その魔法少女、死霊魔術師につき   作:やーなん

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異界神話の使者

 

 

 

 イグニスは早々に後悔していた。

 

 エンバーマーの作業の見学を申し出た彼女は、目の前で死体を切り貼りするという光景を見せつけられていた。

 視覚は言うに及ばず、薬品のツンとした匂いとひどい死臭、そして肉を切り裂き骨を繋ぐ音が聴覚を苛む。常軌を逸した狂気の空間だ。

 

 まともな感性なら一生のトラウマになりそうな状況だった。

 変身中でなければ何度吐いていたかわからない。

 

 しかし、ゲダモノもまたB級ホラーに出てくるグロい見た目の怪物である。

 それと一年半、第一線で戦ってきたイグニスはギリギリ持ちこたえていた。

 ましてや、自分の身体はこの狂気の産物で構成されている。

 目を逸らすことは赦されなかった。

 

 その上、この作業は自分の仲間を蘇らせる工程なのだから。

 

「ねえ、ひとつ聞いて良い?」

「なんだ、今集中してんだよ」

「いや、あんたから見てゲダモノってどういう生き物に見えるのかなって」

 

 語弊があるかもしれないが、エンバーマーは人体の構造において一つの道を究めたプロフェッショナルだとイグニスは評価している。

 

 ゲダモノは人体を取り込み、無数の臓物や手足を生やして増殖する怪物であり、災害だ。

 イグニスはとうの昔に、そんなイカレた生態を理解することを諦めていた。

 

「私は科学者じゃねえよ、芸術家。アーティストだ」

「ゲダモノの専門にする科学者なんていないよ。私達、魔法少女が徹底的に駆除するから、サンプルの確保も困難で世界規模で研究が進んでないからね」

「ふーむ。私の所見で良いなら話してやる」

「ああ。教えてよ」

 

 エンバーマーはメスを持つ手を止めた。どうやら、作業しながらの雑談は主義に反するらしい。

 

「ゲダモノがあんなグロい肉塊を生やすのは、恐らく進化の過程だ。

 連中の細胞……それが俺達の常識が通用するものか分からないが、常に変異を繰り返している。

 あいつらが人間を飲み込んで臓物や手足を生やすのは、地球環境に適応する為だと考えられる。今この地球環境適応している人間を模倣するのは実に手っ取り早い」

「ああ、何かの番組で偉い学者の先生もそんなこと言ってたな」

「この過程で興味深いことが一つある」

 

 血塗れの手術衣を纏ったエンバーマーは、マスクを下ろしてニヤリと笑って見せた。

 

「動画などで確認できる限りで、唯一ゲダモノどもが模倣しない臓器がある。なんだと思う?」

「え……。いや、考えたことも無い」

「ヒント。お前が持ってないモノだよ」

 

 イグニスはますます混乱する。

 エンバーマーは意地悪く笑った。

 

「正解は、脳みそだ」

「私に頭が無いって言いたいの!!」

 

 イグニスが怒鳴り散らすが、彼女はその反応を楽しむようにケラケラと笑うだけだ。

 

「だって、考えてもみろよ。ゲダモノは手も足も、目も鼻も耳も生やす。

 だがそれを制御する頭脳だけは決して生成しない。これって無意味で、不自然じゃないのか?」

「……確かに」

 

 イグニスは彼女の理知的な解説に毒気を抜かれて納得した。

 人間を模倣して進化するなら、人間の中枢である『脳』そのものを模倣した方が、確実に次のステップに移行できるはずなのだ。

 

「ゲダモノが脳を生成しない理由は、幾つか仮説が考えられる。

 一つ目は、脳は人体の中でも極めてエネルギーの消費が激しく、熱に弱いから。

 そして脳は人体でも特に熱に弱い。高熱を発するゲダモノとは相性が悪い」

 

 なるほど、とイグニスは相槌を打つ。

 

「二つ目の仮説は、そもそも脳が必要無いから」

「脳が必要無い?」

「だって、ゲダモノはああやって空に孔を開けて、デタラメに粘液を垂れ流すだけで最強なんだぜ?

