台本読んでる人から見た人物紹介
実質監督作業の仲間達
・演劇部部長…レズではない。男が苦手だから女の子とつるむだけ。男と一発やれば価値観が反転タイプなので扱いには注意が必要。頼めば演技について教えてくれる。自発的に起こせる「演劇」の強化イベント要因。実は舞台に招けば役者の枠を10人まで即座に拡張出来たが、そこまで行くと絶対に失敗する。好感度含め色々と調整が必要。
・柳田・ニマン…謎の護衛家業の剣術家。現実では剣より銃を持ってる方が強い。信用出来る。
──如何に安く創り赤字を押し付けるかの「戦争」と違い、「護衛」は青天井に高く積み上げた装備と人材の世界である。「魔弾」「無線」「庭師」………「青柳」。人類の極点に数えられる一等星の六席目。若き当主。
・旧き支配者…表に出る予定なんてなかった裏設定に近い。行くとこに行けば会えるが、先ず行く理由がない連中。何故出てこれたのか分からない。表の三怪でなんとかなってくださいヨォ。それだとビブラの件は特に解決しないから向き合った。
・オラクル…どうでもいい[*ただのゲームシステム]だが、動機作りには使えた。コレが無いと世界が邪魔してくる。
・裏市やバイトの方々…なんかちょこちょこ関わったが、一般人には一生縁のない相手。悪い人達。これ以上踏み込むと抜け出せない事になってた。厄介。
家族ではある
・ヨメネ…産まれる前に死んで欲しかった。彼女が生きてると桜山や蛇が出てきて柳田の縁が深まり最終メンバーに柳田が追加されたり、ビリデスが単独で大樹を封じ込めたり、本人の不幸と反比例して周りには山本の都合の良い事が起きている。
・エーコ…山本家を第三者目線で見れる。中身は変な子供だが怠惰なので、口に出る頃にはただ子供の言葉になっている。死んでないならどうでもいい。毒にも薬にもならない。
生死問わず
・親…死んだら都合が悪いから死なないようにしてる。それだけ。
・PAGのAI達…いつ気分次第で殺しても特に問題なかった連中。産まれた意味を見出せない。取り敢えず生かす
・その他諸々…死ななければいいなって思います。
もっといい人を好きになれ
・平瀬・セッコ…セッコォォ〜〜〜おーよしよしよしよし。角砂糖三つやるぞーそれー。便利に使えた。文字を追う内にそんな気は失せた。勝手に幸せになれ。
・阿佐美・ミコ…キモい。近寄んな。でも強いから最後だけ力貸して。その後は知らん。別の人のとこに行け。
道具
・山本…人生代行役。指示通り動くように。
・バイアクヘー…最後の最後、居ないと山本が死にそうだからこういう形に作った。
・ビリデス…この姿と名前にすると現実に姿が反映された時に朝無駄に体力消耗して柳田関連のフラグが立つ。
・シンエン…戦闘枠。強ければなんでもいいので阿佐美が終盤に関わろうとする理由にした。他二人は要らない。ビブラに行くには使えないから。たぬき? いたねそんなの。
・フラッタ…神の声を創るのに必要。妖精が貴族となんかやってるのはそのまま放置。ビリデスが大樹について都市長と会って色々知る為の遠因になる。
未対策問題
・現実に漏れ出したAI…現実を夢と電脳空間で侵食しゲーム化してる謎の生命体。どうにか世間に気付かせる方法模索中。今は後回し。
・ビブラの後始末…先ずは救助優先。
・ニグラス…政府さんならなんとか出来るって信じてます。
・宇宙人…条件:2675/4/28/最も夢と電脳が混ざった地点。政府さんなら…政府さんならきっと…。
