価値観置き場ー 作:なんで?
「本当の楽しさ、とな。随分と大きく、不確かなものだ。」
「だが、それ以上に魅力的で、絶対的なものだろう?」
ふっ、とようやくそこで一息ついた。
「たのしさか、それを感じるのは。何だろうな。勉強の成果がうまく実った時?創作物の感想を読んだ時?他人の作品を読んで感動してた時?あるいは疲れ切った体を休める時だろうか。」
「ふむ、それは受動さと能動さを掛け合わせているようだね。
何かを摂取する時は無意識に時間に身を委ねれば良い訳だ。だが、そうはしたくないのだろう?その道は幸せへと繋がってないのだから。」
「そうだ。俺が求めるのは瞬間瞬間が楽しくて、かつそれがためになる時だ。」
「それをいうなら、睡眠というのが最も適しているね。
瞬間の快楽というのなら自慰行為というやつかな?あとは音楽をかけての勉学。それらのことかな?
じゃあここで、君が最も求めていることについて整理しようか。今君が最も費やしたいのは、何の時間かな?」
「それは・・・受験勉強、のはずだ。」
「あぁそうだ、それが義務だ。だが現実問題君はそれを成し遂げられていない。こうしてスマホで執筆し、あるいは動画を見て時間を消費している訳だ。
それは、悪であると思うかい?」
「悪、理性で考えるのなら確実に悪だ。ただ、なんだろうな。今はそれを自覚しつつも体が動かん。いや、焦燥感は抱えつつも、それへと向き合えないのだ。」
「限界だね。そこが君の限界だ。なら、それを改善しなくてはならない。どのように?理想を語れよ。」
「理想を言うのなら、ペンを握り、全ての時間を机と向き合っているべきだ。そして、安心して第一志望へと届くレベルまで達したい。」
「ただ、今はそのレベルからは程遠い。もっと基礎に時間を割いて、割いて、割いて、そして合格できるだろう。
でもそうはならない。なってくれないんだ。何故なら、今までの蓄積があるから。でも君はこうも思っている、まだ間に合うと。まだ本気を出せば届くレベルにあると、そう思っている訳だ。
そこが雑魚なんだよ、君の。」
「その通りだ。返す言葉もない。」
「何故、君は他の優れた人と区別がついてしまう。100回テストを受けて100回負けてしまうような成績になってしまう?
それはね、足りてないんだよ。知識が、経験が、努力が。」
「あぁ、きっと明確な線引きというのはそこから来ている。」
「地頭には差がないんだろう?だったら、つぎ込んだ時間で変わるに決まってるじゃないか。
なら、君は今からでもそれに飛びつくべきなんだ・・・とは言っても、それはしないんだろう?」
「まだ俺は、答えを得ていない。努力できるための、幸せの答えを。」
「馬鹿か。ないよそんなの。努力してるやつは、努力しないための努力をしている。所謂ルーティーンってやつさ。
君が必死こいて机に座る前に、相手は当たり前に座ってる。
君より成績が上のやつが、全員答えを当てると思うか?そんな人生の答えがポンポン手に入ったら怪しい宗教なんて設立しないのさ。」
そうだ、皆んな普通に笑ってる。自分は何も特別なことをしてないというように、笑ってる。
「ただ、俺はそれでも見つけたい。その、meaning を。」
「ないっつてんだろ。ボクの答えはこうだ。勉強するマシーンになれ、馬鹿。」