価値観置き場ー 作:なんで?
「何故、人は全てを有効に出来ないのだと思う?」
とある少年は、ポツリとその言葉を溢した。
「そりゃ、どういう意味だよ?」
「そのままだ。勉学、スポーツ、体操、学歴。人が讃えられる要因の大半はそれだ。ならば、何故人はそれに全てを割かない?
YouTubeを見たとて、何になることもなし。オナニーをしたって、何か自分が成長するわけでもない。不合理の極みであることは確かだろう?」
「的は得ている。得ているが、それは人生に対して見解が浅すぎだな。」
「ふむ?どういう意味だ」
「楽しさと幸せ、これらの概念は似ているようで、まるで違う。主観的な快楽と、恒久的な満足感感。これらの天秤が人を狂わすのさ。
例えば、友達とのカラオケ、何ならゲームでもいい。それを通して談笑し、笑い合い、感情を分かち合う、それは確かに充実な何かだと断言できるだろう。ただ、それは君が先ほど挙げていた努力とは程遠く、直接に未来に繋がることはない。」
「いやいやいや、少し待て。それを無意味だと断じるのは無理があるだろう。確かにそれは何かを生むことはないが、将来助け合う仲間、環境を整えるための友人関係、それらは人生において重要なものだろう。それを育むのは無駄だというのは、何とも。」
「それこそが、人生の味噌だ。
人はその今が正解がどうかなんて、分からないものさ。飲み会に参加しなければ休日をもっと別の何かに使えたかもしれない、遊ばずに試験勉強をしてれば、もっとマシになっていたかもしれない。推測できたことだ。
ただ、人はどうしても何かを期待してしまう。もしかしたら、次の動画で腹が捩れて止まらなくなるほどの何かと出くわせるかもしれない、もしかしたら人生が変わる作品に出会えるかもしれない。もしかしたら、永遠の宝と言える瞬間を友人と分かち合えるかもしれない。
そんな甘い期待が、消えてくれないのさ。」
「では、どうしろと?」
「捨ててしまえ!そんなもの!・・・と言いたいが、それは人である以上無理だろうな。
だから、派手にしろ。遊びに行くなら、泊まりにいけ、遊ぶなら金を使って、妥協はするな。変に中途半端にやったとて、それは意味をなさんよ。」
「なるほど。」
「だが、どうしてもその派手さ維持できん。疲れている、動けない、夜遅い、でも何かを楽しみたい。その結果が、今の俺の惨状さ。
だから、能動的、というのがキーワードなのだろうな。もし自分の意思でなすことなら、それに後悔が生じることはない。過ちを犯すことがあっても、その時は常に確信犯であれ。」
「自慰行為は、後悔できん。睡眠時間を削ったとて、どうせ時間を潰せば元に戻る。」
「行動の蓄積。これを舐めちゃいけない。その日常の一手一手の過ちが、取り返しのつかない底なし沼を作るのさ。
だから、自分に課せ!義務と、欲望を!何かを成したい、理想の自分に近づけるような何かを!なせ!
趣味と仕事、勉学!勉学はやりたくないことの連続だろう、退屈で、挫折と常に共にある!そういう趣味でも同じだ!何かを成すなら、失敗というのはどうしても生じる。時にはそれが重なり合って、逆効果になるかもしれない!
だが!それが人生における幸せというやつを生む!」