・異世界との衝突…目安2675/5/1/全体融合度80%。俺にはどうにもできません。世界がなんとかするって信じて俺は死にます。
「──以上、台本に記録されてる内容です」
「碌でもねーなあマジで!!」
──事の次第はどうしても山本関連の予想が外れて欲しかった阿佐美が、バイアクヘーに答え合わせしていいか尋ねた時のこと。
バイアクヘーは別に問題ないと返答し、そのついでとばかりに山本・イイノリは手を加えていた台本の読み上げをした所から始まる。
「むっ碌でもないとはなんですか。未来を見た人が舞台の片隅に書いたメモ帳ですよ。コピー品の私じゃなければ誰もそこに書いてるって気付かない品物なんですからね?」
「そこは良いんだよ。問題は未解決のトコだよなんだよ宇宙人と異世界って」
「宇宙人が来てその3日辺りに異世界と衝突するんでしょうね」
「碌でもねーなあマジで!!」
天井、ネタもさる事ながらベッドに大の字になってどうしようもねーと放り投げる様子も含めて2文字に纏まる状況。
さーてどうするかと思うも、どうしようもないので一旦話は横におく事にした。未来は知れても本物の予言をするなんて事は出来ないのが人間社会の常識である。阿佐美が言っても眉唾扱いなのだから考えなしに出来る事じゃなかった。
「今月の終わりが危篤なのは一旦置いておくとして、先ずは直近の問題からだ。現実に漏れ出したAIってなんだよ人間乗っ取りでもすんのか?」
「さぁ…? これは私も初めて見ましたし……私は山本・イイノリ役でも、台本を読んでる最中の記憶だけは何故か無いので。ただ、謎の生命体と扱われてる辺り新種の珍生物なんでしょうね」
「……不思議だな、僕にはそんな夢と電脳の合いの子みてーな珍生物の心当たりがある」
「奇遇だねー、私もですよ」
そして二人の頭には同じ
そう、間違いなくアホだが人の脳に入ったり操ったりしてみせた一人の珍種である。
アレの先達がいるとして、そいつらが何処ぞのアホのようにコメディ仕草をせずに淡々と現実を書き換えていった場合、相当不味そうなのはイヤでも想像が付く。
「……もう接触してる線はねーか? アイツなら既に会ってても言うなって言われたら言わねーだろ」
「ありそうですね。問題はそんな証拠をどう掴んで政府に突き出すかですけど」
「というかアイツが現実に生身で出れたらさ、それがもうその生き物の進歩まであるんだよ。アイツ無自覚に人類の利敵やってるまであるぜ?」
「……早急に相談が必要ですねこれ」
取り敢えず呼び出そう。二人の見解は一つになった。
[どうしたの急に呼び出しなんか]
そして案外すんなり出て来た。あいも変わらず呑気に画面の中を漂っていた。
「悪いな急に呼んでよ。ちょいと聞きたいんだがー……イイノリは今の自分と同じ種族に会った事があるか? 夢の世界と電脳空間、双方の性質が混ざり合った連中とか」
[ダンジョンでバッタリ会うたびに色々物々交換してる思念体のことなら"うん"。
電脳空間を散歩している時にあちこちで拡張工事してる電子生命体なら"うん"。
夢の世界に潜航してダンジョン内ワープしてると見かける原生生物なら"うん"。
宇宙からこっちに向かってる隕石の中に居るよく分からない変なのは"違う"ね。なんか言ってたけど俺には分からなかった。今の俺ってハーフだから守備範囲広いよー。それがどうしたの?]