 魔法少女達がいくら阻止しても、連中はやり方を変えない。変える必要が無いんだ。

 じゃなかったらおかしいじゃないか。連中のあの異常な進化速度なら、魔法少女の戦術を学習して、本能的に対応してくるはずだ」

 

 ゲダモノは非常に単純な、構造的に言えばアメーバと大差ない生き物。それは世界中の科学者が同じ見解を示している。

 だが、単純故に最強。ただそれだけで、人類のあらゆる文明を圧倒しうる。

 

「連中の本質はただの“増殖”だ。私達が必死こいて対処し、封印したところで、連中からすれば痛くも痒くもないんだろうな。

 そもそも魔法少女を“脅威”だと判断する機能すら、備わっていないのかもしれないな」

 

 ダン、とイグニスが壁に拳をぶつけた。

 悔しさ、怒り、そして酷い徒労感。

 

 ゲダモノは『悪』ですらないのだ。悪意すら持ち得ない。ただの現象でしかない。

 

「そして、三つ目の仮説」

 

 エンバーマーは指を三本立てて見せた。

 

「ゲダモノは、現在の進化までの過程で、意図的に知性を排除した可能性だ」

「……それのどこが進化なの?」

「お前学校で何を習ったんだ? 進化ってのは、環境に合わせて要らない機能を切り捨てるってことなんだよ」

 

 例えば人間にはかつて尻尾が存在した痕跡が存在する。

 それは、進化の過程で尻尾と言う器官を排除したことである。

 

「知性があるから優れた生命体、ってのは人間の驕りだ。

 地球で最も繁栄している生物は虫だってのは有名な話だろ。

 実際、ゲダモノが虫に寄生してステージ2まで移行した怪人は、お前がこの間倒した男子生徒の怪人なんかよりずっと強い筈だ」

 

 イグニスは虫型怪人と戦い、命を落としたと言う魔法少女の話を思い出した。

 

「逆に植物を模したりする事例は見たことが無いな。実に面白い生態をしてるよ、ゲダモノは」

 

 悔しいが、実に筋の通った興味深い見解だった。

 性根は腐りきっているのに、知性と観察眼だけはひどく真っ当なのが、なんだか無性に腹立たしいイグニスだった。

 

『死化粧屋、イグニス』

 

 そんな時である。半透明の天使がモルグに浮かび上がる。

 

『緊急で汚れ仕事を頼みたい』

 

 彼は淡々と、二人にそう告げた。

 

 

 

 

 §§§

 

 

 ゲダモノを崇める終末思想のイカレた宗教団体が、あの一年と半年前から世界中に出現し始めたのは知っていた。

 

 あれほどの災厄を目にして、終末を連想するのはむしろ自然なことだと思う。

 事実、天使様はあれを放置すれば世界が滅びると語る。

 

 何を崇めるかなんて、好きにすればいい。それが日本人で、宗教の自由だ。

 私を巻き込んだりしなければ。

 

「この女は、終末を告げる使徒を邪魔した愚かなりし天使の傀儡の、その妹である!!」

 

 どこかの廃墟で、赤黒い装束を纏った小太りのおっさんが信者らしき人々に唾を飛ばしながら叫んでいた。

 

「終末を信じぬ愚か者に罰を!!」

「罰を、罰を!!」

「俺たちの安らぎを邪魔するものに死を!!」

 

 信者たちも血走った眼でそんなことを叫んでいた。

 もう殺すならさっさと殺せば良いのに。

 

 連中の熱狂と反対に、私がそんな風に拘束されたまま諦念に満ちて冷めた心境でいると。

 

『綾瀬 紬よ』

 

 私の目の前に、半透明の天使が浮かび上がる。

 その存在に、私以外に気づいた様子はない。

 

『本来ならこのような緊急事態で申し出るのは気が引けるが、この状況を脱するために緊急避難的にお前に魔法の力を授けようと思う。異議はあるだろうか? 心の中で念じるがよい』

『要らない!!』

 

 私は心の中で即答した。

 

『私が魔法の力を受け取って、ここを脱したところでなんになるの?

