体育館のステージ。熱気がこもったその場所に、一人、高らかに、台詞を読み上げている。悲壮感あふれる顔つきのまま台詞を読み終えると、神妙に思い悩みながら、数歩戻り、また叫ぶ。
「名前なんて……何の意味もない。バラは、どんな名前で呼んでも、同じように美しく、甘く香るの……!」
何の装飾もないステージの上で、体操服の彼女が叫ぶ。胸に左手を当て、右手で目の前の障害を振り払うように、その声と共に突き破るように。その勢いで赤毛の後ろ髪がふわっと揺れた。
そんな懸命に叫んでも、ジュリエットは報われない。それでも――
「はぁ……っ、はぁ……っ」
その場で座ってしまう彼女。肩で息をしながら、汗を拭っている。でももう一度。膝に手をついて立ち上がる。汗をもう一度拭って、顔を上げる。決意の顔。
そこまで見届けて、ようやく我に返る。なんて声をかけようか。劇の台詞のような言葉は手持ちにない。持ち合わせは、さっきの言い訳バイキングで取ってきた、ありあわせの言葉だけ。
ただ、そんな言葉でも、今はいい。
「綺麗だな、びっくりした」
予想通りこの場所にいたという優越感と、そして予想外に真に迫る演技による衝撃が入り交じった、今抱いている言葉なら生まれてくる。気づけば、そんなものを零していた。
「え、副会長……?」
「体育館電気ついてたからさ、巡回」
「あ、お、お疲れ様です」
「一人?」
「はい、みんなは、もう帰っちゃって」
「熱心だな。今日はずっと?」
「そうですね……放課後は部活で参加できてなかったので」
「何部だっけ」
「演劇部です。なのでやってることとしては変わらないんですけど……あはは」
「へえ……そりゃすごいな、さすが本家だ」
「え?」
「いや、さっきの演技。台詞をアレンジしながら読んでた?」
「え、はい……どうすればしっくり来るかなって」
「ロミジュリの中でも名台詞だし大事だよな、そういうの。なんかそういう工夫してる生の現場が見られて、びっくりしたよ。演劇部って感じした」
「あ、ありがとうございます」
「……上手くいってない?」
「ほとんど合わせられてないので、上手くいってないというより、分かんない、という方が近いと思います。……でも、参加してない私のせいですから」
「それで残ってたのか」
あはは、と困ったように笑う彼女の姿が痛々しくて、咄嗟に紡ぐ言葉を探してみるも、上手く慰めたり労ったりするのにふさわしいものは見当たらない。……まただ。この前の生徒会室と同じ。
いや、それなら――
「付き合うよ、練習」
「え、でもお仕事中では……」
「いいんだよ、適当に誤魔化すから。まぁ、俺は演劇なんてやったことないから何ができるかも分かんないけどさ」
あはは、と、同じように困った笑いを浮かべてみる。
なるべく同じ視点に立つことはできるんじゃないか。一人じゃないなら、できることもあるんじゃないか。そんなことを思っていた気がする。
「……分かりました。じゃあ、いくつかパターンをお見せするので、どれが一番いいか見ててください。ロミオとジュリエット、大筋は分かりますか?」
「大丈夫、昔読んで覚えてる」
「じゃあこのシーンの、ここから――」
そうと決まれば、と歩み寄る。高校最後の文化祭が寂しいと思っていた気持ちはどこかへ飛んでいっていた。代わりにやってきたのは、まだこれから始まるんだ、と久々に熱くなる鼓動。
別に、田中さんに肩入れする理由なんてない。たまたま縁があっただけ。たまたま気になっただけ。それでも、今こうして最後の時間に色付けをしてくれたのは、間違いなく彼女だ。なら、多少は張り切ったっていい。また言い訳の皿がひとつ増える。でも、この皿は独りよがりなものじゃなくて、たった一度しかないこのチャンスのための前菜だ。
勢いよく平らげて、向き合う。文化祭の前夜祭は、これからだ。