「──どうする?」
阿佐美がバイアクヘーの方を見て奴を指差した。
礼儀も何もあったものではないが仕方ない。原因っぽい連中が想定を超えて4体も出て来たらそんな反応にならない方が珍しいことだった。ここは一度全ての情報を吐き出させる必要があるだろう。
バイアクヘーがスマホで音声の文字起こしを起動してから問いかける。
「1、「思念体」って?」
[夢の世界での精神体と電脳世界での電子的構造。その二つが合わさった俺と同じ存在だね。本人がそう名乗ってたよ。俺はアバターを使ってるけどあの人は音声データの塊って感じ。その人曰く俺も音声データの塊らしいんだけど……まあそこは神の声が素体になってるからかなー? 多分]
「1-1、「思念体の彼」とは?」
[ヘルメス、アテネの都市、螺旋階段の崩れる音……その他無数の無秩序な音声データの集合体。偶然産まれて、最近棲家がダンジョンに飲み込まれてたから彷徨ってるらしいよ。暇みたいだから見かけたら適当に一人芝居を見せてチップを貰ったりしてるね]
「バイアクヘー、次。コレは恐らくただの一般通行思念体だ」
「2、拡張工事をしている「電子生命体」とは?」
「バイアクヘー、そっちじゃない。問題は拡張工事の方だ」
[電脳空間に直接プラグインし、そのまま死んで中に取り残された人間や野生化したAIの総称だよ。一般用語だから覚えておいてね。因みに俗称では全部一緒くたに「電脳体」とか「ウイルス」とか色々言われてるね。まとめて人権のない連中だから好き勝手だよ]
「……失礼、間違えたみたいだね。改めて2-1、拡張工事とは?」
[一つのAIを頂点に置いた電子生命体達の組織「カートゥーンアップタイム」、自称「C.U.T」の仕業だね。この身体になって知ったんだけど、電子生命体って独自の社会を築いてるんだ。で、彼らはどうやってか現実と電脳空間を融合させる…爆弾? を作れるんだ。今はあちこちに埋めて一斉起爆準備をしてるみたい]
「裏社案件……これは公安ハッカーに依頼して調査させるか。僕が動かすだけ動かしてみよう。次」
「3、一応聞くけど「原生生物」とは」
[夢の世界で生きてる動物達。または夢の世界に囚われた人間の精神のなれ果て……と、俺は定義しているね。数も少ないし環境が不安定だから会うのは稀な存在だけど、どうもこの身体はそこら辺を安定させられるみたい。時折り戯れてはご飯の代わりに身体の一部を素材として貰ってるよ]
「この辺りを深掘りして探索でなにしてるかインタビューしてもいいが、ここら辺は平和そうだから次だ」
[4、隕石の中にいる生き物って?]
[存在としてはニグラスさんに近い。夢の世界のもの特有の波動……この身体になってから感じられるようになった物ね?──を感じるし、言葉にはイース星人の物に近い要素が見受けられた。特有の姿はなさそうけど……生態は寄生生物か何かじゃないかなぁ? すっごい小さいだけかも知れない]
「聞いてもあんまり情報は出なさそうだな……よし分かった。取り敢えず電脳空間で悪さしている連中からだ。情報ありがとな、イイノリ」
阿佐美がもう大丈夫だと会話を切り上げる。
文字にされた説明を新ためて見て考えを纏めれば、一先ずやるべきタスクが出来たからだ。
だがこれをイイノリに協力させるかは……今はやめといた方が良いだろう。
バイアクヘーから台本の話を聞いた限り、イイノリはもう絶対に問題を解決出来る万能手段ではない。であれば彼には自分のやりたいことをやって身体を取り戻す事に集中して貰った方がお互いの為だ。別に彼が世界を救わなければならない訳でもなし。主役を降りた者は楽しくこの世を謳歌して貰いたかった。
[そう? じゃあ俺もcutと仲良くなって何人居るかくらいは探っておくね]
「おいおい、別に協力する必要は」
[いいんだよお互い様で──それに、少しでも誰かが死なずに済む未来に繋がるならそれで俺は十分だ]
「そうじゃねー。勝手な行動をするなって──いねー…」
「聞きたいことを全部聞いたと判断したみたいですね。もしくは急用が出来たか」
「だからって別れの挨拶もしねーのか? アイツもそのくらいは分かる筈だが……」
しかし彼は一通り話せたかと判断したのか、一方的に関係も持つ事を宣言して立ち去っていた。