 姉のように魔法少女にならなかった妹から、魔法少女に成れるのに戦いの場に出ようとしない臆病で卑怯な女になるだけじゃない!!』

『……そうか。お前の意思を尊重しよう』

 

 天使様は無機質に目を伏せた。

 

『お前の姉は気高く生きて、気高く死んだ。

 だか、勘違いしてはならない』

『なにが!!』

『人間は劇的に生きて、劇的に死ぬと思い込む。

 しかし人間は生き方を選べないし、死に様はもっと選べない。

 お前ならば、死後ヒトの転生を担う我が主に会い、次はより良い人生を提示されるはずだ』

 

 天使様はまるで慰めるかのように、私にそう言った。

 

『君の来世が、ゲダモノや悪意に害されぬ人生になることを祈ろう』

 

 そう言って、天使様は私の眼の前から消え去った。

 これでいい。これでいいんだ。

 

「佐木よ」

 

 その時だった。熱狂するこのフロアの信者たちの声がぴたりと止まった。

 

「し、使徒様!!」

「使徒様だッ!!」

「ああ、早く来るべく終末を!!」

 

 信者たちが次々と叫ぶ。

 佐木と呼ばれた教祖らしきおっさんが、ここに新たに現れた人物に頭を下げた。

 

 強烈な違和感があった。

 何の変哲もない、何処にでもいる青年に見えた。

 

 だが違和感の正体に、すぐに気づいた。

 

 瞬きをしない。呼吸をしていない。生きた人間の筈なのに、よく出来た人形のようだった。

 

「君が、綾瀬 紬ですね?」

 

 青年が、私の名を呼ぶ。

 

「私は世間的にゲダモノ──通称“魔人”と呼ばれる存在です」

 

 彼は自らをそう称した。

 “魔人”。最近流行ったアニメの敵役を元ネタにしたとされる、ネットでの呼称。

 

 人間に寄生したゲダモノの症状がステージ3にまで進行した状態。

 正真正銘の、人間の知能と知性を模倣した、本物の怪物だ。

 

 ちょっと待って。聞いてない!!

 本当にゲダモノが御神体になってるイカレ宗教団体だったなんて!!

 

 身体が震える。恐怖に敗北する。

 イヤだ、ゲダモノに喰われて、分解されて、グロい肉塊になって死ぬなんて、そんなの人間の死に方じゃない!!

 

「怯えているんですね。可哀想に。手荒な真似をしたことを謝罪しましょう」

 

 青年は、魔人は私の拘束を一つずつ解いた。

 だが、その言葉は確かに人の言葉なのに、どこか人間味が欠けていた。

 

「皆さん。彼女を連れて来てくれてありがとうございます。

 では、こちらに。綾瀬 紬さん」

「いや、止めて、殺さないで……ッ」

「……? ああ。勘違いをしています。私に貴女への害意はありません。こちらに来てください」

 

 魔人は私の腕を掴み、有無を言わせず廃墟の階段を登る。

 その手は氷のように冷たく、脈を打っていなかった。

 

「嫌、嫌ぁ、家に帰してッ」

「それは出来ません」

 

 廃墟の最上階。そこは白いシーツがカーペットのように敷かれ、本棚や調度品が置かれた小奇麗な一室だった。

 

「どうぞ、お掛けになってください」

 

 魔人は、人間の皮を被った怪物は人間らしく椅子を引いてテーブルの前に腰かけるよう促す。

 私に選択肢は無かった。

 

「何かお飲みになりますか?」

「……」

「では、落ち着くまで待ちましょう」

 

 魔人は私の対面に座り、微動だにしなくなった。

 緊張で沈黙が続く。嫌でも脈拍が激しくなる。

 

 だが、それでも状況を俯瞰できる程度には落ち着くことが出来た。

 目の前の怪物は、本当に今すぐ自分を取って食うつもりはないようだった。

 

「……な、何が目的ですか?」

 

 私はたまらずに問うた。

 震える唇から、ようやくそれだけを絞り出した。

 