空気を読み普通であることに重きを置く彼にしてみれば珍しい行動。あらかじめそういう動きを台本で記入されていた時期なら兎も角、今もそんな事をするのは変に思える。
「今は連絡優先か。そこら辺はバイアクヘー、そっちに任せる。こっちは今から時間の余裕と無縁になるからな」
「はーい。特訓がてらやるだけやってみますね。杞憂だとは思いますけど」
「へえ、根拠は?」
「台本によって思考に刻まれた理由なき行動の変化、その習慣が……まぁ、今は無意味になった物が癖ついてるだけかなって。変な所で暴走してるだけ説だと私は思います」
「それならそれでヨシだ。いーか? こういうお節介は徒労前提でやるもんだ。警備と同じで、何もないならそれでヨシ。分かったらいつまでも寝っ転がってねーで働きな!」
なので阿佐美はcutの一斉捕縛の為にも各地の関係調整に取り掛かり、その間暇そうなバイアクヘーに頼むだけ頼んでおいた。
めんどくさそうにしていても演劇使えば一発だろうと、パパッと言いくるめられたバイアクヘーは彼の足取りを追う為にも適切な役を招待するのだった。
プル…pi。
「よ、防衛庁。ミコミコchに来たテロの密告報告だぜ。電子生命体のアホ共がやらかすそうだ」
「そうだなー能力と記憶だけの限定招待でー…cutの人がアイツと会話した記録の縁から──"カモン"」
[*演劇の相違…山本父の血筋から連なる「演劇」には個人差がある。それは脳に広がる舞台、主役の差配能力の相互影響によって決まる。以下はバイアクヘーの視点から其々の出来る事をまとめた物である。
「山本イイノリ→山本→ニグラス→バイアクヘー」
舞台:シネマ。空想と現実が交わる時代。19世紀、50秒の切り取られた過去に人々は興奮したという。
架空の役の創造◎、現実の人由来の物を細かく強制的に招待可能、退館は自由。役はあくまで精神に起因しており、物理的なものは不可。代わりに死者や人外も招待対象内。誰が演じようと主役差が少ない。主役が何人も頭に花を咲かせるのを許容すれば無制限に未来の書き換え、調整、確定が可能。
発展する。
「エーコ」
舞台:ドールハウス。絶対的な孤独の支配。人形は糸と針に逆らえず、ただ一人の所有物となる。
一つずつしか動かせないが、「演劇」で出来る事を幅広く行える。一時的に世界を錯覚させた「演者」の招来、他者の役者化、小道具の顕現、衣装の変更、地形の変更……確認出来たのはそこまで。疑惑の範囲だが、台本のように僅かながら未来を確定、もしくは誘導された感覚も味わった。
縛り付ける。
「ヨメネ」
舞台:写真館。繰り返し、或いは固定。演じ撮られた場面を象徴に変える。
事前に一通り演者を招待して演じ切り取った物を何度も均一に利用できると思われる。何をどこまで何個まで呼べるかは不明。
確認された場面は「一斉掃射」「建築物崩壊」「しびれ罠起動」「飛行」「機密部隊捜索中」。場面の貼り付け以外で小道具の顕現等をやらなかった辺り、演目は舞台内部で完結させなければならない可能性が高い。
記憶する。
「父」
舞台:サーカス。道化と恐怖、事故と衰退の箱。命を保証しないスリルだけが保証されている。
恐らく、父の演者は死者だけだ。条件は不明だが、生きてる限りあのサーカスには入れない。しかもサーカスは各地で開催するものだから、一方的にコチラの心の中へ道化師達を送り込めるみたいだ。
簡単に招待が出来ない代わりに取り込んだ演者は何処にも行かない。父は集めた演者を育て、芸を仕込んで披露する。しかしこれまで見た限りでは彼は殺しの芸しか仕込んでなさそうだね。
何度か殺されそうになったのを引っ込められて助かった場面があったので、常に全力で芸を披露させていたのだろう。1番見つかりたくない相手。
狂わせる。]
「…──山本か」
「暫くぶりだね、父さん」
「ああ父さんだよ。だが、お前がそう言う資格はないよな? お前は息子が丹精込めて作った物だが、俺に作られた訳じゃない」
「じゃあなんて呼ぶ? 俺もあなたも山本じゃややこしいと思うけど」
「"団長"。サーカス"団"だからな。お前の格ならそう呼ぶのが適切だろう」
──東京の片隅、とある裏路地で二人の男性が相対していた。
片方は50代の白髪の目立つ男性で。片方は女顔の……身体の半分を機械部品で代用したサイボーグ。
そう、山本の父と身体の用意が出来た山本である。ついさっき