「それは、貴女がた人間と同じです」

「え?」

「生物の究極の、根源的な目的は子孫を残すこと。

 いくら我々とあなた達の常識が異なろうとも、生物である以上それは変らない真理なのでしょう」

 

 魔人は表情一つ動かさず、そう言葉を並べ立てた。

 

「……あなた達は、いったい何なの?」

 

 私は問わずにはいられなかった。

 

「それは哲学的な表現でしょうか? それとも我々の本質を問うているのですか?」

「違う!! ……あなた達の正体について聞いたの」

「我々の正体、ですか?」

 

 魔人は少し考えた素振りを見せてから立ち上がり、本棚から数冊の本を取って来た。

 日本神話、ギリシャ神話、北欧神話、ローマ神話……いずれも、神話の解説をした書籍だった。

 

「あなた達人間は、共通する神話の価値観が存在します。

 神が存在し、人間を作り出した。

 ──言うなれば、我々はそれと異なる神話体系の種族、ということになるでしょう」

 

 人間とは異なる神話の、異なる神の種族。彼は自らをそう称した。

 

「人間の科学者は、我々のような単純な生物が、なぜ次元に孔を開け、別の世界と行き来できるのか考察していました。

 私達の神話体系に、“火”という概念は存在しません。我々は人間が火を利用し活用していることが理解に苦しみます。

 なぜ人間はここまで複雑な、社会という構造を構築するのか。そこまで非効率を極めることを、美徳、称賛、誇る、理解できません。

 なので、お互いに“そういうもの”である、と認識するほかありません」

 

 魔人は、恐ろしいほど理知的で、人間を分析しようとしていた。

 私はこの段階で、ようやく一つの確信を得ていた。

 この化け物が私を攫ったのは、決して食べる為ではない。

 

「じゃあ、あなた達が私達を襲うのは、私達を食べて増殖する為ってこと?」

「その認識に大きな間違いはありません。

 我々にとって、人間が有するエネルギーは“食料”として効率的であると判断します」

 

 ゲダモノが、特異事象災害が起こるのは常に人口がある程度密集した地域ばかり。

 人里離れた山奥には滅多に起こらない。その理由はやはり明確だったんだ。

 

「……私を浚ったのも、食べる為ってこと?」

 

 予防線を確認するように、私は問うた。

 

「否定。違います」

 

 怪物は即答した。

 それは嘘ではないと、直感的に理解した。

 彼は人間の嘘などという概念は理解できないだろうから。

 

「なら、目的は何?」

「それは最初にお答えしたはずです。

 ──我々の目的は、子孫を残すことだと」

 

 その瞬間、私はその意味を全て理解した。

 

「我々の増殖方法は、極めて合理的で効率的です。

 ですが、そうですね、我々だけを殺す殺虫剤のようなものが開発された場合、一気に脆弱性が露呈することでしょう」

 

 口の中でカチカチと歯が鳴る。

 目の前の化け物が、何をしようとしているのか、あまりにも明白だった。

 

「故に、人間を使用し、生殖行動にて子孫を残す。

 その方法を模索するのは自然なことだと思いませんか?」

 

 ゲダモノは、進化する。環境に合わせて。

 そうだ、当たり前の発想だ。

 

 人間を家畜にして、人間を宿主にして増殖する。

 それはまさしく、寄生生物のやり方だ。

 

 目の前が真っ暗になる。

 ゲダモノの子孫を残す。私を使って。

 胃袋を裏返したような吐き気がこみ上げてくる。

 泣き叫びたいのに、恐怖で喉が完全にひしげていた。

 

「……なぜ怯えているのですか?

 これはあなた方にとっても、理に適った生存方法の筈です」

 

 化け物は本気でそう思っているようだった。

 

「かつて、地球には多くの生命が溢れていた。

 しかし、ある毒素が満ちるようになり、その多くが絶滅した。

 そう、貴女がた人間が当たり前のように呼吸で摂取する、酸素のことです」

 

 魔人は私をまっすぐ見つめ、絶えず話しかけてくる。

 

「あ、あんた達が、その酸素だって言いたいの!?」

「ええ。我々と共生しようという提案です」

 

 勝手なことを!! 私に化け物を産ませようとしているくせに!!