そしたら出会い頭のコレである。家族として話すのはムリそうだと、山本は口調を他人の大人に対する物にする事にした。
「なんのようだ、"ブリキの王子"。お前は用済みらしくゴミ山で大人しくしてくれたらそれで良かったんだが」
ブリキの王子──言葉。規定。役の割り振り。自分の上に何かが被さる感覚。
演目は知らないが、彼は父の舞台の演者として囚われたのを自覚した。役を演じる時と同じ感覚^_^だったから。
「報告ですね。生身は半分ですが、最近こうして身体を取り戻したので。"治したら会いに来て良い"と約束したので、それを果たした報告ですね」
「おーそうかそうか。律儀だなーお前は……所で、息子の身体を奪った奴の所在は知ってるか?」
さて、会った目的は果たしたが何やら物騒だ。コレでも数年間家族関係を築いていたのだが……そんな縁は既に切れてしまったらしい。
出なければ、彼でも気付ける程の無数の殺意が彼に降りかかる筈がない。
……血の臭いが裏路地に漂う。
「知ってますよ。ですが教えるなと言われてるので黙秘ですね」
「ほー…ほうほうほう。所でなんだが、交渉に応じる気はあるかい? 今なら全ての質問に答えるが」
バチリと地面から、地中配電網から電流が走った。
……どうやら、既にここはサーカスが「舞台」を開くのを今か今かと待ち侘びているらしい。
しかし会話を止める理由もない。手を出されない限り元父を敵と定める必要はないだろう。それが空気の読めた行いなのだから。
それはそれとして疑いは止めないが。人外の身体で下手な約束は出来ないのだ。
「その質問の対価はなんですか? コレから友人になりたい方が居るので、自由を阻害されそうなのは断りますが」
「じゃあ残念だったな。これからお前が娘達に会う前に殺して、俺の団員にするんだからよ」
「会わないと約束すれば殺す必要はないのでは?」
彼は考える。
なるほどこれはスカウトだ。そして団員にするには殺さないといけないらしい。
それは……自由が阻害されるね? では交渉は乗れないな。
「口約束を誰が信用するんだ? だがそうだなあ…抵抗しないならコレからはブリキの王子として最前線には出さないでやる。お前は息子が頑張って作ったものだから特別対応だ」
「何故会わせたくないので?」
「求める役の相違だな。アイツらにとってはお前が本物の"兄"だ。だが俺は親だから"息子"が欲しい。
だが身体は一つだ。主役は一人一役なのが
競争なのだと団長は言う。先に身体を確保した方が被せる役を定められる。
しかしその前に"兄"役が演じられない状況になってしまえばどっちが捕まえようが関係ない。
団長は今でこそ有給を使って追いかけているが、その内仕事に戻る必要がある。仕事に戻る前にその辺りをなんとかする必要があった。
「だが……お前はブリキだが仮にも六年間一緒に過ごした役だ。情がない訳じゃない。だから席を用意したんだ。俺の次にサーカスで偉い王子の立場。
どうだ? もう大分答えたぞ。そろそろ返事を返してくれよ」
団長が答えを急かすが、彼の答えは決まっていた。
「よし、この電波に乗るか」
断る時、身体を置いて黙って立ち去ってもいいということも。
「はぁー……全員追いかけろ。仕事の時と同じだ。
"電子の世界に乗り出し、殺せ"」
その行動に対して団長の答えも決まっていた。
彼が逃げ出した電子の世界は普段団長が仕事で見回っている領域。サーカスの本領を発揮出来る場所だったから。
程なくして団長はこの判断を後悔する事になる。
何故なら山本が逃げ出した先は──ビブラダンジョンの奥底。
命令に従い追走し、そして帰還した団員は──0名。
ピエロも、ゾウも、ライオンも……その全てが生死不明かつ行方不明。
山本家に、大黒柱の解雇という終わりが迫り始めていた。
山本(夢の世界の対策がないと死ぬのに……電脳空間と同じだと思ってたのかね? まぁ浅い場所はほぼ同じだから仕方ないのかね)
画面外で死んだ山本・イイノリと全然出てこなかった両親ですが、利用したければ使える余地はありました。既に「三十死説」で死んだ山本・イイノリは役として舞台に招けば完璧な身代わりに、親はリアルでの戦力として使えます。父とかは演劇の非人道的な使い方とか教えてくれます。
ただしそれをやると山本・イイノリは腹いせに「演劇」の主役を奪って自分諸共死にますし、親が死んだりして社会的に山本家が終わります。