 

「あなたはこの世界の聖母となり、その子は救世主となるでしょう。

 我々と貴方がたの、異なる神話を統合する新しい神話を紡ぎましょう」

「クソくらえよ!! 誰があんたらみたいな化け物と!!

 あんた達の子供を産むくらいなら、ここで舌を噛んで死んだ方がマシよ!!」

 

 私がそう叫んだ瞬間だった。彼の右手が即座に私の口の中にねじ込まれた。

 

「それは困ります。私の妻は、貴女でなければなりません」

 

 そう言えば、この化け物はわざわざ私を選んだ理由を語っていなかった。

 人間の女なんて、この世にはいくらでもいる。人類の半分は女性なんだから。

 

 いや、そもそも、この化け物は、なぜ今までその“生殖行為”とやらを試していないの?

 

「なぜ、という表情をしていますね?」

 

 魔人は無造作に右手を切断した。

 それでも、まるで一つの生物のように力強く、引き離せない。

 そうして私が舌を噛んで自害できない状態にされた。

 

 化け物は再び立ち上がると、チェストの引き出しから何かを取り出した。

 そして、それをテーブルの上にぶちまけた。

 

 それは、大量の写真だった。

 私は別の意味で、背筋がひどく凍りついた。

 

 すべて、盗撮写真だった。そこに写っているのは、制服姿の、私服の、無防備な──私だった。

 

「この身体の持ち主は、紬さん。言わば、貴女のストーカーだったのです」

 

 魔人は、少し困ったように首を傾げ、そう言った。

 

「最初は単純にあなたの姉君のファンだったようですが、貴女の周辺に付きまとうようになり、そしてターゲットを貴女に変えた。

 ────ええ、一目惚れだったのです」

 

 私は、唖然と彼を見ているほかなかった。

 

「この身体の持ち主は、所謂ロリータコンプレックスと呼ばれる精神状態に陥っていました。貴女以外の女性に対しては、生殖機能が一切反応しなくなったのです」

「……ッ」

「それはこの身体の持ち主と同化した私も、その特性を引き継いでしまった、ということです」

 

 実に興味深いことです、と化け物は言った。

 

「私は、貴女に嫌われたくはない」

「……」

「貴女が私を受け入れてくれるならば、私は他の人間を害さないと約束しましょう。

 そしてあなた方が最も恐れる、ステージ4への進行を停滞します」

 

 おかしい、狂ってる。

 なんなのこれ。私にどうしろって言うの。

 

 私はよりにもよって、化け物に求愛をされていた。

 

「紬さん。私は知りたい。恋とは、愛とは何ですか?

 なぜ地球の生物は雌雄に分かれるという非効率な増殖方法を選んだのですか?

 なぜ人間は個に固執し、死を恐れるのですか? 死とはなんですか?」

 

 私はイヤイヤと首を横に振った。

 なんで私がこんな化け物を受け入れないと行けないのよ!!

 

「なぜ人間は、貴女は、私を魅了してやまないのですか?」

 

 知らない、知らないわよ、そんなの!!

 

「……困りました。私はどうすればいいのでしょうか?」

 

 死ね、今すぐ死んでよ!!

 

 

 

「その取引ってさ」

 

 その時だった。

 

「あんたが死ねば、関係無いわよね!!」

 

 凄まじい紫電が走った。

 閃光が調度品や本棚を薙ぎ倒し、密室だったフロアに強烈なオゾン臭が充満する。

 

 これは、この魔法は!!

 

「驚きました」

 

 魔人は、私の口から右腕を取り外し、断面から接着させた。

 肉が蠢き、一瞬で元通りに繋がる。

 

「生きていたのですね」

 

 奴は眉一つ動かさず、焦げ付いた肉体の表面を拭った。

 そして、自らに襲撃してきた相手に対面する。

 

 

「魔法少女、──メロースパーク」

 

 

 ……お姉ちゃん?

 

 

 

 

 

 

 

 





異界神話の使徒(ロリコン)
魔法少女モノはヴィランに魅力がないといけませんからね!!

ではまた、次回!!
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